▼ 戦闘
GM:こっちの反射は15やから、先行く人はどーぞ。
レーラカイス:じゃあ、Aの所へ移動して攻撃します。
エルバート:駄目だっ、移動してはいけない。絶対やってはいけないよ。
レーラカイス:え? どうしてですか?
エルバート:私の防御が手薄になるじゃないか。
ラージャ:だーっ! こんなん死んだところで変化ナシ! おら行け行けーっ!
レーラカイス:じゃあ、Aに攻撃します。
GM:うん、どうぞ。
レーラカイス:(ガシャン)……えー、命中で……悟った(笑)。
シアルグ:凄いなぁ、悟りまくっとるで。俺もどんどん悟りたいなぁ。(編注:ロールで『悟り』値以下を出せば、判定は自動成功する上に、『悟り』値に+1されます。つまり加速度的に強くなってゆくわけです。が、もし『悟り』値が70を越えてしまった場合、亜神に回収されたり、ラセツや白痴になったり、爆死したりと、人の器を越えた反動によって、色々とよからぬことも起こります)
GM:ダメージは?
レーラカイス:8ポイント。
GM:Aの残りHPは24……と。はい、次は?
ラージャ:あたいはBに力斬り。
GM:どーぞ。
ラージャ:ウリィィィッ! 当たったぁ! えーっと、20発。少ないなぁ。
GM:残り……18。
シアルグ:よし、俺は印を結びながら突撃していく。
GM:(バトルマップを見て)接敵は次のラウンド。で、こちら側の攻撃。ガーゴイルA、Cが、レーラカイスにそれぞれ力斬りと命中斬り。うりゃっ……99、60、共に失敗。ラージャの方に飛んでいったB、Dも同様に、(ガシャン)……えー、両方とも成功。
ラージャ:うがっ……回避一回失敗した。
GM:ダメージ9発。
ラージャ:ちょろいちょろい。
GM:さてと、次は……
シアルグ:GoGo! ま・ど・お・し♪
エルバート:当然ながら呪文を唱えるぞ。
GM:なにやんの?
エルバート:<硬化防護>とかゆーなんか怪しげな呪文や。ここでカッコよくキメてみんなを見返してやるっ……っと、フッ……失敗(笑)。
GM:はい、2R目。次はレーラカイス。
レーラカイス:はい。Aに命中斬りでいきます。
GM:どうぞ。
レーラカイス:(ガシャン)……あ、また悟った(笑)。
GM:おーっ、こっちの回避失敗。ダメージは?
レーラカイス:えー、イニシアチブ…じゃなかった(笑)。
GM:突然何を言い出すか。
シアルグ:次、俺やな。Eに<爆炎投射>するわ。
エルバート:<神聖加護>の方が私はよいと思うのだが。
シアルグ:(全く聞いてない)たぁっ! (ガシャン)……おー成功。
GM:今回はみんな目がええなぁ。それで?
シアルグ:13や。
と、こんな風に戦いは続くのだが、最初の悪夢はなんと、このラウンドに起きたのだった。元凶はやはり、自称大魔道士であった。
GM:Eが命中斬り……失敗、Fは次のラウンドに接触する……と、はい、次、エルバート。
エルバート:汚名返上名誉挽回、再び<硬化防護>、ハッ!(ガシャン)……き、93……暴発、した。
GM:汚名挽回名誉返上。チャートは?
エルバート:(ガシャン)……えー、4。あまりいい内容じゃなかったと思うが。
シアルグ:(暴発チャートを眺めながら)4……『持っている呪文が全て、そのスペルポイントの低い順でその対象にかかるっ』(爆笑)
GM:おなじみやねぇ。
エルバート:うるせー、まだたったの二回目やっ。
GM:じゃあルール通りやってって。対象って、自分自身やったよな(笑)。
エルバート:まずは……<以心伝心>(笑)。
GM:ほぉ、みんなが必死で戦っている真っ最中に、電波発信かいな。で、誰に?
ラージャ:そら自分に、でしょ。
エルバート:(ガシャン)……えー発動。
GM:自分に一体何伝えるねん。
エルバート:そやなぁ、『ひょろひょろひょろー』って。
GM:じゃあ『ひょろひょろひょろー』が、君の頭の中に木霊した。次は?
エルバート:<呪文点火>……35、成功。
GM:どこに点火すんねん。
ラージャ:そら自分に、でしょ。
エルバート:指先に、『ポッ』と。
GM:迫りくるガーゴイルの目が点になった。次は?
エルバート:<健康の祈り>(笑)。(ガシャン)……失敗した。
シアルグ:次は?
エルバート:<瞬間跳躍>(笑)。
GM:跳んだら天井当たるで(笑)。
エルバート:フッ……当たったぞ。
(一同爆笑)
GM:頭突きダメージ2発。次は?
エルバート:<硬化防護>……あー、失敗や。
ラージャ:肝心なのは、絶対しくじるなぁ。
GM:まだある?
エルバート:…………。
残り:それってさぁ……。
エルバート:……<溶岩噴出>(笑)。
(一同爆笑)
エルバート:さぁ、我が仲間達よ。共に地獄へ逝こうじゃないか(笑)。
シアルグ:嫌だーっ。俺はまだ死にたくねーっ。
ラージャ:逃げるわよ。
レーラカイス:逃げます。
GM:ガーゴイル達も、戦いのさなかでブルブル震える魔道士の、ただならぬ雰囲気を察知して逃げ出す。
エルバート:結局巻き添えは誰もおらんのか。(ガシャン)……37、失敗や(笑)。
レーラカイス:助かった。
と、こんな風に、レーラカイスは悟りまくり、ラージャは力斬りしまくり、シアルグは懲りずに<爆炎投射>、そして我らがエルバートは、多彩な術をしくじり続けてゆく。多勢に無勢ということもあり(石像は12体もいた!)、戦いは長引くが、やがてそれに終止符を打つべく、二度目の悪夢が再来する。元凶はやはり、自称大魔道士であった。
シアルグ:ぐあーっ、ズズズン。
ラージャ:どうしたの?
シアルグ:体中に激痛が走り出したぜ。
レーラカイス:苦痛状態(HP半減以下)ですか?
エルバート:ここで戦力を落とすわけにはいかない。シアルグよ。我が偉大なる魔術<硬化防護>をもってして、手助けをしてやろう。だあっ……
残り:それってさぁ……。
エルバート:……暴発(笑)。
(一同爆笑)
GM:何回やったら気が済むんや、あんたは。
エルバート:えーっと、チャートは……(ガシャン)……
レーラカイス:にいっ!
エルバート:やった! 効果20倍だぁ!
今思えば、その暴発チャートの2番には『上記のものが2倍』と書いてあり、その上記にあたる1番には、『呪文の効果が10倍』とあった。つまり暴発チャート2番は、単に呪文の効果が2倍になるだけなのだが、その時の彼の思考は10×2の効果20倍という、なんとも都合のいい効果を算出したのであった。セッション中に細かいルールを確認する者は、GMも含め誰もおらず、結局そのことに気づく者はいなかった。
GM:うひゃぁ。シアルグの皮膚は突如、超合金と化した(笑)!
エルバート:AV、120(笑)。
ラージャ:ひ、120!?
レーラカイス:無敵ですね。
エルバート:うむ。無敵だ。
ラージャ:こーなったら、突っ込んでいき、ベーッて(笑)。
シアルグ:よし、じゃあオラオラオラーって、奥の光の所まで、突っ込んでいくわい。
GM:じゃあ駆けだしたシアルグの目の前に二匹のガーゴイルが立ちはだかる。えー、なんて書いてある? それ。(と、バトルマップ上の自家製サイバーフィギュアの位置を訊く)
レーラカイス:Hと……G。
GM:じゃあ、シアルグの異変に気づいていない無邪気なHとGは、両方力斬りで。うりゃ、24成功、02成功。回避二回やってや。
シアルグ:うぎゃ、両方失敗。やっぱ苦痛状態やと辛いわ。(編注:ロールの難易度が一つ上がります。つまりそれまで一回判定で良かったものが、二回連続成功する必要になってます)
GM:ダメージ、24発と……25発。
ラージャ:キン♪
シアルグ:無駄無駄ぁ。
エルバート:普通やったら死んでるよな(笑)。
その後、恐怖の鉄人アタックにより、目の前に立ちはだかるガーゴイルを粉砕したシアルグ。広間の奥の青白い光目指して全力疾走する。光は奥の祭壇の上から放たれていた。再び両側の石柱近くの台座から飛びかかってくるガーゴイルを撃破した呪術師は、ついに光の源である祭壇に辿り着いた。
GM:そこには、青白い光を放つ一冊の本がある。
シアルグ:おー、それをよく見てみる。
GM:<神代語>で書かれてるようなので、君は読めんやろ。
シアルグ:げ。
GM:そうこうするうちに、君の背後には他のガーゴイル達が押し寄せて来てる。怖くはないと思うけど。
シアルグ:よし、一応その本を袋に入れておく。
GM:祭壇から本を持ち上げると、青白い光は消える。じゃあ戦闘の続きを、と。
ラージャ:おーい、もうその本手に入れたんやから、帰ればいいわ。
レーラカイス:というわけで、退却します。
GM:へ?
エルバート:タタタッとこの部屋を出て、ドアを閉めれば奴らも追ってはこれないだろう。
レーラカイス:じゃあそういうことで。
GM:……(もうちょい、戦いたかったような)。
シアルグ:ちょい待ち! お、俺はどないすんねーん(笑)!
ラージャ:さっさと走ってきなさいよ。
エルバート:イヒヒ、閉めたれ、ドア閉めたれ。
シアルグ:おおおーーい(笑)!!
エルバート:世界の平和を守る為、ドアを閉めるのです。
ラージャ:早く来なさーい。あんたはどーでもいいから、お宝だけ投げて寄越してもいいわよーっ。
GM:しかしシアルグ。君の目の前には、わんさと群がる無邪気なガーゴイルちゃん達が(笑)。
シアルグ:うわーっ! 突破、力ロール、(ガシャン)……03、ドッカーン!
GM:だが、ガーゴイル包囲網を突破した君の行く手にある扉は?
残り:ギイイィィィィィッ……(笑)。
シアルグ:うわあぁぁぁーっ!!
重々しい音と共に扉は再び閉ざされ、そして沈黙。
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