▼replay_Far Roads to Lord

■『忘れられた黒い魔女』/03

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■ sleep 03
〜井戸〜

GM:さて、翌日、フドウが目を覚ますと、昨日にも増して体がだるい。
フドウ:筋肉が四角く縮こまっておる。
GM:村の納屋で起き上がった君の両隣では、リンとクワッキンがピクリとも動かず目を覚まさない。(現実世界でも、川崎の両隣で熊野と大塚が倒れていた) もぉ、ええ、タイマンでやったるわ。感覚RR、20で振ってみて。
リン:……うにゃぁ……私も、振るのかにぁ?
GM:もぉええ、寝とけ!(本人も眠いだけに簡単にキレるマスター。ゲームプログラマーのフドウ川崎唯一人が、元気溌剌であった)
フドウ:(ガシャン)……9と5に感覚値4足して、18。失敗。儂、ちょっとニブ過ぎ(笑)。
GM:ではフドウは、両隣の鍬と娘がどことなく影が薄く、儚げに見える。クワッキンは時折ブルブル震えては、淡く明滅しているようで、だらしなく伸びた亀頭はまるで不能者のよう。リンなんかは少々青ざめて、少し口を開いてはチュンチュン寝言を言ってる。覗かせた舌は毒毒しい紫色だ!(風笑人の生物学的特徴) しかしそんな異様な雰囲気も、まだ地上生活に慣れていないアザラシには、日常風景のように思えるのであった。
フドウ:いや、これはさすがにおかしい。村長さんを呼ぼう。「旅の仲間が流行病に犯されてしまった! 見て下され、この青白い顔!」
GM:「むう、確かにこれは例の病と同じ症状だ。村の男たちの多くがこのように力なく虚ろになってゆき、ある朝、ついに居なくなってしまうのだよ。村の医者にも手に負えない病だ」 ところで、感覚RRに失敗したニブい君は、そんな村長の話を真に受けるのかな(笑)?
フドウ:「しかし、我々も随分と旅をしてまいりました。これはただの旅の疲れかもしれません。しばらくここで寝かせてやっては貰えませんか」
GM:で、今日は一日どうすんの?
フドウ:まぁ、病人が寝ている間、村の中をポテポテ歩こうかの。
GM:金の鍬と銀の鍬は持ち歩いてんの。
フドウ:うむ、振り回しながら散歩。
GM:すると今日は、両手の鍬が何時にも増して重く感じる。しかも、相変わらず体がだるい。天気は今日もいいのに、なにかうすら寒いものを感じて、フドウがふと背後を振り返ると、なんと、自分の影が陽炎のように力なく揺らめき、消えかけているのを見てしまう。
フドウ:こ、これは。水ぢゃ! 儂の体が水を欲しておるのじゃ! 大慌てで村の井戸に飛び込む。
GM:フドウは井戸の奥深くへと垂直落下。6mくらい落ちたところで、着水。ところで水の中で、息できるん?
フドウ:皮をすっぽり被ると『アザラシに成る』らしいから大丈夫なのでは?
GM:ま、いいか。さて、井戸の奥底で桶にすっぽりと頭が嵌まり込んでしまったアザラシ。
フドウ:これはピンチぢゃ! 井戸の内壁に頭突きを繰り返す。ガーン、ガーン!!
GM:「なんだ! 井戸から妙な音がするぞ!」 驚いた村人達が数人掛りで軋む蔓を引っ張ると、井戸の中からぐったりとしたアザラシが出てくる。足の鰭をヒクヒクさせている。村人達が恐れ戦きながらも、桶からアザラシの頭を引き抜き、井戸の横へ横たえると、しばらく痙攣した後、アザラシの腹部が裂けて、全裸の老人が顔を出す。
フドウ:「これはこれは。危ないところを助けて頂き、ありがとうございました」
GM:村人達は呆気にとられている。
フドウ:傍らの背負い袋からもう一枚、しっかりと毛の生えた冬用の皮を取り出し着込む。濡れた夏用は影干しに。
GM:リンは、なにやら目が覚めたみたいやけど、なんかする?
リン:ちょっと出かけてみます。
GM:ふらふらと夢遊病者のように村を徘徊していると、ちょっとした憩いの広場の井戸で、フドウが皮を干し、井戸から金と銀の鍬を引き上げている。
フドウ:「おや、リンさん。表に出て大丈夫なのですかな。なにやら顔色が悪かったようですが」
リン:「ええ、まだ眠いですが、なんとか。フドウさんは妙に毛深くなってますが、大丈夫なのですか?」
フドウ:「儂もなにやら体がだるくてのぅ。ちょっと水浴びしてきたところなんじゃ」 歩くのも億劫になり二人で井戸端会議。
GM:すると、さっき飛び込んだ井戸のことで気になる。思った以上に落下したのに、水は底の方に少ししかなかってん。ふと、村の側を流れる川に目をやると、殆ど干上がっている。ちなみにここ数日、この辺りの天気はよかったけど、とくに日照り続きといった程でもなかったよ。
フドウ:ふむ、不思議な事もあるものじゃ。どれ、道行く村人に訊いてみよう。「もしもし、そこの川はどうして干上がっておるのかな?」
GM:「それがなぁ、七日程前からどんどん水かさがなくなっていってしまったんだ。この妙な水不足といい、村の者の失踪の事件といい、全く近頃どうしちまったんだろうな」と、ぼやいている。
フドウ:「して、この川の上流はどちらなのかな?」
GM:「ああ、それならあの北の黒い森を抜けてウニ山へ続いているよ」
フドウ:「ウニ山?」
GM:「ああ、何人たりとも近づくことならぬ、神様の山と、この村では言い伝えられておるよ」
フドウ:「しかし、この様子では一度、源流を調べてみる必要もあるのではないのですかな?」
GM:「ああ、俺もそう思うんだけれど、なにせあの魔女の棲む黒い森を抜けて行かなくちゃならないし、もし、無事にウニ山へたどり着けたとしても、言い伝えじゃ、あそこには人喰いの蜥蜴人が住んでいるらしいからな」
フドウ:「むぅ、それは恐ろしい」
GM:けだる気なリンはどうなん?
リン:(寝ながら)「ぅぅん……蜥蜴人って、なにぃぃ……」
フドウ:けだる気なんてもんじゃないぞ。
GM:クワッキンも完全にダウンか……じゃあ、フドウさんどうします?
リン:(突然ムクリと体を起こし)「わかりました! 上流へ行きましょう」

(アザラシとGM、あっけにとられて笑う)

フドウ:突然元気になったぞ(笑)。
GM:最後の空元気やな。
フドウ:「しかしリンさん。儂はどうも体がだるくてのぅ、お互い元気になってから行きませんか」(リンのヤル気をいきなり挫くアザラシ)
リン:「そうですね。じゃあ、おやすみなさい」(バタリと、土の上に倒れ伏す)
GM:君らはもぅ、十分休んでるけど、疲れはとれない。どうやら身体的な疲労ではないみたいやね? 影薄くなってるし。
フドウ:ああ、儂もそろそろ寿命か。儚い人生じゃったのう。
GM:一先ず、今日も村の納屋で安静にする。君ら。フドウはまた四角い夢を見る。四角踊りなどをしながら、お花畑でカクカク震えてる。回りには四角い妖精さん達が戯れている。『ははは、儂に追いついてみなされ』とか言いながら追いかけっこや。
フドウ:カクカク転がりながら。
GM:リンは鳥の夢。
リン:チュン、チュチュン。
GM:両腕からは奇妙な羽根が生えてきてる気になってくる。


 
 
 

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