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■『ユイラン、町へ出る』/08

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■ scene 08
〜優秀だと信じるしかない主催者と、たよりない追跡者達〜

GM:そやね。露店の方もそれなりに賑わっている。さて、たけ町に向かったうきうき気分の三人組はどうなってるのでしょう? シアンはなにやら緑の魔力の気配が強まってる気がしてきてますが、具体的に三人でなんか探してみる? 徘徊カードそれぞれ三枚引くか、みんなで一枚引くか。
(スカイニット):マイゼル家の別荘とかは?
GM:このたけ町の別荘地帯は、市外、つまりこの町の外のお金持ちの別荘が建ち並ぶ一角なんで、公爵家は関係ないと思う。
(スカイニット):あ、はいはい。
クコ:じゃあ、みんなで行動するか、分かれて行動するか。
ラング:とりあえず、も一回魔法かけてみたらどうかな。
シアン:うん。かけてみる。キノコな気配を探す。
GM:まだ二回使えるからね。では二回目。作った呪文の方でどうぞ。難易度はキノコに限定するからちょっと上げて……霊感24以上で。
シアン:(ガシャン)……あー、ダメ。22。
クコ:キノコの触媒特典は?
GM:修正自体は最初の魔法を作る時だけのものやから、呪文として使う今回は無理。
クコ:そうなんや。
GM:月を見てちょっと惚けてたシアンは突然、「あっち!」と得意げに指さす。全く違う方向です(笑)。シアンさんの心の中では、ちょっと違うかも……とか思ってる。
シアン:「多分あっち!」(笑)。
ラング:じゃあそちらへ(笑)。
GM:しばらく散策、と。ではリーダー、どんな状況になったか、カードの方、一枚引いてみて下さい。(と石(つまり町)の地縁カードを隣のクコに差し出すマスター)
クコ:じゃあ、これ。で、1D6振る……と。『不思議な美しい人に会う』
GM:では、美しいかどうかはわからんけど、フラッと夜の路地を横切る不思議な人影を見かけます。鍔なしの赤い帽子を被っていました。
シアン:え?
GM:その人影は、通りを横切ると、別の路地の暗がりへ消えていきました。
クコ:あ、あれは……
ラング:あいつは、ひょっとして……この間の!? あんまり会いたかないけど、会わなあかんのか?
クコ:怪しいなぁ。
ラング:じゃあ、あとをつけてみるか。
GM:じゃあみんな静かにその後をつけることができたか、感覚で26以上。
ラング:(ガシャン)……失敗。
クコ:届かない、23。
シアン:24。
GM:かなりうまく尾行できたみたいなんやけど、ある路地裏を曲がったところで、とうとう、その人影の気配は途切れてしまいました。
ラング:チッ。
クコ:キノコ魔法は? もう一回使えましたよね?
シアン:うん。じゃあ最後の一回を。
GM:難易度は霊感25以上で。
シアン:…………(ガシャン)…………全然ダメ。「あっち!」(笑)。
GM:確信に満ちて全然別方向を指さすシアン。また散策?
クコ:そやね。さっき妙な人影を見つけたこともあるし、も一回。
GM:じゃあまたカード引きますか。
クコ:今度は……これ。で、1D6振る……と。5やから、『不良少年か愚連隊』と遭遇。
GM:では愚連隊と遭遇。「っあー、全く。こんな時間に仕事かよー」と、明らかにチンピラ臭い一行が、君らの近くの路地をダラダラ行くのを見かける。「なぁ、ギリダン邸って、あっちだったか?」「あぁ、昨日も行っただろ」「しかし、いい金になるったってもなぁ。あのギリダンって野郎。神官だったっけ? なんだかわけの分からない狂信者だよな。あんなおかしな男の家の警備だなんて、なんか気味の悪い仕事受けちまったよな」「我慢しろよ。それも今日で終わりじゃねぇか。行くしかねぇだろ」
クコ:「そうだよなぁ、ウンウン」と、その隣を歩きながら(笑)。
ラング:いつの間に(笑)!?
GM:チンピラどもはちょっと酒が入ってるのか、チビの小人に気づくことなく、ブラブラ通りを歩いてく。
クコ:怪しい連中め。その後ろをトコトコ追跡(笑)。
シアン:あぁー、その話聞きたいぃー。(編注:シアンは第一話で、その狂信者らしき男を見かけています。彼女はそのことをみんなに伝えたいのですが、それにはまず、たけ町の彼女自身が、クコが耳にしている愚連隊の話を教えてもらわなくてはなりません。まどろっこしい話ですが、知ってるのに知らないフリをする、そういうのもTRPGの醍醐味の一つだったりします)
GM:追跡は感覚で20以上。
クコ:(ガシャン)……成功。
ラング:ギリダン邸って、僕ら知ってんの?
GM:知りません。
ラング:聞いたこともない、と。
シアン:その話は私は聞けました?
GM:感覚20以上で聞こえたことにしてもいいよ。
ラング:感覚20か……
GM:そうこうするうちにも、君らの勇ましいチビのリーダーは、ちょっと得意げに鼻歌なんか奏でつつ、チンピラのすぐ後ろをトコトコ尾行。二人から遠ざかっていく。
クコ:後ろをトコトコ。友達だったかのように親しげに(笑)。
シアン:(ガシャン)……あーん、聞こえんかったー。
ラング:俺、聞こえたよ。とりあえず、クコを見失わんように、シアンの手を引いてチンピラの後を、ゆっくりと歩いてく。ちょっと離れて感づかれないように。
GM:夜道を行くアベック風を装う感じかな。
ラング:うん。
シアン:(ラングに)「ねー、あの人達、何話してたのー?」
ラング:じゃあ小声でボソボソと。あいつら、仕事でギリダン邸って所に向かうってことと、
シアン:神官の話は?
ラング:あぁ。あと、狂信者に雇われてるってこととか。
シアン:「あ! あたし多分その人、賭場で見たことあるよー」
ラング:「見たって?」
シアン:「酒飲んでクダまいてるデュール派の神官がいたの」
ラング:「デュール派?」
シアン:「うん。なんか……変えねばーっ!……とかって、息巻いてた」
ラング:「デュール派ねぇ……怪しい」
GM:さて、そうこうするうちに、ちょっと人気のないある屋敷が見えてきました。さりげなく警備されてそう。はい、これがその見取り図。(と、屋敷の見取り図を机の真ん中に置き、プレイヤーのフィギュアをその上に並べる)……君らは今、どのへんにいてるのかな?
ラング:ほぅ。
クコ:チンピラは表から入っていったんですか?
GM:そやね。チンピラーは屋敷の正面から入っていき、早速警備の仕事についたみたい。
ラング:じゃあ、それをちょっと離れて見てる、と。
クコ:じゃあ、二人は立ち止まった、と。僕は(チンピラと)一緒についてっていいんですかね(笑)?
ラング:小人の首根っこ掴む。「どこまで行く気や」(笑)。
クコ:「えっ? えっ?」って、完全にチンピラ一味(笑)。
シアン:「誰について行く気よー」(笑)。
GM:さて、ギリダン邸を目の前に、君らの配置でも決めてもらえますか。
ラング:とりあえず、足の速い人に、スカイニットを呼んできてもらいたいな。
クコ:僕ですね。
(スカイニット):「はい、次。6番の方、舞台へどうぞー」(笑)。
クコ:……そろそろ終わる頃みたいやから、呼んでくるか。
GM:ではラングとシアンの二人は、潜入方法でも考えといて。さて、クコが噴水広場に戻ると、ミス歌姫コンテストは既に盛り上がり、宴もたけなわ状態。
スカイニット:歩いてる人達もみんな足を止め、歌に聴き入っている。
GM:その中心では、マイクみたいなものを振り上げ、スカイニットが完全に司会者気分。「素晴らしい! 素晴らしい歌でした! さぁ、次の方どうぞーっ!」とかノリノリで言ってる。クコは一瞬、この人をどうやってギリダン邸まで連れて行ったものか、途方に暮れる。
クコ:なんてこった(笑)。
スカイニット:ちょっとやそっとじゃ気づかないよ(笑)。
GM:ポリーさんは既に残念賞が決まったらしく、ちょっとシュンとしながらも、すぐ側の露店で『笑う子豚焼き』など頬張ってる。「あー、やっぱりこれ、おいしいわー」とかまったりしつつ。
クコ:えー、コンテストはもうそろそろ終わるんですよね。
GM:うん。クライマックス。
スカイニット:「はい、次が最後の人です」
クコ:じゃあ舞台の脇の方でスカイニットをつつく。「ちょっと、ちょっと」
スカイニット:「なに、クコ。今頃手伝いに来たの?」(笑)。
(ラング):あかん、本題忘れてる。
GM:出店のおやじ達も怒ってる。「そうだぜ、クコ。散々俺達を乗り気にさせといて、お前一人どっか行っちまいやがって!」
スカイニット:「ズルいでしょーっ!」(笑)。
GM:「ズルいよなーっ! おら、さっさと『子豚焼き』、待ってる客に配って回れよ!」
クコ:汗をたらーっと流す(笑)。スカイニットに小声で「ほ、本題忘れてないかい」(笑)。
スカイニット:「何言ってるの、この辺りにまだ変装して隠れてるかもしれないじゃない!」
クコ:こうなったら、説得。愛嬌で(笑)。
スカイニット:こっちそれ、2しかないって(笑)。
クコ:ゴゥ!、(ガシャン)……あぁ、24しかないわ。
スカイニット:13。「え!?……何か情報掴んだの!?」ってことで。あのー、その辺りにジャンとジャックいます。
GM:うん。いてる。客とか参加者の世話役などしてた。「おい、スカイニット。最後の奴の歌も終わったことだし、そろそろ優勝者発表か?」
スカイニット:「ええ。とりあえず、お客さんの投票用紙、集めといてくれない。それからあたし、急用できたから」
GM:「なんだよ、抜けるのか? まぁ、後は発表と優勝賞品の授与くらいだから、俺達がやってもいいけどな」
スカイニット:「ええ。お願い。これが賞品だから」と首飾りを渡す。
GM:「もう一つあった赤い方はどうしたんだ?」(笑)。
スカイニット:「あぁ。あれは家に置いてきたから。賞品じゃないわよ」(笑)。
GM:「あれも結構綺麗だったのになぁ……」
スカイニット:「あんなの首にかけたら、三回死んでもお釣りがくる呪いがかかるわよ」
クコ:怖いなぁ(笑)。


 
 
 

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