▼replay_Far Roads to Lord

■『シアン、夜に踊る』/09

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■ scene 09
〜シリアスな展開もマヌケに見せる人達によって救われた町〜

GM:ではジジイと睨み合ってるオウサマから薬を引ったくったミシュリ。ヨザックの方へ駆け寄り、押さえ込まれているシアンに薬を無理矢理飲ます、と。シアンは突然苦しみ出す。しばらくすると、彼女の周りから、黒い霧が大量に滲み出してくる。トドメを刺すなら今どうぞ。
リーン:その黒い霧に?
GM:でもいいし、ヨザックが馬乗りになってるシアンにでもいいし(笑)。
ヨザック:「誰か、シアンを助けてやってくれ」(笑)。
GM:何を今更(笑)。
リーン:その黒い霧って切れるの?
GM:切れるかどうかは怪しいけど、ブーメランに誓いを立ててやっつけた人もいますし。
リーン:精霊……腕輪なんですけど(笑)。
GM:腕輪の精霊でも出しますか? そういえば、他の人らはみんな出しましたよね。
リーン:はぁ。じゃあ出しましょうか。『キリル』を。
GM:誓いはなんて立てましょう。
リーン:誓いは……そうですねぇ、シアンさんが一応病人なんですよね……
GM:だと思います。
リーン:なので助けなきゃ、と。
GM:『シアンを救う』ですね。では腕輪の潜在力の方、3D10どうぞ。
リーン:(ガシャン)……7の……13です。
GM:が、腕輪の力です。
リーン:はい。
GM:リーンが掲げた腕輪から、えーっと『結晶化の肌』でしたっけ?
リーン:うん。それに『カニバサミーッ!』なんですよ。私の精霊って(笑)。
GM:はぁ。そんなカニっぽい精霊が現れました。
リーン:そのカミバサミでシャッキンシャッキンと切ってもらえないかなぁ、その黒い霧を。
GM:なるほど。では霊感で対抗ロールでもしてみましょう。
リーン:はい。(ガシャン)……
ミシュリ:切り刻むわけですか。
GM:えー、18以上で。
リーン:腕輪の潜在力足して、27。
GM:成功ですね。シアンの周りに漂っていた黒い霧を、腕輪の精霊キリルのカニバサミが切り刻む。黒い霧は、獣の顔になったり、なんや怪しげな顔になったりして歪みながらも、カニバサミでチャッキンチャッキンと切断されていく(笑)。
ミシュリ:なんか凄いマヌケなんですけどー(笑)。

   (一同爆笑)

リーン:あははっ(笑)。しかもねー『二枚貝みたいに開閉する殻』も持ってるんだよー(笑)。
ミシュリ:なんか凄くシリアスな展開のはずなのにコメディーなんですけどー(笑)。
GM:いや。登場人物がアレですし(笑)。もう、それでいいと思います。
リーン:(笑)。

(編注:余談ながらシナリオメモ。<巡る罠>の騒ぎに紛れてシアンの身体に取り憑いた夢魔の王バール。(『クコ、食材になる』冒頭の夢が、それを暗示していました) 彼は、下僕の黒い夢の魔獣バジャを使って町の人達の悪夢を集め、噴水広場に呼び出した自分の本体(骸骨悪魔)に肉付けすることによって、この地上に再び復活しようとしていました。ペロ爺さんは、その悪い予兆に気づいてやってきた魔法使い(ヘリアの賢人)。金色のカーテンは、暗黒期、魔物達から村々を護ったといわれる<古の防護>のつもりだったり。

 そんなそこそこ込み入ったマジメな設定でしたが、その事件に挑むことになったのが、トホホな老人達と介護人と詩人といった集団。まともな戦いができなかったり、魔法に困ってたり、時間がなかったりして、骸骨悪魔は適当にガラガラ崩れ、バールもバジャも適当に纏めてやられることにしました。

 なにはともあれ、キャラの楽しみあってのシナリオですから、ユルユル集団にはちょっと酷な話を押しつけたかな、と反省。個人的に、マジメな話に挑むお笑い集団、という構図には慣れていました。しかし今回は特に、シナリオそっちのけで盛り上がる場面が多々あったので、マスターとしては、もっとプレイヤーの指向に合わせた流動的なマスタリングができればな、と今後の課題を設定してみたり。何年経っても上達しないなぁと、毎回思うことなのですが、今回のマスタリングも失敗でした)

GM:さて、黒い霧を始末すると、シアンはぐったりと気を失います。しばらくして気がつくと、「あれ? 私どうしたのかしら?」とか呟く。でもしばらくすると、またグッタリ。今度はなんか寝かけてます。「眠いよー」とか呟くと、そのままバタリと寝てしまいます。
リーン:えーっと、それは普通の睡眠なんでしょうか?
GM:診た感じ、そうみたい。どうもシアンが眠ってる間に、その夢魔の王というか、悪い奴が活動してた、って仕組。だから、単純に睡眠時間が減ってたことになり、本人が起きてる間は、シアンはいつにも増して眠かったというわけ。
オウサマ:二重人格みたいなものですね。
GM:うん。そうして占い師さんも元に戻した君達。
リーン:はい。
GM:神殿の外に出ると、夜空も晴れ渡っていて、綺麗な星々が見えます。また古めかしい学院食堂でも行きますか?
ミシュリ:行きましょう。
GM:食堂の方に行くと、ヘイシとハカモリが、「おぉーっ、オウサマーッ。オウヒ達がやっと目覚めたんだーっ。あんたの願いが叶ったようだなっ」と、めっちゃうれしそう。
オウサマ:うー、ラッパ片手に、「あ、そう」とかめっちゃフキゲンそうに言う。

   (一同爆笑)

GM:「どうしたー?」
オウサマ:ジジイとのケンカで、頭に湿布とか張ってるん。ちょっと頭の毛とかもむしられてたりして。
GM:ヨザック爺さんの方とか睨むん?
ヨザック:ヨザック爺さん睨まれるん? あの、ヨザック爺さん子供向けシロップ飲んで、普通に戻っていいですか?
GM:いいですよ。誰かに飲ましてもらわないと。
ヨザック:「リーンさん、リーンさんやーっ」(笑)。
リーン:「はぁーい(笑)。こぼさないでねーっ、お爺ちゃーん」
ヨザック:「ングァ、ングァ、んぁーっ、うまいっ♪」
オウサマ:そのシロップ奪っていい?
GM:はい。そんな食堂に、ユイランもポリーもやって来る。「あの薬、上手く使えたみたいですねー。なんか町のあちこちでも、病気が治ったって、みんな喜んでますよー」
ミシュリ:(薬師に殴られた)頭は痛いけど、事件は解決したようです。
リーン:なははっ(笑)。
ミシュリ:「リーンさん、この辺にコブとかできてません(笑)?」
リーン:「あ、後でちゃんと診ますねー(笑)」
GM:ペロ爺さんもやって来る。「いきなり弓で射られたりもして痛かったが、なんとかなったようじゃの。今日はとことん飲み明かすぞーっ」とかはしゃいでる。「オウサマ、随分不機嫌そうじゃが、さぁさぁ、早速一杯やって、パッといい気分になろうじゃないかっ」
オウサマ:うむー。
ヨザック:ジジイはご機嫌よ。お酒をクゥーって飲んで、血がピュゥーって出てる。
リーン:お、お爺ちゃーん(笑)。
GM:といった感じで、その夜も、古めかしい学院食堂での宴は続いていくのでした。ということで、おしまいです。
一同:おぉーっ。(パチパチパチと拍手)
GM:なんとか(時間内に)いけましたねー。



 
 
 

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