▼ そして、闇の腕輪
ラージャ:ダッシュダーッシュ、ダダダン♪ 思いっきり走るよ。
GM:階段を駆け上がると、3mほど先に、両開きの巨大な扉がある。
シアルグ:調べてみる。
GM:簡単な鍵がかかってる。開けるなら作業ロール。
レーラカイス:あ、成功しました。
GM:扉を押し開けると、その向こうはかなり大きな広間で、幅が10m、奥行きが25mくらい。左右には石柱が立ち並んでいて、両側の壁には石組みの窓がある。石柱の合間から見える窓からは、夜の訪れを思わせる弱々しい夕日が差し込んできている。で、その広間の奥の方には、黒い甲冑をまとった一体の巨大な騎士と、先程戦ったような黒騎士が二体、じーっと立ってる。どないする?
ラージャ:おじゃましましたぁv バタン(笑)!
シアルグ:おいおい!
エルバート:いーじゃないか(笑)。さ、帰ろう。
ラージャ:なーに言ってるのよ。準備よ準備。
ナイムとレーラカイスが怪我人を治癒して回り、エルバートとシアルグが印を結び始める。
エルバート:では騎士殿。
レーラカイス:はい。扉をガチャ。
シアルグ:ゴゴゴゴゴ!
GM:扉の向こうでは、やっぱり先程の状態のまま。まだあの三体は立ちつくしている。
ラージャ:どーする? リーダー。
レーラカイス:え、じゃあ先にザコから相手しよう。
ラージャ:突っ込んで行くのねぇ。
レーラカイス:はい。
シアルグ:よぉーし、バンザイアタァック!!(テ注:うるさい。)(編注:ちなみに「バンザイアタック」とは、大東亜戦争で、日本軍兵士が「天皇陛下万歳」を叫びながら突撃をしたことの、米軍側からの呼び名。つまり無理無茶無謀な突撃攻撃の意)
GM:リーダー、号令は?
シアルグ:バアンザァイィィッ!!(テ注:とてもうるさい。)
エルバート:突撃はちょっと待ってほしいのだが。
ラージャ:キャッホーッ! 突撃ぃぃーっ!!
シアルグ:パァパラパラパラパパパパラパァー♪
エルバート:いや、だから突撃は待ってほしいのだよ。
GM:作戦でもあるん?
エルバート:「ナイム殿、ダブル<溶岩噴出>といこうではありませんか」
GM:「おお、それはなかなかいい作戦だ」
レーラカイス:え、ここ三階ですけど。届かないんじゃないですか? 溶岩。
エルバート:あ、ほんまや。
GM:地面から吹き出す溶岩やから、届いても二階までなんかなぁ、やっぱ。
ラージャ:だ、か、らぁ、戦闘員がバァーッと突っ込んで、あなた達二人は後ろで魔法を使う、と、そうしましょう。
レーラカイス:では、みなさん行きましょう。
エルバート:結局突撃かい。
GM:はい、大きな声で号令は?
レーラカイス:え……えぇーい、皆の衆、突撃じゃあ!!
一同:うぉーっ(爆笑)!!
GM:戦闘員達が、二本目辺りの石柱を越えた頃、ようやく相手も動き出す。反射はこっちが上なんで、先いくよ。
ラージャ:くっ、木偶がぁ!
シアルグ:俺も突撃じゃ!
GM:このラウンドは、敵さん、前に進むだけやから。
シアルグ:(バトルマップを眺めながら)この真ん中の奴って、でかいねんなぁ。
GM:ああ。
シアルグ:じゃあこいつに向けて<爆炎投射>、ラージャの上を飛ばすわ。
GM:どうぞ。
シアルグ:だぁぁっ!(ガシャン)……よし、発動。
GM:ダメージは?
シアルグ:顔面に19! ドドドン!
GM:痒いな……残り65。
シアルグ:何ィッ!
GM:次はナイムやな。
エルバート:敵さんに向かって移動して終わりちゃうん?
GM:あ、そやな。ラージャ、レーラカイスも同じやね。(編注:ちなみに先程のシアルグは「突撃」と叫んだだけで、その場から術を放っていたりします) エルバートはすることある?
エルバート:ある。騎士さんに<硬化防護>……おおっ!
一同:おおーっ(笑)!!
GM:暴発(笑)。
ラージャ:またかいなぁ。
エルバート:チャートは……(ガシャン)……2!
シアルグ:上記が2倍、おおっ鉄人、鉄人や(笑)!
エルバート:効果20倍だぁ(笑)。
GM:ちゃうちゃう、ただの2倍やって。
エルバート:上記が2倍とちゃうん?
GM:チャート1の「呪文の効果が10倍」の『呪文の効果』の部分が2倍で発動ってこと。前回のシアルグ鉄人化は間違い。だいたい、チャート1が一番エグい効果で、10がショボくなってるんやから、チャート2が1を越えるってことないやろ。「10倍」を2倍するという解釈は却下。
エルバート:はいはい。じゃあAV+12だよ(笑)。
レーラカイス:わぁっ。
シアルグ:おおーっ、鉄人2号、鉄人Mk2(笑)!
ラージャ:絶叫して突撃しなさいっ。
レーラカイス:はい、そうします。
そして両者が激突。数ラウンド剣を交えるが、黒騎士とは互角に戦えても、巨人にはどうも分が悪く、侵入者達は徐々に押され気味になってゆく。
GM:巨人の斧がシアルグ目がけて振り下ろされた。(ガシャン)……成功っ!
シアルグ:回避……成功!
GM:唸りをあげながら襲いかかる巨大な斧を、紙一重でかわしたシアルグ。知覚ロールしてみて。
シアルグ:あーっ、足らんわ。
GM:失敗? じゃあ分からんな。次の人は?
レーラカイス:黒騎士Bに命中斬り……ぎゃー、ミス。
ラージャ:Aに力斬り……なんか目ぇ悪いなぁ、失敗。
GM:ナイムの方は、巨人に……当たり。16発。次は?
シアルグ:仕方がない。そっちの女の子がヤバそうなので、<神聖加護>してあげよう。(ガシャン)……おーし、なんとか成功。AVは……6上がる。
ラージャ:ありがとー、お兄さんv
シアルグ:……お兄さんって……そっちの方が年上やぞ。
ラージャ:じゃ、ありがとーよ。ガキ!
数ラウンド後、レーラカイスが黒騎士一体を撃破。一行は形勢を持ち直す。そしてその次のラウンドにはナイムの力斬りが巨人に炸裂。46発という大ダメージで倒すこととなる。
エルバート:すげーっ(笑)!
GM:おーやっつけたぞ(笑)。
エルバート:化け物か、こいつは(笑)。
GM:「拙僧が力斬りを……じゃなくて、ちょいと力を出せば、こうなるのだ」(偶然の産物とはいえ……NPCで中ボスを倒すという、不毛なことをしてしまった……)
そして残された黒騎士と一対一の戦いを繰り広げていたラージャ。既に苦痛状態(編注:HP半分以下、ロール難易度一段階上昇状態)になっていたが、「手を出すなーっ!」(笑)と、わめきちらした後、謎の剣を振り回し、数ラウンド後になんとか決着をつけることとなる。
GM:おみごとおみごと(笑)。
エルバート:けっこーやるじゃないか。
GM:さて、どないしよ?
シアルグ:そら、この部屋調べるわな。
GM:部屋には、とくに何もないよ。
シアルグ:う゛を?
GM:うーん、この戦闘の最初のこと、思い出してみたら?
レーラカイス:……あ、巨人……ですか?
シアルグ:そーか、二番目の石柱やな。
GM:そんなことは、どーでもいい。ほれ、リーダー。さっきの続き、ゆーちゃり。
レーラカイス:えー、巨人のなれの果てを、調べてみます。
GM:知覚ロール、全員振ってみて。
シアルグ:うっしゃ、成功。しかも悟ってる。
GM:成功した人は気づく。バラバラの残骸となった巨人の左腕の部分に、奇妙な黒い腕輪が壊れずにはまっているのを。
エルバート:外そう。
GM:巨人の腕にはまっていた時は結構大きかったのに、外してみると、腕輪はかなり小さくなる。
エルバート:誰かつけてみー(笑)。
GM:ちょうど、君の腕にもはまりそうな大きさだ(笑)。
ラージャ:ケケッ……誰か、エルバート押さえつけへん(笑)?
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