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■『蛇男、爆発犬餌を飲み込む』/13

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■ scene 13
〜庵〜

アンネ:ふぃー。それにしてもびしょ濡れや。服脱いで水絞っとく。あ、ところで、岸辺の小屋って、どんな感じ?
GM:日本風に言うと、庵みたいな、ごく簡素な小屋ですな。
アンネ:って、何階建て?
GM:うーん、どぉゆーたらええんかなー。
狩野:平屋。
GM:うんそれ。
アンネ:って、どれくらいの広さ?
GM:んー、ってゆわれてもなぁー。
狩野:10m×10m。
GM:そう。サブマスターの言う通りや。満たされたか?
アンネ:満たされた。GO。とりあえず家ん中入って、火、おこそう。
GM:家の中は既に火が焚かれている。おまけにそこは金銀財宝でザックザクです。
一同:……?
アンネ:……、こ、これで、事務所の経営が少しは楽になるかも(笑)?
GM:その部屋には、そんな金目のもの以外にも、けったいな代物が色々散らばっている。トカゲのホルマリン漬けとか、赤ちゃんが逆さまに丸まってるのとか、奇形骸骨標本とか、見慣れない計器の数々とか。で、その部屋の一番奥まった場所には、蛇の頭で、あとは人の格好をしたお方が椅子に座ってこちらを見ている。
サムラン:ふーん。
GM:……シューシュー舌鳴らしてる。
アンネ:フーアーユー? ボーヘアコメンジー?
GM:……シューシューシュー。
茶汲:うん。
アンネ:あかんわ。人語を解さぬケダモノめ。
狩野:蛇人間?
アンネ:らしい。ヘビ語なんかなかったしなぁ。
茶汲:こういう時はピッコロに頼みましょう。
アンネ:ピッコロ喰われるぞ(笑)。
茶汲:ピッコロを言いくるめます。(ガシャン)……おしい、失敗。
GM:茶汲が押し出したネズミを、ギャッと蛇人間が鷲掴みする。腕とかビョーンと延びて。
茶汲:あっ、ピッコロ(笑)!
アンネ:口とかカッパァーって開いて(笑)。
茶汲:『喰ってる!』(笑)。
アンネ:ゆうてる場合か(笑)。自分の愛鼠が襲われてるっちゅーのに。
茶汲:じゃあ愛鼠を助けに行きます。『やめてよっ!』
GM:あー、蛇人間って、やっぱ蛇舌やとしゃべられへんのかなー……もう寒いし、まぁ、ええわ。近づいてきた茶汲達に向かって蛇人間はおもむろに筆談(笑)。英語を書いた回覧板を見せる。
「私達は過去に酷い虐待を受けてきた」
アンネ:「あなたは地上の村のプニョンペン一家ですね?」
GM:「そう。私はただ、村の外れでひっそりとマウスの実験などをしていた平凡真面目な蛇人間だった」
アンネ:「どういうこと?」
GM:「生贄にされたのだよ。あの魔女狩りの際、村の判事や通りすがりの伝道師と名乗る男達によってな。奴らは己の栄誉の為に、私や仲間達がどれだけ酷い目に遭ってきたことか……」……で、雷が落ちたことによって墓場から目覚めた彼は、判事達の末裔に復讐することにしたそうな。「そこにいる娘も、奴らの子孫のようだな」
アンネ:「もう彼女達に酷いことするのは止めて!」
GM:「いいや、こうしてくれる!」と、手にしていたピッコロをギュッと一握り(笑)。
茶汲:うわぁーっ!やめてよーっ(笑)!
GM:蛇人間が一声、シュシュシューっと唸ると、アンネローゼにかばわれていたローザが突然、胸を押さえて蹲る。心臓バクバクの呪いがきき始めたらしい。
サムラン:「やめて下さい! この娘には何の罪もないでしょう!」
GM:「ワタシエイゴワカリマセーン」
アンネ:ドイツ語で筆談。「悪いのはあの子じゃなくて、先祖でしょう!」
GM:「ワタシドイチュゴモワカリマセーン」
アンネ:なんでやねん。
GM:「コノネズミオイシソウデース」
サムラン:「もうやめて下さい!」
アンネ:「お願いします!」
GM:でも、ぐったりしたピッコロ、半分くらい蛇人間の口の中に入ってるよ。
アンネ:ネズミはもうどうでもええねん(笑)。まず心臓第一や。
茶汲:わーっ!
サムラン:「だいたい、あなたが口に入れているそのネズミにも何の罪もないはずだっ!」
茶汲:「そうだそうだっ!」(笑)。
アンネ:言いくるめれた?
GM:いや。茶汲の最初の<言いくるめ>は失敗してたやん。
茶汲:『だって仕方なかったんだ……』
GM:ハードボイルド探偵狩野一平さんはどうするん?
狩野:こんな時の為にとっておいた、前回のセッションで貰ったダイナマイトを投げつける。

   (一同爆笑)

サムラン:やめんかバカモンッ!
狩野:「ハァッ!」
サムラン:『ハァッ!』じゃねーよ(笑)。(編注:珍遺跡破壊漫画『スプリガン』二巻参照) この密閉した空間でそういう物を使うとどうなるか……
狩野:火ぃつけて、ポイッ。
アンネ:やばいわ、この人。
GM:火花飛び散るダイナマイトを手に持った蛇人間は不思議そうに見てる。
アンネ:……! 「それは食べ物です」
狩野:「最新のドッグフードです。是非食べて下さい」
GM:蛇人間、興味津々。
狩野:「ペット用の食事です。栄養バランス満点」
GM:喰う気になったらしい。それまで口に入れていたピッコロをまず丸飲みする。
アンネ:助けようとはしない(笑)!
茶汲:したい(笑)!
GM:蛇ののどが膨れてネズミの体が胃袋へ落ちてゆくのが見える。ローザさんはそれどころではないらしく、胸を押さえて苦しい息で蹲っている。
アンネ:ローザさん抱えてその部屋から飛び出す。
GM:狩野探偵は?
狩野:逃げる。
GM:サムランは?
サムラン:うーん……一応誠意を尽くして説得はしてみるけど。
アンネ:もうしてん。あかんかってん。
GM:蛇人間は、ネズミの次に、ダイナマイトも飲み込んだ。
サムラン:仕方ない。チャムを連れて逃げ出す。
GM:茶汲さんは? 連れてかれるん?
茶汲:うーん。「さよなら。ピッコロ……」(笑)。
GM:『ウギャーッ! 俺を置いてく気かーっ!』なんて、蛇人間の腹の中のネズミの怨嗟の叫びが聞こえた気がする。
茶汲:うわ、なんで聞こえんの?
アンネ:断末魔ってやつや。だんだん胃液で溶けてる最中やし(笑)。まぁ、かわりのネズミくらいなんとでもなるって。
GM:『コノヤローッ! 今俺を助けねーと、一生後悔するぜーっ!!』
茶汲:うーん……
サムラン:仕方ない。助けよか?
アンネ:蛇人間の口カッパァーっ開けて手ぇ突っ込むん(笑)?
サムラン:応。引き返す。
GM:<ひっぱり>ロール。
アンネ:そんなんない。<マーシャルアーツ>や。
GM:ダイナマイトが邪魔して難しいので、二回連続成功でってことで。
サムラン:(ガシャン)……06、一回成功。(ガシャン)……92、二回目失敗。
GM:暴れるネズミが食道につっかえる。更に口に手ぇ突っ込まれて驚いた蛇人間が、サムランの上腕に噛みつく。(ガシャン)……5発ダメージ。
サムラン:痛っ。
GM:爆発寸前のその小屋であと動けんのは茶汲だけやけど、どないする?
茶汲:サムランさんを引っ張る。
アンネ:先に蛇人間の口開けって。
茶汲:そっか。
GM:<口開き>ロール?
アンネ:そんなんない。<力>ロールってことで、STR(ストレングス=筋力)かな?
GM:技能でない基本能力を判定に使うってことで、STR×5%以下で成功です。
茶汲:60以下で、(ガシャン)……あ、63、失敗です。
サムラン:仕方ない、こっちでもこじ開け試してみる。
狩野:うぁー、夜明けてきたなー。(編注:日本一長い吊り橋の真ん中なので、それなりに絶景です)……あ、また人来たで。
アンネ:ほんまや。すみませーん。

(一同通行人に道を譲る)

GM:寒ぅぅぅぅっ!
サムラン:STR×5%、80で、(ガシャン)……78。
GM:成功か。結局セルフサービスで引き抜いた出稼ぎタイ人。後ろで君を引っ張っていた茶汲もろとも放物線を描いて吹き飛ぶ。まんが日本昔話で爺婆がでかい大根引き抜いたような光景を各自想像して。で、タイ人の手には半ばドロドロに溶けかかってグッタリしているネズミがぶら下がっている。
アンネ:胃液の臭いプーンとさせてんねんな。
GM:一緒に出てきたダイナマイトも転がってる。
アンネ:一体何本くらいあったん。
狩野:三本。
サムラン:とにかく逃げる。
GM:えー、茶汲とサムランが庵を飛び出すや、小屋は派手に吹き飛ぶ。その振動によって、地底湖の天井を支えていた石柱にもひびが入り、崩れ始めていく。
狩野:ヤバイな。
アンネ:ろろろ、ローザさんは大丈夫?(テ注:寒さで震えてろれつが回ってません)
GM:ん。心臓の痛みも収まったらしい。全員<目星>ロール。
茶汲:(ガシャン)……20、成功。
アンネ・サムラン:成功。
GM:崩れた石柱の中の一つに、梯子があるのを発見。地上行きや。
サムラン:ダッシュ。
一同:応。
GM:<幸運>ロール。
狩野:<目星>失敗した人もやっていいのかな?
GM:ええよ。
一同:(ガシャン)。
GM:失敗した人。
サムラン・アンネ:はい。
GM:走ってる最中に、岩石に当たる。サムラン、3発。アンネ、1発。
サムラン:ぐおっ!満身創痍や。
アンネ:それでも梯子登ってくで。
狩野:ダッダッダッダッ。(テ注:梯子登りSE)
GM:ハードボイルド探偵狩野一平は、眼鏡が土ぼこりだらけでよく見えない。
サムラン:うわっ、懐中電灯もドロだらけや。
GM:(そんなん持ってたっけ?)……で、君達が命からがら地上に這い上がると、蛇屋敷は音を立てて崩壊してゆく。
狩野:地響きを上げて地底に沈んでいくんやな。
サムラン:辺りを巻き込んで瓦解していくと。はぁーはぁーはぁー。(テ注:寒さでハーハーゆーてます。ちなみにこれ以降のいわゆるエンディング、全員とっとと撤収しようと震えながら物凄い早口になってます)
アンネ:クライマックスのカタストロフィーやね。
サムラン:はぁーはぁーはぁー。(テ注:以下、他人のセリフに重なって、この男の寒さに喘ぐ呼気が入りまくってます)
GM:ついでに爆発もしとくか。で、朝日ピカーン。
狩野:その光の中で、ハードボイルド探偵と愉快な仲間達が立ってるねんな。
茶汲:じゃ、村へ帰りますか。
GM:さて、そんな感じで、へとへとになって村へたどり着いた一行。
アンネ:あ、そういや、患者さん達は?
一同:え?
アンネ:地底に落ちてった?

   (一同爆笑)

サムラン:もぉ、助かりはしないんダッ! とか、アンネを説き伏せよう(笑)。
アンネ:一応、生き残りの患者さん達がおるか、探してみたいんやけど。
GM:じゃあ<幸運>ロール×1/2で。他の人もやってみていいよ。
茶汲:あー、失敗。
GM:二回成功した人。
狩野・アンネ・サムラン:はい。
GM:三人見つかりました。瓦礫の中で、全身スッ裸で白粉塗って、ぴくぴく踊ってた人達。
アンネ:シェルバートさんとこ連れていこう。はよ報酬よこせ(笑)。
GM:村で君らの帰りを待っていた。医者やアンネの爺さん達が喜ぶ。「おおーっ、茶汲さん、無事でなによりじゃ」
茶汲:あー、ありがとうございます。
GM:「こんな危ないことはもうやめにして、儂の妾にならんかね」
茶汲:あー。
アンネ:茶汲、こんな色ボケ爺さん、ほっときなさい。
サムラン:神りゅー拳レベル3!グリグリグリーッ!
アンネ:ピカーン!
GM:爺、星になったらしい。事件の真相を聞いたシェルバートは君達に感謝してる。
「呪いなど、にわかには信じられないが、これでもう奇病に犯される人達がいなくなるというのなら、とても良いことだと思う。君達は本当に素晴らしい活躍をしてくれた」
アンネ:「銅像立てといてね」
GM:「まぁ、何人かの犠牲者が出てしまったことは心残りだが……」(笑)。
サムラン:「なぁに。大事の前の小事というやつですよ」
GM:「それはまた大変な事件が起きる、ということかね?」
狩野:「じゃ、そういうことで。さよならーっ」
GM:茶汲さんは? 爺の妾になって優雅な囲われライフ?
茶汲:いえ、私には『茶汲みコピーOL』という仕事がありますので(笑)。
アンネ:お爺さんまた見舞いに来るからねーっ、さいならーバイバーイピュウ!(笑)。
一同:ピュウ!(テ注:ずらかったSE)



サムラン(山田兄):はぁーはぁーはぁー、ううーっ。
GM(岡本):うーっ! 寒い寒い寒い!湿っけてない?湿っけてない?湿っけてない?(テ注:キャラシートのことです)
狩野(大塚):ふにゃふにゃや(笑)。
アンネ(川崎):はいはいはい、サイコロ片し。
茶汲(熊野):はーい。寒いよーっ。
岡本:身体こわばってるって。
山田兄:はぁーはぁーはぁー、ううーっ。
川崎:消すで?
山田兄:はぁーはぁーはぁー、テープ止めよか?
岡本:んーっ。
熊野:あ、今何時何時?
川崎:5時5時。5時……32分。これにてセッション終了します。
一同:ういっ。


 
 
 

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■『蛇男、爆発犬餌を飲み込む』/13

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