■ scene 12
〜真っ暗な部屋で悩む人達と、やっぱり難しい呪文制作講座〜
GM:カード男は結局、おもしろそうなことに首を突っ込んで、遊びたかっただけみたい。
クコ:えー、その部屋にはもう、黒い絨毯だけで、他には何にもないんですね?
GM:うん。なんせ行き止まりやし。あの妙なイメージだけが部屋に漂うのがシアンにはわかるけど。カードあげます。
シアン:……?
スカイニット:<車輪>、<ランプ>、<蝶>……<黒>……
GM:それと砕けた地面……<四角>の逆位置。
シアン:(先程渡したイラストを見て)……あー、このことか。「ランプがあって、まあるい車輪がランプの周りをグルグル回ってて、蝶が飛んでるのー」
GM:めっちゃ棒読みやけど(笑)。さっきの夢で見たそんな光景をみんなに伝える、と。
クコ:ってことは……別の世界……別の場所……
スカイニット:地下への入り口?……ランプの火が消える……?
GM:ようは、それらのイメージを使ったり別のイメージを加えたりして魔法を使えば、地下への階段が現れる、という仕組みですね。
現実世界の時間は既に4時20分を経過。焦るマスター、答え言ってます。
スカイニット:シアンが前に夢で見たのは、地下から何かが出てきて火が消えて……あぁー、ただ単に町が燃えてる想像しかでけへん……(編注:やはりこの辺り、相当ローズ慣れしてる人でないと、自由な発想はできないようです)……「ちょ、ちょっとトト! なんか思いつかないの!?」
GM:『お、俺か!?』
スカイニット:「あんた何が感じてるんでしょ!?」
GM:『そうだな……<世界を調律する>って知ってるか? ようは、そこに現れたイメージと逆のイメージを組み立てることによって、新たな道を開いたり、歪んだものを元に戻す方法があったんだ。調律魔法って言ってな。昔、ファラノウムの都でも随分研究されてた技だぜ』
スカイニット:「あんた、長生きしてるのねぇー」
GM:『あたりまえだ』
クコ:魔法を使わなあかんのか……絨毯めくるのは(笑)?
GM:ダメ。部屋の真ん中でランプ置いたり蝶飛ばしたりするのもね(笑)。
スカイニット:じゃあ現実に影響を及ぼして……動きを止めて……真相を闇に葬る(笑)。
ラング:葬ってどうする(笑)。封印とか……じゃあないよね?
シアン:うーん……部屋の隅で絨毯をめくる(笑)。
GM:汚い床が見える(笑)。
スカイニット:やっぱ魔法か……
GM:みんなが部屋の隅で屈んでるシアンを期待の眼差しで見つめてる。
ラング:ドキドキ(笑)。
シアン:うーん、何も思いつかないよぉー。
GM:基本的に現れたイメージと逆っぽい魔法をかけるのが、調律魔法って言うんやけど。
スカイニット:ランプは点いてるんですか?
GM:消えてます。逆位置やね。
ラング:ってことは<白>い<四角>で、止まった<車輪>で、点いてる<ランプ>?
GM:まぁ、そこまで正反対にする必要もないよ。ようは何か、その場を形作るイメージを変える魔法ってこと。みんなからイメージ分けてもらって、やってみて下さい。
現実世界の時間は既に4時25分近く。焦るマスター、答えを詳しく言ってます。
シアン:……別にこのさっきのカードを使う必要はないんですね?
GM:無理に使う必要もないよ。自由に。
スカイニット:<車輪>は……変化……
GM:<四角>に対しては<丸>って手もあるし。
ラング:<黒>にはやっぱり<白>でしょ。
GM:それにこだわる必要もないよ。自由にどうぞ。
シアン:うーん、どんなんがいいんー?
スカイニット:色は何持ってるの?
シアン:<白>はないー。<黒>と<赤>ー。
スカイニット:『大地に活力』……?
GM:<赤>は何かを解放する力。(隠された地下への階段を解放してーっ!)
ラング:それは嫌やな(笑)。(『魔族の解放』とか想像してる場合ちゃうって)
GM:……<黒>は何かを破壊すると共に、創造する力。(階段くらい作ってやーっ!)
スカイニット:<紫>でこの部屋の闇を変化させる、とか。
GM:あ、それもありですね。(もうこの際、なんでもありやって)
クコ:見えざるものを変化させて、見えるものにする、と。(大正解)
シアン:<車輪>を止めて<蝶>を眠らす……?
スカイニット:いや、これは多分、あくまでインスピレーションの問題やから……
ラング:直接的な印象でなくて、もっとこう……もやっとした……
一同:…………
現実世界の時間は既に4時30分近く。昼のコンベ終了時間です。ゲームに集中してくれるのはとてもうれしいのですが、みんな、もうちょっと慌てて欲しかったりします。ってか、時計見て。
GM:(今の説明、最高。でもそんな話してる暇もないって……ほんま、俺が魔法使いやりたいわ。口からデマカセでどんな呪文でも作れるって)……はい、というわけで、シアンさん、作れそうですか?(なんでもいいからとっとと行こう!)
シアン:…………
GM:がんばって下さい。(いや、マジで。四時半越えてるし……)
スカイニット:(隣のシアンが広げて悩むカードを覗きつつ……)<紫>、<鎖>、<眠り>で『動きを止める』……その復活するとかいう奴の。
ラング:動きを止めるか……でもあのユイランは地下におるんとちゃう?
クコ:やね。まず地下へ行かないと。
スカイニット:……となると<赤>、<山>、<鎖>で……『地下へと、……
クコ:(隣のシアンが机に並べて悩むカードを覗きつつ……)<山>の逆位置で……<谷>。『地下へ向かう力』……
スカイニット:うん。<赤>と<山>の逆位置の<谷>で、『大地に穴を穿つ』。さらに<鎖>の逆位置で、『隠された道を解き放つ』……魔法?
GM:いい感じやね。(完璧っす!)……えー、カードは全部で3枚と。じゃあ後はいつも通りでシアンが唱えるんですね?(シアンの両隣のクコとスカイニットが、ローズ経験者で助かったわ……)
シアン:うー、何も思いつかなかったしー。
GM:MPとか大丈夫?
クコ:大丈夫。薬はまだあと2本も残っている(笑)。ちっょと怖いけど。
一同:(笑)。
GM:じゃあ霊感15以上で。
スカイニット:後ろで薬を振りながら応援。
シアン:もう一回唱えると、また発狂しそうなんですけど。
クコ:じゃあ早速もう一本(笑)。
スカイニット:魔法使い回復シロップ(笑)。
シアン:じゃあ回復しまーす。(ガシャン)……あ、こんどは24まで回復した。じゃあ杖をかざして……
GM:これ失敗すると結構カッコ悪いから、がんばって。ほんま絨毯めくって穴掘らなあかんなる(笑)。
ラング:(笑)。
スカイニット:大丈夫。イメージはまだあるから。
クコ:ショベルもある(笑)。
(一同爆笑)
GM:えー、クコがショベルを構えて見守る中、シアンが呪文を唱える、と。
シアン:(ガシャン)……
GM:発動しました?
シアン:……えっと……霊感でどのくらい……?
残り:15(笑)。
GM:いつも通り。ゾロ目でも出ん限り成功やって。
シアン:はい、発動しました。(編注:シアンさんによる呪文名は、『鎖からとかれた山』)
GM:ではその部屋の黒い絨毯がぼやけていき、そこに地下への階段が現れました。
スカイニット:ラングに「こうなったら後は不意打ちしかないわね。不意打ちしか」(笑)。
ラング:悪者みたいやなぁ(笑)。まぁ、降りていきましょう。
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