■ scene 08
〜王子の歩み寄りでようやく始まる本編と、成り行きで司祭を挫き友情を育む三人〜
GM:とかなんとか話ながらも、松葉通りを過ぎて、教会区へ向かおうと町の噴水広場に出てきた時、そこで一人の娘さんが目に止まります。周りの人達に、なにやら必死の面もちで話しかけてるので、ちょっと気になる。「うちのお爺ちゃん、お爺ちゃん見ませんでしたかっ!?」とか、叫ぶような感だったり。
ハックル:「そこな少女、一体どうしたのだ?」
GM:「お爺ちゃん、みんなっ、どこいったのーっ!」と、近づく王子にも気づかない様子で、大声で広場中を見渡してる。ちょっと半狂乱って感じですね。
ピノ:あらら。
ハックル:爺さんがいないのか。
GM:辺りをキョロキョロしながら歩き回り叫んでたんやけど、王子の背の低さで気づかなかったんでしょう、その娘さんは、見事に王子に躓いて転んでしまいます。
ピノ:あたた。
ハックル:なら、助け起こしてあげよう。
GM:その娘さんは、徹夜とかしてかなり一生懸命探してたみたい。結構やつれてるようでもあるけど、それが更に彼女の美しさに拍車をかけている感じです。
ピノ:あたしなんてどーなるんだろう(笑)。(←徹夜で歌ってる?)
GM:その人を見た人は、美麗で抵抗ロール、28以上で振ってもらえますか?(編注:いきなり難易度が上がっています。これは明らかに、本編導入上、重要イベントであることを示唆していたりします)
ピノ:28って凄い綺麗なんね。(ガシャン)……無理です。
ハックル:無理無理。
モノユニ:28?……無理。
セシル:ゾロ目。
GM:(幸運)状況は?
セシル:幸運な状況に当たると思うんですけど……『処女が近くにいる』……
GM:倒れてるその娘さんは多分処女でしょう。ということで、司祭様はめちゃラッキーです。
ピノ:あたしも処女だと思う(笑)。
セシル:なにせ不運な状況が『アンデッドが近くにいる』ですから(笑)。
GM:とりあえず28以上で抵抗できなかった人達は、その娘さんの美しさにコロリとやられて、「是非とも私が力になってあげなければっ」とかいう気持ちがムクムク湧き上がってきます。
ピノ:ややっ、なんて可哀想な人なのっ(笑)。
GM:で、幸運成功したセシルはどうしましょう? そんな娘はほっといて、とりあえず今はピッケを裁きたいって気持ちになるんか。それとも、その娘さんは、ほってはおけないなって気持ちになるんか。好きな方を選んで下さい。
セシル:とりあえずその…
ピノ:って、あ。私はピッケに捕まれたままなんですよね?
GM:まぁそうかな。
ピノ:で、そのピッケの美麗判定は?
GM:ピッケの美麗判定? やるんですか(笑)? (ガシャン)……
ピノ:「ね、ピッケ。私はあの子を助けないといけないのよっ」
GM:「あっ、俺も今そう思ってたんだ! 娘さんっ、大丈夫かっ!」(←抵抗失敗)
(一同爆笑)
セシル:周りを見渡して、「これは……みんなの意見が一致しているようだな」 そして私が一番冷静なようなので、代表して尋ねてみよう。「お嬢さん、どうされました?」
GM:とりあえず、マジックカード2枚引いて下さい。
セシル:2枚……っと。
GM:あと、この中から、<緑>のカードも1枚取って置いて下さい。(とカードの束を渡す)
セシル:はい。
GM:あ、全部表向けてもらっていいですよ。その倒れてる娘さんに近寄った時、セシルには、今引いたそれら3枚のカードのイメージが、娘さんの周りに漂っているのを目撃します。明らかに霊的なイメージとして、閃いた、と。
ピノ:(セシルのカードを覗き込み)<三角>、<蝶>、<緑>か。
セシル:……
GM:その娘さんの方は、よっぽど疲れてたんでしょう。転んだ拍子に、ちょっと気も失ったみたい。ぐったりしています。
ハックル:「名前も聞けなかったではないか」
セシル:「仕方ありませんな。ここは…」
ハックル:「どこかで介抱してやらねばならぬな」
GM:ピッケも言う。「おい、俺達のことよりまず、この娘さんをなんとかしてやろーぜ」
セシル:「そうだな。懸案も増えたことだし、この際、介抱も含めて、みんなで神殿へ行こうか」
ハックル:「よし」
ピノ:結局神殿行き(笑)。
モノユニ:結局陽の当たる場所か(笑)。
セシル:ということで、娘さんを抱えて…
ハックル:あ、それは体力10の私がいいかも。
ピノ:さすが王子っ。ちょっと羨ましい。王子に抱えられたいっ(笑)。
セシル:背丈が合っていないでしょう。
モノユニ:僕、体力1(笑)。
セシル:そんなことを言いながら、神殿へ行きましょう。
GM:はい。では神殿に到着。結局日陰者のモノユニもついて来てるん? ステンドグラスから明るい光の差し込む昼の神殿に(笑)。
モノユニ:柱の影に隠れる。日陰を助け、エリートを挫く。この俺様っ(笑)。
GM:「まぁ、セシル。一体どうしたの?」と、この町のメディート神殿の司祭、エミリアがやって来ます。
セシル:「いや。ちょっとした揉め事とね。このお嬢さんが、なにやら身内の方を探しておられるようなんだ」
GM:「あら、そうなの。とりあえずその方、介抱してあげた方がいいわね」
セシル:「そう思って連れてきたんです」
GM:と、セシルの抱える娘さんに近づいたエミリアは、何かに気づいたように、小首を傾げる。「あらっ? この人、リーンさんじゃないかしら」
セシル:「ほぉ」
ピノ:あぁ、それで(笑)。お爺ちゃん何処行ったんだろ(笑)。(編注:リプレイ『クコ、食材になる』辺りを読んで頂ければ、この『お爺ちゃん』が推定できたりします)
セシル:「この方をご存知なのかね?」
GM:「ええ。この方は、かずら通りのヨザック長屋の隣で、診療所を開いているリーン先生よ。いつも町中でお爺さん達を探し回ったりしているわ」
ピノ:「それは大変ですわね」
モノユニ:「なんと。この人、医者(←エリート)かよ」
GM:「とうとう倒れちゃうくらい、働きすぎたのね。神にお祈りしましょう。この方に束の間の安らぎのあらんことを」
ピノ:「お爺さん達、何処へ行かれたのでしょう」 リーンさん、気づきそう?
GM:うーん、まだぐったりしてるかな。
セシル:とりあえず少し休ませよう。「静かにできるところを貸してもらうよ」
GM:「ええ、それは構わないわ。でもリーン先生の所は診療所だから、直接そちらの方で診てもらってもいいんじゃないかしら? 確かエリナさんっていう若い助手さんもいたと思うから」
セシル:「そうだな。ではエミリア。ちょっと道案内頼めるかな。私はまだこの町には詳しくないから」
GM:「ええ。じゃあ今は丁度参拝者もいないから、一緒に行きますか」
セシル:「あー、そうだそうだ。あと、そこな御仁がちっょと…」
GM:え? ピッケのこと? 「なんだよっ、俺は今、娘さんの看病に忙しいんだっ」
一同:(笑)。
セシル:「あー」
GM:「娘さんの介抱がまず第一だろっ。さっきから黙って聞いていれば、好き勝手言いやがって。あんた、公の場で人の道を説くとか言っておいて、結局小言を言いたいだけなんじゃないのかっ?」
モノユニ:「そうだそうだっ」(笑)。
ピノ:私も娘さんが心配なので。「ピッケもいいこと言うじゃない」(笑)。
GM:「だろ?……ってピノ、なんでお前が俺の肩持つんだよっ」 では、こちらの三人でセシルに抵抗ロールでもしてみる?
セシル:「その、なんだ。ピッケ君はこちらのお嬢さんの件とはあまり関係なさそうなので、こちらの神殿に置いておく、と」
ピノ:「関係あるないの問題ではありませんわっ。人助けに国境などありませんのよっ」
モノユニ:「そうだそうだっ。エリート挫けっ」(笑)。
セシル:人助けと聞くと、少し弱い(笑)。
GM:「そうだぜ司祭さんよっ。元海賊の俺だって、人の心は失っちゃいないんだっ」 とりゃっ、(ガシャン)……6、8足して……24。度胸24以上で、ピッケの言い分を無視できます。
セシル:カシャカシャ……(←ダイスに念力注入中)
ハックル:(隣のシートを覗き込み)司祭、度胸も高いよ。
ピノ:マジ?
セシル:(ガシャン)……あ、無理。
GM:ピッケの件は後回しだなって気になってくる。
セシル:「仕方あるまい」(笑)。
GM:他の人はそこにダメ押しできます。(ダイス構え始めた人達に)……あぁ、別に振らなくてもいいですよ。語るだけでセシルは言うことをきいてくれそうです。モノユニはエリートを挫けます(笑)。
モノユニ:(笑)。
ピノ:じゃあダメ押し(笑)。「彼が海賊だったのは、もう昔の話ですわっ」
セシル:「まぁ、絡まれたピノ本人が言うのなら、仕方あるまい。じゃあ行くか」
モノユニ:「見ろよ、あのエリートの悔しそうな顔。やったなっ。ピッケ」(笑)。
GM:「まぁな、旦那っ。俺だってやる時はやるんだ。ただの古着屋じゃねぇんだぜっ」
ピノ:「ピッケ、見直しましたわっ」 ガシッ。(←肩を叩くSE?)
GM:「だろーっ?」
モノユニ:「今度地味な服買いに行くぜっ」(笑)。
セシル:「ふーむ。なにやら私を通して、妙な友情が芽生えたようだな」(笑)。
ハックル:なんだかよくわからん内に(笑)。
セシル:「これはこれで、懸案の一つが無事解決した気がしないでもないが。王子、どう思われる?」
ハックル:「さすが司祭殿。素晴らしい腕前だ」
ピノ:「あれが人徳というものなのね。勉強になりますわーっ」
モノユニ:「負け惜しみ負け惜しみ」(笑)。
セシル:「さて。ではその、リーンさんの診療所へと向かいますか」
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