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■『ハウゼム、閉じた物語』/02

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■ scene 02
〜世界の果ての木に王冠を掲げる旅に出た、賢者が愛人で魔女と継母に呪われたけれどオオカミと優しい妻によって救われた、孤児だった男の息子の数十年にわたる冒険(神父のしつこい助言付)〜

スカイニット:「『愛人が死に、若者はしばらく、<窓>の外を眺めて暮らしました。すると窓辺に<妖精>が現れ、彼に言いました。「その指輪を持って外に出なさい。きっといいことがあるわよ」と』」
GM:『妖精は話し続けました。「まずあなたは<おばあさん>と会うでしょう。彼女があなたを幸せにする方法を知っているはず」 若者は早速外へ出てゆき、老婆と出会いました』」
ラング:「『しかし彼女は<魔女>だったのです。魔女の呪いによって、世界は夜になってしまいました』」
スカイニット:「『幸せになれなかった彼は世を儚み、自分の犯した過ちに悩んで、自ら<牢獄>へと入りました。牢で暮らす……』」
クコ:「『彼の前にある日、彼の<継母>が現れました。……継母が、』」
スカイニット:……これ何ですか?(と、隣のラングに英語の意味を訊き始めるスカイニット)
ラング:……<恐怖>かなんかかな、<Frightened>って……
スカイニット:これ何ですか?
GM:……あぁ、それは<恐れ>やね。
クコ:……進めちゃっていいですか?
ラング:あぁ、ごめん。
GM:はい、どうぞ。
クコ:「『継母は、町にいた知り合いに……』」
GM:ちょい待って! それはおかしい。継母は今牢屋の前にいて、若者に話してる状況やから、舞台はいきなり町に変われません。
クコ:牢屋?……あ、そうやった(笑)。
GM:「『継母は、牢の中の息子に言いました。「この世はあんたのせいで無茶苦茶になり、私も不幸のどん底さ。だからお前にも<呪い>をかけてやる!」』」
スカイニット:「『その呪いによって彼は、激しい<恐れ>にかられました。その呪いは、耳の奥にいつも<オオカミ>の遠吠えが聞こえる、というものでした』」
GM:はい、マークが合ってるので、インタラプト。「『しかし、実は彼はオオカミたちによって育てられた<孤児>でした。だから呪いを解く旅に出た彼は、やがてその呪いを他ならぬオオカミ達によって、解かれることになりました』」
スカイニット:「『呪いを解くことができた少年には、<妻>がいました』」
ラング:少年に妻(笑)!?
スカイニット:あ!……男男(笑)。「『その男には、優しい<妻>がいました』」
ラング:いつのまに(笑)。年もとってるし。
スカイニット:「『二人は教会で結婚して幸せになり、その彼女に……』」
GM:「『<子供>ができました』」
スカイニット:作られたっ(笑)!
GM:「『そして、昔、継母に呪われたが育ての親だったオオカミ達によってその呪いを解かれ、やがて心優しい娘と結婚することができた、もとは妖精に出会い幸せを求めた孤児の少年だった男は……』」
ラング:長っ(笑)。
GM:「『自分の息子に家宝の<王冠>を与えて言いました。「息子よ。お前にこの冠を与えよう。この冠さえあれば、我が家系に代々つきまとう悪しき呪いを……」』」(編注:この男、孤児なのに家系云々言ってたりしてます。実は王族の捨て子だったとか?)
クコ:あ、インタラプト(笑)。……<木>って書いてますけど。
GM:じゃあ<王冠>に<木>を絡めて話を続けて下さい。(編注:正確には、<木>は普通に語りを続ける際の要素で、インタラプト時はただの『割り込み』として使うようです。その後、次の好きなカードへ繋げることができます)
クコ:「『「呪いを解くには、その王冠を持って旅に出なさい。そしてそれを、世界の果てにあるという<木>に掲げることによって、お前は……」』」
GM:「『「今より<強く>なるだろう」』」

   (一同爆笑)

GM:「『「うん、わかったよ」と、少年は、昔呪いに悩まされた父親の言葉に<頷き>ました』」
スカイニット:<頷き>?……<An Argument>ってそんな意味でした?
GM:<同意>じゃなかった?(編注:違います。正しくは<議論>……まぁ、父親と世界の果てへの旅について話し合ったということで)
スカイニット:あ、はいはい。じゃあ「『彼はその世界の果てにある木への旅について、<計画>を練りました。その旅については、ある<教会>の神父が助力してくれました。彼が言うには、』」
クコ:インタラプト(笑)。Stairs……<階段>ですね。「『神父が言いました。「おまえは旅の道中、どこまでも下り続ける長い階段を見つけるだろう。しかし、その先には見たこともないような不思議な町があって、そこで……』」
スカイニット:「『「<乞食>と出会うだろう。その……」』」
GM:「『「乞食は<罠>である」』」

   (一同爆笑)

GM:「『「騙されてはならぬぞ(笑)。そのような誘惑にも屈せず旅を続けることによって、お前は……」』」
スカイニット:「『「<カエル>と出会うだろう。その<カエル>こそ、世界の果ての木に関する秘密を握っている。そしておまえがその秘密を知った時、」』」
GM:「『「一冊の<本>を手にするであろう」』」
スカイニット:……っ、くっそー(笑)。

 この辺りで、マスターとスカイニットが共に結末カードまで残り一枚前後となり、いわゆるテンぱってる一騎打ち状態となりつつあります。

GM:「『「その本には、世界のあらゆる秘密と秘宝の在処が記されている」』」
クコ:「『「そして、その秘宝の中には、ペンが含まれている。そのペンを持って<夢>を……」』」
シアン:「『「見るには<魔法>が必要になるだろう」』」
GM:「『「その呪文をお前に<授けよう>」』」

 まったりシアンさん。ようやく初登場……と共にすぐ退場。

スカイニット:<Contest>って、なんですか?
ラング:Contestはコンテストでしょう。<競技>とか。
GM:うん、そやね。はい、僕はあと一枚ですよー。「『そして少年は、王冠を手に、一族代々の呪いを解く旅に出ました』」
スカイニット:「『「しかし、その旅の道中、お前は様々なものと<戦い>、多くのものと<競わ>なければならない」』」

 再び神父の助言に引き戻された少年。

スカイニット:……えーと、「『「そして、君は信念と<純粋な心をもつことによって……」』」

 結末カードに入りかけていたスカイニットをマスターが止めます。

GM:「『「しかし、たまには逃げ<隠れ>するのも、いいだろう」』」










スカイニット:(結末カードを示し)……これ、どう使うんですか?
GM:そのまま、最後の物語カードの後に、うまく繋げればいいだけ。邪魔が入らないうちに(笑)。「『神父の助言をようやく聞き終えた少年は、世界の果ての木へ王冠を掲げる旅に出かけました』」
スカイニット:「『そして少年は、旅の道中、ある<傷ついた男>と出会いました。男は少年に言いました。「その王冠を、そのまま世界の果ての木に掲げれば、君は不幸になるだろう。しかし、君は信念と<純粋な心をもつことによって……」
GM:「『「<旅>を続ければ、なんとかなるかもしれない。その純粋で朗らかな心を忘れないようにな」と、傷ついた男は言いました。そして彼は再び旅を続け、世界の果てにある木に辿り着き、』」
ラング:「『その<年をとった男>は<馬>に乗って<家>に帰りました』」
GM:むー、その三連コンボはちょっと微妙かな。他の人が割り込む隙がないし。第一、彼は<年をとった男>でなくて<少年>でしょ?
ラング:あぁ、そうか。
GM:まぁ、二枚くらいやったらいいでしょう。旅は長引いたので、少年は年をとったということで。<家>は却下。なんせ世界の果てへの旅やし(笑)。
ラング:はい。えー、「『年老いた少年はやがて世界の果てに辿り着きました』」
GM:「『そこには<宝>がありました。しかし純粋な心の持ち主だった少年だった老人はそれには目もくれず、大木へと歩き出しました』」
スカイニット:「『そんな彼の前に<美女>が現れ言いました。「さぁ、その宝を手にしておしまいなさいよ」と。しかし彼は美女の誘惑には屈せず、大木に王冠を掲げることによって一族の呪いを解きました。やがて彼は、世界に平和をもたらすことによって信念と<純粋な心をもつことが、いつも最後に勝利をもたらす、ということを示しました>』」

GM:へぇ……雪精さんの勝ちですか。カード男は感心したように言う。「なかなか見事な語りだったな。さすが妖精族。だてに長生きはしてないようだ」
スカイニット:「まぁね。普段はあまりしゃべらないんだけど……」
GM:「それにしても……わけの分からない話だったな」(笑)。
ラング:あんたも混じってたやろー(笑)。
GM:「まぁ、この勝負をするといつもこうなるんだがな」……えー、使ったカードは戻してもらえますか……って、あ! しまったー。
スカイニット:混ぜちゃいましたね。

 マスターはここで大失敗を犯してしまいます。実は、このわけの分からない冒険を元に、更なる冒険を企てていたのですから。

スカイニット:(山札から)捜しときましょうか?
GM:……いや、大丈夫。(編注:ほんとは大丈夫でありません) カード男はうれしそうに言う。「しかし、まさかこの俺が負けるとは思わなかったな……何十年ぶりだろうか……まったく、あんた達は楽しませてくれる。でも、ほんとのお楽しみは、ここからなんだぜ」 男がそういうと同時に、君らのいたテーブルの真ん中、魚料理の隣に置かれていた赤い宝石が鈍い光を放つ。
ラング:ほぅ?
GM:と、共に、君達の瞼が突然、重くなる……
スカイニット:あぁ。
GM:……シアンはもともと重くなってたけど(笑)。霊感28以上で抵抗できます。既に夢うつつのシアンさんは30以上。
スカイニット:そりゃ、無理やんー。
GM:ゾロ目か魔数に期待してみましょう。
クコ:出ない出ない。
シアン:振ります……(ガシャン)……
スカイニット:(隣のラングに)……出ました?
ラング:いや、さっぱり。魔数は13なんやけど。(編注:常に未知なる可能性を秘めた人間族の魔数は13。2D10でこの数字が出れば、おまけでもう一回2D10を追加できるという特典。つまり、他のヒトでない方達に比べて大成功しやすい……はずなんですけど)
スカイニット:こっち、魔数なんて3ですよ(笑)。霊感も低いし……(編注:パーティで二番目に高い霊感娘の発言)
シアン:あぁ……26でした。
スカイニット:惜しい……
GM:成功した人?
一同:…………
GM:……全員爆睡ですか。
スカイニット:「この酒、ちょっと強すぎるんじゃないのー」……バタッ(笑)。


 
 
 

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