▼replay_Far Roads to Lord

■『忘れられた黒い魔女』/02

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■ sleep 02
〜村〜

GM:旅の目的地について話ながら森を進んでいると、君らはやがてある村にたどり着く。
クワッキン:耕された土地だっ。
GM:歩いていた村人達は、藪の中から突如現れたアザラシと鍬を担いだ娘を見て、後ずさる。「おい、見ろよ。アザラシだぜ」「本物か!?」「後ろ足で歩いて来るぜっ」「嘘くせぇぇ」
フドウ:ヒタッヒタッヒタッ。
GM:「うわぁ! 寄って来た!」 ひそひそ囁き合っていた村人達が一斉に逃げ出す。
アザラシ:ヒトを見て逃げ出すとは、なんと無礼な。
GM:リンは?
リン:村人達に混じって逃げる。
フドウ:おぬしもか!
クワッキン:いやぁ、今日こそは納屋で眠れそうだ。
GM:リンの左右を走っていた村人達がギョッとして飛び退く。「何だ! 今、あんたの鍬が喋らなかったか!?」「おい、それ本当に鍬なのか? 刃先に妙なモノがブラブラしてるぜ」
刃先の妙なモノ:「これは腹話術です」
リン:なんてことを(笑)。
クワッキン:「どうか、この愛らしい鍬を一晩、皆さんの家の納屋に吊して下さい」
GM:村人は非常に胡散臭そうにその鍬を持ってニヤニヤ笑っている娘を見ている。村人を納得させるんやったら交渉RRが必要になってくるけど。腹話術娘と思わせることができるかどうか。能力は魅力値やったらなに使ってもええけど、この場合なら『愛嬌』かな。難易度は相当胡散臭いので25。
リン:(ガシャン)……『愛嬌』17に、9と7足して33。成功。にこにこ笑いで鍬を突き出しながら、(眠そうな幼児の声で)『やぁ、村のみんな。ボクはクワのクワッキン』
クワッキン:儂ゃ、そんな馬鹿っぽくないぞ。
GM:鍬の刃先から二種類の全く違った声が出たようで、村人達は大層驚く。「おお、娘さん、あんた、色んな声が出せるんだなぁ」 ところで、村人を走らせた張本人のアザラシは森の端でどないしてるん?
フドウ:こぉ……中腰になって首を少し突き出し、リンと村人の成り行きを見守ってる。
GM:そういえば金の鍬と銀の鍬は装備品にいる?
フドウ:くれるんなら貰っとく。
GM:鍍金品やからダメージはそれぞれ1D6。装備の欄に書いといて。村の様子を伺いつつ両手に鍬。
リン:やっぱり怖いアザラシやね。
GM:あ、他に装備品とかあった?
フドウ:えーアザラシの皮と背負い袋だけや。金目の物は一切なし。あ、『2』って書いてある! 『アザラシの皮(2)』! 着替え用があったみたいや。
GM:村人を感心させている似非腹話術師の背後から、両手にピカピカ乱反射する鍬をぶら下げながらフドウが近寄ってくる。「む、娘さん。あの歩くアザラシもあんたの友達か何かかい?」
リン:「い、一応……そうみたいです」
フドウ:「さぁ皆さん、この金の鍬と銀の鍬を見るのでぇす!」 両腕を高々と掲げ上げる。
GM:鍬の腹話術に続いてアザラシの妙な実演が始まりかけた時、村人達の合間から一人の白髪交じりの中年の男が現れ、重々しく口を開く。「あなた方はあの黒い森から出て来られたのですかな?」
リン:「はい」
GM:「体の方は無事ですかな? 実は最近、あの森へ踏み入った者達には次々とよからぬことが起きましてなぁ」
フドウ:「ふむ、ひとまず大丈夫ですが。一体、その村人達にはどのようなことが?」
GM:「それが、一度は村へ帰ってきたものの、日に日におかしくなる、というか影が薄くなる、というか…… 結局は彼らの多くが再び村からいなくなってしまうのですよ」
フドウ:あの、森の中の屋敷のことを話してみる。「実は昨晩は、かくかくしかじかの屋敷に泊まってきたところなのですが」
GM:すると村人達は大層脅える。「それはいかん。あんた達、奴こそ村人達に恐ろしい呪いをかけた魔女ですぞ」
フドウ:「儂は今もピンピンしておりますが」
GM:「気をつけなされ。くわばらくわばら」 さて、その日は村で休むんかな。じゃあ就寝儀式やってみて。
フドウ:夢を見る寝方で(ガシャン)……20。成功。
リン:私も90で(ガシャン)……あ、00。100で失敗。
GM:リンは爆睡か。じゃあ今日はF−RoadsでなくB−Roads(前作)のマジックカードを差し上げます。フドウはこれ。そっちで見てくれていいよ。リンは私が見よう。<鳥>。あと、既に農耕器具達に囲まれて(実際に)寝ているクワッキンの分も引いとくか……<ランプ>。
フドウ:儂は<四角>が出ました。
GM:し、四角? どないしよ(笑)?
フドウ:<四角>!(何やらうれしそう)
GM:そ、それじゃあな、鍬とアザラシは、それらのカードを主題に、夢を見ることになるねんけど。
フドウ:四角の夢! どんなんや!? 困ったぞ!(でもうれしそう)
GM:あのさ<四角>ゆーても、もっと抽象的、イメージ的に捕らえて、例えば『堅固なるもの』『安定したもの』『大いなる囲い』とか、色んな解釈ができると思うし。こうやってアバウトに好き勝手に想像して創造するのが、このローズの魔法の醍醐味なんやけど。ファンテジーにいってくれ。
フドウ:四角、四角、四角……
GM:何、体曲げてんねん。
フドウ:いや、儂にはどうも、こう『角ばった』感じの夢を見るような。
GM:じゃあ、俺が解釈してやろう。フドウは夢の中で、なにやら四方から見えない力で圧迫される嫌な夢を見てしまう。箱に体を押し込まれるように、角張りながら縮こまってゆく。
フドウ:うなされてる。
GM:一応夢を見ない眠り方になったわけやけど、リンの夢の内容も決めとこ。<鳥>やけど、どんな感じ?
リン:うーん……
フドウ:森の中を歩いてたら、空から鳥が飛びかかってきて、リンの頭をついばむねん。
GM:リンは大あわてで逃げるんやけど、走りながらなにやら自分の体が軽やかになっていく気がする。こう、前足なんかも反対側に折れ曲がるような。人間離れした奇妙な走り方になって、手なんかをばたばたさせている。
リン:うひゃあ(笑)。
GM:で、クワッキンは、夢の中で、『光ってる』
フドウ:それは起きてる時と変わらんな。ところで、ついに落ちたな、コイツ。(大塚、ガクリと頭が垂れ下がる)


 
 
 

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