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■『ポリー、森へ行く』/01

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AD2003/10/12(SUN)12:00
サークルFIN 2003年10月例会 前編

『ポリー、森へ行く』
ver_0.61

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『Far Roads to Lord』
[Copyright 1993 遊演体,All Rights Reserved.]



岡本:それでは、こちらの流民の方から、自己紹介お願いします。
小林:えー流民のラング=ウフィッツィ。人間で男性。『静かな道化師』……と自分では言ってます。生まれはヒュノー……荒れてる土地なんかな……から旅に出て、有名なナーハン、ラムザスを通って、妖精の国エルダからファライゾンへと流れてきました。今はメディリオノイルの『笑う子豚』亭に住んでいて、時折噴水広場で、相方のスカイニットと一緒に、歌ったり踊ったりピエロのまねごとなどしてみたり。詩も作れるし、物語も語れます。が、何故か<終始剣>とかいう武術も持ってます。
岡本:たまには暴れる、と(笑)。
小林:暴れません(笑)。といったところです。
岡本:はい。次の方。
Can I:私はスカイニット。性別は女。雪妖精とかいう、白っぽい生き物です。生まれは北の寒い地方。海獣狩りなどして過ごしていたのですが、凍てつく荒野に嫌気がさして、暖かい土地に出てきました。で、妖精の森で警備員などをしていたのですが、魔法の天盤に触れて怒られ、追い出されてしまいました。結局、ファライゾンに辿り着いたのですが、ここでもハメを外しすぎて、銀貨数枚の借金をしてしまいます。で、その返済に何故か数十年もかかってしまい、つい最近その返済を終えたところです。そんなわけで、これからどうしようかなぁ、とか考えているうちにラングと知り合い、噴水広場などでアコーディオンの演奏などしてます。
岡本:はい。次は寝る人ですね。
KONNIE:えー、シアン。シリリリの女。(編注:眠人のローズ世界での読みは『シリリリ』となります) 出身はヒュノー。鬼族と仲良くなって、のらりくらりと暮らしていたのですが、ふと思い立って、一日五時間(編注:起きてる時間)だけ、旅をすることにしました。百年くらいかかったのかな? 道中、放浪の剣士から剣の手ほどきを受けたり、妖術師に弟子入りしたり、魔族と知り合ったり、古の妖精にも弟子入りしたり、一日五時間、森の警備などしてみたり……
岡本:棒読みしてるわりには、凄い経歴ですな(笑)。そうこうするうちにファライゾンにやってきた、と。
KONNIE:はい。都の大書庫を閲覧したり、言葉だけは色々覚えてみたりしました。今は町の賭場で、一日四時間、専属占い師をやってます。
Can I:あと一時間、何やってるんですか(笑)?
KONNIE:んー……移動。

   (一同爆笑)

岡本:はい、よくわかりました。では最後の小人さん。
黒猫桜:はい。名前はクコ=クルコ=クム。エルダの森の妖精の館に住み着いていた丘小人の夫婦の子供です。そこで生まれました。で、退屈になって何故かヒュノー地方の方へ遊びに行きました。そこで廃墟などを探検、お金などをちょっとゲットしたり。その後はストラディウム地方などへ旅しまして、ちょっと住み着いた道場で<波斬剣>などを覚えたりもしました。でもやっぱり飽きたんでしょうね。その後はドゥーロン地方などをまた旅しまして……
岡本:ちょっと待って。経歴、一人だけ長かったやんね?
黒猫桜:長いですよ(笑)。(編注:他の方の倍くらい、経験表を振っていました)
岡本:すみませんがちょっと割愛して(笑)。
黒猫桜:はい(笑)。まぁ、色々旅を続けまして、結局ファライゾンですか、その地方のある町の料理屋とかに料理人として住みついています。どの店かは不明(笑)。普段はぶらぶらしていて、気に入った厨房に入っては、料理などしています。でも刃物は苦手(笑)。
岡本:はい。では全員、1D6振ってもらえますか。で、このカードを引いてください。(と、ファーローズ基本セット、石の地縁カードをみんなに差し出すゲームマスター)

(編注:TRPG経験者なら誰でも知っていることなのですが、念のため用語解説。『1D6』とは、『六面体ダイス一個を振る』の意。同じくこのゲームで最もよく使われるのが、『2D10』。つまり『十面体ダイス二個を振った合計』。ついでに『1D100』とは、『十面体ダイス二個をそれぞれ一と十の位に見立てて振り、%を出す』の意味です)












■ scene 01
〜適当なお告げをする夢占い師と、酔って荒れる神官〜

GM(岡本):えー、それで、ダイスの目と同じ番号の文を見てみて下さい。
スカイニット(Can I):6……スリにやられました(笑)。
シアン(KONNIE):『不思議な老人/怪しげな魔道師』。
スカイニット:魔道師、縁ありますねー(笑)。
クコ(黒猫桜):『へんな場所にある扉/窓』(笑)。
ラング(小林):『言いがかりをつけてくる悪党』(笑)。

   (一同爆笑)

GM:なるほど。じゃあこっちから片づけていきましょうか。変な場所にあるという扉とか窓を見つけてしまったという丘小人のクコさん。さて、君がメディリオノイルの町をぶらぶらしていると、ふと裏路地に迷い込んでしまいました。で、その路地裏の奥で、なにやらぼんやりと赤く輝く、変な小さな扉のような物を発見。(編注:『赤』というのは、文と共にカードに描かれていた魔力源『真の赤』によるものです) ゴミ箱の側にあったそれは、なんというか、丘小人の君にピッタリのサイズの扉で、見ているだけでもう……こう……体がウズウズしてきます。
クコ:それはもう、止めるまもなく開けて入るしか(笑)。
GM:素直な反応(笑)。霊感リアルロール(編注:2D10に能力や技能を足して目標値以上を出す、ローズの基本ロール。以下RR他、適当に略してます)で20以上、振ってみて。
クコ:えー、なんでしたっけ? 2D10?
GM:うん。それに霊感の能力値を足したもので、20以上が出れば成功。
クコ:(ガシャン)……15が出たので、霊感を足して……21。(編注:当リプレイでは、ダイスを振った時の様子を、実際の音に忠実に、『(ガシャン)……』と表記しています。巷のリプレイでは『(コロコロ)……』が一般的ですが、そんな愛らしい音を立てて転がるサイコロなど、私は今まで見たことがありません。余談ですが、この机に派手にぶつかる音が気になった人もいたのでしょう。昔はラバー製の多面ダイスなんて代物も売られていました。夜用にはいいかもしれませんが、ちょっと気が抜けるような気もしないでもありません)
GM:成功。では、そのゴミ箱の隣の、小人サイズの扉に飛び込むやいなや、辺りが真っ赤な色に染まります。なにやら押し寄せてくるような激しく力強い力。
クコ:火事(笑)?
GM:火事(笑)!? それは燃えるような力やったんかな。まぁ、そんなイメージを強く懐いたので、赤の魔力カードを差し上げます。(と、マスターはファーローズの前作にあたる、ビーローズの魔法カードを一枚、隣のクコに渡す) で、君はその後、アチャチャチャ!、とか叫びながら、町の中央広場の噴水から飛び出すことになる(笑)。まぁ、そこでは顔なじみの路上演奏家の二人組がいる、ということで。で、シリリリ(眠人)のシアンさんは……
シアン:『不思議な老人/怪しげな魔道師』。
GM:じゃあせっかくですから、『怪しげな魔道師』の方でいきますか。さて、シアンさんは現在、店で働いてるんですか? それとも町中をぶらぶらしてますか?
シアン:店で働いてます。夢占い。
GM:酒場は『幸運の風』でしたっけ?
シアン:はい。
GM:では、その酒場で、ドン!、とテーブルを乱暴に叩く男の叫びを聞きます。「くそっ、この町の連中は何もわかっちゃいない! こんな平穏な町など、まがい物だっ! この町はもっと大きく変わっていかなければならないのだ!」 魔道師、というよりも、黒ローブの神官風の男ですね。で、その男のへべれけな愚痴をなんとなく聞いていた時、シアンはふと、思い出せるかどうか。知力で判定してみて。難易度は18以上。
シアン:え……どうやって?
GM:2D10+知力。(編注:能力値『知力』及び後述の魅力値『度胸』は、ファーローズのオリジナルルールにはない、このGM独自設定の能力値です。『知力』は必要性を感じた為に、勝手にこしらえてしまいました。『度胸』は、オマケ(笑)。またファーローズのオリジナルにある感情ポイントや生命値関連は、それぞれMP、HPに統合されていたりします。これは感情を数値化することに抵抗があったことと、処理の簡略化などを考えた為です。このGMのローズは基本的に、ファーローズのシンプル判定ルール+ビーローズの不思議魔法、といったコンセプトで改造されています。FとBの間をとってDローズなどと呼んでいる妙な代物です)
シアン:(ガシャン)……22です。
GM:成功ですね。えー、シアンさんは以前、デュール教の魔道師に弟子入りしてましたね。杖とか持ってたでしょ?
シアン:あ、はい。
GM:だから、デュール教の教義に関しても少々知識があるわけですが、その教えというのが、『破壊と創造』なんです。だから、その黒い神官風の男の叫びを聞いていると、なんとなくその信者かなにかなんかなぁ、という気がしてきます。「この代わり映えのない平和な町は気にいらん!」などと、男は酒をあおっています。目つきは虚ろで、辺りに酒臭い息なんか撒き散らして。さて、「姉ちゃん。私の占いの方はどうなったんだい?」と、四十過ぎの小太りの男が、疲れ切った顔で君の注意を引き戻す。夢占い師の君の前にいたお客さんですね。日々の会社……じゃなくてお勤めにすっかりくたびれている様子。「で、なにかお告げは出たのかい?」
シアン:「あ、そのうちいいことがありますよ」(笑)。
GM:「ほぉ、それは具体的にどんなことがあるんだい? 今日も家へ帰ったら家内にドヤされそうでねぇ。なにかいいことがあるのなら、その兆しみたいなものを教えてもらわないと」やって。さて、具体的にどんなお告げを与えましょう? 例えば、帰りに何かしていくと、いいことがあるとか。例えば屋台でウサギの丸焼きを買って帰れば、奥さんの機嫌が良くなる、とか。
シアン:…………
GM:思いつかないようなら、霊感RR22以上、してみます?
シアン:霊感、ですか?
GM:うん。霊感+君の場合、メデュートの信仰特典の5に、2D10したものです。
シアン:(ガシャン)……ゾロ目。
GM:ゾロ目。幸運な状況と不運な状況を見て下さい。幸運な状況には何て書いてます?
シアン:『戦歌、軍楽が聞こえる』(編注:大龍のクステ。つまり守護星)
GM:そんなものは聞こえてません。不運の欄は?
シアン:『嵐でない』
GM:ですから、その状況で出たゾロ目ということで、お告げは大失敗。記念に魔法カードを一枚差し上げます。(と、シアンにカードを渡すマスター) で、そのカードに描かれているようなお告げに従ったがために、その疲れた中年男は家に帰るやいなや、奥さんにフライパンで殴られるような災難に遭う、と(笑)。「アンタ! そのシャツについてる口紅はなんなのよ!?」みたいな。
シアン:<蝶>……
GM:ふわふわと漂うイメージ。幻とか。まぁ、なんでもいいですよ。フリーで口走ってみて下さい。
シアン:「今日の帰りにあったことを、奥さんに話してあげて下さい」
GM:「そうか。最近アイツ、ちっとも私の話を聞いてくれなかったからなぁ」とか、男は納得した様子。「ありがとう。早速そうしてみるよ。で、お代はいくらだい?」
シアン:お代……決めてませんでした。だいたい相場はいくらくらいなんですか?
GM:むー、男はとりあえず銀貨一枚を渡していきました。
シアン:「はい、ありがとうございます」
(ラング):俺の全財産や。(編注:『幸運の風』亭にいないプレイヤー発言ということで、括弧がついています)
(スカイニット):その三倍くらいのお金を払うのに、三十年くらいかかってるし(笑)。


 
 
 

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