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■『討魔龍伝承 第五話』/01

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劇団『魑魅魍魎』
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『討魔龍伝承』
『第五話 力の解放』
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『ブルーフォレスト物語』(ツクダ・ホビー版)
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◆第一話 あらすじ
 シュリーウェバ暦1999年種の月3日。シリス王国の聖都アロカランを訪れた駆け出し冒険者達。彼らは、とある旅の吟遊詩人から、『まぼろしの種』なるものを、西の果ての最終僧院まで届けて欲しいと頼まれる。しかし、西への旅を続けるある夜。一行は、一人の旅人を取り巻く、謎の黒ローブ集団との戦いに遭遇する。そして、その戦いで出会った旅人、修験者ナイムと行き先が同じだったことにより、彼らは共に最終僧院を目指し、ついにその地へ辿り着くのだった。

◆第二話 あらすじ
 ナイムと共に、最終僧院を訪れた一行。彼らは、闇水晶等を触媒とする神代闇呪の実体を探る為、寺院都市へと向かう。しかし目的でもあった呪文書の写本は、既に何者かの手によって、奪われていた。そこで彼らは、その原本があるというアウス山の古代神殿へと赴くのであった。一行はその地で、魔族の一団が一足先に訪れていたことを知り、魔軍による半島侵攻と、太古の呪術に繋がりがあることが明らかとなる。

◆第三話 あらすじ
 魔族の一団が見つけられなかった呪文書を太古の神殿より見い出した一行。その恐るべき内容を知った彼らは、魔族の一団が奪っていったと思しき闇の腕輪を取り返す為、魔軍の本拠地、ランカル島へと向かう。そして魔族の城での苦戦の末、一行はようやく闇の腕輪を手に入れる。しかし、城の兵達に気づかれ追われ取り囲まれ、絶体絶命の危機に陥る。そんな彼らの前に、意外な救い主が現れる。それは、かつて聖都で出会った吟遊詩人、ライフィス。旋風の術を唱えた詩人は、彼らを連れて魔城を脱出するのであった。

◆第四話 あらすじ
 ある魔族の魔道士が、闇水晶や闇の腕輪といった触媒を用いた神代闇呪によって、天空の悪魔の月より、降魔を招くことになるかもしれない。それは魔軍が侵攻すること以上に、防がなければならないことだ。ライフィスから、そんな話を聞かされた一行。詩人や修験者と別れた彼らは、この戦乱の地に疲れ果てて青き森に眠る森王の下へ、降魔を迎え撃つ手助けをしてもらえるよう、嘆願する旅に出ることとなる。


■第五話 力の解放

▼ 青き旋風

GM:さて、シュリーウェバ暦1999年、祭の月1日の昼頃。フィラオ王国にある街、ルーガ目指して逃れの町を出発した君らは現在、ナナミ王国……ってあるやろ、そのフィラオへ行くまでの……の山中にある。えーっと、今回から新キャラクターが入んねんな。名前はなんて言うん?
プレイヤーT:あ、ユーリスです。
GM:あ、そう。ではユーリス。君はズバリ、『青き旋風(かぜ)』っていう義賊団の一員やねん。で、その義賊団は、フィラオ王国のルーガの街に巣喰っていた山賊団、『闇の斧』という連中を蹴散らし、今は本拠地がある、ナナミ王国のカイドラトス市へ帰還する途中なわけ。

 その帰途でのこと。山中を進んでいると前方、義賊団の方から言うと、見下ろす場所にある山道で戦いが起きていて、激しい喧噪が聞こえてくる。どうやら『闇の斧』の残党が、山の中にまだ隠れてたみたい。それぞれが黒い鎧やらなんやらを身につけてるので、すぐに分かる。そして、その騒ぎの中心地帯では、旅のキャラバンらしき集団と、2、3人の冒険者らしき者が、30人以上もいる山賊団に、絶叫しながら斬りかかっている。ガイキチやね(笑)。ちなみにキャラバンの人達は怯えきっていて、こんな無謀なことはやってない。
エルバート:なんとなく読めてきたぞ(笑)。
GM:その様子を見た『青き旋風』の長(おさ)が言う。「こんな所にもまだ残党が隠れていたなんて。さぁみんな、行きましょう!」ってな感じで、義賊団は攻撃を始める。
エルバート:「野郎共、行くぜ!」の方がいいんとちゃう?
GM:あかん、長は女やから。さて、山の斜面から鬨の声を上げながら突撃してきた『青き旋風』を見て、残党どもは、蜘蛛の子を散らすように、ちりぢりになって逃げ出す。数からいってもこっちは80人くらいおるから、負けることはなかったと思うけど。こうして残党を追い払うと、義賊団は旅のキャラバンへとやってくる。そこにはゼーハー言いながら大の字で倒れている無謀な冒険者、ラージャ、エルバート、レーラカイスの三人が転がっている。
エルバート:やっぱり(笑)?
GM:当然。そんな3人の冒険者の前に、『青き旋風』の長がやってくる。で、君達を見た途端、
ラージャ:逃げ出すんか(笑)?
GM:いや(笑)、驚いて言う。「あ、あなた達は……お久しぶりですね。エルバートさん、ラージャさん、レーラカイスさん」
エルバート:「どなたですか(笑)?」 何となく読めているような気もするけどな。
GM:レーラカイスは?
レーラカイス:だいたいは分かってますが……名前までは……
GM:じゃあ全員、知覚ロールしてみて。エルバートは相手が女性やから2倍でええわ。記憶力がいつもの倍冴える(笑)。
エルバート:いきなり成功(笑)。
GM:では思い出す。以前、君達が冒険者として駆け出しだった頃、とある鉱山町で一緒に戦った、ヴァンナーという女の人やね。
エルバート:「あ、確か、あなたは…」 いや、『あなた』はおかしいな……「あ、確か、君は(笑)…とある町で、私と一緒に戦ったヴァンナーさんでは……」
GM:「ええ、そうです。覚えていてくれましたか。ところでみなさんは、どうしてこんな山の中に?」
エルバート:は?……なぜやった(笑)?
レーラカイス:「ルーガにあるという武器屋さんをたずねて旅をしている途中なんです」
一同:おおーっ!
GM:(偉いぞレーラカイス! ちゃんと言えるようになったやん(泣))

 堰を切ったように、自分達のこれからの旅についてあれこれ話し始めた、三人の無謀な冒険者達。「企業秘密でぇーす(笑)」と笑い飛ばしていた、大砂丘に眠る闇の砂についても得意げに話してしまう。

レーラカイス:「ええ。闇の砂を取りに行く途中なんです」
GM:「え? 闇の砂? 何ですか、それは?」
エルバート:「世にも恐ろしい悪魔の術じゃあ(笑)!」
GM:「それってもしかして、エルバートさんが使うんですか(笑)?」
エルバート:「もちろん(笑)」
ラージャ:おいおい(笑)。
GM:「しかし、そんなものを取りに行くとなると、これからもかなり苦労するのでは? それに見かけたところ、皆さん三人しかいらっしゃらないみたいだし……」
エルバート:「そう。一人おっ死によっての」
(ユーリス):死んどらん、死んどらん(笑)。その強大な力の開花故、ちょっと神に召されただけや。
GM:「このまま旅を続けるにしても、3人で戦うのは、少し辛いのではないでしょうか? 今日のようなこともありますし……」
ラージャ:「オーッホッホッホ。いえ、3人といえども立派に鍛え上げられた精鋭部隊。もう1人なんて、いりません(笑)!」

   (一同爆笑)

GM:でも、さっきの状況はかなりヤバかったよ。実際にはこうなってたと思う。最初は、『闇の斧』の残党に襲われていたキャラバンを見て、礼金欲しさに助けに行ったわけ。でも調子に乗って戦ってる内に敵の数が異常にふくれあがっていって、結局40人を相手にするハメになったってわけ。格好つけて戦ってたから、途中で逃げ出すこともできんかったんとちゃう?
ラージャ:40人相手に、たった3人で戦い続けるなんて……カッコイイv
GM:馬鹿なだけやん。「だからもしよければ、私達の中から腕の立つ者を1人か2人、同行させてもいいんですが……」
レーラカイス:「あ、じゃあ2人、お願いします」
ラージャ:「結構です」

──ここまで反発しあう旅仲間って、一体。

エルバート:「それじゃあおねーさん、一緒に行きましょう(笑)」

──本性を剥き出しにする男。

GM:「でも……私は、この『青き旋風』を率いねばなりませんので」と言った後、ヴァンナーは後ろを振り向いて、ある男の名前を呼ぶ。「ユーリスー!」
ユーリス:「わん(笑)」
GM:「この人達と一緒に行ってあげて」
ユーリス:「やだ(笑)」
GM:……そーかいそーかい。「彼なら、きっと皆さんの役に立つと思ったんですけど、本人にその気がないのなら仕方ありませんね。それでは私達は、カイドラトス市に戻ることにします。一刻も早く、『闇の斧』の残党狩りもしなければなりませんし。もしなにか、私達が力になれることがあれば、是非カイドラトスに立ち寄って下さいね。それでは皆さん、さようなら」やって。
ユーリス:じゃあーねぇー(笑)。
エルバート:バイバーイ。

GM:……おい、どないすんねん(笑)。俺はもうしらんからな。
ユーリス:いやいや(笑)。「お頭のご命令とあらば、喜んで参りましょう」
GM:では『青き旋風』は去ってゆく。しかし、その義賊団の中から一人だけ、三人の方へ戻ってくる。よく見ると、さっき別れの挨拶を交わした青年みたい。
エルバート:ふん! 若造が。
GM:一方、君らが護っていたキャラバンの馬車から降りた一人の男がやってきて言う。「すみません。助けて頂いたのはありがたいのですが、ルーガの街まで至急の用事がありますので、私達もこれで失礼させて頂きます」 と、言い終わるや、馬をパカラッパカラッパカラッパカラッ。
エルバート:なっ、ま、待つんだぁー!!
GM:行ってしまった(笑)。
エルバート:乗せてほしかったのだが(笑)。
ラージャ:ヘヘッ、顔は覚えたわよ。
GM:さて、こっちの新入りは?
ユーリス:フン。俺としては、来たくなかったんだがねぇ。
ラージャ:なら来なくていいのよ。
ユーリス:お頭の命令だから仕方がない。ついていってやろう。
エルバート:こわっぱが。
ラージャ:かえれかえれーっ。
ユーリス:なんだとう!?
GM:その仲の良さそうな会話を聞いて、レーラカイスは?
レーラカイス:え? あ、はじめまして。これからもよろしくお願いいたします。
ユーリス:いやいや、どーもどーも。
GM:そこの二人も、ちゃんと自己紹介くらいしといたら。
エルバート:フッ、こわっぱが。覚えておけ。私の名は天才大魔道士、エルバートだ(笑)!
ユーリス:フフン。覚えておけ。私が天才大怪盗、ユーリス=レイだ!!
GM:はぁ……そっちは?
ラージャ:貴様に名乗る名などないわ!!
GM:では君を、名無しのゴンベエと呼んであげよう(笑)。
ラージャ:い、いや……それはちょっと(笑)。

 などと言い合いながらも、共にルーガの街へ向かった一行。早速ウキウキ亭へ入ったのだが……



 
 
 

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