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■『ハウゼム、閉じた物語』/05

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■ scene 05
〜無駄に飛び込んだ挙げ句、しゃべる死体になったり剣になったりする詩人〜

GM:さて行動。ラングさんからどうぞ。
ラング:そやな。では王子の前に立ちはだかり、「やめろっ!」って止めてみよか。
スカイニット:ではその傍らで穏やかな曲でBGMなど流してみる。
GM:また楽士かい。
スカイニット:なんか、自然に手が楽器に延びたみたい。
GM:でも戦闘中やから、難しいよ。えー、朗々と声を張り上げて王子を止めようとする詩人とその側で演奏する竪琴弾き。共に難易度28以上で。得意な能力使ってもらっていいけど、二人とも成功しなければ効果はないです。
ラング:あ……失敗。
スカイニット:31。
ラング:すまん。歌ってたわけじゃないから、技能足せんかってん。
スカイニット:そうか……
GM:13発。逆上した王子に袈裟懸けにされる。ラングの体から鮮血が吹き出し、揺らめいた詩人は、城の中庭でバタリと倒れ伏す。
クコ:前に立たんでも、よけれとったのに(笑)。
スカイニット:驚いて、アコーディオンを止めてしまう。
GM:まだまだ半狂乱の王子様。血走った目でシアンを睨みつけてくるけど、どうしましょう?
シアン:……え?……あたし?
GM:うん。
シアン:じゃあ、さっきの友好にする魔法とか、使ってみます。
GM:この状況でイカれた王子に使うには、かなり難しいと思いますが、それでもよろしいか?
シアン:あ、それより逃げた方がいいかな?
スカイニット:そやね。
GM:床にドチャッと倒れたままの方が、約一名おられますが。
ラング:負傷してしまった。
GM:元の世界で、いつも君を背負ってくれていたラングさん(笑)。心の奥底で、この人は置いてはいけない、という気持ちになるかも。
シアン:(笑)。
クコ:アッシー(笑)。
GM:ビクビクと痙攣する度に、胸元から新たな血が噴き出している。
ラング:その怪我がもとで<死>んでしまったら、次のシーン移れるけどな(笑)。
スカイニット:その次には<墓場>もあるし(笑)。
シアン:では、王子を眠らせてみましょう。
GM:では、王子には……霊感28以上で。失敗したら、次のシーンに移りましょう。
ラング:(笑)。
スカイニット:モルグ行きかっ!?
シアン:あぁ……全然ダメ。
スカイニット:信仰特典で+5ついてるんじゃなかった?
シアン:うん。ついてて全然ダメ(笑)。
GM:残念でした。半狂乱の王子には、眠りを誘うこともできず、結局君達は倒れた詩人を引きずり、門番や衛兵達から死にものぐるいで逃れるのでした。
ラング:しかし、その途中でついに力尽きて死んでしまう、と(笑)。
GM:傷は致命傷ではなかったのに、引きずって逃げた時にあちこちぶつけたのが、マズかったと(笑)。ではまぁ、最後に一言。なんか言っときます(笑)?
ラング:「もっ、元の世界へ……帰してくれぇっ……」
GM:君達は、町外れの荒れた墓場で、詩人のそんな最後の言葉を聞きました。すぐ近くに町を囲む高い壁があって、その反対側、町並みの向こうには、まだあの城が見えてます。
ラング:「……お、王冠を、探し出すんだっ……」 バタリ(笑)。
スカイニット:「なんか大変なことになっちゃったけど、この人の意志は継がないと、ね」
クコ:その詩人が持っていた剣を拾い上げる。「これを一緒に、元の世界へつれて帰ろう」
GM:……ラングは置いてくの?
クコ:え……死体(笑)? 引きずっていけるん?
死体(ラング):いや……どうなんやろ?
GM:まぁ、引きずることはできるけどね。
死体:でも、俺が抜けたらこの人達、小人と娘さん二人やん。
GM:めっちゃ和やかな集団。
スカイニット:二人は蜜月旅行中やし(笑)。
クコ:でも死体引きずってんの(笑)。
死体:どんな集団や(笑)。
スカイニット:死体は……やっぱマズいやろ。とりあえず埋葬しちゃおっか。ここ、町外れの墓地やし。
死体:はい、埋めちゃって下さい。
スカイニット:竪琴で鎮魂歌など奏でつつ。「じゃあ、王冠の在処を知ってそうな、<賢者>でも捜す?」
シアン:「そうですね」
GM:ではそうすることにした一行。……えーっ、ラングさん。暇になるのもアレなんで、剣でしゃべってくれていいですよ。
長剣(死体):「え!? しゃべっていいの?」
クコ:「わっ、詩人の魂が宿ったんだね」(笑)。
GM:突然話し始めた長剣に、小人びっくり。
長剣:「じゃあ、賢者を捜すんだーっ」
GM:はい、見つかりました。
長剣:早っ(笑)。
スカイニット:「賢者様。この<指輪>と対になる<王冠>を捜しているのですが……」
GM:「王冠……それは南の城にあるという、魔法の冠のことだな……」
スカイニット:「やっぱりあそこにあったんですね?」
GM:「かの地は魔女によって呪われた場所。誰もが危ない場所だと言っていたであろうに……何故近づくような真似をした?」
クコ:「それでも行かなくてはならないからです」
スカイニット:「死んだ友達を蘇らせる為に」
長剣:考えたな(笑)。
GM:「そうか……死んだ友を蘇らせるために、あの魔法の王冠が必要だというのか。わかった。ならば行くがよい。気の済むまでやってみるがよい」
スカイニット:「ありがとう。あなたの助言は……貰ってない気もするけど、無駄にはしないわ」(笑)。
GM:というわけで、王冠をパクりに再び城へ行くわけですか?
スカイニット:はい。
GM:具体的にはどのように? 不審人物も現れたことやし、城の警備は前にも増して厳しくなってるけど。錯乱王子も待ってます(笑)。
スカイニット:うーん……リーダー?
クコ:ここは、攪乱作戦でいきましょう(笑)。
スカイニット:さすが罠師。
クコ:「僕が敵を引きつけるから、みんなはその隙に王冠を」
長剣:とりあえず俺を使えるのは?
スカイニット:まぁ、誰でも使えるでしょうけど。(編注:正確には使えません。体力『7』と運動『4』を、満たす人しか振り回せなかったりします)
長剣:まぁ、戦って侵入するってのは、マズいね。見つかれば終わりやし。やはり静かに誰にも気づかれずに忍び込むのが一番やろ。
スカイニット:静かに演奏しながら?
GM:演奏すると静かでないって。
スカイニット:じゃあケルベロスに挑みかかるように、城門から堂々と演奏しながら入って、みんなをなだめすかす。
GM:それはかなり無謀な気がします。
スカイニット:私もそんな気がします。
長剣:なら言うなよ(笑)。
GM:シアンは? なんか案ある?
シアン:なんか魔法使えませんか?
GM:ええ、いいですよ。
スカイニット:あ、<氷の手>で凍らすって手もあったな。
GM:で、結局陽動作戦? リーダーまとめて。
クコ:陽動作戦か……王子に直接挑戦する。
GM:シアンが傍らを見ると、愛しのダーリンが何やらブツブツ呟きながら、同じ場所をグルグル歩き回っている姿が目に映る。
シアン:(笑)。
クコ:「シアンさん。魔法とか、あります?」
シアン:「魔法……王子をなんとかするの?」
クコ:「うん。説得とか」
スカイニット:「あの王子に説得は無理でしょ」
クコ:「そかな」
スカイニット:「<アウルの橋>で堀を凍らせて、橋を造ることが出来るけど」
クコ:「じゃあそこから隠密に侵入して」
スカイニット:「ジャンプ漫画の最終回ばりの戦いを繰り広げる」と(笑)。
長剣:繰り広げんでええ(笑)。
シアン:(笑)。
長剣:王冠さえ見つけれればいいわけやろ……って、ところで王冠は一体どこにあるんやろ?
スカイニット:王冠は玉座にあるものでしょう。
GM:あ、一つ訊いとくけど、君ら、王冠見つけてどうする気?
スカイニット:え?……それはもう、さっき貰った白い結末カードを掲げて、『そして指輪と王冠を見つけだしたこの者達は、様々な苦難を乗り越え、無事、元の世界へ戻ることが出来ました。めでたしめでたし』なんじゃないの?……とプレイヤーは思ってます。
GM:なるほど。
スカイニット:「まぁ、とりあえず中に潜り込んでみましょう。あとはなんとかなるわよ。きっと」


 
 
 

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