■ scene 03
〜広場で釣りを始める飢えた老人と、突然釣られる飢えた老人〜
GM:ちょっと知力16以上振ってみて。
ミシュリ:(ガシャン)……19、じゃなくて20……でもなくて21です。ごめんなさい(笑)。
GM:なんとなく背中を見てただけやったんやけど、その三人には少し見覚えがあるみたい。ちょっとした顔見知り。同じ路上音楽家として、最近よく顔を合わせることもあるみたい。
ミシュリ:はい。
GM:で、そのアコーディオン弾きは、雪精のスカイニット。詩人はラング。寝てる踊り子はシアン、という名前です。
ミシュリ:あぁーもぉー、それはとてもよく知っているような気がします(笑)。(編注:なにせ先月、その踊り子やってた人ですから)
GM:通行人は、そんな三人の前を素通りしてます。見て見ぬ振りというか。冷めてるというか。当然投げ銭もありません。
ヨザック:では、そのお嬢さん達の方へもテクテクと。
ミシュリ:あぁー、でもその踊り子は病気で寝てるわけではなくて、単にいつも寝てるだけかもー(笑)。
GM:一方、腹を空かしたオウサマは、そんな踊り子達なんかほっとこうといわんばかりに、
オウサマ:学院食堂へノリノリで歩き出す。
ミシュリ:あぁー、でもその踊り子達もちょっと気になるかもー。
オウサマ:「今日はエビフライ定食ぢゃ♪」(笑)。
(一同爆笑)
リーン:ウキウキと(笑)。
ミシュリ:あぁー、エビフライー、ちょっと心奪われるかもー(笑)。
ヨザック:食い物に弱いのか(笑)。
ミシュリ:あぁー、でもー、友情もほっておけないーっ……ちょっと行ってくるー。
オウサマ:まぁ、何を食べようとしてたかもよく思い出せないズレてるじじいやから、気にせずに。
ヨザック:では、その噴水の縁に腰掛けて眠っている踊り子さんに、「これ。こんな所で寝ると、風邪ひくぞい」と。「そのまま、噴水にはまったらどうするんじゃい」
リーン:じゃあ、そっちのじじいについていきます。
GM:その踊り子は、ゆらゆらと揺れた後、「うー、もぉーだめぇー」とガクリ。前のめりに頭が落ちてしまう。
リーン:「な、な、な、何?」
ヨザック:「寝ると死ぬぞーっ」
リーン:あの、とりあえず状態はどんな感じですか?
ミシュリ:その人達は三人なんですか? 四人じゃなくて。
GM:うん、三人ですね。ガラガラ声の詩人と、困ってるアコーディオン弾きと、ついに熟睡した踊り子。リーンが見る限り、それは普通の睡眠状態に思えるけど。
ヨザック:そのガラガラ声の詩人さんは、どんな感じなんでしょう?
GM:のどの調子がめっちゃ悪いみたい。
ヨザック:いつもそんな感じだったんですかね。
GM:むー、ではとりあえず、その楽士達の演奏は中断される。「ちょっとラング。今日の歌は一体何? もっとちゃんと歌いなさいよ」と、雪精が早速、詩人に文句を言い始める。すると詩人の方が「なんかいきなり声が出なくなってきたんだ。あのエウヴァさんの病気が、俺にも伝染ったのかな」とかモゴモゴ言ってる。
リーン:「兄ぃーちゃーん」と、近づきます。
GM:「あ、なんだ姉ちゃん。あんたも俺の歌にケチつけにきたのか!?」
ヨザック:「まぁまぁまぁまぁ。落ち着いて落ち着いて。この人は医者じゃよ」
リーン:「調子悪そうですねー。ちょっと診せてもらっていいですか?」
GM:あぁーっ、とおもむろに口を開く詩人。
リーン:診れますか?
GM:どう診ますか?
リーン:うーん、ガラガラなんですよねー。では風邪かなんかかなぁー、とか思いつつ。
GM:では知力17以上で。
リーン:えーと、(ガシャン)……えいしょっ、出ました。23。<医学>を足していいですか?
GM:はい。
リーン:じゃあ全部で29。
GM:のどの奥の方には、特別な腫れとかは見あたりません。問題はのどの奥の奥の方に、何か特別な原因があるような予感的雰囲気がしてきます。
リーン:むー?
ヨザック:なるほど。ではその、のどの奥の奥の方を診せてもらえませんかのぅ。
リーン:んー(笑)?
オウサマ:これじじい。それは無理じゃよ。
GM:横から顔を突き出した村長に口を押し開かれ、詩人も嫌がってる。
リーン:風邪じゃあ、ないみたいですねぇー。
GM:のどを押さえながら詩人は相棒に言う。「スカイニット。俺、やっぱ病院行って来るよ」と、よろよろ広場を出て行きます。
ミシュリ:スカイニットさんに訊きます。「今日は調子悪かったみたいだけど、最近いつもこんな感じなの?」
GM:「あなたの風琴も大したことなかったけどね」とか、ユイランもケチつけてます。「あたしはちゃんとやってるわよ」と、言い返すスカイニット。
リーン:仲間割れ(笑)。
GM:「でも確かに、ここ最近、めっきり稼ぎが落ちてきてね。それで今日はこの踊り子を連れてきたんだけど……」と、スカイニットは噴水の縁に座ったまま、熟睡してるシアンを見る。
ミシュリ:「でも彼女はいつもよく寝てるじゃない」
GM:「ええ。起きてる時にたまに踊ると凄いから、ちょっと期待して連れてきたんだけど、このポカポカ陽気がマズかったみたいね」
ヨザック:シアンさんが踊り子さん、と。
GM:うん。「でもまぁ、たしかに町の人達の様子もちょっとおかしいわね。稼ぎが悪いのは、私達のせいばかりでもないみたい」と、スカイニットも薄々感じ始めているみたい。「みんなボーッとしてるというかなんていうか……」
ミシュリ:「調子が悪くなったのはここ二、三日?」
GM:「客ウケが鈍ってきたのは、一週間くらい前からかしら」
ミシュリ:で、眠り病が流行りだしたのも、それくらいですか?
GM:んー、まぁ、それくらいからかと。とりあえずユイランが話を締めくくる。「まぁ、こんなところで立ち話もなんだから、続きはみんなで昼食でもとりながらにしましょ。ほら、そこのおじいさんもさっきから言ってる…」
オウサマ:「古めかしい学院食堂」
一同:(笑)。
GM:「その変な名前の食堂に行きたいらしいから。詳しい話はそっちでね」
ヨザック:そういえば、腹も減ったのぅ。
リーン:じゃあみんなでご飯食べに行きましょう。
ミシュリ:とりあえずこの、眠ってる人、どうにかしないと。
GM:その眠ってる人は、それまでは噴水の縁に座ったまま器用に寝てたんやけど、「むにゃむにゃ、もーだめー」とか言いながら、ついに石畳の方に、ドチャッと落ちてしまいます。
ヨザック:「おやおや、これはしょうがないのぅ」と、娘さんを抱えようとして、ふんっ!……ゴキッ(笑)。
リーン:「あぁーっ!」(笑)。慌てて抱えます。「おじいちゃん、無茶しちゃ駄目よっ」
ヨザック:人員二人確保(笑)。
GM:「おじいさん、気持ちはうれしいけど、腰、変な音が鳴ってたわよ。この子は私が背負っていくから。悪いけど、昼食の方は遠慮するわ」と、スカイニットはシアンを背負って、南の通りへと歩き出す。
ヨザック:病院の方?
GM:いや、踊り子はミシュリが言ってたように、本当に単に寝ただけみたいなので、宿の方です。
ヨザック:スカイニットさんが……踊り子さん?
GM:いや、アコーディオン弾きです。で、その風琴弾きのスカイニットが踊り子のシアンを背負って、広場を出ていった、と。
リーン:お大事にーっ。
ヨザック:で、ラングさんが歌う人。
GM:はい、詩人です。で、そっちの腰を痛めたお爺さんは?
ヨザック:腰を痛めたので病院へ。
GM:でもさっきからおあずけ状態だった、古めかしい学院食堂へ行きたがってる老人もいますが。
オウサマ:うー、しぶしぶ。
リーン:あの、学院の方には、病院かなんか、ないんですか? 簡単な。
ヨザック:大学病院的な。
GM:え? 古めかしい学院食堂って、『古めかしい学院の付属食堂』なんですか? 私はてっきり、『古めかしい学院』っていう変な名前の食堂やと思ってたんやけど。学院も病院も付属してないただの食堂。
ヨザック:え?
リーン:ええっ(笑)? それは……(と言い出した老人を見る)
オウサマ:……そんな難しい話、儂に訊かれてもわからんのぅ。今日の定食はエビフライなんじゃよー。
リーン:あぁーっ、こんな老人二人、どうすればぁーっ(笑)。
ヨザック:じじい二人、馬鹿です(笑)。(←シンプルな結論)
GM:まぁ、そういうことで、『古めかしい学院』食堂を、噴水広場へと続く通りの少し先に見つけました。めっちゃ古ぼけた、ただの小さな食堂です。
リーン:じゃあとりあえず、オウサマの方をその食堂へ連れて行って、ヨザックの方を……
GM:あぁ。さっきのギックリ腰程度やったら、病院までいかなくても、リーンの老人介護とか医学でなんとかなると思いますよ。
ヨザック:まぁ、とりあえず適当に治して頂ければ。
リーン:じゃあここでやってみましょうか。腰をとんとん、と診て。えいっ、やぁっ、と。
オウサマ:老人を釣る。そんな気分じゃのぅ。
GM:では体力で乱暴に治すんか、感覚で器用に治すんか、
ヨザック:霊感で(笑)。
リーン:れ、霊感(笑)!?
ヨザック:はあっ、とオーラを(笑)。
リーン:で、でも普通は感覚ですよね。
GM:(オウサマに)『老人を釣る』とか言いましたよね。では釣って頂きましょう。
オウサマ:え? い、いや、ちょっと動揺してただけかもしれんのぅ。
GM:とりあえず判定の方、どうぞ。
リーン:え? え? 広場で何釣るんですか?
GM:老人だそうです。
ヨザック:釣られるそうです(笑)。
リーン:えぇーっ(笑)。
GM:まぁ、とりあえずリーンさんの治療の方からやってみて下さい。難易度は20以上。
リーン:はーい。(ガシャン)……あっ、やったぁ。出ました。25の……<老人介護>足しちゃ駄目なんですか(笑)?
GM:いいです。
リーン:足して、30です。
ヨザック:素晴らしい!
GM:とても手慣れた感じで、蹲るヨザックの腰に一撃。
リーン:いつものよーに(笑)。
GM:秘孔を突きました。
ヨザック:おおっ、たちまち治ったわい。ありがたいのぅ。
GM:で、その爺さんを釣る、と。とりあえず襟首とかに釣り針引っかけて一本釣りですか?
オウサマ:うむ。そうやったら爺さんの腰も楽になるかのぅ、とか思いながら。
GM:では感覚17以上でどうぞ。<釣り>技能も足せます。
オウサマ:感覚……(ガシャン)……(笑)。
リーン:あっ、釣れちゃった(笑)。
GM:老人一匹、ゲットです。
オウサマ:ピチピチッ、ピチピチッ。
ヨザック:生きのいい老人が石畳を跳ね回ります(笑)。
リーン:掴まえます(笑)。
ヨザック:みなさんにももれなく一匹ずつ。
リーン:「あーん、ミシュリさんも手伝ってくださーい」(笑)。
ミシュリ:……なんかもう、めっちゃ楽しそうやから、ニコニコしながら見物してます(笑)。
ヨザック:釣り糸に引っかかってブラブラしたまま食堂を指さす。「よーし、このまま食事に行くぞーっ」(笑)。
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