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■『シアン、夜に踊る』/04

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■ scene 04
〜呪文作りに悩む初心者達と、ラッパ吹きに転向した魔法使い〜

GM:あのー生憎ですが、話は続きます。(もう時間ありませんし) 診療所に帰ろうと、噴水広場の方にやって来ると、
リーン:はい。
オウサマ:「これでも使っとけー」と<青>の小枝を渡して、爺さんの添え木に使う。
ヨザック:「おぉーっ、よく冷えて気持ちがよいぞい」
オウサマ:というわけで、<青>の小枝、そちらで持ってて下さい。
GM:噴水広場の方では、再び例の儀式が始まっています。
ミシュリ:わっ。
GM:君らはちょっと立ち入れない状況に出くわします。虚ろな顔つきで町の人々が、夜のとばりが降りた広場を裸足でグルグル練り歩いています。それ以外の町の人達もちょっとおかしな雰囲気で、そんな儀式にも興味なさそうに行き来しています。で、その広場の中心、噴水の側では、踊り続ける黒い人影。
リーン:はい。
GM:あの占い師のシアンなんですけど。彼女が髪をなびかせて踊りながら、何やら呪文の詠唱を続けています。それを見たミシュリは、この前のことを思い出す。そのまま広場に飛び込んでいっても、変な場所に飛ばされてしまう、と。この間は古めかしい学院食堂の裏側やったけど。そのまま飛び込むとマズいかな、という魔法的な障壁を感じます。
ミシュリ:はい。ちょっと躊躇してます。
オウサマ:「のぅ、リーンちゃん」
リーン:「はい?」
オウサマ:「儂は思うんじゃが、この町に広場があるのがいかんと思うんじゃ」
リーン:ええーっ(笑)。
オウサマ:根本的にズレてます。
GM:ズレてるオウサマは、そのまま再び近づいていくんですか?
リーン:「あっ?」とは思うけど、事情を知らない。それに背負ってるのが(笑)。
背負ってるの:ジジイ、わめく。「あそこに行きたいぞい。あそこに行きたいぞい」(笑)。
オウサマ:その足で無茶言うない。
ミシュリ:「でもうかつに近づくと、変なとこに出ちゃう可能性が…」
ヨザック:ジジイはダッシュは出来ないはずなので、止めて頂ければうれしいです。
GM:そんな君らの前に、路地裏からフラリと現れたペロ爺さん。「ここはやはり、あの魔法の壁をなんとかせねばならないのぅ」と、ちょっと険しい顔つきで言う。「オウサマさん。あんたなかなかの魔法の使い手じゃったはずだが、その<青>の小枝、ヨザックさんの添え木なんぞにしてしまっていいのかね?」
オウサマ:「儂はもう隠居の身じゃから」

   (一同爆笑)

ヨザック:「よし、それなら儂がっ!」 キラキラキラーン!(←魔法使い変身効果音?) 霊感ヒックーッなんですけど(笑)。
GM:(ヨザックに)なんかやってみます?
オウサマ:「これからは肉弾戦のみよ」
ヨザック:あぁ、でもジジイ魔法カードが足りません。
オウサマ:仲間のカードもあるから大丈夫。
ミシュリ:とりあえず3枚あれば使えます。
リーン:こっちにもあるよ。
GM:それに、その目の前の障壁を霊感で見つめることによって<調律>するって手もあるし。
ヨザック:霊感がねー、6なんですわ。
ミシュリ:私も霊感ありませんから、カードは渡せると思います。(ヨザックの手持ちのカードを眺めつつ)……あ、でもこれで消せるんじゃないの?(と、力源<無>のカードを示す)
ヨザック:『始まりの前、終わりの後』(と、キャラシートにも書かれている<無>の解釈を読み上げる)……『源』『運命』『絶大な力』……何か、いけそうではありますな。
GM:なんにせよ、MPなり、潜在力なりをドカッと使えば、成功はするはずですよ。
ヨザック:潜在力はよーさんあるで。たっぷりと使ってしまいましょう。
リーン:となると……『無色のもの(見えない壁)を、(<青>の小枝で)吸収しちゃう』(笑)?
ヨザック:あと<竪琴>で、『詠唱を止めてしまう』?
GM:うーむ。とりあえず広場に入る方法を考えた方がいいかと。
ヨザック:<竪琴>で、超音波みたいなものを出して…あー、後一枚あれば貸して欲しいかもー…
リーン:<青>の小枝が使えますよ。
ヨザック:あ、<青>もあったんだ。
オウサマ:<三角>もあるよ。
リーン:だから『吸収』できないかなぁ、と。
ヨザック:吸収?
リーン:結界を。
ヨザック:ほーふむふむ。
GM:なにやら初めての魔法で悩んでる人達ですが、オウサマは結局、肉弾戦フィッシャーに成り下がるんですか?
オウサマ:え(笑)?
リーン:これが、<青>の解釈で…
ヨザック:ほぅほぅ…
オウサマ:……ついに禁断の武器、ラッパを取り出した(笑)。(編注:一話のミシュリのブーメラン同様、オウサマの精霊付家宝です)
GM:あぁ、今頃おもむろに(笑)。なんかしたいんやったら、それに誓い立ててくれていいですよ。
オウサマ:誓いといいますと?
GM:そのラッパの精霊に誓いを立てるんです。(と、机の上に散らばっていた『誓いのメモ』を渡す)
オウサマ:ちょっと……勉強してます。
GM:はい、してて下さい。ラッパの精霊の名前も考えてて下さい。
リーン:ふーむぅ…
ミシュリ:<緑>の『精神に』、<混じり合う色>で『混沌を与えてかき乱し』、<竪琴>を逆にして『言葉を失わせてしまう』魔法。
GM:それは噴水の側で詠唱を続けるシアンを狙った呪文みたいやけど、目の前の魔法の障壁を越えてその呪文が効くかどうか、微妙ですね。
ミシュリ:あぁ、そうか。
ヨザック:えー<竪琴>を『弦』と考えていいんでしょうか?
GM:はいはい。
ヨザック:その<竪琴>を逆にして、<青>で吸収?
GM:はぁ? なんかよく分かりませんが、困ってるようなので、全員ちょっと霊感20で振ってもらえますか。
ヨザック:はーい。(ガシャン)……
リーン:(ガシャン)……あらら、失敗。
ミシュリ:(ガシャン)……
GM:えー、成功した人は、その行く手を遮る魔法の障壁が、こういったイメージで形作られてるのに気づきます。(と、ランダムでマジックカードを引く)……<馬>、<鳥>、<犬>です。
ヨザック:それらは正位置ですか?
GM:全て逆位置。<犬>は嫌悪。邪魔者を払いのけようとする排斥の力。<馬>も同じ。障壁の弾くぞといった荒々しく暴れる力。そして<鳥>は、そういった嫌悪の対象を、別の場所へ飛ばそうとする力。これらのイメージに何かを加えたり捻ったりして、その障壁の要素を変えて突破するってのが、<調律>魔法なんですけど。
ヨザック:あぁーそういうことなんですか。
GM:「おぬしらならできると思うんじゃがのぅ」と、ペロ爺さんも言ってる。
ヨザック:(イメージ解釈表を見ながら)<馬>と<犬>と<鳥>……
GM:ところで、ラッパの方はいけました? ラッパの誓いは?
オウサマ:ラッパの誓いは……
GM:(『誓いメモにある』)「〜」は、固有名詞が入らないとダメですよ。
オウサマ:はい。んー……
リーン:<花>は『散る』でもいいんですか?
GM:逆位置でなら。ちょっとみんな考え中みたいなんで、三分程待ちましょうか。

 と、テープ停止。そして三分後……

リーン:(魔法)いきたいんですけど。霊感7なんです(笑)。
GM:有り余る潜在力使ったら(笑)?(編注:リーンさんの潜在力、91もあったりしてます)
リーン:えっ? MPにも使えるんですか?
GM:どんな行動にでもつぎ込めます。
リーン:MPいらないから使っちゃえーっ。
GM:達成値目がけてロールする前に、使う潜在力を言うだけでいけます。
リーン:って、達成値いくらなの?
GM:力源1枚、象徴2枚の呪文なら20ですが、使うカードは?
リーン:<緑>と<花輪>と<蝶>。
ミシュリ:(リーンの手元にない)<緑>のカードって?
リーン:自分が<緑>なんです(笑)。それで『障壁を散らして飛ばす呪文』を。
GM:了解。難易度は20。そこから潜在力とかMP使って、好きなだけ下げれます。
リーン:はい。
GM:MPは最低1点は使って欲しいから、正確には今の難易度は19ですね。
リーン:じゃあMPからもう少し使います。
GM:え? 潜在力は使わないんですか?
リーン:使わない……方がいいですよね?
GM:91もあるんやし、ここぞ、という時は使った方がいいかと。
ヨザック:メチャメチャあるやん(笑)。
リーン:あー、でもMPもあるから。
GM:あと触媒とかは?
リーン:触媒は……自分。ダメ?
GM:それはちょっと……魔力源も自分やし。
ミシュリ:何でも持ってる物でもいいですよ。
リーン:手持ちの物……
オウサマ:(リーンのキャラシートを覗き込み)腕輪。
リーン:腕輪。はい。(編注:リーンさんの家宝)
GM:うん。それなら2点。精霊『ギリル』入りの腕輪やったね。
リーン:はい。『キリル』です。で、MPを……9点。
GM:9点も使うんですか?
リーン:うん。失敗したら嫌だし。
オウサマ:儂も『鰯鎖』なんぞに10点も使ったし。
ミシュリ:けっこうゴツイ魔法だったんですね(笑)。
リーン:(ガシャン)……成功。
ヨザック:(リーンのダイス目を見て)MP使っといて良かったですね(笑)。
リーン:はい(笑)。


 
 
 

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