■ act 4-14 M'1949/05/05
〜押し入り〜
その頃、格納庫で戦車戦を繰り広げるハスとイルナ以外の三人は、計画通り甲板へ上がり、艦橋へ侵入することに成功する。
GM:飛び込んだ場所は艦橋の一階で、目の前には更に『操縦室』とプレートがかけられた扉がある。また、君らの隣には上へ続く階段がある。
コール:じゃあダッシュ!
ソフィ:とにかく上る!
GM:二階には両開きの扉があって、その前に立て札がある。(テ注:戦艦にそんな立て札あったら怖いぞ)
シルバート:どれ、読んでみよう。
GM:えーっとな、そこにはこんな文字が……(とその場で筆記して見せる)
ソフィ:……『レゴ船長の私室、ペケポン(×印)、クラーゼ博士のお部屋』(笑)、何じゃこりゃあぁぁっ!
コール:嫌やなぁ(笑)。
GM:扉はには鍵がかかっていたが。
シルバート:ふん! 引き千切ってくれる!
ソフィ:「あーあ、取れちゃった」って、何じゃそりゃあぁぁっ! そんなんせんでも。開けれるのに。
GM:どっちがすんの?
コール:ソフィさんに。
ソフィ:開けまぁす。
GM:どうぞ、作業ロール×1/2。なんか技能とか持ってる?
ソフィ:<鍵開け>。道具もあるよ。
GM:なら×1でやって。
ソフィ:(ガシャン)……01! 成功。
GM:カチャっと小気味良い音がする。
ソフィ:じゃあ、一応慎重に、ギィィィッとゆっくり開ける。
シルバート:そんなのろ臭いことせんと、上からガチャっと押し開く。
GM:シルバートが後ろから押したせいで、ソフィはポテチンと部屋に転がる。さて、その部屋は見事な書斎で、横の壁には大きな本棚があり、本もびっしり詰まっている。奥の壁には大きな窓があり、その向こうにはどんよりと薄暗い海原が広がっている。部屋の真ん中には高級な作りつけの机があり、そこでは一人の男が君らが入ってきたことにも気づかず、深い考えに没頭している。クラーゼ博士やね。
ソフィ:じゃあ部屋に罠とか…
シルバート:ずんずん入っていく。
ソフィ:「クラーゼ博士ぇ!」
GM:「……おや、君達、何か用かね?」 兵士と思ってるらしい。
ソフィ:「もぅ。私ですよ、わ、た、し!」 こう帽子とってパァって。(意味不明SE)
GM:「ほぅほぅ。で、君は一体誰だい?」
ソフィ:「おっさん、ボケんなぁ!!」
シルバート「いい加減になさい」 わめくソフィをポイッと脇へ捨てる。博士に言うよ。「さぁ、ここから逃げましょう」
GM:「君は……以前何処かで会った気がするが」
シルバート:「……ボケていらっしゃいますね。あなたの娘さんの名は?」
GM:「アルテミスだが……」
シルバート:「よろしい。大丈夫のようですね」 脇にでも抱えて持って行こう。
GM:「わっ! 何をするのだっ!」
シルバート:「あなたはこの船から逃げたくはないのですか?」
GM:「君は一体誰なんだ!?」
シルバート:「私はシルバートですよ!」
GM:「おおっ、シルバート君か! 以前とは随分顔つきが違って見えたので、全くわからなかったよ」 さて、シルバートに放り投げられたソフィは床に転がるんやけど、その時、絨毯敷きのはずの床に、妙に硬質な感触を覚える。
ソフィ:バァァッって、絨毯めくってみる。
GM:絨毯の下の床は、奇妙な線が走っている。どうやら部屋の真ん中辺りで四角を描いてるみたい。
ソフィ:なんやろ、すごい気になるわ。
シルバート:確かこの下って、操縦室やったな。
ソフィ:(笑)。
コール:え!? どーゆーこと?
シルバート:直通の通路があるんやろ。この中にレールがあって、ピューって降りて行くんや。
コール:なるほど。
ソフィ:くだらねぇ(笑)。
GM:君らのことをようやく思い出したらしくクラーゼ博士が言う。「あぁ、よくここまで来れたねぇ」
シルバート:「当たり前です。私に行けない所などありません」
ソフィ:なんかこの人、患者殺してから人変わったなぁ(笑)。
GM:「とはいえ、こんな海の上の敵の船の中から、一体どうやって逃げ出すつもりなのかね」
シルバート:「私達の仲間がもうすぐ戦車を強奪してくるはずですから、問題ありません。少々お待ちください」
GM:「ところで、君達は帝国軍が血の灯の海へ行くことについて、何か新しい情報など聞かなかったかい?」
ソフィ:帝国軍って、あの夜風の女王魔術師団を追っかけてるんやろ。
GM:実際には追いかけてるだけじゃないねん。実は以前から夜風の女王魔術師団と帝国軍は敵対していたらしい。理由はまぁ色々あるんやろけど、降魔の扱いでも、同じ悪党やのにちょっと違っててな。夜風の連中は、世界秩序のは破壊を目指してはいても、降魔が嫌いらしくて、それを内部機関として扱う帝国軍を敵対視していたらいし。一方帝国軍の方は、魔術師団の総本山が例の血の灯の海域にあるということをつきとめ、以前から何隻もの戦艦を送り出していたそうな。でも一隻たりとも帰艦する船はなかったそうや。
(ハス):前からドンパチやらかしてたんやな。
GM:で、前回、アルテミスを攫ってゼルディティスから飛び出した蝙蝠の後を追った小型飛行機械が、連中が確実に血の灯の海域へ消えたことを確認し、今回ついにロゼッタ奪回と総本山を叩く為、船団を組んで出航した、というわけ。君達がほとんど状況を把握せずに密航してきたことに気づいたクラーゼ博士が、説明する。
「しかし、現状ではまだ問題が多過ぎる。我々がここから逃げ出すことすら難しいのではないのかな」
シルバート:「他によい考えでもあるのですか?」
GM:「ない。しかし、今は我々自身のことより、もっと差し迫った問題がある」
シルバート:「その問題とは?」
GM:「フンディングのことなんだ」
シルバート:「フンディング?」
GM:シルバートの後ろで、失禁小僧の目が光る。
コール:(笑)。
GM:「奴が鉄の山でロゼッタと共に盗み出した古文書の中にあった、認識照合が解読されそうなのだ」
シルバート:「解読されると?」
GM:「世界の終わりだ。奴は私に、この解読作業の協力を何度も迫っていた。私は協力を渋ってきたが、奴は独力で解読作業を進めていたのだ。恐らく全て解読されるのも時間の問題だろう。奴が認識照合を唱えてロゼッタの真の力を我が物としたならば、私には娘を救う手立てがなくなる。そしてあらゆる情報を手にしたフンディングは、やがて世界をもその手中に納めるだろう。あの狂った科学者に、そんなことをさせるわけにはいかない。なんとしても喰い止めなくてはならないのだ!」 最後の方は自身に言い聞かすように呻いてる。
シルバート:「成程、やはりフンディングを倒し、認識照合も取り戻す必要がありますね」
GM:「貴様等にできるのか?」 突然背後で声がする。
ソフィ:ダガー二本を隠しながら抜いて振り返る。「誰!?」
シルバート:儂ゃ、振り向かんぞ。
GM:開かれていた扉の側にただずむ黒い影。次の瞬間、部屋の奥の窓の向こうで閃光が走る。その男の顔が不気味に浮かび上がる。フンディングだ。鼓膜を破るような轟音と共に雷が落ち、大粒の水滴が滝のように窓を叩き始める。フンディングが言う。「博士の協力がなかった為、随分時間がかかってしまったが、ようやく解けたぞ。究極の力、ロゼッタを我が物とする照合がな」 君らは驚きを隠せずにフンディングを見ている。シルバートだけが彫像のように背中を向けたまま動かない。
コール:「父さんを何処へやった!」
GM:「まだ、あんな奴のことを気にかけていたのか」
コール:「当たり前だっ!」
GM:「奴の魂はもはや欠片も残っておるまい」 フンディングは遠い目をする。
コール:そっちの方を見る。
(ハス):つられて見るなっ!
ソフィ:隙ありっ! ダガー二本持って突っ込む。
シルバート:ちょっと待て! 勝手な行動起こすな!
ソフィ:行くぞっ! 『忍法降臨火山!』
GM:その時、船が大きく揺れる。走る態勢だったソフィはたららを踏んで床に転がる。
ソフィ:おわっ!
GM:部屋の隅の書棚にぶつかって本がバラバラ降ってくる。その他の人も、机や壁にしがみついてないと危ない状態やね。大波に揺られてるらしい。扉の所にいたフンディングの下に、一人の兵士が報告に駆け寄る。「フンディング中佐! 本艦の左右にある艦が、海中から現れた怪物に襲われています。現在、応戦中ですが、長くはもちそうにありません。それと、ついに例の海域に入りました。偵察隊は、赤い光を放つ塔を確認。今後の作戦を指示して下さい」
(ハス):ややっ!?
GM:それを聞いたフンディングが、「よし、左右の魔物にはこちらの主砲で援護してやれ。赤い光を放つ塔については、インフェルノの発射準備を進めておけ」 兵士が驚いて聞き返す。「島へ直撃させるのですか!? それではロゼッタが……」
「構わん。夜風の女王は、必ず我らの障害となろう。塔の雷でこちらがやられる前に、インフェルノを発射させるのだ。ロゼッタは超古代の遺産、寄生している娘が死んでも、壊れることはない。以上だ。作戦に移れ!」 フンディングが言い終えるや、兵士が走り去って行く。
ソフィ:本を掻き分けながら頭出す。「何て男なの!」
GM:「というわけだ。私も忙しくなってきた。後の相手はカイスにでもしてもらおう」
シルバート:「そうはいかん!」 後ろ向きのまま、残っていた手榴弾をコロコロっと転がす。
GM:そりゃ爆発するやろけど。すぐ側には遠い目をしたままのコールもいてるよ。
シルバート:何とかするやろ(笑)。私は博士を抱えて机の向こう側に隠れる。
コール:? なんのこと?
GM:コールは爆風に吹き飛ばされて宙を舞った。
ソフィ:『糸の切れた操り人形のように』(笑)。
GM:しかし去り際に扉を閉めていったフンディングは無傷だったらしい。爆発で破けた絨毯の下の鉄板が開き、黒い鎧を着た巨人がせり上がってくる。
シルバート:カイス准将やな。身長何メートルや?
GM:3m越えてるやろな。(テ注:どんなやねん!) 前回コールによって割られた仮面は再び修復されて被っている。重い足音を響かせて一歩踏み出す。(サイバーマップで解説)
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