▼replay_Far Roads to Lord

■『忘れられた黒い魔女』/08

←return   →next























































































































■ sleep 08
〜山頂〜

GM:さよか。では皆が揃って階段を登り山の頂上へたどり着いた。そこはカルデラ湖のようになってる。
フドウ:水がたくさんあるではないか。
GM:フドウが近づいていって、その水を舐めてみると、海水やね。全員霊感RR20以上で振ってみて。
アイン:25、成功。
シュウ:27、成功。
フドウ:28、成功。
リン:28、成功。
GM:全員で集団トリップに入る。君らは突然天を仰ぎ白目を剥く。半開きの口もとからは唾液がだらしなく糸を引く。
フドウ:い、嫌やなぁ(笑)。
GM:瞼の裏では一面真っ青な世界が広がる。地面の感覚もなくなり、上下左右に無限の広がりを感じ恍惚となる。上方には白い円が漂っていて、そこに赤い鎖が巻きつけられている。と、下方、君らの足下の遥か彼方から、一筋の稲妻が疾り、その天の円の中へ吸い込まれていく。さて、君達が我に返ると、そのカルデラ湖の中から、低く重い地響きのような振動を感じる、なにやら大きな生き物がいるみたい。湖面がさざ波だっている。
フドウ:主じゃ、主が暴れておるんじゃ。
GM:そういえば、蜥蜴人の集落の君達が登ってきた階段の傍らには、巨大な水門らしき建造物がありましたな。
フドウ:ふむ、この湖から水を引いていたのかな、しかしこれは海水じゃぞ。
GM:で、どうする?
シュウ:鍬、見てこい。ポチャッ!(投げ込みSE)
クワッキン:……。
GM:ノーリアクション。水底へ音もなく消えていった。
シュウ:いい奴だったな。
フドウ:では、儂が入水するかな。
アイン:あ、私も入る。
GM:では二人が湖に飛び込む。水深5、60m(シュウ:それかなり深いぞ)潜ったところで、二人はなにやら白くとても大きな魚のような生き物が、湖の中の切り立った壁に体当たりしているようすが、ぼんやりと見えてくる。
フドウ:なんじゃ、これは?
GM:近づいたアザラシはそいつと、目があってしまう。どこか知性を感じさせるけど、悲しげな目やね。
アイン:どうやら外へ出たがっているみたいやね。
フドウ:とりあえず……儂も悲しくなって鍬を拾いに行く。
GM:暗い水底で転がっているのを発見。で、フドウがそれを手にした時、再び頭に衝撃と共になにやら黒いイメージがよぎる。この水底には邪悪な存在が封じられているらしい。
フドウ:ほぉ、その奇怪なイメージを隣のアインに伝える。
GM:どうやって。
フドウ:四角い手話で。カクカクカク。(と、謎の手振り)
GM:交渉RR20以上。能力はどれ使う?
フドウ:一番低いけど、たまには愛嬌で。(ガシャン)……12。全く失敗。
GM:謎の手話と共に、口もとに慣れない笑みを浮かべていたアザラシは突然、ゴポッ!、と口から水泡を吐き出してしまう。仰向け状態で鍬を抱きしめたまま、真っ青な顔で湖面へ浮上してゆく。結局アインは、奴が何を言いたかったのか、わからずじまいとなった。で、アインはどうするん。君も水底で黒い力のイメージが蹲っているのを感じる。頭上では白く大きな魚……まぁ鯨なんやけど……が漂っている。……あ、また来た来た。

(はぁはぁと荒い息の犬を連れた散歩老人集団、我々の傍らを通り過ぎて行く……)

アイン:その白い鯨からは、邪悪な気配は、感じられへんわけ?
GM:ああ。主と思しいそいつからは、悲しげな雰囲気だけ。その白鯨の傍らを小さなアザラシの影が浮上して行ったわ。
フドウ:最初は首を絞めて慌ててたんやけど、やがて脱力したようにだらしなく漂い、ついにプカッ、と湖面に腹を見せて浮かび上がる(笑)。
アイン:とりあえず、その鯨とコミニケーションとられへんのかな? 社交技能があるけど。
GM:どーやって水の中で社交するのかな。別に技能使わんでもええけど。
アイン:うーん、じゃあまず、<神秘学>で水底の黒い邪悪なイメージを推測してみたい。
GM:感覚25以上。
アイン:(ガシャン)……全部足して37。
GM:うーん、そやね。アインはふと、ここに来るまでに見かけたある石碑の文句が頭に蘇る。君は結局食料がつきて、洞窟の中の水の干上がった川跡に掛けられた橋の上で倒れていたわけやけど、そこへ来るまで、つまり洞窟の中である石像の台座に刻まれていた碑文を読んでたわけ。
フドウ:あぁ、あったな。(実は彼らが洞窟の入口で見た石碑とは異なる物)
GM:そこには古い言葉でこんなことが書かれていた。
『人々に災いせし、黒き森の魔女の力を、アウル=アエンダの力を持ちてここに封ずる。何人たりとも、<ムクール>の眠りを妨げることなかれ。 大暦1869年』
アイン:アウ?
GM:アウルアエンダ。まぁ、水の妖精の親戚や。君は腐った農夫を生き返らす旅をしていたリン達と分かれ、個人的にそういった同族にまつわる起源を調べたいと思って旅をしていたんとちゃう。
アイン:じゃあ、頭上の白鯨に訊いてみよう。「アウルアエンダとは、あなたのことですか?」
GM:君の頭の中に、大海のイメージがよぎる。やっぱり同族になるんかな。肯定の意。
アイン:「するとあなたが、この黒い物を封じていたんですね」
GM:それまで、つまり白鯨が水底で海を夢見て眠っていた頃は、どうやらそうやったらしい。でも今は、目が覚めて暴れている。よく見ると白鯨の顔の片側には長い髭が一本漂っているんやけど、もう反対側にはそれがない。引き抜かれたみたい。
アイン:それが眠りを覚ました原因かな。どうしよう?
フドウ:髭の生える魔法。

   (一同笑)

アイン:医療の技能とか、ないのかな。
フドウ:髭の生える医療?
GM:髭はほっといても生えてくるやろ。
リン:……ぅぎゅゃあああ!!

(暇になるや、眠りに落ちたタカノリに、同じく暇を持て余した隣のサチヲが襲いかかった。見馴れた朝の風景)

アイン:その引き抜かれた痛みみたいなものを和らげる呪文とかはないかな。
GM:つまり再び眠りにつかせる呪文、が手っ取り早いと思う。(もぉ眠たくて最善策をを言ってしまう) 他に方法ある? まぁ君も途中から入ってきたから、陸のみんなに事情を話に行く、っていう手もあるけど。
アイン:うん。じゃあ湖面へ戻ろう。
GM:君が水から顔を出すと、水際では、波に揺られて白い腹を見せたフドウが漂っていて、その側でシュウが哀愁漂うウクレレを奏でていて、その隣で笑顔のリンが血まみれで倒れて微動だにしていない。クワッキンにいたっては、汀の柔らかな土に突き刺さったまま無反応。チョウチンアンコウの光も消滅している。
アイン:むぅ、ひとまずリンの手当を。<医学>技能あるけど。
GM:骰子はもぉ振らんでもええよ。リンの首から出た血は、殆ど出つくした感じやし。包帯をきつくしめると、グェッという屠殺される鶏のような声を出して呻く。
リン:……ぅぎゃぁあ、やめぇろぉぉ!(サチヲの強姦継続中)
GM:あと、そのリンとフドウとクワッキンの三人とも妙に影が薄い。
アイン:一体あなた達に何があったんですか?

 一人正気のフドウが、汀に体を横たえたまま、彼らの受けた呪いについて語り始める。

シュウ:♪あぁーるぅー晴れたぁーひぃーるぅー下がりぃー、いぃーちぃーばぁーへつづぅーく道ぃー。(突然眠そうに歌い出す丘小人サチヲ)
フドウ:といったわけで、儂らの体力は日に日に衰えるばかり、もういつまで生きられることやら。
アイン:成程。それで、リンさんに至ってはピクリとも動かなくなったのですね。
フドウ:うむ。こ奴の場合、呪いがなくともいずれこうなっておったであろうがな。(と地面に昏倒しているリン=タカノリを見下ろす二人)
GM:で、その頃シュウ=マッハは、大奥から約束の定時連絡を忘れた咎で怒りの電波説教されて、叢の中で蚊に刺されてたので、黒い館の魔女の呪いは免れていたというわけ。
シュウ:♪にぃーばぁーしゃあがぁーごぉーとぉーごぉーとぉー、こぉーうぅーしぃーをぉーつれぇーてゆくぅー。
リン:んゃ、やめてぇ!(タカノリ、寝ながら悲鳴。理由は御想像の通り)
GM:今、まともに動けるのはアインと、あとよろよろのフドウだけなんで、ちゃっちゃとこの事件解決したってや。湖からは鯨が悲しそうなイメージを送り続けてるよ。
シュウ:♪どなどなどぉーなぁーどぉーなぁー。
リン:んぎゃー、やめろぉぉぉおっ!!(ゲーム本編とは全く関係のない悲鳴です)
フドウ:うむ、ではその鯨をなんとか海へ帰してやれれば、いいんじゃがのぅ。
アイン:でも、あの湖の主、水底にあるなにか邪悪なものを封じているみたいですよ。
フドウ:ふむ。するとその主は、災いをもたらす邪悪なものを封じてくれておったのか、ありがたいことじゃ。で、ほんま、どうする?
アイン:どおしよう?
シュウ:魔法だっ!
フドウ:アンコックなジャアークに対するには、儂等の……
GM:イメージ。
フドウ:<四角>ぢゃ! 儂の四角で再びその邪悪を封じてみせよう。
GM:魔力源は? なんか色ついたカード持ってる?
シュウ:俺、<全ての混じり合う色>、持ってるぞ。
フドウ:では丘小人のそれを借りよう。黒を封じる為の『全ての混じり合う色』。つまりさらなる黒の力でとりゃーつ! バリバリバリィ!(魔法使用SE)
GM:感情どれ消費したん? 1D10減らしてや。
フドウ:『やるせなさ』9消費。
GM:フドウのやるせない封印魔法で、山を揺るがしていた振動がピタリと止んだ。頂上まで登ってきた蜥蜴人達が驚きのあまり、アザラシ達に道を開ける。さて、集落まで君らか下りてくると、蜥蜴村長が畏まって君に水門の鍵を差し出す。彼らは暴れだした山の主を畏れ、塩水を真水に変えて麓へ流す魔法の水門を閉ざしてしまったらしい。
フドウ:うむ。では水門を開こう。
GM:山頂へ続く階段の隣にあった門を開くや、大量の水が噴き出し君らを一挙に飲み込む。濁流に押し流されながら山を滑り落ちた君らは、森を抜け、村の魚捕り用の仕掛け網に引っかかる。人間の村長が驚いて言う。「よく、あの山から帰られましたなぁ。しかも水まで元通りにして」
フドウ:「実に色々困難な旅でしたが、なんとかやってきました」
GM:「おお、あなたの消えかけていた影も、元に戻っているではありませんか」
フドウ:「ややっ!?、これは素晴らしい」
シュウ:「全て私のウクレレのおかげだ。心して聴けぃ!」 ♪パンボーンベロレロレロレロリィーン!(演奏SE)
GM:アインは?
アイン:「ところでここはどこなんですか?」
フドウ:「村じゃ。儂らはここで厄介になっておったんじゃ」
GM:リンとクワッキンは、川から上げられた後、ずぶ濡れのままピクリとも動かない。まぁ、それもしばらくの後には、回復し、君達は村人からやたらもてなされ、二三日の飲めや歌えの宴会が開かれる。そして、その次の日、君達は再び古き都の魔術で蘇生させるはずだった仲間の腐った農夫、バットを捜す旅に出かけるのであった。
フドウ、シュウ、アイン:ヴィッ!!!(元気良くお返事)
GM:……全然あかんやん。コレ。


 音楽家の村人を唆し、守護者のトカゲ族の末裔を使って山の主の髭(バイヲリンの弦)を抜かせることによって封印を弱め、自らの黒い力を取り戻そうとしていた黒い森の館の魔女との最終決戦は……自動的に割愛された。


 
 
 

▼replay_Far Roads to Lord

■『忘れられた黒い魔女』/08

←return   →next