■ quiver 08
〜赤い首飾り〜
GM:相変わらずシャツ一枚で首からカメラをぶら下げた、ぼさぼさ頭で瓶底眼鏡のハードボイルド探偵とその愉快な仲間達が、真夜中の村の噴水広場にたどり着くと、そこには串刺し火あぶり心臓くりぬかれたブランダンベルガーと、そのまえで気が触れたように絶叫し続けるサムラン=サック=ターパイヤントを見つける。
アンネ:こ、これは! ローザさんのお父さん!?
サムラン:……んんっ、またオシッコしたなってきた。(再び中腰になる山田タケシ)
GM:もぉ、こっから後ろ向いてやりや。
茶汲:んにゃ? どうします?
アンネ:公衆電話に駆け込む。110番や。向こうでもこれで来るかどーかはしらんけど。
GM:ウゥーッウゥーッウゥーッ! ポリスメン襲来。チャリンコで。
アンネ:お巡りさん。あとはお願いします。
狩野:(吊り橋の真ん中で彷徨う山田タケシに)こっち来んな、アッチでやれよ。
サムラン:ダメだっ!向こうに人がいやがる!
アンネ:あっち行っといで。吊り橋の入り口に厠あったやろ。
サムラン:え?ほんま? 応!(山田タケシ。再び駆け出す。揺れる吊り橋)
GM:で、君らはどうする?
狩野:どうやら親子三代狙われているようだな。
アンネ:ローザさんが気になりますね。夜中ですが、行ってみましょう。
GM:知覚ロールとかあったっけ?
アンネ:知覚?……あったかなぁ(と、キャラシートを検分)
狩野:ないぞ、そんなん。
GM:じゃあ全員、<目星>振ってみて。
狩野:(ガシャン)……失敗。
茶汲:失敗。
アンネ:もろ成功。
GM:ローザ宅へ向かう途中、アンネは街角に姿を消す妙な黒い外套をまとった人物をチラッと目の端にとらえる。どうやらそいつはそれまでずっとこちらを伺っていたらしい。
アンネ:ややっ! あからさまに不審人物。みんなに伝えるかくかくしかじかこれこれのマント姿の変態を見た!
GM:ううぅっ。寒ぅぅっっっ。
狩野:よし、そんなに気になるんだったら、そいつをつけてゆけっ。
アンネ:了解。追跡を開始する。
GM:デビルサマナー茶汲茶汲さんは?
茶汲:うぅん。
アンネ:みんなで探そう。追跡や。
GM:って、そいつの姿をちゃんと見知ってんのはアンネだけなので、一人、<追跡>ロールしてみて下さい。
アンネ:(ガシャン)……失敗。見失っちゃった。
GM:ついでにみんなともはぐれる。立ち並ぶ家々もごくまばらになり、黒々とした森が見えてくる頃。何者かが突然、君の背中に飛びかかる。退院したペニョンパンさんや。
アンネ:きゃあぁぁぁぁっ!叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
GM:茶汲と狩野は<聞き耳>。
狩野:(ガシャン)……失敗。
茶汲:失敗。
GM:やった。ペニョンパンはアンネの首筋に思いきっきし噛みつく。
アンネ:回避する! AB避け。(編注:劇ちみ公式格闘遊技『侍魂・斬紅郎無双剣』用語)
GM:<回避>してみて。
アンネ:(ガシャン)……29、成功!
GM:牙はすんでのところで空を切る。爪をとがらせ、猫目を血走らせて近寄ってくる。ピピィヨニンさん?……名前が次々変わるけど(笑)。
アンネ:ピピィヨニンさん! 一体何をするんですか!
GM:他の二人はどないする?
アンネ:おらへんて。ヤバイって。
狩野:ややっ! アンネローゼがいない!? しかし、今は一刻を争う。ローザさんのもとへ行くぞ!
アンネ:おいおい。
GM:茶汲さんはどうすんの?
茶汲:じゃあとりあえず、私は病院へ戻っておきます。
アンネ:おいおい。
GM:みんな好き勝手動いてんな。
アンネ:タイ人はあいかわらず噴水広場で凍りついてるし。ヤバイな、私。
GM:ピンチなアンネはどうする?
アンネ:とりあえず説得。「落ち着いて!」
(テ注:吊り橋の周囲。暗闇の中から、狼のような遠吠え。こちらに近づいてくる)
茶汲:わっ。あれは……
GM:飛びかかってくる。(ガシャン)……<噛みつき>50%で……56出たから失敗。
アンネ:よっしゃ。とりあえず、逃げる。病院に向かってゆっくりと。
(狩野):ゆっくり?
アンネ:うん。相手が見失わん程度に。いわゆる病院へおびき寄せるってやつ。ついてきた?
GM:あぁ、そやね。ふらふらと夢遊病者な足取りで、君のあとを追ってくる……あ、小便タケシや。
サムラン:ァオオオオオオオオッッッッ!!(テ注:EVA19話風遠吠え)
茶汲:あ、兄ちゃん、おかえりー。
サムラン(遠吠え発信源):っああ。せっかくナイフ持って走ってきたのに。
GM:何がせっかくや。さて、病院前に戻ってきたアンネ。茶汲を見つける。
アンネ:茶汲さん!
茶汲:な、なんですか?
GM:あうあうー言いながら、ペニョンピンさんが近づいてきてる。
茶汲:それはーやっぱりー、えーと……
アンネ:「先生!先生!」 ドンドンドンと病院の扉叩く。
GM:シェルバートが隣の窓からニョキッと顔出す。
アンネ:「あの人が!あの人がっ!ペニョンピンさんが襲ってきてるんです!早く助けて!」
GM:「んあー。ペニョンピンさん。病室へ戻りなさい」 寝ぼけ眼の医者が、鱗患者に病室へ戻るよう指示すると、彼はふらふらと病室へ戻っていく。一方、ローザの家へ向かった狩野探偵。
狩野:「ローザさん!ローザさん!」 ドンドンドンと家の扉叩く。
GM:反応なし。
狩野:ガチャガャガチャッ。
GM:夜やらか扉は閉まっている、と思いきや、すんなりと開いた。
狩野:すかずか入っていく。
GM:近くの部屋から、しくしくと泣く声が聞こえてくる。
(アンネ):いちまぁーい、にいまぁーい……足りなぁーい(笑)。
狩野:入ってみる、「ローザさんですか?」
GM:みたいやね。ベッドに突っ伏して肩を震わせている。
狩野:「どうしたんです?」 体を起してこっちを向かせる。
GM:泣きはらしたローザの顔にはすでにうっすらと鱗が浮き出し始めてる。真夜中の不法侵入者に驚いたものの、やがて少し気を取り戻したローザは少しずつ話し始める。「た、探偵さん……一体いつの間にか、私にこんなものが……」と彼女が少し首を傾けると、首もとには怪しい形の赤い首飾りがかかっている。
狩野:とりあえず引ったくる。自分の服ん中いれとく。「これ、一体どうしたんです?」
GM:「それが私にもよくわからないんです。ふと目が覚めると窓は開けられたままで……」
(アンネ):寝込みを襲われてんな。窓際に足跡とかは?
狩野:見てみる。その部屋は一階? 二階?
GM:二階。
狩野:梯子とかかかってない?
GM:そんなものはない。
(アンネ):手すり掴んだ跡とか、鱗落ちてるとか?
GM:ないね。
狩野:ローザさんに、「戸締まりはちゃんとしていたんですね?」
GM:「ええ」……うぅっ、寒。
(アンネ):バンバンGOや。
狩野:「お父さんのことはご存知ですか?」
GM:「お父さん? 父がどうかしたんですか!?」
狩野:「うっ……いやぁ、君はまだ知らない方がいい」
(アンネ):誤魔化すねぇ(笑)。
狩野:「とりあえず、ここは危険です。僕と一緒に仲間のいる病院へ来て下さい」
(アンネ):それって、火あぶり死体とご対面になるんやけど。
|