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■『ハウゼム、閉じた物語』/06

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■ scene 06
〜わざわざ罠を思い描く小人と、棒読みで物語から抜け出そうとする眠人〜

 結局、シアンの姿消しの呪文(編注:シアンさんによる呪文名は、『鳥が紡ぐ幻想の風』)で姿を消した一行は、スカイニットの氷橋作りの呪文で堀を渡り、先に壁を上ったクコが下ろしたロープによって、王間へと潜入する。

GM:さて、王間へ忍び込んだ君ら。その広間には人はおらず、部屋の奥の玉座には、キラキラと輝く王冠が飾られている。
クコ:これは……怪しい(笑)。何かとてつもない罠が仕掛けられているはず(笑)。

   (一同爆笑)

クコ:勝手に想像(笑)。
GM:では作りましょう(笑)。感覚で15以上、どうぞ。
クコ:19、成功。
GM:そやねぇ……では、その王冠を持ち上げた途端、天井に張り巡らされていた縄仕掛けの罠が作動して、大きなドラが鳴り響き、「くせ者だぁーっ!」と兵士達が駆けつける仕組みを発見。警報装置みたいなもんかな。
クコ:なるほど。
GM:冠を持ち上げるとマズいみたい。
クコ:アレだね……インディーヂョーンズばりの(笑)。バサッとすり替えるか……
GM:動きを止めた丘小人が一人、ニヤニヤしてる。
スカイニット:ってか、別に取ったり被ったりしなくてもいいんじゃないの?
GM:さぁ。被らないと、魔法の力が出ない……かもしれません(笑)。
クコ:やっぱゲットして被らないと(笑)。ニヤニヤしつつ、みんなに罠の解説を始める。「で、どうする?」
一同:…………
クコ:「じゃあ、やっていいかな」
GM:え、さっそく罠いじるん? すり替える王冠の代わりに、玉座には何置くん?
クコ:鍋……は置いてはいけないし……
GM:でも元の世界に戻ったら、鍋も戻ってるかもしれませんよ。死んだ人も黄泉帰りそうな気配やし(笑)。
クコ:あ、そうか(笑)。じゃあ……剣?
長剣:俺かぁ!?

   (一同爆笑)

スカイニット:「このティンシェスでいいでしょう」
GM:ティンシェス?
スカイニット:小刀。
GM:あぁ、小刀ね。でもそれと王冠って、重さ釣り合うかな?
スカイニット:無理?
クコ:じゃあ油袋を持ってますので、それで重さを調節しつつ……
GM:インディーヂョーンズばりの早業ですり替える、と。ではみんなは固唾をのんで見守ってるわけかな?
スカイニット:なんかしよかなぁ……って、演奏と魔法で凍らすくらいしか出来ないんやけど。
GM:(シアンに)あ、魔法カード。使ったら返して下さい。
シアン:呪文の名前が未だ決まってません。
GM:なんでもいいよ。ようは自分が再びその魔法を思い出すための、合い言葉みたいなもんやし。
クコ:(スカイニットに)……凍らせれるん?
スカイニット:え?……王冠を?
クコ:ではなくて、罠とかを凍らせて、作動を遅らせるとか。
スカイニット:あー。<氷の手>を使って、多少は罠の反応を鈍くすることはできる……?
GM:かもしれませんね。まぁ、保険みたいなもんやろけど。では、呪文をかけてもらっても構いません。ただ、失敗したらすぐにドラがガンガン鳴り出します。
長剣:うわぁ。
スカイニット:どれくらいで成功できそうですか?
GM:そやね。罠はかなり天井全体に張り巡らされてるみたいやから……霊感26。
スカイニット:あ、そういう仕組みの罠ですか……なんにせよ厳しいな……ところでこの呪文欄の『MP3』ってのは?(編注:<氷の手>は自分で作った魔法ではなく、雪精の標準装備呪文だったので、質問されてます)
GM:マジックポイント。使うごとに減らしていって下さい。さて、シアンの方は? 愛しのダーリンは、油袋片手に、ウキウキするような軽い足取りで玉座に近寄っているのが見えますが。
シアン:……応援してます(笑)。
GM:魅力値かなんかで判定しとく? 彼の成功値が上がるように。
クコ:それはいい(笑)。愛のエールを。
シアン:でも、美麗とか、5しかないし……あ、そうや。確か眼が開いてたら、なんかあったはずなんやけど……
クコ:特殊能力?
シアン:魔法みたいな……
GM:あぁ、そうでしたね。それを今使うというのなら、ちゃんと調べてみましょう。(と、ガイドブックをパラパラめくるマスター)……はいはい。『眼を開くと緑色の瞳が現れ、美麗に+5されます。でもこの状態だと、眠人は何も見ることが出来ません』(笑)。
クコ:凄い特殊能力だ(笑)。
シアン:起きてる時とかは、目、閉じてて大丈夫なん?
GM:うん。普段は目ぇ閉じてる状態で、外の様子がわかってたみたい。たまに目を開くと、周りの人達をうっとりさせることができる、と。
長剣:でも本人は何も見えてないわけやな(笑)。
スカイニット:光以外の方法で見てた、ってことですね。
GM:ま、そんなことより今は愛するステディを励ます方が先決でしょう。
シアン:じゃあ、目を開いて応援しましょう。見えへんけど(笑)。
GM:そやね。
シアン:クコのいそうな方を向いて声援。
スカイニット:私はシアンに任せよかな。
GM:ではクコと美麗で対抗ロールしてみて下さい。
クコ:大丈夫。こっちの美麗低いから。(ガシャン)……あ、14(笑)。に3足して17。
シアン:で、いくら足せばいいんでしょう?
スカイニット:(シアンのキャラシートを覗きつつ)……美麗5足す緑の眼の5足して10に、2D10。
シアン:(ガシャン)……7やから、17。
スカイニット:同点です。
GM:同点!? そりゃもう一回ですな。玉座を目の前に、愛する二人の激しい見つめ合いが火花を散らす(笑)。
スカイニット:居場所に困る(笑)。トトにでも話かけとくか。「これだからラヴな二人は……ほんと、場所をわきまえなさいよ」(笑)。
GM:竪琴も言う。『あぁ、全くだ』(笑)。
長剣:「フラメンコでも伴奏する?」(笑)。
スカイニット:「お、それいいね」
クコ:……14。
シアン:また17。
クコ:負けた(笑)。
GM:ではハニーに励まされ、鼻息も荒く玉座の前にたった丘小人。
シアン:がんばってーっ(笑)。
GM:どうやって王冠と油袋をすり替える?
クコ:ようはこう……(交差させる手振りで)……シュッと(笑)。
GM:では声援効果ってことで+5して、運動30以上で。
クコ:(ガシャン)……っつ!、失敗。お、お約束だぁー(笑)。
GM:力みすぎた小人は、玉座の上の方までちゃんと背が届かなかったらしく、すり替えに派手に失敗してしまう。玉間の上の暗闇では、ゴゴゴゴッと罠がきしみながら作動寸前。あと一回ずつくらいなら、なんか行動できそうやけど。
スカイニット:仕方ない。凍らすか。楽器を床に置いて両手をかざす。<アウルの手>。
GM:難易度は霊感26以上。
スカイニット:ではMP3点消費して難易度を3下げて……
GM:魔法を作るんじゃなくて、出来た呪文を使う時やから、難易度は下げられません。ただの消耗ポイントです。
スカイニット:え、そうなん。(ガシャン)……うー、失敗。22でした。
GM:派手に氷を撒き散らしたわりには、罠はちっとも止まってくれていません。部屋が寒くなっただけ。さて、ランセヴァーン(長剣)はどうしましょ?
長剣:今しゃべるしかでけへんねんけどなぁ(笑)。
GM:えっと、霊感で成功すれば、スッ飛ぶこともできます。もうこの際、なんでもあり(笑)。
長剣:スッ飛ぶ(笑)。では、その罠の中心目がけて飛んでみたいけど。
GM:むー、暗がりの天井の一点をピンポイントで狙うわけやから、難易度は26で。
長剣:それは……魔数でも出ん限り、無理なんちゃうか……(ガシャン)……あぁ、全然ダメ。
GM:クコの鍋の側に置かれていたランセヴァーンが突然宙を舞い、天井に仕掛けられていたドラを直撃(笑)。派手に警報装置を作動させてしまう。「くせ者だぁーっ!」
長剣:やってもうたっ(笑)。
クコ:こうなったら仕方ない。とっととその王冠と指輪を使って……
GM:君がそれを装備するん?
クコ:いや。指輪はもう渡してることやし。
スカイニット:やっぱシアン? 「指輪はエンゲージリング。そしてこの王冠は、君を玉座へ迎える為の証さっ」とか(笑)。
長剣:どこの玉座やねん(笑)。
クコ:で、あとは白いカードも渡して……台詞どうぞ。
シアン:『王冠と指輪を手に入れて、私達は元の世界へ戻ることが出来ました』
GM:……めっちゃ棒読みやん(笑)。

   (一同爆笑)

GM:指輪と王冠を身につけたシアン。丁度玉間に衛兵達がなだれ込んできたところやね。えー、そこでさっきの棒読み?
シアン:はい。
長剣:即答してるし(笑)。


 
 
 

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