▼replay_ブルーフォレスト物語

■『討魔龍伝承 第三話』/01

←return   →next













AD1991/04/07_08/18
劇団『魑魅魍魎』
ブルーフォレスト物語・キャンペーン
『討魔龍伝承』
『第三話 魔都潜入』
web mix ver_0.6

system with
『ブルーフォレスト物語』(ツクダ・ホビー版)
[Copyright 1990 Tsukuda Hobby,All Rights Reserved.]


◆第一話 あらすじ
 シュリーウェバ暦1999年種の月3日。シリス王国の聖都アロカランを訪れた駆け出し冒険者達。彼らは、とある旅の吟遊詩人から、『まぼろしの種』なるものを、西の果ての最終僧院まで届けて欲しいと頼まれる。しかし、西への旅を続けるある夜。一行は、一人の旅人を取り巻く、謎の黒ローブ集団との戦いに遭遇する。そして、その戦いで出会った旅人、修験者ナイムと行き先が同じだったことにより、彼らは共に最終僧院を目指し、ついにその地へ辿り着くのだった。

◆第二話 あらすじ
 ナイムと共に、最終僧院を訪れた一行。彼らは、闇水晶等を触媒とする神代闇呪の実体を探る為、寺院都市へと向かう。しかし目的でもあった呪文書の写本は、既に何者かの手によって、奪われていた。そこで彼らは、その原本があるというアウス山の古代神殿へと赴くのであった。一行はその地で、魔族の一団が一足先に訪れていたことを知り、魔軍による半島侵攻と、太古の呪術に繋がりがあることが明らかとなる。


■第三話 魔都潜入

▼ 再会

GM:シュリーウェバ暦1999年、陽の月15日の昼過ぎ。集いの村に修験者ナイムがやってくる。『長き旅路』亭に入ってきた彼は、君達がいるのを見て「おぬし達、元気そうだな」とか言いながら、重そうな荷物を肩に歩み寄る、と。あとはまぁ、一緒に酒など飲みながら、互いの出来事について情報交換するわけやけど。そちらの情報はどんな風に話すん?
ラージャ:アレ、既に……何か盗られてたわけやわ。
シアルグ:闇の腕輪か?
ラージャ:そうそう。
エルバート:「つまり、闇の腕輪と呼ばれている降魔召喚用の触媒が、既に何者かによって奪われてしまっていたのです」
ラージャ:んで、呪文書には恐ろしいことがうじゃうじゃと書かれていた、と。
GM:それらをまとめたリーダーは?
レーラカイス:「まぁとにかく、大切な物が盗まれてしまったのです」
GM:早っ。「そういうことがあったのか。おぬし達もなかなか大変だったみたいだな」とか言いながら、ナイムは自らの旅の首尾を君達に話す。ナイムはランカル島に行ってたんやけど……そこの地図に載ってるやろ……その島には魔族の本拠地であるマーラサキーっていう魔都があって、修験者はそこへ潜入してたんやって。
エルバート:なかなか豪快なことするなぁ。
GM:で、その魔都の中心部にあるドルザネリス城で広まっていた噂には、主に以下の二つがあったそうな。まずその城の主で、魔帝の下で魔族達を指揮するバギスって奴が、ここ最近、城になにやら大切な物を持ち帰ったらしいって話。それから、かねてよりそのバギスと対立していたガルナスという魔道士が、何故か先日バギスの命で行われたシリス王国への侵攻に手を貸した、という話。そんなことが、魔都で囁かれていたそうな。
エルバート:そうですか……。
GM:修験者が解せぬ風に言う。
「それにしても、バギスが城に持ち帰った物とは、一体何なのだろうか……おぬし達に心当たりはないか?」
レーラカイス:(キッパリ)ありません。
エルバート:(キッパリ)ない。
GM:……(あんたら相手にマスターしてた私が馬鹿だったよ)。
シアルグ:……腕輪とちゃうん?
GM:思い出せるかどうか、知覚ロールしてみてや。
ラージャ:(ガシャン)……わかんない。
シアルグ:わはははは、わかったぞ。
レーラカイス:あ、悟りました(笑)。
一同:おおーっ。
GM:レーラカイスの脳裏に『や・み・の・う・で・わ』と閃く。それから以前、この宿屋のおばさんから聞いた魔族の集団の首領の名前が『ば・ぎ・す』って言ってたのも思い出す。
レーラカイス:「えーっと、それからバギスっていう人が、ここにやって来た、という情報も入っています」
シアルグ:バギスは魔族やで。
GM:「おお、バギスがこの村にまで訪れていたのか……」
ラージャ:「で、そいつらが、神殿へ行ったんでしょ?」
エルバート:「そして腕輪を奪った……と」
GM:「するとバギスが城に持ち帰ったというのは、その闇の腕輪とやらに間違いなさそうだな。しかし、何故奴が、そのような腕輪を今になって欲しがったのだろう。噂によると、奴は魔道には長けていないということだが……」
ラージャ:だからそいつの後ろに、大きな魔道士がついていたのかもしれないわね。
シアルグ:3m80cmくらいの大魔道士が。
エルバート:いやいや。そのバギスとやらは、きっとその腕輪を道具屋に売りつけて、大金持ちになるつもりなのだろう。そーに違いない!
ラージャ:……あんたら、覚悟しておきなさいよ。
レーラカイス:こ、こわい(笑)。

 不毛な議論がしつこく続く。

シアルグ:「しかしそんな恐ろしい触媒が、奴らの手の内にあるというのは、かなり危険なことやと思うで。奴らがいつ、呪文を行使するとも限らんし。ナイムさんが言うには、今そのバギスとか魔族の大半は、シリス王国へ行ってるんやろ? やったら今なら、その腕輪を取り返しに行くにはいい機会だと思うんやけど……」
ラージャ:うん。そー…かもしれないけど、危険も大きいわよぉ(笑)。
エルバート:一体どうしたというのかね? 言ってる意味がよくわからないなぁ。
GM:「しかしシアルグの言う通り、拙僧が潜入した時には既に、魔族の大半が進軍に加わり、魔都は随分閑散としていた。腕輪とやらを取り返すにはやはり、この機を逃す手はないと思うのだが……」
ラージャ:うーん。
エルバート:さようでございましたか……
GM:で、どないする?
レーラカイス:あの……一旦、シリス王国に……
ラージャ:行ってみてもいいかしら、と。
GM:時間かかりすぎるやろな。強行軍でも二ヶ月くらいはかかるんちゃう? 君ら五、六人が魔族の占領地に突撃しても、状況はなんも変わらんと思う。
シアルグ:いやー、あの辺では随分酷い目にあったよなぁ。蛇女に咬みつかれたり、アバラ折られたり、いやー、懐かしい。
ラージャ:なに思い出に浸ってんのよ。
エルバート:皆の者、私と共に戦乱など避け、どこか平和な地で心やすらかに暮らそうじゃないか。
GM:貴様それでも冒険者かいな。レベル5って言えば、見かけはとりあえず偉げな魔道士なんやで。見かけは。見かけだけは(笑)!
エルバート:そこまで強調せんでも(笑)。
ラージャ:ま、あたしはシアルグの意見に賛成ですね。
GM:他の人は?
エルバート:皆さん、がんばってください。
ラージャ:貴様もぢゃ。
エルバート:なんと! 私にも行けと言うのかい?
ラージャ:当然よ、オーッホッホッホ。
GM:で、リーダーは?
レーラカイス:全員行きます。……え? エルバートさん、何か?
エルバート:……もぉいい。何でもない。
GM:ナイムが麦酒をあおって言う。
「では今日はひとまず体を休め、明日の朝、魔都に向けて出立することにしよう」…ってことで、あとは再びドンチャン騒ぎになるのかね?
一同:うおぉーっ(笑)。



 
 
 

▼replay_ブルーフォレスト物語

■『討魔龍伝承 第三話』/01

←return   →next