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■『討魔龍伝承 第三話』/07

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▼ 地底湖

 結局、一晩体を休めることにした一行。
 翌日、ついに礼拝堂へと足を踏み入れた。

GM:中は、こぢんまりとした感じ。部屋の奥に、古ぼけた祭壇と石像が、窓から差し込む細長い光の中に見える。祭壇の上には、細長い箱のようなものもある。どうやら棺みたい。
ラージャ:キヒヒ……開けよっか(笑)。
シアルグ:あの青っぽくて長い髪をした男が、『我が眠りし地へ』とか言うてたことやし、やっぱ開けるしかないか。
GM:開けんの?
シアルグ:誰が?
エルバート:誰が?
ラージャ:誰かなぁ?……レーラカイス(笑)。
レーラカイス:……ここはやっぱり、サイコロで決めましょう。
シアルグ:「でも坊さんは、棺なんて開けていいのか?」
GM:「拙僧は遠慮する。おぬしら四人で決めてくれ」
レーラカイス:嘘や……
エルバート:あ、じゃーんけーん、
一同:ほいっ!
エルバート:あーいこーで、
一同:ほいっ!
エルバート:あーいこーで、
GM:この世界にジャンケンなんてあったっけ?
一同:ほいっ!

 数回後……

レーラカイス:あー負けたー。
GM:結局リーダーかい。
ラージャ:騎士が死人の眠りを妨げるとはねぇ。
GM:じゃあレーラカイスが恐る恐る棺の蓋を開けてみると中は……空っぽ。
レーラカイス:あー?
シアルグ:おお!?……棺の蓋、裏返してみるぞ。
ラージャ:蓋にへばりついているのね(笑)。
GM:ハズレ。
エルバート:棺の底をコンコン叩く。
GM:どんな風に?
エルバート:と言われても、ただ単に……そやな、ナイフの柄でコンコンと。
ラージャ:ち○ちんで。あたし女の子だから出来ないよー(笑)。
シアルグ:馬鹿野郎。
GM:エルバートは知覚ロール×2。
エルバート:……うむ、成功。
GM:すると、棺の底に何やら抜けるような音がする場所がある。
エルバート:コーンコーンと響くねんな。「おぉ、こいつぁ、いい音だ」 よぉーし、突然歌いながら、リズムを打ち出すぞ。
シアルグ:こっちまでおかしなことを始めたか。

 その後、地下への階段を見つけた一行は、押し合いへし合い地下へ下りてゆく。螺旋階段の底には一枚の扉があり、その先は、様々な魔族と戦う戦士の姿が左右の壁に描かれた長い廊下が続いていた。そして廊下を抜けた彼らの行く手には、巨大な地底湖が静かに広がっていた。

 霧の中から音もなくやってきた小舟に乗り、一行は湖へ乗り出す。自然の石柱の合間を抜けてゆく時、シアルグとレーラカイスは、冷気を伴った微風の中に、ある哀しげな歌声を聞く。やがて神秘的な地底湖を対岸に降り立った彼らは、再び長い廊下と扉を潜り、螺旋階段を上ってゆくのであった。そして……

GM:出てきた場所は、入り口の時と同じ、祭壇の裏側みたい。
シアルグ:じゃあ、前に回って祭壇を眺めてみるぞ。
GM:知覚ロールして……成功? じゃあシアルグは気づく。祭壇の上にある像が、この前のアウス山の古代の神殿で見たものとよく似てるってことを。
シアルグ:これは……闇王の像か?
GM:左右の石柱の奥の壁には、縦に細長い石窓があって、そこから夕日の日差しが差し込んできている。特に左側の窓からの光が強いことから、だいたいの方角もわかると思う。君らが出てきた祭壇からまっすぐ突き当たりに、外へ出るであろう扉がある。
レーラカイス:ではみなさん、出てみましょう。
GM:像が祀られていた建物を出ると、とりあえず小さな橋を渡ることになる。
エルバート:橋?
GM:あぁ。庭にあるような小さな橋。その橋を渡り終え、久しぶりの外の土を踏みしめた君らが辺りを見回してみると、どうやらそこが、かなりの広さのある中庭みたいな場所であることに気づく。君らの左右の少し遠い所には大きな石造りの建物が建っている。それと右斜め後ろには、先程出てきた像が祭られていた建物より小さな倉庫のような建物があり、その向こうには夕日を受けた巨大な塔がそびえている。で、君らの前方、中庭を隔てた場所に、最初に言った左右の建物を繋ぐような建物があって、多くの窓や入り口が見えている。ナイムが言う。
「ドルザネリス城の南東にも、あのような禍々しい塔があったぞ。噂では、ある力のある魔道士が住んでいるらしい」
ラージャ:……ということは……
シアルグ:うん。ここがその城みたいやな。
エルバート:でも、いきなりこんな場所に出てきて……ヤバかないかい(笑)?
GM:さぁな。まぁとにかく君らの現在地は、ランカル島の魔都の魔城、城壁内の塔と石造りの建物に囲まれた中庭の中の、闇王の神殿出口……ということで。知覚ロールしてみて。
レーラカイス:わかりません。
シアルグ:わからんぞ。
ラージャ:何かあるわよ。
GM:うん。中庭の北東の隅に、君らの立っている場所からでもやたら大きく見える犬らしきものが寝ているのに気づく。
シアルグ:うぎーっ!(恐怖と驚きを表しているらしい)
エルバート:おぉ、あれは犬かい?
ラージャ:黙りなさい! 起きたらどーすんのよ。
エルバート:犬だな。(←うれしそう)
GM:今、君らが行ける所となると、前方の左右の建物を繋ぐ北の入り口か、右斜め後ろの倉庫か、後戻りして神殿へ帰るか、ってところかな。
ラージャ:倉庫行ってみよか。
エルバート:い、い、犬がいるよ。(←とてもうれしそう)
GM:「場所が場所だからな。隠密に行動すべきだと思うぞ」
ラージャ:だったら茂みにペーって隠れて行こう。
GM:んなもんねーよ。
ラージャ:何もないんか。
エルバート:犬……いぬぅ……(譫言を繰り返している)
シアルグ:やはり魔族の本拠地となると、それくらい気をつけて行動せなあかん、ってことかな。
エルバート:オス犬? メス犬?
GM:さっきから何ブツブツ言ってんねん。そんなに気になるんやったら見に行ってみたら? その犬らしきモノを。
ラージャ:止めとき、喰われる。とりあえず、倉庫ってことで。リーダー。
レーラカイス:そうですね。とりあえず身を隠すにもよさそうですし、みなさん、それでいいですか。
一同:おーっ。

 倉庫には人の気配はなく、一行は山積みされていた食糧を略奪する。

GM:おいおい、泥棒とかしたら、せっかく上がった悟りレベル下がるで。
レーラカイス:じゃあ力一杯盗ります。
ラージャ:食糧いっぱーいv ぷっぷくぷー♪

 背負い袋一杯に食糧を詰め込み意気揚々の一行、次は北の建物への潜入を試みる。実は犬の姿をしたドラゴンだのマンティコアだのと噂された、眠る巨大犬の側を抜き足差し足で通り抜け、北館へ足を踏み入れた。

GM:建物に入った時点でわかるんやけど、この北館は、左右に伸びる長い廊下のような形をしてたりする。東へは15m程先で行き止まりになっていて、扉がある。西はもう少し先までありそう。それから前方にも大きな出口があって、その先には大きな橋と巨大な城壁が見える。橋が続く城壁の開かれた門の両端には二人の兵士がいて、君らから見たら背を向けた状態で城を守っている。門の外側にも橋があって、そちらは魔都へと続く架け橋みたい。

ラージャ:じゃあ建物の入り口の側の壁に隠れて(小声で)「衛兵よ」って。
GM:ナイムもすぐに気づき、ササッと身を隠す。
シアルグ:俺もそうする。
レーラカイス:そうします。
GM:エルバートもそうするん?
エルバート:え? では、横を向きながら、ササッと四つんばいで。
ラージャ:トカゲかい。
GM:じゃあ、門番達には気づかれなかったみたい。
シアルグ:何mくらい離れてんの?
GM:6mくらいかなぁ。
エルバート:むちゃ近いやん。
シアルグ:よーしよーしよーし! こらもぉ、背後から襲いかかるしか! へっへっへ(笑)。
GM:不意打ちしても、結局仲間呼ばれたら、それでおしまいやろなぁ。
ラージャ:やっぱしここは、静かに行動するべきね。
エルバート:そっちの扉を開けて、中に入ろうではないか。
レーラカイス:では行きましょう。
ラージャ:静かにね(笑)。

 珍しく隠密行動に徹することにした一行。ひとまず門番兵士に気づかれることなく扉を開き、城の東館へと潜入する。扉の向こうの部屋は、兵士達の酒場のような場所であった。幸いここにも人影はなく、一行は上と下、それぞれに続く階段を見つける。
 下階から探索を始めた一行。地下一階は武器庫であった。食糧貯蔵庫同様、略奪を開始する賊共。(シアルグだけは、悟りレベルを維持したいらしく窃盗を自粛していたが、その目は棚に輝くチャクラムを物欲しげに見つめ続けていた)
 装備を一新。気を良くした一行は、二階へ赴く。そこはどうやら兵士達の寝室であったらしく、扉越しに聞こえてくる数多のいびきに戦慄する賊共。新装備でも多勢に無勢、とのことで、その場からも抜き足差し足、立ち去ることとなる。そして……



 
 
 

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