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■『忘れられた黒い魔女』/04

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■ sleep 04
〜井戸端〜

GM:さて、翌日。そんな妙な夢から覚めると、もうへろへろ状態やね。体を動かすのも億劫。君達が納屋から動き出せずにまいっていると、表からギコギコギコーッと、間の抜けた酷い音が聞こえてくる。
フドウ:なんじゃ、あの酷い音は、納屋から顔だけ突き出してみる。
GM:村外れで一人の男がフィドルを弾いてる。見るからに素人のカールヘアーの痩せた男や。その弦楽器は、折角たまにいい音が出ているのに、基本的に演奏者が駄目な為、曲としては酷い音楽やね。
フドウ:バイヲリンは難しいからなぁ……お!? やっと帰ってきたか。

(籔の中から山田サチヲ登場)

山田サチヲ(以下丘小人シュウ=マッハ):ヴィイイイーッ! 蚊に咬まれた。
リン:あ、ここどうぞ。(と寝ていた隣を少し開ける。これが後々災いとなることを、夢見心地の今の気のいいタカノリ青年は知らない)
GM:どうすんねん、こっから行くか?
シュウ:どこ行くねん?
GM:村ん中や。えーその金髪の青年が納屋から頭を突き出したアザラシを見て声をかける。「やぁ、アザラシさん、ここの暮らしには慣れたかい?」
フドウ:「いやぁ、それがのぅ、日に日にげっそりとやつれ始めてのぅ、一体どうしたことか。困りましてのぅ」
GM:「そりゃ、大変だ。じゃあこれをあげよう」と、青年は青い仁丹みたいな丸薬を三粒程くれるよ。「これはあの、ウニ山で貰ってきた秘薬でね。これさえ飲めば疲れは吹き飛ぶって話だ」
フドウ:「ほほぅ、ウニ山ですか」 ところで儂ら、体力は減ってるん?
GM:いや、あくまで、気力的なものみたいやね。
シュウ:うわぁ、めっちゃ痒いぃぃ! 見てくれコレ!(隣のタカノリに毛むくじゃらの太股を見せる、ランタンの明かりに照らし出された無様な咬まれ跡)
リン:わぁぁ(笑)。
GM:さて、突然村の中央で男達の叫びが上がる。「うわぁぁ! 井戸の、井戸の中でまた何か蠢いているぞ!」
フドウ:ど、どうしたのかな。ヒタッヒタッ。
GM:リンも行くのかな? じゃあ二人とも感覚RR20でどうぞ。
リン:振らんでも、中に入ってるモノは大体わかるけどね、(ガシャン)……21。
フドウ:儂も21。ばっちり井戸の中の異物を知覚しましたわい。
GM:『痒ヒィィ!痒ヒィィイ!痒ヒィィイイッ!』と不気味に木霊する呻き声。
井戸の中の怪物:痒ヒィィ! 足イッパイ刺サレテェェン!! マヂ痒ヒィィイイッ!
GM:「最近、この井戸も水かさが随分減っていたからなぁ、何か土の中の悪いものと混じっちまったのかなぁ」「薄気味悪いが、暮らしの為だ。一つ引き上げてみるとすっか」 村人達は相談しあっている。
フドウ:じゃあ、儂らも蔓を引くのを手伝いますか。
リン:うん。
GM:では君達何人かで、蔓を引っ張ると、井戸の底の暗がりの中から、ズブ濡れの毛糸の帽子を被った……

(『ピィロォォオオオン、ピロピロリンロォォォオオン』
 突然、団長の携帯電話が、不吉な呼び出し音を吐いた)

GM:……電源斬っとけよ、ボケ。
馬鹿者:はい、もしもし……(大奥の説教、2ラウンド目突入)
フドウ:あかんわ、蔦斬る。プチッ。
リン:プチッ。
GM:どっか行け。

(サチヲ、深夜の御小言をありがたく拝聴する為、再び蚊の待つ藪へと消える)

フドウ:バッシャアアアァァァン。(再び井戸に落ちたSE)
リン:ブクブクブク。(水底深く沈み行くSE)


(ランタンの明りに目を細めながら真っ白に白けた岡本、川崎、熊野。しばし無言で途方に暮れる。(大塚睡眠中))


…………



(数分後、意外と早く男の戦いを終え、ダメ亭主帰還)

シュウ:痒イッ!痒イッ!痒イッ!!
GM:村人達も途方にくれている。「どうする? 桶を引き上げようにも、このアザラシ爺さんが、蔦を斬っちまったぞ。爺さん、あれもあんたの知り合いなのか」
フドウ:「いや、見たこともありませんなぁ。何やら不吉な予感がして、思わず斬ってしまいました」
リン:とりあえず、鍬でも投げ落としてみましょう。
GM:直撃や。
シュウ:「痒イィィィィヒヒヒヒ! 頭モ痒イィィィィヒヒヒヒ!」 貞子のように登って行くぞ。
GM:運動RR25。
シュウ:足すんか? (ガシャン)……0、8で丁度25や。『♪来ゥルゥゥッ! キット来ルゥゥッ!』(編注:映画『リング』のテーマソングを歌うサチヲ。旧版しか見たことのない筆者にはよくわからないが、聞くところによるとえらく怖いらしい)
フドウ:髪振り乱して這い上がってくんのか!? ド肝抜かれるぞ(笑)。「お、お主は一体何者ぢゃぁぁぁあああっ!」
シュウ:「シュウ=マッハ貞子」
リン:「何ですかあなたは?」
シュウ:「シュウ=マッハ=サダコ、デェス」
GM:異様に元気な丘小人や。
シュウ:足痒いぃ。
フドウ:こ、これが四角の前兆か!?(意味不明) もぅ、駄目ぢゃ、儂はぁぁ。
リン:ばえもん、ばえもん(意味不明、寝てます)
GM:村人達は呆れ返って君達三人を見ているよ。「……変わった人達だ」
フドウ:「儂には、みなさんの方がおかしく見えますわい。皮は被らないのですかな?」
GM:「皮は被りませんが、川が干上がった理由はわかりませんか? あなた方のような風変わりな旅人なら、世の中の色んなことに詳しいのではないですか?」
クワッキン:「水が出るまで掘ってあげよーう」(寝言)
フドウ:「ふむ、儂もさっぱり。おまけに、近頃日に日に体力が落ちてきてのぅ、川の上流へ探索へ行くなどとてもとても、儂には無理じゃ。あの丘小人だけが、さっきから痒い痒いと異様に元気じゃて、一つ皆さんと儂らで、あ奴に頼んでみるとしませんか」(笑)。
GM:交渉RRか。能力値は何使う?
フドウ:一番高いのは『畏怖』。
リン:脅すん?
フドウ:やけど、まぁここは一つ、『威厳』をもって小人を説得してみよう。(ガシャン)……全部で20。
GM:まぁ、悪くはない数字やね。で、どんな説得をするん?
フドウ:四角く固まって、「どうやら、この川が干上がってしまったのは、あの森を抜けたさらに上流にあるという山が原因らしいんじゃ。サダコさん。その元気をもってして、原因をつきとめて来てはもらえんか。儂ら村人全員のお願いですじゃ」
リン:いつの間に村人に(笑)。
GM:それは『威厳』ではなく、『哀願』と言ふ。
シュウ:「でもあんた村人じゃないぞ! 怪しい!見るからに怪し過ぎるっ!!」
フドウ:「ちっ、バレたか」 金の鍬と銀の鍬を振りかざしつつ叫ぶ。「さぁ、小人よ、この金の鍬と銀の鍬をやろう! 山へ原因を突き止めに行くのぢゃ!! 行けっ、勇者よっ!!!」
シュウ:井戸の中入る。
フドウ:首根っこ捕まえる。角張った腕で小人を振り回す。「さぁ、山へ行くのでぇぇぇす!!」
GM:リンは寝てるん?
リン:観戦しとく。チュンチュン。
シュウ:「行ってやってもいい。条件がある」
フドウ:カクッ? 腕を振り上げたまま直角に首を傾げる。
シュウ:「こいつとこいつ、それにお前も、一緒に行くんだ!!」
クワッキン:(突然意識を取り戻す)「俺の出番がないぞ。行くぞ、さぁ行くぞ、今すぐ行くぞ!」
リン:久しぶりににょきにょき中身出してしゃべり出す(笑)。
シュウ:「鍬のくせにしゃべりやがって、こうしてやるっ!」 掴んで井戸に投げ捨てる。ピャァアッ!(投げSE)ピュゥウッ!(落下SE)
GM:また、井戸ん中落ちるんかクワッキン。
クワッキン:いや、落ちひん落ちひん。羽根生やして飛ぶ。パタパタパタッ!(飛行SE)

   (一同笑。既に全員眠くて大笑いする元気ありません)

フドウ:そうか、飛べんねんやこいつ(笑)。
GM:井戸の真上で突然トンボのような四枚の羽根を生やしたクワッキン。優雅なカーブを描き舞い戻ってきた。
シュウ:気色悪い鍬め。
GM:村人も恐れ戦いてるよ。羽ばたく鍬はリンの掲げた腕にとまる。
リン:よしよし。
クワッキン:やれやれ。
フドウ:では、この小人と共に儂らも行きますか。


 
 
 

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■『忘れられた黒い魔女』/04

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