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▼ さらばシアルグ
 レーラカイス:開きました。
 GM:ガチャリと扉を開くと、背後からゴーっと巨大な火の玉が飛んでくる。一番後ろにいる人は?
 エルバート:俺、真ん中やぞ。
 シアルグ:な、何ぃ!? 俺か!?
 ラージャ:行けっ! 十才児。
 GM:じゃあシアルグ、回避ロールしてみて。失敗したら炎上。
 シアルグ:そっちの方が、まだましや。フッフッフ。貴様ら、爆発が見れるかもしらんのぉー。(編注:ここで彼が言っている『爆発』とは、悟りレベル70突破による非常事態チャートの一つ、『全身がエネルギー化して爆発。その場にいる全ての者に、1D100のダメージ』を指します。ちなみに他には、内臓が破裂したり、ラセツやガルーダに変身したり、白痴や仙人になったり、亜神が迎えに来たりします。いずれにせよ、そのキャラは、人間の器を超えてしまったとして、プレイヤーの手を放れることになります)
 ラージャ:楽しみやなぁー(笑)。
 エルバート:ラセツにはなるなよ(笑)。
 シアルグ:でも俺の持ってる神代闇呪の呪文書はどないするのかな。
 GM:え?……死ぬ前に誰かに渡しといたら?(四話のテープ起こし係のシアルグ注:死ぬと決まったわけでもないのになぁ……)
 シアルグ:じゃ、騎士さんに渡すわ。ナップザックを背中から外して、「この荷物を頼んだぞっ!」 ペーッて。
 GM:では改めてロールの方を(笑)。
 シアルグ:回避ぃぃぃ(大絶叫)!!!…………フ、フフ、FUuuuu!! 爆発やぁ! 悟りレベル70!!
 GM:(70なったら絶対爆発すると思ってんねんねぇ、あんたは……) ま、とりあえず悟りの力によって、炎はよけたわけやね。結局、後ろにいた人達が、炎に巻き込まれた、と。
 エルバート:はうぅっ! 24から17引いて……残り7か。見事に苦痛状態や(笑)。
 GM:ロミリアさんも含め、君らはその部屋に押し出される。で、入り口の方を見てみると、先程華麗に炎を避けてみせたシアルグの様子がなにやらおかしい。変やわ(笑)。
 シアルグ:Fuuuuu!
 ラージャ:キャー、シアちゃん、変v
 エルバート:ラセツはやめろよな(笑)。
 GM:シアルグの感応値は?
 シアルグ:えーっと……20。
 エルバート:低いぞー。
 GM:じゃあ1D100したものに、20引いてみて。
 シアルグ:-17。
 GM:……炎を避けた君のすぐ側の空間が突如ねじれ、その中から一人の女性が現れる。とてもカミガミしい光を放っている。
 一同:コウゴウしいや(笑)!!
 GM:さて(笑)、その神々しい光を纏った女の人が、シアルグに話しかける。「私の名は幻王シグニカ。あなたはもう、この世界には住めなくなりました。さぁ、私と共に、神々の国へ参りましょう」って、手を差しのべられる。シアルグは虚ろな目でそれを聞いている。
 シアルグ:「へへっ、では幻王様について行きましょう」
 GM:「さぁ、手を取って……」
 シアルグ:パシッと、取った。
 GM:つー、と異空間へ連れて行かれる。
 シアルグ:あぁーれぇー(笑)。
 GM:というわけで、シアルグが亜空間に引き込まれるのと同時に、パッと最後の輝きを放ち、それらは消えてしまう。
 ラージャ:……なんや、散々期待させといて、大したことなかったなぁ。
 エルバート:ラセツにならんかっただけでも、よかよか(笑)。
 レーラカイス:じゃあ、先へ行きましょうか。
 一同(一匹を除く):おー!
 
 ──仲間一人が突如消えても、全く動じないこのリーダーその他二匹。今まで彼らを結びつけていたのは、一体なんだったのだろうか。
 
 と、このようなことがありながらも、一行はついに七色の加護を受け、その七色の光が刻まれた首飾りの力によって、虹の壁を越えてゆくのであった。
 
 
 ▼ 試練の通路
 
 虹の壁の向こうには、巨大な建物があった。一行はその中で、見事な室内庭園を目にすることになる。
 
 GM:君らはその庭を、二階から見下ろしてることになる。目の前、少し先には、下へと続く階段がある。
 ラージャ:降りる降りる。
 GM:階段を下りると、様々な草花と木々の間に、石畳の通路がまっすぐ奥へと続いている。道は左右にもあって、右の通路の奥から、でっかい影がやってくる。
 エルバート:ピク。やな予感がするぞ。でもよく見てみる。
 GM:ラセツや。
 ラージャ:構える。シャキーン!
 GM:でもそのラセツは、君達に見向きもせずに、目の前を通り過ぎた後、左の通路へと消えてしまう。
 レーラカイス:そのラセツの後についていきます。
 GM:この庭園をぐるっと見て回った後、また同じ場所に戻ってくる。
 ラージャ:なーんや、一周しただけか。じゃあ真ん中へバーって、突き進むぞ。
 GM:真ん中の通路を進んでいくと、左右には色んな種類の草木が覆い茂っている。で、しばらく進むと広場にやってくる。君達の少し前方には大きなトンネルらしきものと、そのすぐ傍らには、それにもたれかかるようにして、一人の深緑色のローブを纏った老人が座っている。
 ラージャ:声をかけるわ。「あーすみませーん、もしもしー」
 GM:耳遠いんとちゃうかな。
 ラージャ:「おじーさーん」
 エルバート:「じぃーさーん」
 GM:「おぉ、何じゃね」
 エルバート:「通らせてもらうよ。このトンネルのようなものを」
 ラージャ:「この先には何があるの?」
 GM:「この先は、森王様の聖殿に続いとるんじゃよ。通る通らぬはおぬし達の自由じゃが、死んでも儂はしらんよ」
 エルバート:「何故じゃ」
 GM:「それを話すには……ほれ、お前達がここへ来る為に、おのおの虹の首飾りを使ったじゃろう?」
 ラージャ:「うん、あるよー」って、バーッて見せる。
 GM:「おお、それじゃそれじゃ。それが、この『試練の通路』を通り抜ける為にも、また必要になるのじゃ」って、そのトンネルのようなものをパンって、軽く叩く。
 ラージャ:え、それが『試練の通路』って言うの?
 GM:そう。この爺さんが話すには、ここまで通ってきたのは、この『試練の通路』まで辿り着く為の迷宮であって、『試練の通路』そのものではなかったらしい。「ま、ごちゃごちゃ理屈をこねるより、試してみるのが良かろう。しかし、おぬし達。何故、森王様に会いたがるのじゃ?」
 エルバート:「世捨て人には関係ないことだ」(笑)。
 GM:「酷いことを言う若者じゃのう。まぁいい、それならまず、おぬしからここをくぐり抜けてみなされ。それにはまず、おぬしの首に掛かっているその首飾りを、この老いぼれに渡してくれんかのぅ」
 エルバート:「いや」(←キッパリ)
 GM:「しかし、それを儂に渡さんことには、ここを通れぬぞ」
 レーラカイス:にゃにぃ(笑)?
 エルバート:「何か知っておるな、老いぼれよ」
 GM:「当然じゃ。儂はここを任された者じゃからのぅ。それでどうするんじゃ? 渡すのか、渡さんのか」
 エルバート:怪しげな爺やなぁ(笑)。渡さんかったらどうなるのだ。
 GM:え、どうなるって訊かれても(笑)。どうもなれへんよ。爺さんはニコニコしながら座ってる。
 エルバート:やな爺だ(笑)。
 ラージャ:あなた程ではないわ。
 レーラカイス:じゃあ、首飾りを渡します。
 GM:お、レーラカイスが渡すのか……「おお、よい心がけをしておる若者じゃ」と、騎士の首飾りを受け取った爺さんは、それをトンネルの横にある小さなくぼみにガチッとはめる。すると、その通路の中が、色んな光で満たされる。「この光は、首飾りが今まで蓄えてきた、お前さんがこれまでに行ってきた非道の数々、悪の心によるのもじゃ。そして、この通路を通り抜けることによって、おぬし達は己の悪の心に打ち勝つことができる! そういう仕組みになっておるのじゃ」
 ラージャ:よーするに苦しむわけやな。
 GM:身も蓋もない言い方やな。「森王様の御前に立つに相応しい者達だと、認められることになるのだ! ホーッホッホッホ」(笑)。
 レーラカイス:このじじい殺す。
 
 (一同爆笑)
 
 ラージャ:おーい、騎士やろが(笑)!
 
 などとわめき立てながらも、一行はそれぞれの悪の心に打ち勝たなければならないという、彼らにとって最大の敵に、否応なく立ち向かってゆくのであった。
 
 
 
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