■其ノ九
波音に夢見し者、奇天烈な集団に、暴行を加えられること
[要岩、月夜]
[五本目]
桜:そろそろ本気で斬りにいきます。こちらの戦闘力は11。
GM:こっちの防御力は8やから3の欄でどうぞ。
桜:気合い、全部つぎ込みます。
禊斎:おおーっ! 桜殿、ついに殺る気か!?
桜:では18の欄、(ガシャン)……ゲッ!!に、20(笑)。情けなさすぎる。
GM:大失敗表2D6で。
桜:(ガシャン)……6。
GM:『武器破損』(笑)。
桜:ああっ、に、忍刀がーっ!!
禊斎:やはり殺るのは、俺だぁぁぁぁっ!!! 外道パンチで全力攻撃! (ガシャン)……当たり。ダメージ6発。
桜:忍刀がーっ……
行庵:さらに気合いを込めて外道パンチ。(ガシャン)……8発。
桜:忍刀ぅー……
GM:次、小牧といきたいが、その時君の背後の水面からもう一つの巨大な顔が現れる。
小牧:ウキャーーッ!!
桜:忍とぉー……
小牧:振り向きざま<爆炎龍>っ!! (ガシャン)……20、どあーっ!また大凶! (ガシャン)……3、お、おねーちゃんゴメン、6発。
桜:にんとー……
禊斎:よっぽどショックやってんな(笑)。
GM:こちらの攻撃はそれぞれ行庵と、小牧。(ガシャン)……行庵に4発。小牧は外れ。
[六本目]
桜:<爆炎龍>。(ガシャン)……敵『あ』に5発。
禊斎:気合いを2使って外道パンチ! (ガシャン)……当たり、7発。殺ったか!?
GM:ああ、水飛沫と絶叫を上げながら沖の主『あ』は沈んでいった。あーあ、ちょっと生け贄喰おうとしただけやのに(笑)。もう一匹の魔物が「兄弟ーっ!」と叫びながら物凄い形相で禊斎に襲いかかってくる。
禊斎:ギァアアァァッ!!
行庵:ふっふっふ。その錯乱してる化け物に残りの気合い全部ブチこんで<真言不動金縛り>の術を、(ガシャン)……吉。戦闘力に−7。
禊斎:いいぞ、親父っ!
小牧:まともな術も使えんねんな。
GM:『い』の戦闘力は6になったよ。
小牧:11の欄で<爆炎龍>。(ガシャン)……やった、1や! ダメージ16発。
GM:炎上。先にやられた兄弟の後を追うように沈んでくわ。
禊斎:へへ。俺が手を出すまでもなかったか。
GM:と、安心した禊斎のどたまに背後から喰らいつこうと水面が飛びかかってきた大蛇。
禊斎:ゲッ!
小牧:えーっ!? しつこーい!
GM:俺もそー思う。しょんべんしたいからはよ殺って。(ガシャン)……とりあえず禊斎に8発。
禊斎:この野郎!!
[最終戦]
桜:<飯綱落とし>いける?
GM:うーん、ちょっと無理そうやけど……俺の膀胱破裂しそーやからいいことにしよう。
──この時、彼の判断全ては、腎臓から尿管を伝い刻一刻と膀胱に溜り続ける無慈悲な黄金水に委ねられていた。
行庵:でも相手は馬鹿でかい蛇やろ?
桜:大丈夫大丈夫。相手の体術は?
GM:12。
桜:では27−16=11の欄で(ガシャン)……3!! 中吉。
一同:おおーっ!
桜:ダメージは……3D12!? で、(ガシャン)……18×2で、さ、36発。
GM:終わってる。(筆注:この時桜は巨大な間違いをしていて、正確な難易度は−12(敵)−15(術)+9(桜の忍術力)=−18の欄であり、<飯綱>はほぼ不可能であるはずだったのだ。マスターのスクランブル状態を見事に利用した、桜本人も全く気づいていない頭脳プレー) でもさ、こいつら二股の頭にしっぽが大蛇っていう設定の魔物やったんやけど。桜はその尻尾をつかんで一度は海中に沈んだ顔二つごと引きずり出して天高く跳ね上がり、要岩に、
桜:飯綱落としーっ!!
GM:叩きつけよった(笑)。
禊斎:すげーや(笑)。
GM:さて、その衝撃か岩の上で一心に儀式を行っていた詩奈のせいかは知らんけど、要岩の割れ目は沖の主を飲み込み、低い音とさざ波をたてながらゆっくりと閉じてゆく。
行庵:チッ、口ほどにもない。
禊斎:とりあえず解決ですなぁ、親父殿。
GM:詩奈さんも「なんとか終わりましたね。これで村人達も安心して暮らせます」やって。
小牧:ひょっとして倒してしまったのでは……
GM:さぁ。君らが浜辺にたどり着くころには背後の水平線に朝日が登り始める。村人達も「ようやってくれた」とみんなに感謝してる。
桜:じゃあ御祝儀を(笑)。
GM:それは報酬と言う(笑)。村人たちがうれしそうに「どういうわけか、浜辺で海に向かって叫んでいた猪を生け捕りにしてね。これを今日の料理にしよう」と、丸々と太った大きな猪を引っ張り出してくる。
桜:ああっ、牡丹ーっ!!
小牧:進歩しないね(笑)。
行庵:それより、あの猿めはどこじゃ!
GM:側におるよ。例の魔物をじかに見ただけあって、モン吉は未だにぼーっと惚けてる。
行庵:「はぁーっ!どーじゃぁ!!」と、その惚け面に外道パンチ!!をお見舞する。
(一同爆笑)
小牧:こっちも進歩なし(笑)。
桜:執念深い人やねぇ(笑)。
行庵:「かぁーっ!どーじゃぁ!!」 さらにもう一発! 前にやられた分を利子つけて返したるぜーっ!!(テ注:とてもうれしそう)
桜:はいはい(笑)。
禊斎:お、親父ぃ(笑)。
GM:天高く吹き飛んでいくモン吉。「うーむ、世の中にはまだまだ不思議なこともあるものだぁ。よし、俺も旅に出るぜぇぇぇぇ……」と、いつの間にか用意した番傘片手に朝もやの中へと消えていく。
小牧:さようならーっ(笑)。
GM:そんな訳でその日、村人達にもてなされひとしきり騒いだ君達。次の日はまた凶、じゃなくて京へ向けて旅立つのでした、ってことで一見落着(笑)。
一同:うひょーぃ!! パチパチパチ(と拍手)
GM:うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっ!!
野獣のような雄叫びを上げ、つり橋を派手に揺らして厠へと全力疾走してゆく彼を止める者は誰もいなかった。絶叫し続けるその背中は朝もやの中に消え、やがて静寂。
とりあえず劇終。
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