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■『ポリー、森へ行く』/06

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■ scene 06
〜森へ一角獣を捜しに行く一行と、勝手に引き起こされた戦闘〜

 チンピラと冒険者の区別もつかない新米錬金術師、ポリーヌ=ルーエン。彼女は、この町で工房を開いて初めての依頼を、先日ついに受けることができた。マイゼル公爵家という由緒ある家の執事から受けたというその依頼は、『緑の月の祝福』という香水を作ることだった。

 しかし、月の石、コメート原石、緑の中和剤などの材料は揃えることができたものの、後一つ、『虹色キノコの毒気を抜く』という作業がまだ行われていなかった。依頼期限である七日後までにこの作業を終えるには、このメディリオノイルから北北西へ半日の距離にある北の森に棲むという、ラウム(一角獣)の角の力が必要らしい。

 楽士や料理人や占い師と冒険者の区別もつかないポリーは、そんな彼らに北の森への護衛と、ラウム捜しの依頼を申し出る。依頼料は香水作りの仕事で受け取った金貨10枚の中から8枚を出すという。そんなに貰っていいのかと驚く一行に、ポリーは頷く。彼女にとって、これは何としても成功させたい、記念すべき初仕事なのだった。

GM:ポリーが、少し考え込むようにして言う。「香水の調合そのものに三日くらいはかかるから、ラウム捜しと毒抜きは、三日くらいで済ませたいんですけど……」
スカイニット:それって結構カツカツなんじゃ。
ラング:北の森までは?
GM:半日程度、行きと帰りで一日ってところかな。
クコ:じゃあすぐ出発したほうがいいですね。
スカイニット:じゃあ明日の朝一。
クコ:で、必要なものは、今のうちに揃えておく、と。
ラング:「クコ。食料とか、みんなの分も用意しておいてもらえるかな?」
クコ:「現地調達」(笑)。もちろん調理に必要な香辛料とかは持っていく。
GM:ということは、早速翌日の朝から出発するんですか?
クコ:そうですね。急がば回れ……じゃなかった(笑)、善は急げ、ってことで。
ラング:回ってどうする(笑)。
スカイニット:小刀っていくらくらしします? 手ぶらなんで(笑)。
GM:んー、銀貨2枚。(編注:口からデマカセ。ガイドブックの相場は金貨6枚。つまり三十倍の価格だったりしてます)……中古の特価品ということで。夜店の古物商の店先で見つけました。
スカイニット:あ、この小刀のここの傷、どっかで見たことあるようなんだけどなぁー(笑)。
ラング:君のか(笑)。……長剣は?
GM:同じ店先で銀貨4枚。(編注:相場は金貨7枚)
ラング:買った。
GM:てな感じで、翌日の出発に移っていいですか?(編注:このシナリオ、『ポリー、森へ行く』とその続き、『ハウゼム、閉じた物語』とその続き、『ユイラン、町へ出る』は、キャラメイク、昼食休憩などを経て、午後四時半過ぎまで、一気に行われました。普通のマスターなら間違ってもやらないハードな三本立てなどを行っている為、このGMは常に時計の針に気を配りながらゲームを進めていました。つまりそれ程予期していなかった酒場の戦闘で思わぬ時間を使ってしまった為、少し急いでいるようです)
クコ:はい。
GM:では、メディリオノリルの町を出発、森へ着きました。
ラング:早っ(笑)。
スカイニット:シアンなんて、目が覚めるともう森、って感じですか(笑)。
シアン:目が覚めると森にいました(笑)。
GM:その人、一体誰が背負ってたん?
ラング:一応、体力のある人間で男なんで、私が。
シアン:ということは、寝てたんで、MP回復していいですか?
GM:どうぞ。MPは精神的なものなので全快してもらって、HPは肉体的負傷なので1D10回復、ということで。さて、森の中の君達。どこから探索したもんですかね。一緒について来たポリーの話によると、どうやらラウムは、森の奥にあるという泉の側の、花咲く丘で見かけた、という話を、よく町で聞いていたそうです。
スカイニット:シアンを揺する……あ、森の専門はこっちか……「クコ、クコー。なにかアイデアは?」
ラング:とりあえず、その泉へ行かないとな。
クコ:<動物学>と<狩猟>を組み合わせて、ちょっと捜してみます。
GM:それは各自別行動した後に君一人で? それとも全員一塊りになって君が先頭で?
スカイニット:バラけたら後で合流出来なさそう。
ラング:うん。
GM:その代わり各自ランダム森カードが引けます。
ラング:(笑)。
スカイニット:固まっていきましょう。ろくなことが起きそうでない(笑)。
GM:リーダーのクコさん、どうします?
クコ:むー、寝てる人もおるし……起きてる?
シアン:うつらうつら(笑)。必要になったら起こして。
スカイニット:『シアン、魔法魔法!』とか言うわけね(笑)。
クコ:とりあえず、この場所を中心に二人組くらいでそれぞれ行動。時間単位で辺りを調べてみる。情報収集。
ラング:シアンは数に入ってる?
GM:君が背負ってるのでまとめて。まぁ、カードは別々に引いてもらっていいけど。
クコ:じゃあラングとシアン、スカイニットと私にしますか、ポリーヌは……
GM:「あ、私、クコさんの方についていきます」と、一番頼りになりそうな小人の方にトトトと(笑)。
クコ:はい、じゃあそれで。
ラング:ちっちゃいし、刃物も苦手な小人やのに(笑)。
GM:では全員一枚づつ、森の地縁カードを引いてみて下さい。
スカイニット:……ダイス振るんでしたっけ?
GM:うん。
スカイニット:……『気のいい木こりと遭遇』。
クコ:……僕は……
シアン:あのー、寝てるんですけど、『旅人に出会いました』。
GM:はい、大丈夫。
ラング:『食用に適する動物』。
GM:つまり旅人(笑)。
シアン:旅人食べるんですか(笑)?
ラング:食べへん(笑)!
GM:ふっくらとおいしそうな旅商人が、木々の合間から姿を現す。シアンを背負ったラングは、思わずよだれを垂らす。そういえば、昼ご飯がまだでした。
ラング:なんかよだれがー(笑)。
シアン:食べない食べない(笑)。
ラング:とりあえずよだれを吹きながらその旅商人に尋ねてみよう。「こんにちは。この森には詳しいですか?」
GM:「いや、俺も今日ここに来たところなんだよ。あんた達は? 町から来たのかい?」
ラング:「はい。そうです」
GM:「あの町は、どんな感じだい?」
ラング:「なかなかいいところですよ。結構大きいし賑やかで」
GM:「ほぉ、じゃあちょっと行ってみるかな」
ラング:「『笑う子豚』亭という酒場で、おいしい料理が食べれます。歌や楽器の演奏などもよく行われていて賑やかですよ」
GM:「へぇ、じゃあそこにも寄ってみるよ」
ラング:「それはさておき、この辺りで一角獣を見かけませんでしたか?」
GM:「ラウムか? こういえば、この森にはそんなのがいるって話をよく聞くな。ここからだと確か、もう少し北に行った森の中心辺りに、泉があったはずなんだ。そこでよく休んでいるらしい」
ラング:「なるほど、じゃあ早速そちらへ行ってみます。どうもありがとう」と、手を振って、シアンを背負って歩き出す。
GM:えー、こちらは?
スカイニット:気のいい木こりと会いました。
GM:木こり……木こりねぇ……えー、クコとスカイニット、それからポリーが手がかりを求めて森の中を歩いていると、遠くから、カツーン、カツーンという音が聞こえてきました。スカイニットが背負っているトトが言う。『あれは、木こりが斧を振る音だな。行ってみるか?』
スカイニット:そうね。じゃあみんなでそちらの方へ向かいますか。
クコ:って、僕は『植物モンスターに襲われ』ました(笑)。

   (一同爆笑)

スカイニット:木こりに会って、植物がギャオーギャオーと(笑)。
GM:まぁ、まず木こりと会っときますか。「おぉ、嬢ちゃん。こんな所でどうしたんだ?」
スカイニット:「いや、実ね、ラウムを探してるのよ」
GM:「ラウムか……」
スカイニット:「オジさん……いや、お兄さんはこの森に詳しそうだけど、何か知らないかな」
GM:「そうだなぁ、ここからさらに北へ行った所に泉があるんだけど、そこで変な白っぽい馬みたいなものを見かけることが、たまにあるなぁ。あいつは夜によく現れるみたいだから、見つけるなら夜の方がいいんじゃないのか」
スカイニット:「そうなの。ありがとねー」
GM:と、話していると、さっき来た森の奥の方から、あぁーっ、と、いう聞き覚えのある叫びが(笑)。
スカイニット:「わっ、何あれ!? オジさんごめん! ちょっとツレかもしれないから」と引き返す。
GM:「この森には色々変な生き物がいるからな。気をつけろよー」
スカイニット:「うん。ありがとう」と行ってみたら、クコがモンスターと戦っている、と。
GM:昼なお暗い木々の上の方から、無数のツタがニョロニョロと延びてきていて、小人の足に絡みついたみたい。小人は中空に吊り上げられてブラーンブラーン揺れている。
クコ:そのツタを罠の材料にしようとしてたん(笑)。
GM:一番頼れると思った小人が真っ先にモンスターに捕まったのを目の当たりにしたポリーは、すっかり腰が抜けてしまって、木の根本でヘタってる。
スカイニット:剣で斬れる?
GM:試してみてもいいよ。ちょっと高い所で揺れてるので、運動で25以上
スカイニット:エサイセヴァ(<終始剣>)は?
GM:むー、それは武術の通用するような人型モンスターではないので、今回は無理。
スカイニット:運動で25……そりゃ無理やなぁ……ほら、失敗。
GM:さて、ラングとシアンが集合場所に戻ってみると、他の仲間はいなかった。それで少し探してみると、森の奥で、動くツタに吊されたクコと、小刀振り回してピョンピョンしてるスカイニットを見つける。
ラング:シアンを起こそう。「シアン、出番だっ!……ってか、助けに行くから降りてくれ」(笑)。
シアン:そこの木の根に置いといて(笑)。
ラング:じゃあシアンを置いて、小刀で小人を助けに行こう。


 
 
 

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