▼replay_ブルーフォレスト物語

■『討魔龍伝承 第六話』/06

←return   →next












▼ 飢え (その一)

GM:今は祭の月23日の夜頃。カルディナまで順調に進んだとして6日程かかりそう。4日は砂丘までの歩きで、2日がチャッピー、という行程かな。
ラージャ:雷電五郎やな。
GM:で、村を後にして2日後の25日の夜なんやけど……あ、とりあえず2日分の食糧減らしといてや。
ラージャ:ない。(←キッパリ)

   (一同沈黙)

エルバート:あー(笑)? 私はちゃんと7日分、持ってるぞ。
ラージャ:何ぃーっ! 寄こせーっ!!
エルバート:やだね。熊の肉でも喰っとけよ。臭いぞぉ(笑)。
ラージャ:ケッ、しゃーない。<調理>の技能もあることやし、そうするわ。
GM:ラージャがバリバリ喰ったせいで、熊の肉は二日目にしてなくなってしまった。おい、何で食糧とか買っとかんかってん。後は熊の骨とか皮とか目玉しか残ってないんかよ。
ユーリス:目玉って、おいしいんだぞぉ。
エルバート:フッ、馬鹿者めが。せーぜー、熊の肉でもしゃぶっとくんだな。

 この時、往復12日分の食糧を持参しているものは、誰もいなかった。


▼ 前兆

GM:では改めて祭の月25日の夜半過ぎ。晴れ渡った星空の下を、君達は砂丘目指して進んでいる。辺りは荒れ地。岩などがゴロゴロしてるだけで、特にめぼしいものはない。で、ちょっと、知覚ロール×1してみて。
レーラカイス:(ガシャン)……失敗。
ラージャ:失敗。
エルバート:失敗。
ユーリス:きょわっ、失敗。
GM:また全員失敗かよ。サイの目悪いなぁ。
エルバート:なに、いずれ良い時が来る。
GM:へいへい。ロミリアさんが、何かに気づいたみたい。「向こうから何か来ます」って、空を指さしながら言うわ。まぁ、君らにはさっぱり見えてないけど。
エルバート:「空ぁ?」
ラージャ:「こら、エルバート。何ボーッとしてんのよ。さっさと隠れるわよ」
GM:ちょうど近くに、結構な大きさの岩があったよ。
ユーリス:おお、そこに隠れよう。
GM:君らが岩陰に身を潜めてしばらくして、風音に混じって、上空から微かな音が聞こえてくる。パカラッパカラッパカラッパカラッ。
ユーリス:「何ぃっ!」
エルバート:「あ、あの馬わぁ!」
一同:「しーっ、しーっ」
エルバート:「……すいません」
GM:もう言わんでもわかるやろけど、空飛ぶ黒馬に乗った黒ローブの集団やね。馬は全部で5頭。君らがやってきた方向へ駆けていった。
ラージャ:やってきた方向、ってことは…
エルバート:村……だな。
GM:ロミリアが言う。「戻りますか? それとも急いで大砂丘へ向かい、闇の砂を手に入れますか?」
ラージャ:よーし、ダッシュ。
ユーリス:ダーッシュダダダン。
エルバート:返り討ちに遭うんじゃないか、ヴァンナーさん達……
GM:さぁ、それは難しいところやな。
ラージャ:ま、そんなのはどーなってもえーやん。闇の砂だけ手に入ったらええ。
GM:なんて卑劣な。じゃあそのまま進行かい。えー、徒歩の旅が4日程続くと、行く手に巨大な砂丘が見えてくる。
ユーリス:わかった。おもむろに角笛を取り出し、豪快に吹き鳴らそう。パーパーパーパパパーパパパパー。

──トランペットのような角笛であった。

エルバート:そんな音なん? ゴウゴウゴフゥーとちゃうんか(笑)。
GM:んなもんはどうでもいい。ユーリスが角笛を吹き鳴らすと、目の前の砂がムクムクッと盛り上がり、次の瞬間、ザバァッと砂をまき散らせて、巨大な砂獣が現れる。見た目はムカデモドキやな。頭には二本の角が生えてたみたいやけど、一本は折れてる。斬られたみたい。
ユーリス:出たなぁ、マグア大使。
GM:君らを見つけた砂獣は突然、襲いかかってくる。
ユーリス:何ぃ!?
ラージャ:待てぇーい、雷電五郎!!
GM:と、絶叫したラージャの頭にかぶりついた!
ユーリス:ちょっと待った! 俺は笛を吹く。パラパラパパパーッ。
GM:じゃあ、おとなしくなった。
ラージャ:よーしいい子だ、雷電五郎。
GM:砂獣は、バターンと砂漠に身を横たえる。かなり長くて、新幹線を上から押しつぶしたみたいな感じ。
ユーリス:じゃ、その上に飛び乗る。「行くぞ! チャッピー!!」(笑)。
エルバート:でもそれって、持つとこあんのか?
GM:節んとこでも掴んどけよ。
エルバート:おお、指挟みそーやぞ(笑)。
GM:まぁ、切れても死なんやろ。
ラージャ:ヘヘックサビでも打ち込むぞ(笑)。トリャッ!
GM:紫の体液がビャッと飛び出し、ラージャの顔面その他をドス黒く染める。
エルバート:かわいそーに。
GM:とりあえずみんな乗った、と。ではユーリスがブオォーッ!と角笛を吹き鳴らすと、チャッピーはもの凄い勢いで進み出す。もうもうと砂煙を上げながら、遺跡目指してまっしぐら。まるで走る戦車やね。
ラージャ:戦車は走るもんやぞ(笑)。


▼ 飢え (その二)

GM:4日分。
ラージャ:え?
エルバート:4日分?
GM:じゃあ3日分。
ラージャ:え?
エルバート:3日分?
ユーリス:もーないやん。
ラージャ:ないよーん(笑)。

   (一同沈黙)

GM:……おい、どないするねん。
ラージャ:さぁねぇー。
レーラカイス:じゃあ、この一食を、4日で分けて下さい。(といって、自分のエサを提供する騎士)
一同:おおーっ(笑)。
ユーリス:哀れな奴。
エルバート:仕方ない。私も一食くれてやろう。
ラージャ:いやぁー、サンキューサンキュー餓死寸前(笑)。
エルバート:帰りはみんなで虫でも喰おな(笑)。


▼ 遺跡

GM:さて、そうして砂漠の旅は続き、やがて遠くの方に、森のようなものが見えてきた。チャッピーは相変わらず、ガンガン進んでる。
ユーリス:「よーし、チャッピー止まれっ」 ピーッ!
GM:ズドドドドォと、砂煙を巻き上げて止まった。君らの前方には、一本の大木を中心とした廃墟が広がっている。砂獣から降りて少し進むと、足下に黒い砂の蒔かれた場所にやってくる。どうやらそれが闇の砂みたい。紋様を描いて広がるその砂は、この遺跡全体を大きく取り囲むように蒔かれている。強い風によって砂煙が巻き上がっても、その黒い砂だけは、吹き飛ぶこともなく、その場に残っている。
ユーリス:さて、この闇の砂だけを持って帰るか、それとも中に入るか。
エルバート:他の砂をその上にかけてみる。
GM:『しかしなにもおこらなかった……』
エルバート:……
ユーリス:どーする、中に入るんか? 砂だけ持って帰るっていう手もあるぞ。
エルバート:砂だけ持って帰れたらいいけど……多分無理やろ。
GM:まぁな(笑)。その黒い砂に近づこうとすると、突然見えない力ではじかれる。結界が張り巡らされてるみたい。それに君ら、黒ローブの連中が闇の砂を使えんように、横取りするんやろ。こんな遺跡中に蒔かれてる砂、どーやって回収するつもりやねん。
レーラカイス:じゃあ、とりあえず遺跡に入りましょうか。
ユーリス:村長さんに教えてもらった呪文を唱えるよ。
エルバート:……やーな予感がするな……
ユーリス:よーし、いくよっ、「ガール、フィスタ、ノルディアクリャあ゛!?
エルバート:トチりよった(笑)。
一同:やーい、トチりよったぁ(笑)。
ユーリス:くぅーっ、「……ノルディアクナダール、レ、ミヤヤヌ、トネス!!」
GM:と、ユーリスが絶叫すると、遺跡の中心、大木の根元辺りから嵐がおこり、結界として蒔かれていた闇の砂を、全て巻き上げる。そしてその黒い砂嵐は、再び大木の根元へ吸い込まれていく。てなわけで、結界は解けたみたい。
レーラカイス:ではみなさん、行きますか。
一同:おーっ。

 ついに廃墟と化した都市、カルディナに足を踏み入れた一行。無惨に破壊された太古の都市の姿に、一行は伝説の魔獣の力に驚かされる。それはさておき、食糧と金目のものを手に入れる為、遺跡中を探る冒険者達。しかし、食糧はみつからず、代わりに異形の怪物達に出迎えられるはめとなる。
 結局ロクな目に遭わなかった彼らであったが、見事な宝石がちりばめられた一本の巨大な弓などを手にすることもできた。
 そして、後は大木の根元へ向かうのみとなった彼らは、召喚都市の崩壊した中央通りを進むのであった。



 
 
 

▼replay_ブルーフォレスト物語

■『討魔龍伝承 第六話』/06

←return   →next