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■『討魔龍伝承 第六話』/05

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▼ 伝承

GM:狩人に導かれ、村近くまでやってきたユーリスとヴァンナー。三人は、夜闇に紛れて村の柵沿いを、匍匐前進で進んでいく。しばらくして狩人が指さしながら言う。「あそこが、村長の家だ」 15mくらい先かな。結構近い。家の窓から明かりが漏れていて、場所そのものはよくわかる。
ユーリス:じゃ、音を立てないように走る。
GM:運動ロール×2。
ユーリス:(ガシャン)……うっしゃ、成功。
GM:君ら三人は、手際よく村長宅の勝手口まで近づけた。扉開ける?
ユーリス:いや。まずは窓から様子を見てみる。
GM:うん。村長らしき人がおる。
ユーリス:狩人に尋ねてみる。
GM:狩人は頷く。
ユーリス:じゃ、中に入る。
GM:窓から?
(ラージャ):煙突からやろ(笑)。
(エルバート):サンタさんか(笑)!
GM:あんたらの世界では、サンタなんて誰も知らんぞ。(編注:同じ星の別の地方を扱った青森物語の姉妹品、『ギア・アンティーク』には、それらしき風習が存在してます)
(エルバート):いや、案外そんな新興宗教が興ってるかもしれんやん。
(ラージャ):サンタ教ってやつやな。
GM:それはさておき、結局裏口から入ってきた君達を見て驚く村長。「お前達、何者だっ」とか訊いてくるけど、一緒にいた狩人が事情を話し、とりあえず落ち着いたみたい。
ユーリス:それじゃあ、教えてもらいましょうか。「あ、村長さん。あなたは闇の砂の伝承について、ご存知でしょうか?」
GM:「うむ。いかにも、そのことについては、多少なり、伝えられておるが……お前達、一体どこで、その名を知ったのじゃ?」
ユーリス:「いや、私はよく知らないのですが、連れの方がね。で、その連れの話によると、闇の砂やその他の闇の触媒を集めると、降魔という恐ろしい怪物を呼べるらしいのです」
(エルバート):よう知ってるな(笑)。
ユーリス:「だから我々は、悪い奴らがそれを集める前に、なんとしてもそれらを集めなくてはならないのです。だから、闇の砂についての話を聞きに来たのですが」
GM:「そうか。儂としては教えてやっても構わぬが、お前達も知っての通り、今、この村は海からやって来た盗賊共に荒らされて、とても困っておるのじゃよ」(笑)。
ユーリス:「な、何人くらいいるのですか?」(←やだなー、面倒臭せー、とか思ってる発音)
GM:「20人くらいかのぅ」
ユーリス:「そいつらは、『闇の斧』とか名乗っていませんでしたか?」
GM:「いや、そんな名前は聞いておらんが、とても凶暴な連中には変わりないな。奴らは三日前、突然村にやってきて、村を荒らし、若い娘を攫って船に積み込み、今は酒場で飲んだくれておるよ。なんの宝もないこんな村に来て、酷いことをしよる。儂もなんとかしたいと思っているのじゃが、力では到底かなわないし、どうしたものか、悩んでおったのじゃよ。あぁ、それから奴らが来た時に、黒いローブを着た不気味な連中もいてな。真っ黒な馬に乗って、ほれ、お前さんが探しておる闇の砂があると伝えられている大砂丘の遺跡の方へ、空を駆けて行きおったよ」
ユーリス:「何!? その遺跡とは、何処にあるのですか?」
GM:「南東じゃ。この村から南東にある大砂丘へ、その連中は向かったようじゃよ。しかしそれよりもまず、儂の悩みは、この村を荒らしておる山賊共なんじゃがのぅ。おぬしら、奴らを知ってるのなら、なんとかならんかね?」
ユーリス:えーっ、二人でぇ?
GM:ヴァンナーが言う。「ユーリス。それなら任しておいて。相手は20人。しかも酔って無防備なはず。村のことは、私と仲間達でなんとかします。それよりもあなたは…」
ユーリス:「わかってます。俺達は、その黒ローブの連中を追いますよ」
GM:「そうか、おぬしらが盗賊共を追い払ってくれるのか。それならば、闇の砂の話でも遺跡の話でも、儂の知ってることなら、なんでも話してやるぞ。そんなことで村人達が助かるのなら、お安いご用じゃ」
(エルバート):現金なジジィめ。
ユーリス:よぉーし、そうとなれば、片っ端から残らず話してもらうぜ、爺さんよぉ(笑)。

 そして村長は、このマハカム島の大砂丘に纏わる伝説を話し始めるのであった。

 今から600年程昔。マハカム島では魔術が大変発達していた。魔術、と一言で言っても、その種類は多岐に渡ったらしい。この話は、召喚魔術が最もよく栄えたと伝えられる都市、カルディナから始まることとなる。

 ある時、心悪しき魔術師が、世界を支配しようと他の次元からギグルという魔獣を召喚した。しかし、その魔獣の力は魔術師の予想を遙かに上回る強大なものだった。魔術師は殺され、カルディナすら滅びてしまう。

 この地に招かれたギグルはその後も近隣の都市や村を破壊し続けた。力ある魔術達すら太刀打ちできない程、力を増し続けてゆく魔獣を恐れ、人々は、マハカム島より逃げ出すほかなかった。

 魔獣が暴れた後に、生きるものは何も残らなかった。草木も枯れ果て大地は砂漠へと変わっていった。そしてじょじょに広がり始めた砂漠が、半島北端のヤクタ村をも飲み込もうとした時、一人の老魔術師がその村を訪れたという。

 老魔術師は、自らの名すら告げることなく大砂丘へ赴き、既に廃墟と化したカルディナで、魔獣ギグルを一本の大木の下に封印したという。以来、その老魔術師は、遺跡に生えた巨大な大木にちなんで、『森の老魔術師』と呼ばれることになったという。

 そして、魔獣が今も眠るというカルディナの遺跡を、何人たりとも立ち入ることのできない聖地にする為、ヤクタ村の祖先達が、闇の砂と呼ばれるものを使い、遺跡全体に、強力な結界を張り巡らせた、ということであった。

GM:「……儂の知っておることは、これだけじゃ。おそらく、あの黒ローブ達は、結界を越えられんじゃろう。あの結界を解く為には、このヤクタ村に代々伝わる、ある呪文が必要なのじゃ。お前達も遺跡へ向かうのじゃろう? ならば、その呪文も教えてやろう」ってなわけで、はい、これがその呪文。(と、紙をユーリスに渡すマスター)
ユーリス:ほぉー。
GM:「それに、砂漠を越えていくには、並ならぬ体力も必要じゃ。だからこれも持っていくがよい」と言って、村長は一本の角笛をくれる。「これはかつての召喚都市の遺産の一つ。大砂丘に入ったら、それで砂獣を呼び出し、その背に乗って遺跡を目指せば、道のりは遙かに楽になるはず」
ユーリス:「どうもありがとうございます」
GM:「言い伝えによると、その砂獣には『チャッピー』という愛称があるらしい」(笑)。ま、そんなわけで、ユーリス、ヴァンナー、狩人の三人は、村長の家を後にして、他の仲間達の下へ戻ってきた、と。
ユーリス:とりあえず、今までのことをみんなに話して、お頭に言う。「じゃあ、後のことはよろしくお願いします」
ラージャ:よーし、行くかぁ。
GM:「これを持っていけ」と、狩人がとれたての熊の肉をくれる。
エルバート:「うむ。ありがとう」
GM:「じゃあ私達は、できるだけ早く『闇の斧』の連中を倒し、村人達を助けます。みなさんは安心して砂丘へ向かって下さい」 そう言ってヴァンナーは、仲間を呼ぶ為に船に戻っていった。君ら5人は、今からカルディナ遺跡へ向かうん?
レーラカイス:ではみなさん、行ってもいいですか?
一同:おーっ!



 
 
 

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