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■『討魔龍伝承 第四話』/02

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▼ 別れ、そして青き森へ

GM:シュリーウェバ暦1999年風の月6日の早朝。君らはまだ人気もなく少し肌寒い空の下、ウキウキ亭の前で、それぞれの旅に出る支度をしてる。ナイムが君達に言うよ。「拙僧がいなくなってもがんばるのだぞ」
ラージャ:「はい。ナイム様もお気をつけて」
エルバート:「ナイム様も一緒に行きましょー」
GM:「いやいや。心配せずともまた、会えるだろう」ってな感じで、ライフィスとも別れをかわした君達。
ラージャ:「お気をつけてー」
エルバート:「さよぉーならー」
シアルグ:「そいじゃまたねっ」
GM:手を振る二人を乗せた馬車は、朝靄の中を遠ざかってゆく。
レーラカイス:ではみなさん、出発していいですか?
一同:うおーっ!


▼ 新たな仲間

 早朝に逃れの町を後にした一行は、昼過ぎに青き森に到着する。彼らが森に足を踏み入れる頃には、厚い雲から弱い雨が降り出し、うっすらとした霧が森の木々を覆い始める。そんな中、銀の杖が唯一の道標となる。杖が放つ緑の光に導かれ森の奥深くを目指す一行。そして……

GM:エルバート以外やね。進行方向の木々が、ガサガサって素早く揺れたような気がしたよ。
ラージャ:じゃ、カタナに手をかけて…
GM:えー、森へ向かう前に返してもらった謎の剣、ラージャが持ってたよな…じゃあ、君の頭の中に突然、かすれるような声で言葉が響き渡る。『気をつけろ』って。
ラージャ:だ、誰!? 誰なの、あぁーっ!(裏返っている)
シアルグ:あ、俺印組んどくで。
GM:ラージャは一人で叫び続けている、と。すると君達の頭上で突然風が吹き抜け、辺りの木々が大きくざわめく。
エルバート:うぎゃーっ!
GM:叫ぶエルバートの他、全員が気づく。君らの後ろにおるね。なんかが(笑)。
シアルグ:え……う、後ろ振り向く。
ラージャ:振り向くよ、カタナ抜いて。
GM:君達の背後には、山小屋程の大きさのある、巨大な生き物の背中がある。それが、君達の方を振り返る……三つの真っ赤な目を光らせながら。
エルバート:はうぅぅっ!
シアルグ:ドッギャーン!
エルバート:こ、ここ……これ、これうわぁ!! ラァーセェーツゥゥ(笑)!!?
GM:うん。
ラージャ:リ、リーダー! 走って逃げるわよ!!
GM:もう遅い。一番後ろのシアルグ。
シアルグ:俺、印組んでたよ。
GM:ああ。でもとりあえず、こっちから攻撃させてもらうわ。敵は突進してくる。強烈やぞー、こいつわ(笑)。
シアルグ:ひーっ(泣)!!
GM:なんせ陸上最強生物やからな。(ガシャン)…命中斬り成功。回避は?
シアルグ:何ぃ、失敗。
GM:29発。
一同:にじゅうきゅう!?
エルバート:私なら、一撃で終わりだったぞ(笑)。

 その後もラセツの無慈悲な攻撃は熾烈を極め、3R後には、我らがヒーロー達、ほぼ壊滅状態に陥るのであった。

シアルグ:なぁマスター、これほんまに倒せんのか?
GM:ラセツに訊いてくれ。(←無責任) はい、次は?
ラージャ:あたしはまた、謎の剣で殴りにいってみるわ。
GM:謎の剣が、『いてまえー!』やって。
ラージャ:あーっ! また失敗しよった、アホかこいつ!!
GM:『おまえが下手なだけだ』 はい、次どーぞ。
エルバート:もちろん、大魔道士は怯えている(笑)。ラージャに<硬化防護>でもしとこか。(ガシャン)……68、失敗。
ラージャ:お前もアホか!
GM:はい次、レーラカイス。
レーラカイス:はい、命中斬り……悟りました。
一同:うおぉーっ!
レーラカイス:18ポイントです。
GM:AV無視やときついねぇ。はい、次。シアルグ。
シアルグ:えーい、<岩石招来>、三度目の正直ィ……ドッギャーン、失敗や。
GM:と、君達が大暴れしている空き地の周りの木々の影から、若い娘の声がする。「杖を掲げて!」
シアルグ:それをはよ言ってくれよぉ。
レーラカイス:え、じゃあ掲げます。
GM:騎士が掲げた銀の杖から、より強い光が放たれる。そしてそれを見たラセツは急におとなしくなり、君達にきびすを返して、再び森の奥へと帰ってゆく。
エルバート:さぁー、追い打ちだーっ(笑)。
ラージャ:ふん、あたしに恐れをなして逃げたか。
GM:で、霧の中から人影が近づいてくる。「間に合って良かった」って、綺麗な声。
ラージャ:「あなたは?」
GM:「ロミリアといいます」ってさ。近くで見ると白いローブをまとったその女性は、すっげー美人。どこかで見たような気もする。
シアルグ:どこかで……って?
エルバート:はて?
GM:彼女の話によると、自分は森王神殿付近に生えているという、アルダーヌという珍しい薬草を見つける為に、この森に来ていたそうな。
シアルグ:ひょっとして、寝ていた族長の娘さん?
GM:違う。
ラージャ:サラやろ(笑)。

   (一同爆笑)
(編注:単にキャラシートの隅に書かれていた為、出会った女性をことごとくサラ呼ばわりしています。川下りの途中で出会った(悲運の)旅商人の女性、サラ。勿論、重要人物でも何でもありません)

GM:違う。ロミリアゆーたやろ。みんな、感応ロールしてみて。
ラージャ:あー、また失敗や。
シアルグ:失敗や。
エルバート:成功。
レーラカイス:あ、成功です。
GM:じゃあ成功した人は、おもむろにロミリアさんについて行きたくなる。
レーラカイス:え……じゃあやめときます(笑)。
ラージャ:やめれるもんちゃうやろ(笑)。行きたくなるんや。
シアルグ:一目惚れってやつやな。
レーラカイス:何か怪しいなぁ。
GM:「ポ」やで「ポッ」(笑)。
エルバート:「ポ」、「ポッ」(←うれしそう)

──ここより、エルバートに心境の変化が訪れたようである。かつての冷酷非情我が儘アマノジャク路線はなりを潜め始め、この後彼が、ウキウキラブリー魔道士路線を歩み始めたことに気づく者は、誰もいなかった。ただ、暴発魔路線の方は、変化し損ねたようである。

レーラカイス:「ポ」……じゃあついて行きます。
ラージャ:まぁ、行き先も同じみたいやし、あたしもついて行くわ。「おねーさまv」(笑)。
シアルグ:うへぇっ。

 ロミリアと共に森王神殿へと向かうこととなった四人。彼らは一層霧が濃くなってきた青き森を、杖の光を頼りに進んで行った。時折木々の合間から覗く、廃墟と化した寺院などを幾つか通り過ぎること数時間、冒険者達はついに、ひっそりと静まりかえった巨大な神殿にたどり着いた。

 アルダーヌを採取した後、しばらくもめたものの(暴発魔vs狂暴剣士)、結局ロミリアも一行と共に神殿へ赴くこととなる。

 神殿に足を踏み入れた彼らに、謎の剣が忠告する。『ここからが森王の聖殿へと通ずる『試練の通路』と呼ばれる迷宮だ。汝ら全ての力をもってしても通れぬやもしれぬ。心してかかるのだ』と。また、闇に包まれた通路を進む一行の前に、突如風が巻き起こり、白いローブを身にまとったリトルカと名乗る大男が現れる。彼は、謎の剣と同じ忠告を繰り返し、再び風となって去ってゆく。その時、大男の様子を少し笑いをこらえたような面もちで見ていたロミリアに気づいたのは、男の忠告そっちのけで彼女の方ばかり眺めていた某魔道士のみであったりもする。

 かくして三階建ての迷宮、『試練の通路』に臨んだ冒険者達。しかし、そこでは、無数の罠と異形の敵の数々が待ち受けていた。それらを必死に突破する一行は、やがて知ることになる。聖殿へたどりつくには、ある通路を塞ぐ虹色の壁を越えなければならず、その為には、迷宮で既に手にしていた虹色の首飾りに、七色の加護を受けなければならい、ということに。



 
 
 

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■『討魔龍伝承 第四話』/02

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