■ scene 11
〜忠告だけして逃げ去る魔族と、賞味期限を誤魔化した子供向けシロップで復活する魔族〜
ラング:……25。ちょっと低いな。
GM:ちょっと低いね。それならよけられるかも……
クコ:でもこっちす巻きやから。
GM:そやね。……(ガシャン)……うん。当たりました。クリット表にいきます。1D10振ってもらえます?
シアン:……あ……
ラング:はーい。(ガシャン)……6。
GM:『相手を転倒させる。起きあがるには1Rを要する』
一同:しょぼーっ(笑)。
クコ:でも今は動けない状態やったから……
GM:そやね。じゃあラングのその一撃は、カード男をバッサリと斬りつけつつ、器用に縄も切って、小人を助け出すこともできた。
ラング:おおーっ。
GM:斬りつけられたカード男のハウゼムは、「ううっ」とかよろめきながら、
シアン:すみません……さっきの計算間違えてて……
GM:『発狂』とか入ってた?
シアン:うん。さっきの魔法使えなかったんです。
GM:……やっちゃった後ですから、もういいです。(時間もないし……)
スカイニット:とりあえずさっきのカードは返す、と。
GM:呻いていたハウゼムは、床にバタリと倒れました。あー、1ラウンドはあまりにもしょぼいから、1D6ラウンドで復活、ということでいいですよ。残念賞(笑)。
ラング:(ガシャン)……2ラウンド。
一同:しょぼーっ(笑)。
スカイニット:こうなったらダッシュやね。フェイクではないと信じつつ、奥の部屋へ。
GM:飛び込んだ、と。
クコ:んだら、えーっと、(シアンを見つつ)……連れて行かないといけませんね。
GM:うん、ちょっとオカシくなった人を引っ張りつつ。
シアン:「眠いよー眠いーっ」(笑)。
クコ:(笑)。
GM:拗ね、むずがり出し始めました(笑)。
スカイニット:幼児退行ってやつですか……こんな時にっ(笑)。
GM:さて、その部屋に飛び込んだ皆さん。えー、代表者の方、一枚引いて下さい。(と、闇の地縁カードを広げるマスター) で、1D6。
スカイニット:リーダーはクコでしょ?
クコ:では……(ガシャン)……
ラング:あ、ランセヴァーン折れましたかね?
GM:折れました(笑)。まぁ、刃先が欠けたくらいやから、振り回すことはできそう。
クコ:……『行き止まり』(笑)。
GM:行き止まり?……ではそこは真っ暗な何もない部屋です。真っ黒な絨毯だけが敷き詰められているみたい。と、同時にさっきから眠い眠いとダダをこね始めたシアンは、その半分落ちかけた瞼の向こうにこんな光景を目にします。(と、幻影のイラストを渡すマスター)
シアン:…………
GM:ここには何かがある。という直感がします。
スカイニット:(横から覗き込みつつ)『<車輪>が、消えた<ランプ>の周りを回る。その上には……』
シアン:『<蝶>……』
GM:さ、どうしましょう。(急いでねー)
シアン:あ、これ返します。(と、先程使ったカードなどを返却)
クコ:……つまりここで、なんらかの行動を起こせってわけですね……多分。
現実世界の時間は既に4時15分を経過。焦るマスターはもう手段を選びません。
GM:えー、全員で感覚20以上振ってもらえますか。
スカイニット:あ……ゾロ目……
シアン:27。
クコ:18。
GM:まぁ、だいたいみんな気づいたみたいですね。なにやら、コンコンとその部屋の窓を叩く人がいます。ポリーさんですね。
ラング:おっ?
クコ:どうやってここに?
スカイニット:まぁ、窓を開けます。
ラング:じゃあ引っ張り入れよかな。
GM:えー窓枠を越えて、その黒い部屋に入ってきたポリー。「あぁー、探すのに苦労したけど、ようやく追いつけたみたいですね。みなさん、こんな所に何か用なんですか?」
クコ:こいつはー(笑)。
スカイニット:「うん、まぁ。ここに何か怪しいものがあるのよね」
GM:「確かに何か魔法的なものを感じますね、ここ。……でもこういうのって、シアンさんの方が詳しいんじゃ……」と、シアンの方を見たポリーは、彼女の様子がちょっとオカシいことに気づく。「あれっ、シアンさん。ちょっと変じゃないですか?」
クコ:「うん。ちょっと燃え尽きたんだ(笑)。なんか回復する薬とか持ってない?」
ラング:「そう、気付け薬とか」
GM:ポリーはダブダブローブの中をごそごそと。「あ……これがまだ使えるかもしれません。賞味期限が大丈夫かどうか、気になるんですが……」
クコ:怖い(笑)。
ラング:緊急事態や。
シアン:え?……飲むんですか。
クコ:飲ます?……ちょっと味付けして(笑)。
ラング:そんな時間あったんや(笑)。
スカイニット:あんま遊んでると、またあのカードの兄ちゃんが出てきそう。
GM:あぁ、扉の向こうの気配はあまり感じられなくなってる。
スカイニット:ん?
ラング:一応、短剣を構えとく。
GM:味付けの方は?
クコ:……とりあえずおいしく。子供向けのシロップ味(笑)。
GM:では感覚20以上。
クコ:<調理>を足して……(ガシャン)……22。
GM:成功ですね。賞味期限を誤魔化したおいしいシロップが完成。MPが2D10回復します。ポリーが言う。「あ、その小瓶、あと二本ありました。疲れてる方はどうぞ。私はちょっと……遠慮しときます」(笑)。
シアン:え?……2D10回復?
GM:飲んだらね。
シアン:飲みましょう。(ガシャン)……7しか回復しなかった。
クコ:一応、ちょっとは落ち着くでしょう。
スカイニット:「シアン、なんかわかんない?」
GM:早速魔法使いの出番です。
シアン:…………
クコ:ま、その間に、扉に色々と細工をしておきます(笑)。
シアン:「……何かがあるんですね……」
スカイニット:「って、クコは言ってるけど」
シアン:ふむ……探知する魔法は……なくなりましたね(笑)。
GM:ではクコさん。君があれこれ楽しそうに細工していた扉がノックされる。
クコ:「はーい」
ラング:(笑)。
GM:「さっきは見事に俺を出し抜いたな」と、あのカード男の声が聞こえてくる。
クコ:「いやいや。私などまだまだ……序の口よぉ」(笑)。
GM:(笑)。「この屋敷の地下には、<巡る罠>ヴェルメヴァルトって魔族が呼び出されかけてるから、行くなら気をつけた方がいいぜ」
ラング:ほぅ(笑)。
クコ:「それは、なんとも楽しみだ」(笑)。
GM:(笑)。「そいつは町の一つや二つ、軽々と破壊してしまうような恐ろしい魔族だからな、」
クコ:「ほっほっほっ」(笑)。
GM:「あの白銀の髪の娘を生け贄にして、完全にこの世へ呼び出されちまう前に、なんとかした方がいい。ま、俺はこれで失礼するよ」
クコ:「え? まだ遊ばないの?」
GM:「あぁ。それほどギリダンに恩があったわけでもないしな。ここも随分きな臭くなってきたし」
スカイニット:「最後に、どうやって地下へ行くのか、教えなさいよ」
GM:声は消えていきました。
スカイニット:うー、酒代も置いてかないしー。
GM:話を聞き終えたクコはなんだかうれしそう。
クコ:(笑)。
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