■ scene 06
〜老婆争奪魔法に熱中する老人達と、黙々と回復魔法をかける詩人〜
GM:ちなみに魔法の解釈はこんな感じです。(と、解釈一覧表を見せる)
リーン:あ、こんなのがあったんだ。
GM:でも本当は、こんなん見なくていいんです。直感で適当にやっちゃって下さい。
ヨザック:この手持ちのカードは、使えるんですか?
GM:使えます。まぁ、イメージが見えなかった二人組は、他のことも色々できますよ。
ミシュリ:<緑>と<小枝>と<星(五芒星)>で、『木をかざして、その生命力によって体力を回復する』
GM:なるほど。ではミシュリは霊感20で。MPと触媒を使って難易度を減らせるのは、先月と同じです。
オウサマ:……なんだ。全部(のイメージ)を使わなくてもよかったのか。
GM:干渉するのは一部分でもいいです。釣り人はカードをいくつかゲットしてみます? 一枚なら難易度20。二枚なら25で。
オウサマ:(自分の手持ちの<三角>を眺めつつ、突然)……んー、儂には、最も価値のある魚を、三人の釣り人が争ってるような気がするのぅ……
GM:なるほど……(笑)? それは、イメージをゲットするんじゃなくて、その<三角>を混ぜるんですか?
オウサマ:……え(笑)?
GM:いや、その老人のイメージを釣り上げてもいいし、もちろん加えてもいいですから。じゃあミシュリとオウサマ。それぞれ同時に魔法使ってくれていいですよ。ミシュリが手持ちの<緑>を加えて、『体力回復』魔法。で、オウサマか<三角>を加えて……三人の釣り人が、なんでしたっけ?
オウサマ:『価値あるものを釣り上げよう……手に入れようとする』
GM:魔法、と。ちなみにその『価値あるもの』とは、どんなものでしょう? (退屈していたイメージ見えなかった二人組に)二人、なんか思い浮かびません?
リーン:え? でも、私達は見えなかったんですよね?
GM:うん。それとは別に、釣り竿構えたオウサマが「価値あるものを釣り上げようとしているのぢゃ」とか、いきなりブツブツ呟き始めたから。
オウサマ:「価値のあるものぢゃ。言ってみぃ」(笑)。
ヨザック:「それは……家。家ぢゃ! 家こそ、価値あるものぢゃ」
リーン:「い、いや、家とかじゃなくて。とりあえず今は、このじいさんの意識、戻してよー」(笑)。
ミシュリ:(一人黙々と)MPを3ポイント使います。
GM:はい。じゃあ17以上で。
オウサマ:じゃあそのリーンの腕の中の爺さんに話しかける。「家か。家が欲しいのか」
(一同爆笑)
オウサマ:「わかっちょる。わかっちょるぞ」
GM:「ううっ……家より、酒ぢゃー」
ミシュリ:(一人黙々と)霊感17以上ですね。
GM:はい。
ミシュリ:(ガシャン)……
ヨザック:その言葉を聞いて、酒はないけど、末期の水を(笑)。
ミシュリ:20、成功。
GM:末期の水を飲まされる前に、詩人の魔法が発動。老人はパチリを目を開け、元気になりました。
ミシュリ:HPというか、体力を回復する魔法で。
GM:はい。それとは別に、こっちの『価値あるものを取り合う』魔法も、試してくれていいですよ。
ミシュリ:(一人黙々と、呪文欄に構造を書き込みながら)……あ、これって触媒は使わなかったけど。
GM:使わなくて成功したから、『なし』でいいです。
ヨザック:「あ。一番価値のあるもの……それは家じゃなくて、うちの婆さんぢゃーっ!!」
(一同爆笑)
ヨザック:「うちの婆さんほど素晴らしい女性は、他にはおらんわっ」
リーン:「はいはい(笑)。フローラさんは素敵ですよねぇー」
オウサマ:それもアリかナシかと言えば……ナシじゃな(笑)。
ヨザック:なんじゃとう(笑)。
GM:はいはい。では家ではなくて、『フローラを三人で奪い合う』魔法ですね。
リーン:あはは、それ変ー(笑)。
GM:どうぞ。
オウサマ:いや。儂にはやはり、この<三角>が『家の屋根』に見えてきたのぅ。
GM:(もう面倒なので、老人の新解釈は無視)ではその『フローラという清い人(<白>)を三人で(<三角>)奪い合う(<金色=熱い力>)』呪文ということで。難易度は、魔力源が二つ入ってるので、とりあえず25です。
リーン:「こんなところでここにいないフローラさんを奪い合って、一体なんの意味があるんですかーっ」(笑)。
何の意味もありません。ってか行き倒れ老人、既に復活してるし。
オウサマ:「そうかおぬし、愛が欲しかったんじゃな。愛か……家ではなく、愛……家庭愛じゃな」
GM:「いや、家庭愛ではなく、酒でよかったんじゃがな」 あのー、とりあえず難易度25なんで。
オウサマ:「わかっちょる。わかっちょるぞ」
ヨザック:ボケてるよ、こいつ(笑)。
GM:MPで難易度を減らせます。あと触媒……フローラなら5点くらい減らせるけど、ここにはいませんので……
ヨザック:「婆さん、ここにはおらんかったのか」
リーン:じゃあフローラさんの肖像画を後ろでかざしてます。
GM:肖像画? そんなん持ってたん?
リーン:ヨザックさんの荷物の中に(笑)。
ヨザック:ストックもいっぱい入ってますので、みんなに配って回ります。
GM:じゃあフローラの肖像画は触媒として3点。あとMPは?
オウサマ:3点、使います。
GM:じゃあ難易度25から6引いて、霊感19以上で成功します。
オウサマ:平均以上が出れば成功か……(ガシャン)……おお、成功。
GM:では、『フローラを三人で奪い合う』呪文が出来ました。
ミシュリ:(一人黙々と、さっき作った回復呪文について)これはどのくらい回復するんですか?
GM:今回はイメージ一枚につき1D6に固定したから、さっきのは2D6。
オウサマ:むー、魔法とは難しいのぅ。
リーン:そんな変な呪文作っといて、何言ってるんですかー(笑)。
ヨザック:儂の肖像画が光っておる。婆さんが光っておる(笑)。
オウサマ:そのじじいには愛が必要じゃと思ったんぢゃ。
GM:はい、そっち。とにかく呪文欄に書いといて下さいよ。『フローラを三人で奪い合う』呪文って。
オウサマ:呪文名がそれ?
GM:うん、それ。まさか最初の魔法でそんなもの作る人が現れるとは、予想外でしたけど(笑)。
ヨザック:婆さんモテモテじゃー(笑)。
リーン:お、お腹痛いーっ(笑)。(編注:このお姉さん、さっきからずっと笑い続けてたりしてます。キャラクターの愛嬌は『1』、つまり無愛想なのに)
オウサマ:MPは3って書くんですか?
GM:うん。次からその呪文を使う時は、3点入ります。
オウサマ:えぇーっ、こんなわけわからん呪文に3点も(笑)。まぁ、もう使うこともないか。
GM:『触媒、フローラの肖像画』ってのも、書いといて下さい。次からその呪文を使う時は、その触媒も必要になってきます。さて、というわけで、その行き倒れの老人は、元気になりました。
リーン:はい。
GM:「ありがとう。おかげで助かったわい。それにしても、あんたら。なかなか魔法使いとしての素質があるようじゃのぅ」と、老人はミシュリとオウサマの方を見る。「儂はまじない師のペロ。おぬし達、もっと凄い魔法使いを目指してはみんか」とか言ってくる。「まぁ、儂はフローラとやらはいらんがのぅ」(笑)。
ヨザック:「な、なにをーっ!」(笑)。「うちの婆さんは、」
オウサマ:「キューチィクルぢゃぞ」(笑)。
GM:「そうか。なら会いに行くのも悪くないのぅ」
リーン:「はいはい。おじいちゃん、その前に身体がねぇー。元気にして、ちゃんと町まで行きましょうねー」(笑)。
ミシュリ:「ところで爺さん。なんでこんなところで寝ころんでたの?」
GM:「あぁ、それは単なる行き倒れじゃ」
ヨザック:「あぁ、よくあるよくある」
GM:「儂も随分色んな土地を旅してきたが、北の町にいる古い友人を訪ねようとしておったところ、ちょっと疲れてしもうての」
ヨザック:「足の関節が軽く外れることとか、よくあるのぅ」
オウサマ:「いい接骨院を紹介しようかのぅ」
GM:「ふむ。それはさておき、そこの二人。助けてくれた礼に、これをやろう」と、老人は、手にしていた木の杖からのびていた小枝を二本折って、二人にそれぞれ渡してくれる。
ミシュリ:はぁ。
オウサマ:何ですか、それは。(編注:知る人ぞ知る魔法使い憧れのアイテム、『精霊想樹の小枝』です)
GM:その小枝には、魔力源がそれぞれ込められていて、次から呪文を作る時は、いつでもどこでも、その小枝の力も加えることができます。
ヨザック:おおっ。
リーン:それは凄い。
GM:魔力源の色は、好きに決めてくれていいです。つまり、何色を選ぶかによって、魔法使いとしての、専攻が決まるってことかな。まぁ、それはそれぞれ適当に決めといて下さい。さて、今度はペロの方が訊いてきます。「それにしても、おまえ達こそ、こんな森の中で何をしておったんじゃ? まさか儂を助けに来てくれたわけではあるまいのぅ?」
リーン:「それはないですv」
ヨザック:「こっちも行き倒れみたいなものなんじゃー」
リーン:「ヨザックさん、何言ってるの(笑)。あのー、クコっていう丘小人の子を捜してるんだけど、見ませんでした?」
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