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■『討魔龍伝承 第二話』/05

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▼ 集いの村

 寺院都市を出発して十日後、陽の月、5日。

GM:えー、この村の住人であるアウマ族は、かなり閉鎖的な一族で、外界には極めて無知みたい。
ラージャ:ピシッ!ピシッ!
シアルグ:そら鞭や!
GM:君らは西の道を通って村に入ってきた。
レーラカイス:えーみなさん。とりあえず宿屋を探そうと思うのですが、いいですか?
残り:おーっ。

 というわけで一行は、村に一つしかない宿屋、『長き旅路亭』に押しかける。

GM:扉を開けると中はすいていて、二、三人の旅人達がくつろいでいるのと、店の女主人がせっせと働いているのが見える。
ラージャ:女主人って、若い?
GM:そやねー、中年。
ラージャ:きれい?
GM:普通。
ラージャ:「あのオバサン、ふつーっ!」
GM:アホか。キッて睨まれるぞ。
レーラカイス:ナイムさんはいませんか?
GM:落ち合う件やったら、まだ来てないみたい。ちなみに、陽の月の神の月が満ちる日ってのは、陽の月15日のこと。今日が5日やから、あと10日後までにナイムはこの村に来ると思う。で、これからどないするん?
レーラカイス:どうしましょう?
エルバート:はっ……あ……やに……な、なに山やった?
ラージャ:えーっと、アウス山よ。
エルバート:そう。その辺りの地形その他もろもろを、住んでる者達に訊いてみたいものだな。この村には、長老とか族長なんて者はいないのかな?
ラージャ:じゃあ店のおばちゃんに、「(お子様口調で)ねぇ、おばちゃん」って。
GM:「はいはい、なんだい? お嬢ちゃん」
ラージャ:「あのね、あのね。村長の家はどこぉー?」
GM:「族長の家なら、この村の南にあるよ。でもお嬢ちゃんみたいな小さな子は一人で行かず、お母さんについていってもらうんだよ」
ラージャ:「あたし18才(笑)」
GM:というわけで、リーダーまとめて。
レーラカイス:ではみなさん、どうしましょう?
ラージャ:族長の家にでもペラペラーって行ってみましょうよ。
エルバート:行くのか? 僕はあまり気が進まないのだが。
ラージャ:なんでよーっ?
エルバート:ん、なんとなく怖そうや。
シアルグ:ひょっとしたらその族長ゆーのが、ニセ族長やったらどないすんねん?
ラージャ:それなら斬り殺すまでじゃない(笑)。
エルバート:そんな恐ろしいこと考えんなよ(笑)。
シアルグ:んで、そのニセ族長にやな、人体実験されたらどないすんねん。
ラージャ:バッカねー。そんな悲観的な考えじゃ、物語は進まないわよ(笑)。
エルバート:うむ、まさしくその通り。
シアルグ:ほんで、『捨ててこい! 俺の求める拳法はまだ遠い』なーんて言われた日にゃアンタ、たまったもんじゃないよ。
ラージャ:さぁ、族長の所へ行きましょ。
シアルグ:イヒヒヒヒ……
レーラカイス:じゃあ、行きます。


▼ 族長の家

ラージャ:「おっさーん!!」
シアルグ:おいおい。家の前で失礼な(笑)。
エルバート:「御免!」
GM:道場破り?
エルバート:その通り! 私は数々の魔法道場を破り、この地にその名を轟かせた、偉大なる天才魔道士、エルバート様だぁーっ! ズドーン!(落雷SE) 私はエリートだぁーっ!
GM:エルバートが叫んでいると、中から中年の女の人が出てくる。女中みたい。「族長は今、お嬢様のお体のことで大変悩まれています。どうぞ、お引き取り下さい」
エルバート:やだ。
ラージャ:娘って、サラ?(編注:寺院都市へ向かう途中助け出した行商人の娘)
エルバート:寺院都市の美人占い師さん?
GM:どっちもハズレ。
ラージャ:「我々は冒険者です。できる限り、お力になりましょう。オーッホッホッホ!」
エルバート:「女中さん、ここに治癒の術を操る騎士殿がおられます」
レーラカイス:「お力になれるといいのですが」
GM:「そうですか。ではとりあえず、中にお入り下さい。くれぐれもお静かにお願いしますよ」と、彼女は君達を迎えてくれる。
レーラカイス:はい。
GM:とある部屋まで通されると、そこには族長らしき中年の男が疲れたように椅子に腰掛けていて、その傍らの寝台には、女の人が寝かされている。
ラージャ:若い?
GM:もちろん若い。
ラージャ:綺麗?
GM:もちろん綺麗。
ラージャ:「わー、お姉さんキレーっ」
シアルグ:お前、それしか言えんのか。
GM:その男が顔を上げて問う。「あなた達は一体、何者なのですか?」
エルバート:「私は偉大なる天才大魔道士。そしてこちらに控えられるお方は、偉大なる騎士殿だぁーっ!」
レーラカイス:「では<献身治癒>をして差し上げます」
GM:男は微かに微笑んで言う。
「お気持ちはうれしいのですが、この娘はそのような治癒の術ではおそらく目を醒ますことはないでしょう。しかし、せっかくお越し下さったことだ。一つ、試してみて下さい」

 結果は当然、無駄に終わった。

ラージャ:「なぜ、娘さんはこのように?」
GM:「実は二ヶ月ほど前、この村に数人の魔族が現れたのです。彼らは私に、『アウス山にある古代の神殿への行き方を教えろ』と迫ってきました。私が『かの地は神の地、容易に人が立ち入る場所ではない』と彼らを留めようとしたのですが、彼らは全く耳を貸さなかった。その様子を見ていた娘がこの村からも立ち去るよう、強く言い放った結果が……これです。娘は眠り続ける術をかけられ、今も目を醒ますことがありません」
ラージャ:「ふーん。それで、その術を解く方法は?」
GM:「それが解っていれば、このように途方に暮れていたりしません。私がもっと強く、彼らに言い放っていれば、少なくとも娘はこんな風にならなかったはず。娘の方がよほど族長らしい振る舞いでした……」
と、そんな君達のやりとりを少し離れた場所で見ていた女中が、おずおずと口を開く。
「そういえば、古代には魔法の眠りを醒ますことができるという花が、この辺りにもあったと、以前この村の長老から聞いたことがあります」
ラージャ:「それでそれで、その長老は?」
GM:「もう随分昔に亡くなられました」
ラージャ:ケッ、役立たずの腐れ爺が!
シアルグ:おいおい(笑)。
GM:族長が話題を変える。
「ところであなた達は、何の用でこの村にこられたのですか。……まさか、あの魔族の者達と同じく神殿へ?」
レーラカイス:あーうー。
エルバート:「友と会う為に」
GM:「そうですか。それならよいのですが、あなた達も決してアウス山には近づかないようにすべきです」
ラージャ:「何故?」
GM:「先ほども話した通り、かの地が神の地だからです。人が立ち入る場所ではありません」
ラージャ:大丈夫、私は神っ。ヘラヘラヘラヘラアヘアヘアヘアヘェー(編注:この時、ラージャのプレイヤーは風邪で熱にうなされながら遊んでました。怪しい神も憑いていたようです)
GM:どうする、リーダー。
レーラカイス:ひとまず宿屋に戻りませんか?
残り:えーよぉー。

 その後、再び宿屋へ戻った一行は、嬉々として対魔族作戦会議に花を咲かせる。女主人からも店にやってきた魔族のことや、昔からアウス山に棲んでいた龍の噂などを耳にしたりする。

一同:り、龍ぅ!?
エルバート:アウス山ツアーぁ、いぃちぬぅけたー♪(笑)。
ラージャ:アウス山ツアーぁ、にぃいぬぅけたー♪(笑)。あたし達はどこに行けばいいの(笑)?
シアルグ:おいおい(笑)。
レーラカイス:あの、族長さんにそのことについて訊いてみたいのですが。
GM:じゃあレーラカイスは宿屋を出て、再び族長の家へ向かった。他の人は?
ラージャ:あたしはペラペラーって、ついていくわよ。
GM:じゃあ二人は、族長宅に着いた。
レーラカイス:「ごめんくださーい」
GM:女中が出てきて、君達を通してくれる。
レーラカイス:「あの、族長さん。アウス山に出没するという龍のことについて、お話を伺いたいのですが」
GM:「私も昔聞いたことなので、確かなことは解りませんが、その龍は空をもの凄い勢いで飛び、アウス山に近づく多くの人々が犠牲になったそうです。だからあなた達も、あそこへ行くのはよしなさい」やって。
エルバート:そうしよっか(笑)。
レーラカイス:みなさん、どうします?
ラージャ:できれば、その龍と戦うのは避けたいわねぇ。
エルバート:もちろん。
シアルグ:勝算……皆無か。
一同:うーむ。
GM:まぁ、龍にも色々おるからなぁ。
ラージャ:空飛んで火ぃ吹くんやで。
GM:火ぃ吹くとは言っとらん。
ラージャ:言うた。
GM:言うてない。
ラージャ:言うた。
GM:言うてない。
エルバート:ゆーてない。
ラージャ:……あ、そっか。空飛んでロボットに変形するゆーたわけか、Change!!(絶叫)
一同:ゆーてない(笑)。
GM:時間の無駄。はよ決めや。
ラージャ:行こかぁ!
エルバート:行くのか?
レーラカイス:行きます。
エルバート:……安全を祈ってるよ。
一同:あんたもやぁ!(一同爆笑)
エルバート:……とほほ。
GM:君らの内輪もめを見ていた族長が、「仕方ない。それならばこれを持って行きなさい」と言って、一枚の地図を渡してくれる。アウス山の神殿への地図やね。あと女中からは食糧も少々分けてもらえる。
シアルグ:ほほぅ。気のせいか、妙に手はずが整ってますな(笑)。
ラージャ:まぁええやん。くれるものはもらっとこ。

 かくして一行は、魔族が向かったというアウス山の太古の神殿目指し出発することになる。
 旅の初日は順調に進め、二日目の昼頃には、アウス山の麓に到着する。いつ頃、誰が作ったかもわからないような山道を、地図を頼りに上ってゆく一行。そして噂通りの悲劇到来。日も沈みかけた頃、断崖絶壁を這い上がる登山者達に迫る巨大な影! 予想通りに現れた飛龍に苦戦を強いられつつも、からくも岩間に逃げ込んだ一行。だが一息つく暇もなく、今度はゴブリンの集団に襲われる。不意をつかれまたまた苦戦するものの、かろうじて切り抜けた冒険者達は、その翌日、切り立った崖に囲まれた太古の神殿へ、ついにたどり着くのであった。



 
 
 

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