▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/03

←return   →next

































■ scene 03
〜時間差ツッ込みと、女装問題〜

GM:さて、ユルセルーム大陸東の国、ファライゾン南の町、メディリオノリル中央の噴水広場の側にある、その麗しのアムール亭から話を始めます。君達はその一階の酒場で、早速盛り上がっています。時は一週間程続く収穫祭のまっただ中。麗しのアムール亭での昼食時。丘小人がメニューを訊いて回っています。旦那ーっ…じゃなくて、「王子ーっ、今日は何にしますかーっ?」
ハックル:「私は山菜がいい」
GM:「はい。どんな山菜にします?」
ハックル:「一番おいしいのは山芋だな」
GM:「『山芋の山菜』と。他の皆さんは何にしましょう?」
ピノ:「『海草のサラダ』でも頂けるかしら」
GM:そちらの日陰…じゃなくて…
一同:(笑)。
GM:「モノユニさんは何にするんですか?」
モノユニ:「あ、『暖かいスープ』でも貰えれば、それで充分です」
GM:「わかりました。いつもと同じ注文ですね。セシルさんは?」
セシル:「うーん、私は『豆のスープ』と、『秋野菜の炒め物』などを」
ピノ:あ、時期的にも収穫祭やねんね。
GM:「わかりました」と、それぞれの注文をきいたコックのクコは、小走りで厨房へ向かいます。収穫祭ということもあって、麗しのアムール亭も昼から繁盛してるみたい。客も結構いてる……かどうか、ダイスで決めてみます。(ガシャン)……25人ほどで、結構賑わっています。
ハックル:うむ、25人もいるのか。
モノユニ:アムール王国全国民の1/4(笑)。

   (一同爆笑)

ピノ:あら? 『人口百万人』と勘違いしてたんじゃなかったっけ(笑)?
GM:はい。テーブルには、君ら四人の他に、歌うたいのユイランって娘さんもいて、楽しげに君らに話しかけてくる。まぁ、何日か前から顔見知りだったということで。
「…で、『リミンの瞳』って言うのよ、その優勝商品って」
ピノ:「え? 優勝商品って?」
GM:「あれ? みんなまだ聞いてないの?」
セシル:「あぁー、確かそんな名前だったね」(編注:セシルはもとより、一同に詳細は話していません。即興で話を合わせてくる辺り、クールで上級者な対応です)
GM:ユイランが話すには、なにやら三日後くらいに、『第二回歌姫コンテスト』なる催し物が行われるとのこと。
ピノ:第二回? 「えっ? その歌姫コンテストに優勝したら、何か貰えるんですの?」
GM:「そうそう。その優勝商品が、『リミンの瞳』って言うらしいの。何せそれは…」と、ユイランがあれこれ話そうとしてると、そのテーブルにもう一人、雪精(シレリ)のスカイニットという娘さんもやってきます。
ピノ:あぁーはいはい。(編注:今回の参加者にも、前知識として、以前のFINでのセッションに簡単に目を通してもらっていました。スカイニットは、FINでのローズリプレイ第一回目のプレイヤさんでした)
GM:「早速その話してるの。あたしも混ぜてよ。なにせそのコンテストの司会を、またやることになってね」とか言って、同じく席に着きます。「『リミンの瞳』って言うのは、青色のとても綺麗な宝石でね。町の町長自ら、首にブラ下げて自慢してたわ」
ピノ:「まぁ、素敵ですわ! 是非それをゲットして、王子に差し上げなくてわっ」(笑)。
ハックル:「ほほぅ。なかなか楽しげな催しもあるものだな」
GM:「王子の国には、そんな催しはやってないの?」と、ユイランが興味津々で尋ねてくる。
モノユニ:(諜報活動が出来て、とても嬉しそうに)興味津々で聞いてます(笑)。
一同:(笑)。
ハックル:「まぁ、私の国でもそれぞれの国民が、歌だとか楽器だとかで、互いの腕を競い合っておる。優秀な者には勿論景品も与えておる」
ピノ:「素晴らしい行事ですわっ、王子っ」
ハックル:「感謝祭では当然の行事だな」
GM:今回のこの町での歌姫コンテストは、収穫祭とは別件やったりします。実はつい二三週間前、この町に大きな地震があって、中央噴水広場が壊れてたんです。で、それを作り直したということで、その新しい噴水広場の完成記念みたいな感じで、コンテストが行われるとのこと。歌姫コンテストと併せて出店コンテストもあったり。そんな話も既に町中に広まっていて、娘さん達はこぞって参加しようとしてるみたい。
ピノ:「じゃあ、荒波で培われた私のこの声量も、ご覧にいれて差し上げますわっ」(編注:以下、ピノ嬢の台詞内「私」は、普通の「ワタシ」ではなく、お上品に「ワタクシ」と発音されています)
GM:あ、それからその歌姫コンテストっていうのは、第一回目の名前を引き継いだだけみたいなところもあるので、歌に自信のある人なら、男女を問うこともないみたい。男の人も参加可能です。「でも一応、女装はしないといけないみたいだけどね」と、ユイランはニヤリと笑う。
ピノ:セシルさん、容貌はどんな感じなんですか? 割と綺麗?
ハックル:(隣のセシルのシートを覗き込み)『美麗8』ですね。
ピノ:8か。
GM:そこそこ美形。カツラでも被せるか髪型変えれば充分参加可能かと。
モノユニ:ということは、『美麗11』もある私は(笑)?
ピノ:参加決定(笑)。
セシル:「いや、私は別に……」(笑)。(←女装を嫌がる司祭様)
ピノ:「何を言っておりますのっ。ここは王子の為に皆で商品をゲットするのが、私達の仕事でしょっ!」(笑)。
セシル:「と言っても、私は女装など……」(笑)。
モノユニ:国力増強国力増強(笑)。
一同:(笑)。
GM:いや、まぁ、全員が無理に参加する必要もないんですけどね。出店の方に出るとか、単に客になるとか、他に色々やりたいこともあると思うし。とりあえず参加すると、歌合戦とかもあってそれはそれでおもしろいことになるでしょう、ということで。
ハックル:「ふむ。私にも歌のたしなみがあれば、参加できるのになぁ」
GM:とか言って、王子は皆をちょっと羨ましそうに見てる。でも司祭様は出るつもりはない、と。
セシル:うむ。
ピノ:じゃあ、「そうなの、司祭も色々大変なんですね」って。
セシル:「うむ。これから色々忙しくなるからねぇ」
GM:って、どう忙しくなるんですか?
ピノ:「私と王子の婚礼で」(笑)……違うよな。かなり違うって(笑)。(←『……』の間に誰もフォローが入らなかったので、照れながらの一人ボケ、一人ツッ込み)
モノユニ:肩をすくめてみんなの顔を見回す(笑)。(←時間差ツッ込み)
セシル:そんなギャグは聞き飽きたって感じで(笑)。
ピノ:「えーっ、なんですのその目わぁっ!」(笑)。
モノユニ:「はいはい。ではピノさん、是非結婚を」 そして王子の弱みを握ろう(笑)。
GM:ちなみにその歌コンで優勝した人には、優勝商品の『リミンの瞳』の他に、噴水中央に飾られる石像のモデル権を獲得することも出来ます。
ピノ:「あぁーっ、それはもう、私にやれと言ってるものですわ」(←石像に最適な人魚故)
ハックル:「確かにピノがモデルになると、なかなか絵になるな」
ピノ:「ですわよねーっ、キャーッv 王子に褒められちゃいましたわーっ!!」 ベシベシッ。(←興奮して机だかなんだかを叩く効果音。以下Sound Effectと略します)
モノユニ:(笑)。
セシル:「王子。そういう心にもない台詞を言うものではありません」

   (一同爆笑)

ハックル:「なんだ? 私は素直に語っただけだぞ」(笑)。
ピノ:「そうですわっ。王子は素直に言ってくれただけですわっ」 ペシッ。(←セシル叩きSE)
セシル:「……これだからお子さまは……」(笑)。
ピノ:(ニヒルに呆れるセシルの物言いに)わぁー、ナルシスト司祭様(笑)。
GM:あと副賞に金貨100枚。町長直々に贈呈されます。
モノユニ:「王子っ。ここはやはり国力増強も兼ねて、金貨100枚もゲットすべきですよ」
ハックル:「うーむ。そうだなー」
GM:では皆さん。ここでちょっと、知力でリアルロール15以上ふってもらえますか?(編注:『リアルロール』とは、ローズの基本的なダイスの転がし方。10面ダイスを2個転がしたものに、各自の能力値やら技能やらを足して、目標値以上を出せば、その行為が成功したとみなされます。一般行為以外の戦闘や魔法、ほぼ全ての行為で適用される最重要ルール……ってか、ローズに関してルールと呼べそうなものは、これ以外にないような気もしています)
ピノ:15か……
GM:あ、ピノさんは、11以上でも結構です。(編注:実はこのピノさん。このGMが知る限り、『地上で活動する人魚』という種族特性も相まって、最も低能力なキャラだったりします。この後、達成値関係で、色々苦労させられることになります。特に妖精族なモノユニや司祭様が、かなりの高能力キャラだった為、達成値のバランスには非常に困ることになりました。今回は『リミンの瞳』に関する知力判定で、海にゆかりがあるという理由で、ピノのみ、難易度を低くしました)
ピノ:知力で?
GM:うん。2D10振って、能力足しておしまい。
セシル:19でーす。
モノユニ:2D10に……能力?
GM:うん。
ピノ:(ガシャン)……18。
モノユニ:23。
ハックル:22。
GM:みんな出てますね。するとその『リミンの瞳』という名前を聞いて、少し思い当たることがありました。リミンといえば、大陸の西に昔栄えた国、アウロンという王国の…
ピノ:あ。私が捕まったところやん(笑)。
GM:そんなとこで捕まってたんですか(笑)。美しい浜辺の国なんですけど。その国に千年近く前、アウル=アエンダっていう海の妖精達による王国が栄えてたんです。リミンってのは、その王国の最後の妖精王と呼ばれてる人物の名前でもあることを、思い出したりします。
セシル:そうそう。(←GMよりローズに詳しい司祭様)
ハックル:信仰にもあったし。女性格かな。(←GMよりローズに詳しい王子)
GM:町長からそれを直に見せてもらったスカイニットによると、「それは青い宝石がとても印象的な首飾りだったわ。おまけにそれを身につければ、更に美しい歌声を得られるって噂もあるのよ」…とのこと。
ピノ:ほーっ。
GM:「実際にあたしが身につけてみたわけじゃないから、ホントのところはわからないけど。確かに何か、町長の声にも張りがあったような気もするわね」
ピノ:へーっ(笑)。
GM:「だから、コンテストであれをゲットすれば、ますますいい歌が歌えるようになるかもね。歌うたいにとっては、目が放せないと思うんだけど。ピノはかなり乗り気ね」
ピノ:「勿論ですわよーっ。海の宝石と聞いては、黙ってはいられませんわっ」
GM:ユイランも言う。「セシルは結局出ないの? 女装、結構似合うと思うけど」
セシル:(笑)。「そんな、わざわざ女装してまで出る必要もないでしょう」
GM:「そうなの? じゃあモノユニは?」
モノユニ:「え?……国力増強?」 じゃあ僕は王子に近づいて耳打ちなど。「王子、ここはやはりペット…いやいや、アムール王国の宝物庫にその首飾りを是非ともっ」と、そそのかす(笑)。
ハックル:「いやいや、それはやはり、優勝して正式に受け取った者の物であろう」
モノユニ:「いやいや、しかしやはり、ここはアムール…じゃなくてペット…あれ、どっちだ(笑)、まぁいいや…とにかく王国の為に」(笑)。
ピノ:「何をモゴモゴ言ってますの? あなたも女装すればいいだけのこと。なかなか綺麗になれそうですわ」
GM:まぁ妖精族ですしね。
ピノ:(女装歴により)そして更に日陰者の道を歩む、と(笑)。
モノユニ:(信じられないというように)「……舞台の上ですよ」(笑)。
ピノ:「バレなければ問題ありませんわっ」(笑)。
モノユニ:「ダメですよ。そんな陽の当たる所なんて」

   (一同爆笑)

GM:なにやら言い合いになってきましたね。二人とも、魅力値使って交渉してみる?


 
 
 

▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/03

←return   →next