▼replay_Call of CTHULHU

■『蛇男、爆発犬餌を飲み込む』/03

←return   →next












■ quiver 03
〜揃って蒸発〜

GM:さて、次の患者宅を目指して村の中を歩き出した君らは、なにやらちょっとした騒ぎが起きているのを目にする。
狩野:おっ、昼間からケンカか?
GM:というか、なんかとある店の前で揉めごとがあったみたい。少し人だかりもできてたりしてるその店は不動産屋らしく、どうやらそこの客と店主との間で言い争いがあったらしい。すごすごと引き返してゆくのは客の方で、店から慌てて飛び出した娘が、必死で謝っているのが見える。アンネは、その娘さんに見覚えがある。大学時代の友人みたい。
アンネ:「あら、フローレンス」
GM:ローザです。
アンネ:名前あったん。せっかくつけたのに。
GM:二人は再会を喜ぶ。
アンネ:旧交でも暖めようか。「元気にしてた?」
GM:「ええ。アンネはいつこっちに戻ったの?」
アンネ:「つい先日。お爺さんのお見舞いでね」
GM:「お爺さん、どこか悪かったかしら」
アンネ:「ちょっと、腰を痛めて」
狩野:「アンネ君。こちらのお嬢さんは知りあいかい?」
アンネ:「ええ。実は大学時代の友人でして……」と、かくかくしかじか説明します。
GM:ところで君ら、ドイチュ語話せたっけ?
狩野:んにゃ、さっぱり。カタコトもええところやな。
アンネ:(狩野のキャラシートを覗き込み)……このオッチャン、ラテン語とかヘブライ語とかは話せるのに。
サムラン:こっちは英語ぐらいかな。
茶汲:ゼスチャーです。
GM:まぁええか、寒いし。さて、ローザさんは、目の前で各国の言葉を話したり奇妙なゼスチャーをすることによって、互いに意志疎通を図る不審な四人組を不思議そうに見てます。
アンネ:いや、仲間内では日本語使えばいいんやけど。それはさておき、とりあえずローザさんにさっきの男の人のことでも訊いてみましょう。「一体何があったの?」
GM:「ええ。実はあの人も随分と昔からのうちのお客さんだったんだけれど、父が色々顧客の人達に御迷惑をかけてしまったようで……特に、最近の不況で経営が苦しくなった父が、色々と良くないことに手を出すようになったことが原因らしくて……」
茶汲:「良くないこと、ってどんなことですか?」と、ゼスチャーで訊きます。
GM:器用やな。良くないこと、ってどんなのがある?
アンネ:不動産屋やし、やっぱ地上げとかちゃう。
GM:……やとさ。納得した?
茶汲:う、うん。「せち辛い世の中になったものですねぇ……」
GM:「ええ。そうですね」と、そんな立ち話をするうちに日も暮れてきました。さて、どうします?
アンネ:他の患者さんの家も教えてもらってたよな。
狩野:ああ。行ってみよう。

GM:ということであと三軒ほど回ってみたものの、いずれの家も留守だったようです。
アンネ:もう日も暮れかけているというのに誰も帰ってきていないとは、一体どういうことでしょうねぇ?
茶汲:ねぇ……
狩野:あ、頭痒い。(バリボリ音を立てながら掻く大塚)
GM:さて、そうこうするうちにすっかり夜になりました。どうします?
アンネ:じゃあ家に帰ろう。

GM:さて次の日。川沿いの片田舎の町は大騒ぎになっています。新聞を持った男が、外に出ていた君達のもとにも大声をあげながら駆け寄ってくる。「探偵さん! これを読んだか!?」……って彼はなんで君達のことが探偵だとわかったのでしょう?
茶汲:やっぱ、ハードボイルドな見た目でしょう。
狩野:その通り。
アンネ:新聞に目を通してみます。
狩野:さっぱりわからん。写真だけ見とこう。
GM:新聞に大きく載っていた写真には、ギャーというポーズで倒れた……って、アレ、死んでる写真とかは載せたらあかんねんな。
アンネ:そやな。
GM:すると、地面の上にそんなポーズの人形がチョークで描かれていて……
アンネ:(GMの後ろから)……なんか来た。
GM:んあ?

(吊り橋の対岸より通行人登場。『一休さん』ライクに橋の真ん中を占領していた一同、机と道具を抱えて橋の端へ寄る)

アンネ:すみませんね、どうも。
一同:すみませーん。
茶汲:通れますかー?

GM:さて、となると、顔写真だけかな……
アンネ:って、やめろやお前ぇー! キタナイなぁー(笑)。

(編注:詳細不明。テープを聴く限り、セッション開始から寒さのためにハナを垂らし続けていたGMが、テッシュの残骸でなにかしらくだらない悪戯をしていたらしい。この男、つまり筆者にはよくあることである)

GM:んぁぁぁぁ。
アンネ:嫌なモン見たなぁ。
サムラン:(笑)。
GM:コレ、いる?(と、水気を帯びた紙を卓上に差し出す)
狩野:いらんいらん。ポケットん中しまっとけ。
GM:チェッ。
茶汲:コンビニ煎餅まだありますかー?
アンネ:ほい。……で、結局顔写真だけなんとちゃう? あとは簡単な説明文と。
サムラン:これこれこういう状況で死んでました、みたいなやつが載ってんねんな。普通は。
狩野:(茶汲に)ショートケーキもあるよ。

GM:うぅ……寒。でも地方新聞ってことで、やっぱり全部載ってました。(差別発言?)
一同:(笑)。
アンネ:はいはい。
茶汲:りょーかーい。
GM:ほら、やっぱり君達によくわかるように、ビヂュアル的な描写も必要でしょう。
サムラン:そんな、エックちゅファイルみたいな……
GM:ってことで、新聞の一面に心臓をえぐられて死んでいる背広姿の害者の怪死姿がでっかくドドーンと載っている。これなら狩野探偵にもわかるでしょう。
アンネ:害者の名前は?
GM:ビュランダン=ブリュンベルガー。
アンネ:(笑)。ビュランダンさんね。
GM:新聞記事を更によく読んでみると、君達はその男があの不動産会社の、
アンネ:あぁ、ローザさんのお父さんか!?
GM:の親父の親父。つまり、ローザさんの祖父にあたる人だということがわかる。ちなみにローザさんの親父さんが、不動産会社を悪どくしきっているブゥランダン。他にはローザさんの兄にあたる人物もいて、彼の名がデュランダン。まぁ、そんなこんなで、君達は知りあいの身内の怪死写真を見てしまう。
アンネ:酷い事件ですね。
GM:さて。そんなこんなで家に戻ると、医者のシェルバートから電話が入る。なにやら、例の奇病にかかった患者達が、揃って蒸発したらしい、とのこと。
茶汲:ほぅ。
アンネ:受話器を掴んで「こちらでも、実際にその患者さん宅を回ってみたのですが、帰ってきた気配はないんです」
GM:「そうかね。実は今日になって、また新しい鱗患者が四人も私の診療所にやって来てんだ」
アンネ:「引き止めてもらえますか」
GM:「ええ、まだこちらにいますから」
アンネ:GO! 面会面会。
GM:みんな揃って行くねんね?
茶汲:うん。
サムラン:応。
狩野:うむ。


 
 
 

▼replay_Call of CTHULHU

■『蛇男、爆発犬餌を飲み込む』/03

←return   →next