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■『討魔龍伝承 第三話』/02

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▼ 予夢

GM:次の日。君達は族長とか村の人とかに別れを惜しまれながらも、魔都のあるランカル島へ出発する、ということで。まず、地図見てや。
ラージャ:はーい。
GM:昨日の話し合いで、ランカル島行きの船に乗る為、とりあえず『逃れの町』ってところまで行くことになったんやね。集いの村からの距離は約400km。行程にして半月近くかかる旅になりそう。食糧は村の人達が用意してくれた。
エルバート:あ、どーもどーも。
GM:わざわざキャラシートに書かんでもええよ。すぐなくなるから(笑)。
エルバート:いや、もー書いてしまった。
GM:そっか。ではみんなは今、その逃れの町へと向かう旅の途中なんやけど、そんな旅の途上のある夜。君達が旅の疲れによってぐっすりと眠っていると……全員知覚ロールしてみて。
ラージャ:今日もいい天気だったわぁ。(ロール失敗)
エルバート:ぐーすかぐーすか。(同上)
シアルグ:な、何だこの感じは!?(ロール成功)
レーラカイス:成功しました。(同上)
GM:シアルグとレーラカイスの二人は、その夜、奇妙な夢を見る。夢の中で、二人は小さな島へと向かう自分達に気づく。その島には森や村などがあり、村の近くには古びた礼拝堂のようなものも見かける。そういうぼんやりと霧がかった風景をなんとなく夢見た。
エルバート:ほー、まるで『ビーローズ』みたいやな。(編注:和製ファンタジーTRPGの金字塔、『Roads to Lord』シリーズのうち、最も摩訶不思議度の高い二作目『Beyond Roads to Lord』を指します)
GM:ということで翌日は何事もなく目が覚め、旅は続くよ。そんな不思議な夢を見た夜もあったものの、旅そのものは順調に進み、風の月1日の夜半頃、君達はシュリーウェバ地方半島部北東の湾岸沿いに位置する『逃れの町』ラーマベインに辿り着いた。


▼ 逃れの町

GM:はい、これ町の地図。
ラージャ:はい、リーダー。(と、地図を手渡す)
GM:辺りは既にすっかり帳が降りてるわけやけど、町の入り口をくぐった君らはどないする?
ラージャ:人攫い。
シアルグ:おいおい(笑)。
ラージャ:ま、あたしは宿を探したいわよーと。
レーラカイス:僕もそれでいいです。
GM:その町の地図、南の方にちょいと印をつけてる場所があるやろ?
ラージャ:ええ。
GM:そこにあるよ。『ウキウキ亭』が(笑)。
エルバート:またチェーン店かい(笑)。
GM:ラーマベイン支店。まぁ、24時間営業ってことで、結局そこへ押しかけることになった君達。えー、一泊25銀貨です。
ラージャ:え?
GM:25銀貨。
ラージャ:(値段)上がってるやん。
GM:多分、高級ベッドとかが、長旅で疲れた君達を待っているのだろう(笑)。
エルバート:何故、値上げされている?
ラージャ:なぁ。いつもは20やったもん。
GM:なしてそんなことだけ覚えてるかね。
シアルグ:25銀貨だとぅ。
レーラカイス:まぁ、色々事情があるのでしょう。他に開いてる店もないようですし、皆さん、今夜はここに泊まりましょう。
一同:はーい。(重低音)

 次の日。

GM:君達が朝食をとりに昼頃、酒場をかねた一階の食堂へ下りてゆくと、既に多くの労働者達で賑わっている。
ラージャ:昼頃とは失礼な。
レーラカイス:じゃあさっそく情報を。
GM:10面体、転がして。
レーラカイス:はい……えー、1。
GM:昼食をとっていた近くのオヤジと目があった騎士。何について訊くん?
レーラカイス:え、えー……
ラージャ:深く考えることなんてないじゃない。適当にペッペーと話しなさい。
レーラカイス:「あ、おはようございます。今日はいい天気ですね」
一同:おーっ。
GM:だいぶマシに台詞回せるようになってきたやん。オヤジは顔を上げて、近寄ってきた甲冑姿の大男を見上げる。「何か用かい?」
レーラカイス:「あの……この辺りに……」
GM:ふむふむ。
レーラカイス:「……お金儲けの情報はありませんか?」

   (一同爆笑)
──ちっともマシに台詞回せてない。

ラージャ:だからいきなりそれは止めなさい(笑)!
GM:「繁盛しているようだし、この店で働いても結構な稼ぎになるんじゃないか」って、オヤジは笑ってる。で、他に訊くことはないんかい。
レーラカイス:う゛ー……、他にはこれといって、何もありません。
GM:ほぉ。
ラージャ:じゃあ、あたしも聞き込み。(ガシャン)……8。
GM:何について?
ラージャ:魔軍の軍勢の状況とかをね。
GM:了解了解。(珍しくまともなこと訊いてくるなぁ)

 というわけで、ラージャに続き、次々とダイスを転がし始めた他の連中達が集めた情報の中から、いつくかめぼしいものを以下に挙げておく。

・既に魔族は進軍を始めていて、それを防ごうとしたクリジアの軍がひとたまりもなく破れ、青き森やこの町にも、多くのクリジアの民が逃げてきている。

・ランカル島の西にある『英雄島』には、今も最後の英雄と呼ばれているエルシュという偉人の墓があり、その島に住む魔族が、代々畏敬の念と共に墓を守護しているらしい。

・ランカル島の魔族の城、ドルザネリス城には、今はもうほとんど魔族がいないらしい。

・この町から船出するには、東の港にある『船乗り達の宿』を訪ねるのがいいらしい。ただ、昨今の緊迫した状況では、余分な船賃がかかる上、船すら出してもらえるかどうかわからない、とのこと。

 これらを参考に、一行は、ランカル島へ船で行く為、とりあえず東の港にある『船乗り達の宿』へ赴くこととなる。


▼ 交渉

GM:町の中央通りをしばらくゆくと、君達は、船乗り達が集まるという宿屋にたどり着く。かなり乱暴に扱われていると見える大きな扉を押し開くと、店の中は昼間から酔って暴れる船乗り達で溢れかえっている。
シアルグ:暴れてるって……
GM:「うおーっ!」とか叫んでる。
ラージャ:「すみませーん」
GM:「何だ、ねーちゃん」
ラージャ:「お船とー、船乗りさんを貸して頂きたいんですけど」
GM:船長らしき髭面の男が話に加わる。
「それで一体、どこへ向かうつもりなんだ?」
ラージャ:……どこだっけ(笑)?
シアルグ:魔族の島!
ラージャ:そう、「ランカル島……でしたっけ?」
GM:「お前ら、一体何の用があって、あんな恐ろしいところへ行くつもりなんだ?」
シアルグ:「ふん。貴様ごとき下賤な輩に言う必要などないわ!」
GM:「何だとゴルァーッ!」と、船長の逞しい腕から繰り出された殺人拳が、シアルグを襲い、顔面に炸裂する。
シアルグ:ひーっ、今のなしにする(笑)。
GM:船長は何事もなかったかのように話を続ける。
「それで、どうしても今、あんな所へ行かなけりゃならないのか?」
ラージャ:「ええ」
GM:「しかし最近は、例の魔族騒ぎで、いつもより危険だ。つまり高くつくぞ」と、ふっかけてくる。
エルバート:「修験者殿。後はお任せしました」
GM:ナイムは真顔で答える。「いや魔道士殿。拙僧とて今は、おぬし達と同じ身、つまり文無しなのだ」
シアルグ:「わかりました。では、この女を売り飛ばしましょう」(とラージャを指さす)
GM:ナイムは真顔で答える。「うむ、それはよい考えだ」
ラージャ:キャーッ(笑)。
エルバート:売れへん売れへん(笑)。
ラージャ:バキッ!(撲殺SE)……美しいって、罪ねぇ。
「それで、船代はいかほどでしょうか?」
GM:「そうだなぁ、俺の船なら、一等席で金貨7枚ってところだな」
一同:ひょえーっ!!
エルバート:一人でかい!?
GM:いや、5人分や。「2等席で金貨6枚。三等席で5枚だ」
エルバート:「では4等席を頼むことにしよう」
GM:そんなものはありません。
ラージャ:「少し、まけて頂けません?」
GM:「そうだなぁ、俺達もここんところ、魔族騒ぎで退屈してたところだ。久々の仕事だし、あんた達の事情も考えてやってもいい。とりあえず、この俺とアームレスリングをして、もし勝てたのなら、まけてやってもいい」
エルバート:ア、アームレスリング!?
一同:怪しーっ(笑)。

 突如として始まった腕相撲大会。船賃引き下げをかけて野獣の如く船長に襲いかかった一行。迸る奇声と共に飛び交ったダイス合戦の結果、出航依頼は金貨2枚で成立することとなった。

 その夜。船の件も無事片づき宿でくつろぐ彼らは、再び不思議な夢を見る。それは、うっすらと青みがかった長い髪を風になびかせた男が、『我が眠りし地へ……』と呼びかける夢だった。

 そして翌日。一行は『海の羅刹』号に乗り込み、ランカル島へ向けて出航するのであった。



 
 
 

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■『討魔龍伝承 第三話』/02

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