▼replay_Far Roads to Lord

■『クコ、食材になる』/04

←return   →next







































































■ scene 04
〜小人捜しを頼む青年と、初めての予定を書き込む老人〜

GM:はい。古めかしい学院食堂です。
ヨザック:あ、ユイランさんはどうなったんですか?
GM:一緒についてきてるよ。「今日は私がおごるわ」やって。
ヨザック:ユイランさんは単なる……何してる人なんですか?
GM:近所に住む旅の歌うたいです。(編注:『近所に住む旅の?』というツッ込みがあれば、『近所に住むそのうち旅に出るかもしれない歌うたい』と返すつもりだったのに、結局誰も言及してくれなかったりしてます)
ヨザック:あ、歌うたい。そういえば、詩を朗読とか言ってましたね。
GM:いや、それはヨザック長屋の詩人、ミシュリさんのことでしょう。
ヨザック:あ、そうですね。すっかり忘れてた(笑)。じじい混乱してます。
GM:はい、それぞれ昼食のメニューをどうぞ。
オウサマ:しかし古い建物じゃのぅ、とか言いながら、
ヨザック:エビフライ定食ぢゃ。
オウサマ:おおっ、すでに昼の定食の時間が過ぎておる。じじいショック。
リーン:あはは(笑)。
GM:はいはい。定食はまだやってました。さて、そんなことを言いながらも適当に注文してみんなで食事をしていると、一人のこざっぱりした茶髪の青年が、店内をキョロキョロしてることに気づく。古めかしい学院食堂はあんまり繁盛していないらしく、よく目立ってます。
リーン:常連のみ?
GM:常連のみ。
ヨザック:定食タイムが終わったからすいておるのかのぅ。
オウサマ:その人は、顔見知り?
GM:あぁ、そやね。この古めかしい学院食堂の常連客のオウサマは知ってる。ここで働いてるコックのクリフです。
リーン:クリフさん?
GM:その青年は、どうも人を捜してるみたい。「クコの奴、まだ帰ってきてないのかー?」
リーン:クコ?
GM:で、店内を見回していた青年は、君達のテーブルに一緒にいたユイランに気づいて近寄ってくる。「やぁ、ユイラン。クコ見なかったか?」 で、ユイランがこたえる。「クコ? あぁ、あの丘小人の料理人ね」「あぁ、そのクコだ。あいつ、今朝、南の森へウサギ狩りに行ったんだ。それで料理の仕込みもあるし、昼頃までには戻ってくるって言ってたのに、まだ帰ってこないんだ。あいつ、また新しい罠とか作って遊んでるんだぜ、きっと……」とか言ってます。
ヨザック:あ、それは前回の?
GM:まぁ、それはプレイヤー発言ということで。(編注:実は今回のプレイヤーさんには、前知識として先月のリプレイを紹介していたりします。ただ、一週間前にお知らせしたこともあり、ちゃんと目を通してくれた真面目な未経験者は、ヨザックさんだけだったみたいです。基本的なロールの仕方や魔法の組み方説明に骨を折ったわりには、さっぱり報われませんでした)
ミシュリ:なるほど(笑)。
GM:で、クリフがユイランに言う。「ユイラン。もし暇があるのなら、南の森へちょっとクコを捜しに行ってくれないかな」
リーン:ふむふむ。
GM:ユイランは頷く。「それはいいけど。南の森っていっても広いから。私一人で行っても……」と、君達の方を見てちょっと含み笑い(笑)。
リーン:あのー、そのクコさんは、いつも南の森とかでチョロチョロしてるんですか?
GM:まぁ、ウサギ狩りですから。チョロチョロしてるでしょうね。
ヨザック:薬草採りに行ってる時にとか、会ったりもするんでしょうか?
GM:この話してるのが、昼過ぎの食堂やから、今朝の薬草採りの時には、多分見かけなかったと思います。
ヨザック:いえ、今までは会ったこともあるんでしょうか?
GM:あぁ。それなら何度か。顔見知り、ということでも構いません。
ヨザック:丘小人って、あんまりいないんでしょうか?
GM:この町には結構います。人間以外の種族では、結構多い方。
ヨザック:じゃあ見かけたこともあるし、「ふむ、あの子のことかのぅ」と。
GM:ユイランもエビフライ定食を食べながら、「ってことで、みんな。もし暇なら、これから南の森へクコ捜しに行くの、手伝ってくれない?」
ヨザック:はぁ。
リーン:ふむ。
オウサマ:スケジュール帳を見ながら、

   (一同爆笑)

オウサマ:白紙のページをめくりつつ、「あいにく、儂は…」とか(笑)。
リーン:「白いわよ、コレ」(笑)。
オウサマ:「儂は売れっ子じゃからのぅ」(笑)。
リーン:「どこで売れてるのよー」(笑)。
GM:ちなみにクリフが言う。「きょうの夕食のオススメメニューは、『野ウサギのスープと川魚のムニエル』だから、もしあんた達がちゃんとクコを連れてきてくれたなら、お礼にそれを振る舞うよ」
ヨザック:「それは是非、柔らかーく、煮込んで欲しいんじゃが」
リーン:「そうそう。骨もちゃんと抜いてあげてね」
GM:「あぁ、はいはい」
ヨザック:「それは早速、ごちそうゲットに行かんとならんのぅ」
オウサマ:スケジュール帳に初めての予定を書き込む。
GM:「結局みんな、どうするの?」と、ユイランが訊いてくる。
リーン:「はい。まぁ薬売りの仕事もなくなったし」
ヨザック:「うむ。午前中の稼ぎもなくなったことじゃし。もう一回、森へ行かんと」
リーン:「薬草採りに」
ヨザック:「長屋の子供達が飢えてしまう」
ミシュリ:「私も町の人達が上の空で、商売あがったりなので、ついていきます」
ヨザック:で、店を出る時に、みんなに訊く。「ところで。お昼ご飯はまだかのぅ」(笑)。
リーン:「お、おじいちゃーん」(笑)。
ミシュリ:「さっきエビフライ定食食べたやんー」(笑)。
ヨザック:「あぁ、わかったわかった。おぬしらがそうしたいのなら、そうするがよい」って、わけのわからないことをブツブツ呟き始める(笑)。
GM:さて、そんな村長の耄碌ぶりに呆れていると、店先で「ウォホン! お嬢様っ」と、君達を呼び止める声がある。
ヨザック:「お嬢様?」
オウサマ:儂のことか?、と一瞬反応して振り向く。
リーン:ちゃうちゃう(笑)。
GM:「オウサマ、あなたのことじゃないと思うわ」とユイラン。
オウサマ:時々反応速いねん。
GM:その執事らしき白ひげの男が言う。「お嬢様。そろそろ勉強の時間でございます。そんな格好で歌っている場合ではございません。侍女のマリアにカツラを被せても、このテナイにはバレバレでございますぞ。ささっ、お屋敷へ」と、ユイランの腕を掴んだ執事は、問答無用で引っ張っていく。
ヨザック:あぁっ、ユイランさんのことですか。
GM:「というわけだから、あなた達、クコの件、お願いねーっ」という言葉を最後に、ユイランは店先から連れていかれました。
リーン:あぁーっ、ユイランさん。
オウサマ:早くも一名、脱落か。
ヨザック:残るは四名。
リーン:連れていかれちゃいましたねー。


 
 
 

▼replay_Far Roads to Lord

■『クコ、食材になる』/04

←return   →next