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■『ラング、歌声を探す』/08

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■ scene 08
〜黒幕を前にして、詩人に状況説明を求める薬師と王様(村長フル回転中)〜

GM:(マジックカードをめくりながら……)あー、<竪琴>はちょっと見つからなかったので、何か他のものを一枚どうぞ。
ミシュリ:じゃ、これを。(と、ランダムで一枚ゲット)
オウサマ:(隣のミシュリを見て)おー、何やら色々ストックしてますなー。
GM:で、一番無力だったのは村長ですか。
ヨザック:「わ、儂が提案者じゃったのにっ!」 激しく地団駄を踏む。
GM:リーンも止める暇もなかった、と。
リーン:はい。
GM:で、そんな感じで大騒ぎしてたので、気づくかどうかは微妙ですが、その竪琴のあった古ぼけた神殿の側で……ちょっと感覚で22以上振ってもらえますか。
リーン:22?
ミシュリ:取った竪琴は消えてないんですか?
GM:あ、消えました。
ミシュリ:また懐かしく思った、と。
リーン:(ガシャン)……しっぱーい。
オウサマ:(ガシャン)……さっきの取り合いで力を使い果たした(笑)。無理無理。
ヨザック:あ、ピッタリ。
ミシュリ:で、感覚?
リーン:22以上。
ミシュリ:(ガシャン)……ゾロ目じゃないので成功です。
GM:成功した人。
ヨザック、ミシュリ:はい。
GM:その廃墟のような古ぼけた神殿から、誰かの声が聞こえてきます。美しい声、かも。
ヨザック:どこか覗けそうな場所とかは?
GM:崩れかけの石窓があるから、そこから中の様子を覗き込めそう。
ミシュリ:じゃ、覗いてみましょう。
GM:えー、中の様子はこんな感じです。(とイラストを差し出すマスター) 礼拝を行う祭壇の上に、黒ローブの人影が片膝をついて腰かけている。で、その目の前で蹲る詩人に綺麗な声で静かに語りかけている。
ミシュリ:耳をそばだててみます。
GM:「いつか都の大舞台で歌いたいなどという叶わない夢を抱くくらいなら、歌声などなくしてしまった方が諦めもつくだろう。<巡る罠>と共に我を招いた褒美だ。この夢魔の王自らが、汝の夢を語り直してやろう」と囁きながら、その黒ローブは白い腕を伸ばし、詩人の胸に突き立てる。やがてそこから、黒いカードの束を取り出して言う。「たまにはハウゼムのように、人の運命で遊ぶのも一興か……」 ということで、その黒ローブは、詩人の物語を語り始めます。ということで、そのカードがこれです。(と、先月も使った外国製ヘナ童話製造カードゲーム、『Once Upon A Time』の黒いカードの束を机の上に置くマスター。つまりいつでも邪魔しに来てね、というささやかな意思表示のつもりだったりしてます)
ヨザック:その詩人というのは、見覚えはないんですか?(カード以外の人物確認を始める村長)
GM:見覚えはありますよ。あのラングさんですから。
ミシュリ:ですよね。
GM:老人が覚えてたかどうかは、微妙ですが。
オウサマ:詩人じゃなくて、死人じゃないやろな。
ミシュリ:(突然)ペロかーっ!
GM:は? ペロ?
ミシュリ:(マスタの反応が見当外れだったらしく、ちょっと恥ずかしそうに)…いや、見覚えがあるっていうから。
GM:黒ローブは老人じゃないよ。まじない師のペロ爺さんは白ローブです。
ミシュリ:え? ペロさんは白ローブなんですか?
GM:うん。ボロボロやけどね。
ミシュリ:白がだんだん薄汚れて黒になってたり。
GM:そこまで汚れてないと思う。(編注:どうもミシュリさんは、一連の事件の黒幕が、ペロ爺さんだと思われたようです)
ミシュリ:ならグレー。
ヨザック:ガソダルフ(笑)。
GM:で、その黒ローブは、手にしたカードを適当にめくりながら詩人の物語とやらを語り始めます。『その歌声をなくした詩人は…』とか言ってる。ミシュリとヨザックだけ、その様子がなんとなくわかるということで。
リーン:私はさっぱり聞こえません。
GM:ミシュリは?(先月やったやん)
ミシュリ:聞いてます……いまいち状況把握してないんですけど(笑)。
GM:黒ローブはラングの胸から取り出したカードの束を、自分が腰掛けている祭壇の脇に置いて、何枚か引いた後、話し始めてます。『その歌声をなくした詩人は、ある<森>に住んでいました』(と、<森>のカードを現実のテーブルの上にも置いてみせるマスター。いつでも乱入OKよ、な合図のつもり)
リーン:うん。
GM:『「どうして俺は歌声をなくしてしまったのだろう」と、彼は悩み続けていました。そんなことを考える毎日、詩人が眠っていたある<夜>のこと』…ってな具合で黒ローブは語り続けてるんですが、ほっといていいの?(プレイヤーが途方に暮れているので、ついに言ってしまったマスター) 感覚で20以上振ってもらえますか?(結局ダイス頼り。この辺り、力不足を痛感)
リーン:はーい。
GM:あ、話聞こえてた人だけ。
リーン:あ。
オウサマ:「おい、あいつら何をやってるんじゃ?」(笑)。
ミシュリ:(ガシャン)……OK、出ました。
ヨザック:成功。
GM:二人とも成功か。じゃあ二人はなんとなく気づく。黒ローブが手にしている(と、マスター、手にしていたカードを見せる)4枚のカードがなくなった時、蹲る詩人の過去が決定されてしまうような嫌な予感的雰囲気がしてきます。
ミシュリ:おー。
ヨザック:それは邪魔をできるんですか?
GM:もちろん。(さっきから山札置いてるやん)
ヨザック:ではその二人の間に投げ斧を。
GM:投げ斧? 普通の飛び入りでいいのでは? 石窓から老人登場ってことで。
リーン:よっこらせっと(笑)。(←ジジイを神殿に押し込む効果音)
ヨザック:おぉおぉ、もうちょい、支えてくれんと困るぞい(笑)。後ろから風を送ってくれい。
GM:石窓を乗り越え、ヨボヨボと村長登場。
オウサマ:カミナリとドラの登場効果音を付け加える。
ヨザック:ジャジャーン(口で)みたいな(笑)。
リーン:(笑)。
オウサマ:ジャカジャカジャン。
ミシュリ:その口で効果音出してる爺さんの後ろから乗り込みます。
GM:君らの方に、少し首を傾げた黒ローブが言う。「何だ? 汝らは?」
ヨザック:「儂はヨザック村長1063世じゃ」
GM:「ほぅ」
オウサマ:儂らはその話は全く聞けてなかったと。
リーン:なんだかよくわからないまま、とりあえずついていく(笑)。
ヨザック:「おぬしこそ誰じゃーっ」
GM:「ここでわざわざ名乗ることもないだろう。それにしても汝ら、こんな夢の中にまで入ってくるとは、なかなか器用な者達だな」
リーン:「入りたかったわけじゃないんだけどね」 じゃあ…
ヨザック:さっきから歌声なんちゃらいってたのを思い出して、彼が声が出なくなったのはこいつのせいだと、ジジイの脳内方程式に当てはめます。決定がチーンと出ました。
オウサマ:奴が黒幕じゃー(笑)。
ヨザック:『多分、黒いから悪い奴だっ』という一番簡単な方程式で奴を睨む(笑)。
リーン:じゃあヨザックさんがフル回転してる間に、ミシュリさんに話をききます。「どうなってるんでしょう?」(笑)。
オウサマ:儂もそっちに話聞きに行くぞい。「あんなジジイ無視じゃい」(笑)。

   (一同爆笑)

ヨザック:ジジイにジジイ言われたかないわい(笑)。
リーン:密かなライバル心(笑)。
GM:あーもー、こっちちょっと待っときますねー。ミシュリさん、状況説明してあげて下さい。(編注:マスター、一人シリアス路線演ってるのがバカバカしくなってきてます)
ミシュリ:なんかあの黒ローブの男が、ラングの胸から黒いカードをバサッと取り出して、あれを使ってなんか、ラングの過去を決定しようとしてて、その残ってる枚数があの手に持ってる4枚で、あれがなくなっちゃうと、なんかマズいことになりそうなんだけど……
GM:うん。『そしてラングは完全に歌声をなくしました』って話になってしまうみたい。
リーン:ふん。
ミシュリ:で、あの黒幕は、どうやらラングの歌声を奪ってしまいたいらしいの。
リーン:ふーん。「奪ってどうすんの? ちょっとあんたさ」
GM:「ただ単にそれが楽しそうなだけだがな」とか、ブツブツ呟いてる。
リーン:「よっぽど暇なのね、オジさん」
オウサマ:あー、居場所に困る(笑)。(←オジさん)
ヨザック:爺さんの扱いに慣れておる(笑)。
オウサマ:こたえるで、これ(笑)。
GM:いや、その声からは、そんなオジさんって感じじゃないんやけど。なんか男か女か、若いか年寄りかもわからないような不思議で綺麗な声やから。
リーン:あ、なんだ若いのか。じゃあ心配しない(笑)。
GM:え?(この人、黒幕の心配してたん?)
ヨザック:「他人の運命を勝手に操るなんて、許さんぞっ」
GM:「ほぉ、なるほど。お前達がそれを邪魔してみせる、とでも言うのか? それもまた一興だな」
オウサマ:「夢はでっかい方がよい」とジジイに負けじと、無理矢理に話に加わる(笑)。
リーン:密かなライバル心(笑)。
GM:「ならばこの夢の欠片を使い、汝らはこの詩人が歌声を取り戻す物語を紡いでみればいい。我がその反対の結末にたどり着く前にな」ってことで、カード配りましょうか。
リーン:ふんふん。
ヨザック:ジジイヤル気満々です。
オウサマ:ジジイとりあえず自分の夢を語るつもりで(笑)。
ミシュリ:ここまで来たら乗らなきゃ。
GM:いや。乗りたくない人は端で見ててもいいですよ。挑戦者は誰でしょう?
ヨザック:ハッ!(と、やたら元気に挙手)
オウサマ:ういっ。
ミシュリ:ピシッ。
リーン:……(ぐったりと)すいません。もれなくついていくことになります(笑)。
ヨザック:いい心がけじゃ(笑)。
オウサマ:(配られるカードを眺めつつ)おー、なんやなんや、絵が楽しそうやなー。
GM:はい。このゲームのやり方ってわかりますか?
リーン:知りません。
GM:……

『クコ、食材になる』でも触れましたが、先月の3話と今月の3話は、双子の如く舞台、問題、解決法を意図的に酷似させてたりしてます。つまり前回のリプレイを一読して頂いていれば、今回のセッションは、ルールを簡単に飲み込め、話を深くまで楽しめ、演技にどっぷり集中できる……はずだったんですけど。前知識ほぼ皆無の老人ギャグに特化した集団によって、マスタの思惑は既に妙に瓦解してます。とりあえず今回の一件で、予習も含め、プレイヤーに何か期待するのはもうやめよう、とか思いました。

GM:はい。じゃあ説明します。
ミシュリ:前やったのと同じですね。
GM:同じです。<インタラプト>は抜いておいたから、前より楽になってます。
リーン:(カードを手にしつつ)これ見ていいの?
GM:いいよ。オウサマもやるんやったっけ?
オウサマ:うん。ジジイに負けじと。黒ローブのおらん所に向かって、一生懸命自分の夢を語ってる(笑)。
リーン:ダム作りね(笑)。


 
 
 

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