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■『忘れられた黒い魔女』/07

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■ sleep 07
〜集落〜

 やがて、暗闇の向こうに光が見える。洞窟を出ると、そこはウニ山の中腹の山道。頂上目ざし道を進む胡乱な集団。やがて行く手に粗末な集落が現れた。

GM:竪穴式住居みたいな古い様式の家が、山の斜面に開かれたちょっとした空間に、点々と建っている。で、その家の周囲を歩いているのは、蜥蜴人だ。ちょっと不気味な雰囲気。君らは、彼らの様子を、集落の入口近くの岩陰で伺っている状態。
フドウ:(楽しげに笑いながら)近寄り、話しかける。「もしもし。儂の言葉がわかりますか?」
GM:「ギシャーッ!」 うまそうなアザラシが自分から近づいてきたことに興奮したらしく、蜥蜴人達は、槍片手に一斉に群がってくる。
フドウ:「ギシャーッ!」 こっちも二本の鍬を振り上げて威嚇する。
GM:このまま一人で戦っても勝ち目なさそうやし、交渉RRしてみる?
フドウ:『畏怖』で、アザラシの恐ろしさを植えつけてやろう。
GM:25以上。
フドウ:(ガシャン)……15。あかん、全然迫力ないわ。
GM:(現実世界の丘の上) あ、もぅ周り明るいし、ランタン切ろか。
(架空世界の山の上) 蜥蜴人達は槍を投げてきた。他の連中はどうする? アザラシ一匹、集落へ乗り込んで暴れてる状況やけど。
フドウ:勇ましく鍬を振い戦ってる。振り返って叫ぶ。「皆の者ぉ! 儂に続けぇぇっ!!」
シュウ:ほっとこ。
アイン:ああ。
GM:どうする、フドウさん。増援部隊は一行に駆けつける気配はない。一方蜥蜴人達の攻撃は熾烈を極めるぞ。
フドウ:逃げる。ヒタヒタヒタッ。
アイン:あらあら、威勢よく叫んだわりに、すぐ帰ってくるんですねぇ。
フドウ:アインの横を走り抜け洞窟の方へ戻る。「後はまかせ太」
シュウ:仕方あるまい。では俺のこのウクレレで、荒ぶる蜥蜴人たちを和ませてやろう。
アイン:では、私はそのウクレレを伴奏に踊りましょう。
GM:ほぉ、なかなかいい作戦かもしれんな。じゃあ、感覚RRで振ってみて。
シュウ:(ガシャン)……12に9足して、21。<楽器演奏>技能が4あるけど。
GM:じぁあ全部で25。
アイン:こっちは運動値と<舞踏>で20、(ガシャン)……8。合計28。
GM:ま、二人ともいい感じですな。

(現実世界の丘の上。起きてる一同、妙な視線を感じて苦笑)

 森を抜け山頂に現れた散歩老人が、その通り道の度真ん中でテーブル置いて骰子を転がす我々の側を通り過ぎた。爺さん、まだ朝の四時やで。しかし彼らは、朝日が登れば動き出す人種。この後我々は、巡礼者の参拝のように、続々と双子山の尾根伝いを散歩してゆく大量の老人達の行進の最中で、セッションを続けるはめになる。ちなみにリン=タカノリはバタリと地に倒れ伏し、クワ=ケンジは、地べたでは眠れないらしく、うとうと半睡三角座りのまま、『もぅ朝やでぇ』だの『こんなとこで何やってんゃ』だの『あぁ、家で寝たぃ』だの、しつこく拗ねむずがり、ゲームそっちのけでその他の人間を嫌な気持ちにさせ続けることに従事していた。この時点で完全にシナリオの崩壊を確信していたマスター、眠さと腹正しさで、本気でセッションを止めたくなっていた。

リン:……あ、ここお年寄りの散歩コースやってんね(笑)。(妙な気配で目が覚めた)
GM:蜥蜴人達は、驚きながらも村に現れた丘小人と水妖精の演舞を眺めてる。村の奥には銀の扉があって、山の頂上へ続いているらしい。
シュウ:突然扉蹴破って階段を駆け上がる。
アイン:その後ろを舞うように続く。
フドウ:あ、行ってしもうた! 村の入口で仰天する。
GM:寝てるんか、起きてるんかよーわからんリンは?
リン:フドウさんと同じ。あ、行っちゃった。
GM:小人と妖精の暴挙に、蜥蜴人達は、大騒ぎしている。チャンスかもな。
フドウ:儂らも駆け抜ける。行くぞリン! 運動RR?
GM:ああ。20以上。
フドウ:(ガシャン)……あ、やばい、16。四角く転んだ!
GM:リンは?
リン:愛嬌。
一同:はぁ?
リン:愛嬌振りまきながら走り抜けます。
アイン:♪ハイハイハーイ、はいからさんが通ぉぉおる。(現実世界の丘の上。突然歌い出す上半身裸体の変人)
GM:さよか、20以上でどうぞ。
リン:(ガシャン)……36、成功。(この風笑人、愛嬌だけなぜか17もあります)
GM:リンは血みどろの笑顔で蜥蜴人達と打ち解け、あっさり山の階段へ消えていった。で、たった一人、村の真ん中で四角く転んだフドウは、蜥蜴人達に囲まれまくってるけど。
フドウ:『アアッ』と切な気な声を上げて、開かれた門の奥へ震える手を伸ばす。
シュウ:しゃあないな、も一回階段下りて、華麗なウクレレを披露してやろう。
GM:蜥蜴人達が小人の方を向いた。
フドウ:最後の力を振り絞り、猛烈に駆け出す。
シュウ:アザラシ爺さんが階段へ入ったら、ウクレレ弾いたまま、扉蹴飛ばして閉める。


 
 
 

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