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■『討魔龍伝承 最終話』/03

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▼ 霧の中の死闘

GM:はい、次の日。みんなが起きると、ユーリスはまだ地図を睨みつけてる。
ユーリス:ぐわぁー。(←寝不足SE)
GM:船での待ち合わせは、第3ブロックでお昼頃。だからまだ少し時間があるんやけど、なんかすることとかある?
ユーリス:みんなに持ってる地図を見せて、北東の方にラヒ°ュタか(笑)?…とにかく、そんなものがあるんやって言う。
ラージャ:でっかい城がダッダーン。
GM:なんならそんなもん、作るか? さて、ユーリスからそんな話を聞いたレーラカイスは?
レーラカイス:(怪しげな構えをしながら)そうしよう。
ラージャ:……どうすんねん(笑)。
エルバート:「ところでクリストさん。この杖は一体……」
GM:「んにゃー」とか言ってる。まだ半分寝てはるわ。
ラージャ:このジジイが。
GM:ジジイとは失礼な。まだ30過ぎやぞ。

 などとたわいもない話をしているうちに、昼になる。

ユーリス:じゃ、そろそろ行こか。
GM:君達が港に着くと、既に船の準備は整ってるみたい。ヴァンナーさんが「こちらへ」と、みんなを連れて行く。で、その間に昨日集めた情報など話してくれる。君らが目指すナウマニカの離宮ってのは、暗き内海にある、リムロディア島って島にあるらしいねんて。残念ながら、ユーリスの持ってる地図にはのってないんやけど。
一同:うん。
GM:それで、義賊の人達がツテを辿って、その島の場所を記した古い地図を手に入れたんやけど、なんつーかその……内容がかなり曖昧みたいやねん。古地図ってこともあるけど、そもそもその海域には、数十年前から濃い霧が立ちこめている場所やねん。それにその内海には多くの暗礁があって難破した船も多いらしく、船乗り達の噂によると、幽霊船とかも彷徨ってるいわくありげな場所やねんて。だから、離宮のある島を正確に記した地図がある方がおかしいって話やそうや。
ユーリス:ほぉー。じゃ、お頭に昨日のことを話す。「お頭、昨日エルバートの持っていた杖が突然輝き出し、北東の方角へ光り出したんです。俺が思うに、その方角にあるんじゃないですか、ナウマニカの離宮が」
GM:「そう。北東ってことは、私達が目指す場所と一致してるから、ひとまずその光をあてにしてもいいみたいね」ってヴァンナーさんも頷く。ま、そんな感じで、君らは乗船した、と。勿論、クリストとロミリアも一緒に来てくれる。というわけで、闇の月20日。厚い曇り空の下、君達を乗せた『青き旋風』の船は、勢いよく港を出る。さて、出航して4日目程経った頃。辺りには次第に濃い霧が立ちこめ始め、エルバートの持っていた杖は、以前よりも一層強い光を放ち始める。そして港を出て7日が経とうとしてるんやけど、君らは何をしてるん? 各自ゆーてって。
ユーリス:甲板に出て海を見張ってる。
GM:クリストは、エルバートに向かって言う。「おーい、エルバート。珈琲でもどうだ?」とか。隣にはロミリアとかも座ってたりする(笑)。
エルバート:「あ、今行きますよー」
GM:と、三人はお茶の時間にする、と。レーラカイスとラージャは?
ラージャ:エルシュを好きな形に変えて遊んどく。それ盾だー、シールドだーっ!
レーラカイス:どっちも同じですね(笑)。
GM:『俺で遊ぶなー。ちょっとは剣の腕でも磨いけおけよ、このボケッ!』とか、頭の中で声が響いてる。一方、レーラカイスは?
レーラカイス:(怪しげな構えをしながら)罠感知(笑)。
GM:はいはい。知覚ロール×2してみて。
レーラカイス:(ガシャン)……はい、成功しました。
GM:何かが迫ってくるような予感がする。
レーラカイス:みんなに「罠があるぞーっ!」って、叫びます。
ラージャ:どこに罠あるねん(笑)。
エルバート:まさか甲板にパカッと落とし穴とか(笑)!?
GM:ないない。次の瞬間、義賊団の一人が、「船長!」っと叫ぶ。気がつくと、霧の中、船の右舷後方やま後ろから、ボロボロの船がぐんぐん近づいてくる。そしてそれらは、もの凄い勢いで君らの船に追突する。衝撃で君らの船は、大きく揺れる。
ラージャ:急速離脱ーっ!!
ユーリス:海賊かっ!? シャキーン。(抜刀SE)
GM:いや、死霊の群れや。ボロボロの服をまとったアンデッド共が、錆びた剣を振り上げて、ワラワラと甲板になだれ込んで来る。もの凄い数やな。義賊団が甲板で必死に応戦してる。船内でお茶会してた人らにも、その騒ぎが聞こえてくる。「何か、騒がしいですね」
エルバート:もう珈琲とかこぼれてるんちゃうん(笑)?
GM:そやな。「珈琲はまた今度作ればいいか」とか、言いながら、クリストは甲板へ上がっていく。甲板におったユーリスは?
ユーリス:あ、俺も義賊団と一緒になって戦うぞ。
GM:レーラカイスは?
レーラカイス:正義のヒーローが仲間を見捨てるわけにはいかないので、一緒に戦います。
一同:嘘つけーっ(笑)。
GM:ラージャは?
エルバート:またろう人形とかに変えて遊んでんちゃうん。
ラージャ:よーし、今度は盾をアンデッドにいーっ(笑)。
GM:エルシュはそんな生ものには変えれんやろ。
ラージャ:わかったわかった。元の髪飾りに戻して、剣抜いて戦う。
GM:了解。とまぁ、そうやって君らが戦ってる最中、ロミリアについて来て甲板に突っ立ってたエルバート。
エルバート:ほぇ?
GM:君の持ってた杖が突然、天を切り裂く程の強い光を放つ。その光は辺りに漂う霧を切り裂き波間を走り、まっすぐ水平に延びてゆく。そしてその先には、木々に覆われた小さな島影が見える。
エルバート:「島が見えたぞぉー!」
GM:乱戦の中、魔道士の言葉を聞いたヴァンナーが叫ぶ。「あなた達だけでも、急いであそこへ向かって下さいっ! 小舟を用意します」 ゾンビ斬りながらやから、かなり切迫してる。
ユーリス:「いや、しかしお頭っ」
GM:「大丈夫。ここは私達だけで、凌いでみせます」って言ってる。義賊団の人達が、小舟を海に降ろしてくれるけど、乗るん?
エルバート:ロミリアさんは?
GM:一緒に乗り込むことにしたみたい。クリストもその後に続こうとしたみたいなんやけど、後ろを振り返り、立ち止まって言う。「敵の数が多い。このままでは、義賊団だけではマズいことになりそうだ。だから俺はここに残ることにする。お前達だけでも先へ進み、魔族の連中の悪巧みを阻止するんだぞっ!」と言い残し、甲板へ戻っていく。
ユーリス:「クリストさん、頼みます!」
GM:で、君らは義賊団の船を離れ、霧の中を小舟で島を目指す、と。ところでその船、誰が漕いでんねん?
一同:(笑)。(←一人物を見つめる人達)
レーラカイス:え?
GM:レーラカイスかい。では騎士が一人でギーコギーコ漕いでると。小舟は結構な速さで進んでいく。前方はエルバートの杖によって視界が開けてるけど、後方は早くも濃い霧によって閉ざされてしまう。その霧の向こうでは、剣戟の音や、雷の落ちる音とかが、微かに響いてくる。
ラージャ:第三艦橋大破ーっ(笑)!


▼ 赤き目の者達

GM:その後しばらくして、君達は島へとたどり着いた。エルバートの杖は、先程のような強い光ではなくなったけど、相変わらず緑の光を放ったまま、島の奥地を指し続けている。
ラージャ:ま、そこへ行ってみよか。
GM:小舟から降り立った場所は、木々が鬱そうとしてちょっとした密林になってる。で、その中を進むんやけど……知覚ロールしてみて。
ラージャ:キャッホー。悟った悟ったぁー♪
ユーリス:チッ、失敗。
エルバート:戦闘やったら暴発やんけ(笑)。
レーラカイス:……失敗。
GM:するとラージャの耳に、ウゥーッ、とかいう唸り声が聞こえてくる。
ラージャ:な、なんかおるでなんかおるで。
ユーリス:すかさずブレードを抜く。
GM:ラージャの頭の中でエルシュも語りかけてくる。『どうやら囲まれてしまったらしいな…』
ラージャ:んなこと、はよ言えよ。
エルバート:おい、誰かぁー。俺は未だ歩いとるぞぉー(笑)。
ユーリス:「おい待て」って、剣でグチャっと刺す(笑)。
GM:レーラカイスは?
レーラカイス:歩いていきます(笑)。
ラージャ:こら、ちょっと待てぇーっ! なんかおるでなんかおるでしらんで。
GM:で、レーラカイスはそのまま、
レーラカイス:<念気斬>!
GM:いきなりかい。とりあえずやってみて。
レーラカイス:(ガシャン)……はい、成功です。
GM:じゃあ、霧の中、みんなの先頭を歩いていたレーラカイスの剣が、輝き出す。色とか何色にする?
レーラカイス:えっ!? 色あるの?
GM:うん。今思ったんやけど、色つけた方がわかりやすいし、カッコええんちゃう?
レーラカイス:えーっと、じゃあ……
エルバート:紫色(笑)。
GM:紫ぃ?
レーラカイス:茶色にします。

   (一同爆笑)

ラージャ:茶色いオーラ(笑)。なんか気ぃ抜けるぞ。
エルバート:やめてくれぇーっ(笑)。
GM:茶色に輝き出したレーラカイスの剣。君らは背中を合わせて身構えていると、霧の中から、多くの赤い目が近寄ってくる。
ラージャ:ウギャーッ!
GM:君らの目の前に現れたのは、まさに化け物って感じの連中やね。巨大な昆虫っぽいのもいれば、魚類みたいなのもおる。赤い目を光らせながら、そいつらが大量に迫ってくる。
ユーリス:ひぇー。
GM:エルシュが言う。「私達に残された時間はあとわずかだ。このようなアンデッドを相手にしている暇はない!」
ラージャ:「強行突破よーっ!」
GM:「ラージャよ。私の力で道を開くのだ!」
ラージャ:髪飾りを剣に変えるわ。
GM:すると、以前謎の剣として使っていた時よりも、はるかに見事な細工を施された青白く輝く剣に変わる。それで?
ラージャ:いけっ、グ口スポリナー!! 永劫の闇へと帰れ! ノレシファーホーク!!(編注:元ネタは、近未来ファンタジー公僕漫画『サイレソトメビウス』より。主人公がでっかい剣振り回してます)
GM:ラージャが勢いよく振ると、エルシュから青白い光がほとばしり、怪物どもを蹴散らす。それで一瞬ながら、エルバートの杖が示す方向に、道ができる。
ラージャ:ダーッシュ!! みんな! 今のうちに逃げるのよっ!!
GM:ラージャを先頭に、全員駆け出す、と。ではラージャ以外、1D100してみて。一番低かった人は?
ユーリス:……俺だ(笑)。
GM:では、一番後ろを走るユーリスは、ふらふらーっと突っ込んできたゾンビと衝突(笑)。
ユーリス:うあっ!
GM:ポテチンと転がったユーリスに、アンデッドがウジャウジャウジャウジャーッと群がってくる。
ユーリス:がぁーっ! 助けてぇーっ!!(←近所迷惑な絶叫)
GM:しかし! アンデッドどもが君にむしゃぶりつこうとした瞬間、バシッという音と共に、連中は叫びながらはじき飛ばされる。
ユーリス:およっ?
GM:ユーリスの周りには青白い光が輝いている。君の側には、一人の見慣れた男が立っている。
ラージャ:ああ! まさか…
GM:吟遊詩人、ライフィスや。
ユーリス:あ、でも俺知らんぞ(笑)。(編注:ユーリスは4話で神に召されたシアルグに代わり5話からの登場。4話までちょくちょく登場していた詩人とは面識がありませんでした。あくまで、キャラ上の話ですが)
エルバート:そうや、知らんのや(笑)。
GM:……じゃあ、君の前には、全く見ず知らずのカッコええ光る詩人が(笑)!
ユーリス:「あ、あなたは一体…」(笑)。
GM:詩人が、先を行くみんなに向かって言う。「みなさん、早くこちらへ!」
ラージャ:よぉーし、ゴロゴロゴロゴローって、転がってくぞ!
GM:みんなが光の中に集まり、ライフィスが一声、「行きます!」と言った途端、辺りに爆風が巻き起こり、君らは一瞬にして空へ舞い上がる。みんなを包んだ光は、そのまま島の密林を抜けた山間に降り立つ。
ラージャ:山の途中?
GM:一息ついた詩人が言う。「ここから離宮まで、既に敵の罠が張り巡らされているかもしれません。慎重に進んで行きましょう」
エルバート:「こ、これはこれわぁー!」
GM:これわぁー?
エルバート:「これはこれは、ロミリアさんのお兄様ではありませんか! ようこそいらっしゃいました!」(←超卑屈)
GM:「ご存知でしたか」とか、笑ってる。
ラージャ:「キャーッ、カッコいいお兄様v ゴロゴロゴロゴロ」
ユーリス:気色悪いぞ。ロミリアさんは?
GM:「お兄さん、遅いじゃない」とか、言ってる。まぁ、そんなことを話ながら、君らは山を登っていく。その間に、ライフィスがこの離宮のある島のことや、黒ローブに関することを色々話してくれる。それによると、黒ローブのボス、ガルナスは、このリムロディア島に封印されている降魔核が目的やったみたい。それをどこで知ったのかはわからんけど、彼らは寺院都市から神代闇呪の呪文書の写本を奪い、その後、闇水晶をも手に入れたわけ。そして次に闇の腕輪を手に入れるはずやったんやけど、彼らが神殿に行った時には、既に魔族の長、バギスによってその触媒は奪われていたと。魔道士より先回りして腕輪を手にしたバギスは、それをエサに、ガルナスにシリス王国への攻撃に手を貸すよう言ったわけ。ところが、城に保管してあった腕輪は…
エルバート:我らが奪った、と。
GM:そう。その後はだいたい覚えてるやろ。大砂丘のこととかがあって、結局3つの触媒を手に入れたガルナス率いる黒ローブの白仮面達は、この島に眠っている降魔核を目覚めさせようとしてるわけ。まぁ、なんでそんなヤバげなことをしようとしてるんかは、本人にでも訊いてみなわからんやろな。そんな話をしながら、ふと、ライフィスがエルバートに尋ねる。「その杖は、どこで手に入れたのですか?」
エルバート:「あ、これ? 実は貰い物なんです」(笑)。



 
 
 

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■『討魔龍伝承 最終話』/03

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