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■『討魔龍伝承 第二話』/01

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劇団『魑魅魍魎』
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『討魔龍伝承』
『第二話 先代闇王の神殿』
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『ブルーフォレスト物語』(ツクダ・ホビー版)
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◆第一話 あらすじ
 シュリーウェバ暦1999年種の月3日。シリス王国の聖都アロカランを訪れた駆け出し冒険者達。彼らは、とある旅の吟遊詩人から、『まぼろしの種』なるものを、西の果ての最終僧院まで届けて欲しいと頼まれる。しかし、西への旅を続けるある夜。一行は、一人の旅人を取り巻く、謎の黒ローブ集団との戦いに遭遇する。そして、その戦いで出会った旅人、修験者ナイムと行き先が同じだったことにより、彼らは共に最終僧院を目指し、ついにその地へ辿り着くのだった。


■第二話 先代闇王の神殿

 シュリーウェバ暦1999年、雨の月1日の昼過ぎ。強行軍を続けた甲斐もあり、一行は一月かからずに、なんとか最終僧院へ辿り着くことができた。


▼ 最終僧院

GM:大河、ルドナル=ウィンのほとりに建つその古びた寺院群は、その名の通り、大河を北上してくる巡礼者達の、最後の目的地となっている。寺院の門を潜ると、そこには陽王を始めとする十二神王全ての神殿が立ち並んでいる。さて、そんな厳かな場所にやってきたわけやけど、騒がしい君らはどないする? すぐ近くには坊さんが掃除してるけど。
ラージャ:「あーら、皆さん熱心なことねぇ、ホホホホホッ」
エルバート:「ご苦労ご苦労」
ラージャ:よし、坊さんを一人呼び止めてみよう。「あ、すみませぇーん」
GM:「はい、なんでしょうか?」
ラージャ:「あのー、カルマさんという方は、どちらにいらっしゃりますか?」
GM:「カルマ様なら、私がお呼びしてきましょう。少しお待ちを」 そう言って、坊主は門を潜った場所から右奥の建物へと小走り。しばらくすると、先程の坊主と一緒に一人の老人がやって来る。その人はナイムを見て嬉しそうに言う。「おお、ナイム、久しぶりじゃのぅ」 修験者の方も大きく頷いて言う。「カルマ様こそ、お元気でなによりです」
「それで、その者達は?」
「この者達は、私と共にシリス聖王国より旅してきた者達でございます」
「まぁ、立ち話もなんだ、続きは儂の部屋で聞くことにしよう。どうせここに来たのも、何かあったからじゃろう?」 そういうと、カルマはまたやって来た建物の方へと歩き出す。
シアルグ:話に入る余地がない(笑)。
GM:大僧正カルマとナイム、それから君らは、東の隅の建物に入る。ロバは先程の坊主が厩へ連れていってくれる。さて、東の建物、大僧正の部屋で、ナイムは気軽に言う。「ま、そこらにかけてくれ」
ラージャ:かけた。
GM:それから大僧正は、手ずからお茶ももてなしてくれる。
エルバート:こりゃ、どーもどーも。
GM:「話は落ち着いて聞きたいからのぅ」
エルバート:「そうですねぇ」 ヂュルズズズズズ。
ラージャ:ケッ! 下品な。もっと上品に飲みなさいよ。んぐぁっんぐぁっんぐぁっ、ぷはぁーっ! あーおかわりっ!
シアルグ:大差ないな。
ラージャ:あ、そーそー「あの、ライフィスさん、って、ご存知ですか?」
GM:「おー、あの吟遊詩人なら、よく知っておるぞ。なかなかのイイ男ぢゃのう」
ラージャ:「その人から、『まぼろしの種』を預かって来たんです」
GM:「それはそれは。はるばる遠くから、ご苦労かけましたな。それでは頂いておきますかな」と、君らから種を渡されたカルマは、お礼にと、金貨一枚を一人づつに渡してくれる。
ラージャ:イヒヒヒヒ。
エルバート:こりゃ、どーもどーも。
GM:そんなやりとりを傍らで見ていたナイムが、机を叩いて言う。「カルマ様、率直にお伺いします! 闇族が再び動き出したのではありませんか?」 茶を一啜りしたカルマが言う。「全く、おぬしはせっかちじゃのぅ。確かに、余りのんびりはしてられんか……儂はおぬしがこの地を訪れるのを待っておったのじゃよ」
「では、やはり……」
「うむ。明らかに、魔族は動き出しておる。まもなくこの半島へ侵攻し始めるじゃろう。そのことも含め、今年の闇の月には、最も良からぬ事が起こるかもしれんのじゃ。儂はそのことを、この僧院の地下に安置されておる『ユリクスフィナ大師の予言書』によって、知ったのじゃ」
「では、それを食い止める方法は?」
「まだ、なんとも言えんな。じゃが、おぬしが来たということは、ソアの村に隠されていた闇水晶にも、何かが起こったのじゃろう?」
 大僧正の言葉に修験者は頷いて話し始める。それによると二ヶ月程前に…
エルバート:そんな極秘話を、ここで聞いていていいのだろうか(笑)。
シアルグ:話に入る余地がない(笑)。
GM:カルマもナイムも話に没頭しているので、君らのいることも忘れてるんとちゃう。で、話の続きやけど……えー、二ヶ月程前にソアの村に黒ローブの集団が現れ、闇水晶を奪いに来たそうな。ナイムの仲間の村人達は命がけで戦ったけど、次々と倒されてしまう。そこでソアの村長がナイムに闇水晶を託し、自分達が黒ローブを食い止めるからと、彼一人を最終僧院へと向かわせてん。ナイムは一人で逃げ続けてたわけやけど、シリス聖王国の辺境で、結局、闇水晶は奪われてしまった、と。ま、誰が原因になったかはまでは、言うまでもないけど。
エルバート:ほう。
シアルグ:(笑)。
GM:それを聞いたカルマが言う。
「いや、無事にここまでたどり着けただけでも、幸運だったというものじゃ。しかし、闇水晶は人の手に渡ってはならぬ太古の秘宝。ましてや今になって魔族がそれを手に入れたとなると、奴らが何をしでかすか、わかったものではないな。うむ……奴らの真の目的まではまだわからんが、少なくとも、闇水晶はなんとしても、取り戻さねばならん」
「では、その使命を私に果たせ……と、申されるのですか?」
「いや、このようなことになったからには、確かにおぬしに任せたかったのじゃが、儂はおぬしを待っていたと言ったじゃろう? つまり、おぬしには、既に別の使命があるのじゃよ。まぁ幸い、おぬしが冒険者らしき者達を連れてきてくれたことじゃ。のぅ、おぬしら」
と、カルマは話に入る余地がなかった君らの方を見て言う。
「この使命、受けてみてはどうかの?」
シアルグ:ドッギャーン!!
ラージャ:はへ?
エルバート:へらへらへらへら。
シアルグ:こ、こっちに振って来たぞ。
ラージャ:あんなバケモン相手に、どないせいっちゅうねん。
「いや、大変光栄ではありますが、私共ではとてもとても歯が立ちません」
GM:「しかし、おぬしらは奴らと剣を交え、生き延びた程の腕じゃろう?」
エルバート:うむ、そのとーり。
ラージャ:あんたは殺られてた。
シアルグ:ナイムさんなしで、あんな奴らと戦ったら、俺ら全員おっ死ぬって。
エルバート:しかし、僕以外に天才魔道士はいてはいけない。だから、消す!
GM:「おお。そこの魔道士殿はやる気になってくれたか」
エルバート:「ええ。任せておいて下さい。必ずや奴らを土塊に帰してみせましょう」
GM:リーダー。みんなと相談してみて。
レーラカイス:いいですか?
ラージャ:あんまりねぇ。
シアルグ:うわーっ! 俺は嫌だーっ! 俺はもう死にたくねぇーっ!!

──萎びた男の心の絶叫。

エルバート:というわけで。
レーラカイス:「やれるだけやってみます」
GM:「さすがは騎士殿。良い心がけをしておるわい。それではおぬし達に頼むことにしようかの」
というわけで、目的は今までの話で大体わかったよな?
エルバート:(キッパリと)わからん。
GM:そっちは?
ラージャ:(キッパリと)わからん。

──長い話は把握できないらしい。

GM:結局、奪われた闇水晶を取り戻すってこと。
ラージャ:よっしゃ。
エルバート:黒ローブを屠るついでに、水晶を取り戻す、と。
GM:「そうじゃ。なにはともあれ、長旅に長話と、疲れたじゃろ。これから夕食にして、今日一日はここでゆっくり休みなされ」
ラージャ:じゃ、お言葉に甘えて。
GM:爺さんの知ってる範囲やったら、質問聞いとくけど、なんかある?
ラージャ:魔族って、なんですか?
GM:そういう質問には、マスターとしても答えとくよ。

 シュリーウェバ地方では、人間族が大半を占めているものの、その他に、ナーガ族とか竜族とか、魔族とかいった別の種族も暮らしてるねん。で、魔族というのは、今から三千年程前に起きたという降魔戦争の折りに生まれた種族と伝えられてる。

 世界を統べる十二神王と、悪魔の月から降ってきた降魔とが激しい戦いを続けてたんやけど、どうも降魔の方が強かったらしいねん。そこで十二神王の一人、闇王ガウディラが、己の体内に降魔を取り入れることによって強大な力を持つ魔龍となり、彼に従った闇族と共に降魔の巣である悪魔の月へ飛び立ち、戦いには終止符が打たれたそうな。

 で、今の魔族って呼ばれてるのは、その降魔戦争の折り、闇王に従って降魔の力を受け入れた闇族や妖精達の末裔、と言われている連中のこと。森王が治めるシュリーウェバ地方において、その魔族の大半は、半島部東の島、ランカル島に住んでいて、半島部へ乗り出す機会を待っていた、ということらしい。わかった?
ラージャ:ほーっ。
GM:他には?
エルバート:うほっ?
GM:……特にないようなら、そろそろ夕食の時間になったわ。
ラージャ:ガツガツ、メシメシ。
GM:食事中、カルマが言う。
「闇水晶に関する話なら、この寺院の闇院へ行くといい。詳しく教えてくれるじゃろう」
レーラカイス:じゃあみなさん、行ってみませんか?
残り:おーっ!



 
 
 

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