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■『ユイラン、町へ出る』/09

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■ scene 09
〜台所を点検する小人や慎重な話し合いを始めたがる詩人等、暗がりで足踏みする不法侵入者達〜

GM:さて、そうしてようやく盛り上がる広場を抜け出すことが出来たクコとスカイニット。屋敷にやって来る。
スカイニット:「どうやらあっちはハズレだったみたい」
クコ:(笑)。とりあえず、簡単に状況を説明して。「だから……怪しいんだ」(笑)。
ラング:それだけかい(笑)。
GM:なんとか放心状態から一息ついたシアンさん。具体的にどう怪しいが説明してあげたら? 小人は怪しいを連発して説明に窮してる状態。
クコ:だってそれ以外知りませんし(笑)。信者のこととか。
シアン:「あのチンピラ達、デュール派の神官に雇われてたんだけど……その神官は、私が数日前、酒場で『この世界を変えねばならん!』とか息巻いてたのを見たの」
GM:かなり棒読みですが、ちょっとがんばりましたね。
ラング:(笑)。
スカイニット:「なるほど。そんなことがあったんだ」
クコ:さて、これからどうしよう?
ラング:ところで、あのキノコ魔法はもう使えんの?
シアン:触媒切れ。
GM:あぁ。だったらその呪文を分解してマジックカードに戻しといたら?
シアン:戻します。
GM:霊感20以上で。失敗したらイメージもなくなるけど。
クコ:作戦を立てましょう。
シアン:(ガシャン)……あ、19。
GM:あ、残念でした。その呪文欄を全部消しておしまいです。
クコ:じゃあもう、『お嬢様はここにいるんだ!』と勝手に思いこみつつ、みんなと作戦会議。
スカイニット:少しいない間に、そんな情報を集めてくるなんて、とちょっと見直しつつ(笑)。「さっすがぁー、リーダー」
クコ:「ふっふっふ」 なんか偉そうに(笑)。

 しかし、これを改めて読み直す限り、お嬢様捜しの肝心な情報の少なさに、マスターは頭の下がる思いです。実は昨晩の演劇を見終わったユイランは、近所の『春招き』亭の歌合戦で優勝。そこで知り合ったあの赤帽子のカード男と意気投合してカード勝負で敗北。カードの物語の中に意識を閉じこめられたまま、現実の体はチンピラ達に担がれて、ギリダン邸まで拉致されてたりします。マイゼル公爵家の執事テナイも「最近、屋敷の周りをうろつく不審者もいますし……」という台詞も言い忘れましたし。『春招き』亭で聞き込みをしなかったということもありますが、クコが尾行したチンピラ達に、娘を攫った話をさせる等、それ相応の情報を別の場所でほのめかすくらいのことはできたはずで。

 なにはともあれ、そろそろ現実世界で午後四時を回るころとなり、マスターはなんとか時間内に話を終わらせようと、慌て始めてます。プレイヤー御一行にはとりあえず屋敷に突入して頂く、ということで。

スカイニット:その話の間の部分が、随分抜け落ちいてることにも気づかずに(笑)。
GM:自分はノリノリで歌姫コンテストに熱中してたっていう負い目もある?
スカイニット:いや、そんなんは度胸あるんで、堂々としてます。
ラング:えー、とりあえずこそっと、塀の上から中を覗いてみたいんやけど。
GM:中庭をのぞき込んだラング。君のすぐ近くを、あのチンピラー二人組がめっちゃヤル気なさそうに通り過ぎていく。
クコ:「あっ、あいつら」(笑)。
ラング:チンピラーズか。
GM:「うへぇー、だりぃよなー。こんな所をグルグル回ってるくらいなら、ほら噴水広場で歌姫コンテストとかやってただろ。あれ見に行きたかったよなー」「だよなぁ。綺麗なねーちゃんとかからかいつつ出店の酒とか飲んだり」「全くだ。女にしても最近ろくなのに会ってねぇからなぁ」
ラング:ろくなのじゃないのはあんたらやろ。回ってるのはその二人だけ?
GM:みたいやね。
ラング:全く役に立ってないみたいやな。
GM:かもね。
ラング:勝手口から侵入するか。
クコ:ふっふっふ。いいこと思いついた。
シアン:姿消す魔法もありますけど。
スカイニット:色事系のねーちゃんのフリして堂々と入ってくとか。
ラング:あー、それもありか。
クコ:二人のどっちかにやってもらう?
GM:あとは勝手口以外にも、窓もあるし、二階建てやから、近くの木とか使って上から忍び込むって手もあるよ。まぁ、なんにせよ姿消して行くのが一番クールな気もしますね。あ、あとラングの折れた剣って、また買い直したん?
ラング:え? 中古の特売品のこと?
GM:いや、夢の中でアイスソードの刃先がパキッと折れたやつ。
ラング:あぁ……そのままや(笑)。
スカイニット:あれは現実にも折れてたんですか?
GM:そやね。現実には折れてなかったけど、一回振ったらパキッといくかもしれない(笑)。どことなく儚さを感じる。
ラング:まぁ、エサイセヴァを外したら、強くなくなるから。最初の一撃に勝負かけるわ。
GM:じゃあ案を纏めてって下さい。

 時間切れが迫りつつあるマスター、結構焦ってます。やはり四時半までの一日コンベンションで、三本立ては無茶だったか。

スカイニット:魔法で消えていきますか。
ラング:それで、正面から行くのも危ないし、塀を乗り越えて、
クコ:裏口から潜入、と。

 それぞれの判定は無事成功。クコが塀の上から縄を下ろし、一行は静かに裏口に潜入することに成功する。

GM:真っ暗なそこは台所みたいやね。奥に一つ、扉が見えている。
ラング:じゃあ、奥の部屋に行ってみますか。
スカイニット:そやね。
クコ:食堂でインスピレーションは湧きませんかね。
ラング:食堂でインスピレーション(笑)。
クコ:コックとしての。
GM:霊感で25以上。
クコ:(ガシャン)……22。
GM:ちょっと台所とかには埃が積もってたりして、長らく使われてなかった様子が窺われる。
クコ:ここの料理人はダメだな(笑)。
ラング:あ、一応、外の様子を聞き耳とか立ててみよか。クコクコ。
スカイニット:お願ーい。
クコ:聞き耳を立ててみます。
GM:静かですね。人はいないようです。
クコ:大丈夫大丈夫。
ラング:じゃあ次の部屋へ。
クコ:気にせずザッザッザと。
GM:次の部屋も真っ暗。奥に扉があるんやけど。その辺りにも、(ガシャン)……人の気配は感じられませんねぇ……
クコ:これは……(肝心の部屋は)二階やね……
スカイニット:私は度胸が据わってので、そのまま行こうとしてます。
GM:えー、皆さん。シアンさんの夢のお告げって聞きました?
スカイニット:え?
シアン:?

 現実世界で4時10分を回りつつあるのを見ながら、ヒント出しまくりのマスター。余裕ありません。

クコ:あ、地下や。地下に怪しい気配がある、と。すると地下へ続く階段が、どこかにある、と。
ラング:この姿消しの魔法も、いつまで消えてられるかわからんしな。
GM:あ、忘れてた。シアンさん、1D6で消えてられる時間を決めて下さい。
シアン:1D6?
GM:うん。ラウンド。
シアン:(ガシャン)……5。
GM:50秒くらい。
クコ:もう切れてるような気が(笑)。
GM:では暗闇の中で、姿が現れてます。
ラング:まぁ、相手に会わんかったら大したことないか。
GM:ちなみにその部屋の向こうはこう長い廊下になってて、

 と、見取り図にマジックで部屋割りを書いてみせるマスター。余裕ありません。

スカイニット:各部屋に繋がっている、と。じゃあとりあえず廊下に出ますか。
ラング:い、いや、ちょっと待って。考えがまとまるまで待った方がよくない(笑)?

 時間が押してるのでよくありません。

スカイニット:……そうですね。
ラング:さぁ、どうする?


 
 
 

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