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■『ヨザック、消える』/09

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■ scene 09
〜熱い人選論議と、寒い調査結果〜

GM:さて、噴水広場から北東に延びるかずら通りにある、ヨザック長屋隣のリーン診療所につきました。「先生っ、リーン先生っ!」と、二十歳前の娘さんが駆け寄ってきます。彼女は診療所で助手を務めるエリナっていう女の子です。「何がっ、何があったんですかっ!?」
セシル:「なにやら身内の方を探されていて……」
ハックル:「爺さん爺さんと呼んでおられた」
GM:「あぁ、それはヨザックさん達のことですね。あのお爺ちゃん達、やっぱりまた先生を困らせたのねっ」
ピノ:あぁー、『達』(笑)。
ハックル:『達』なん?
ピノ:「『あのお爺ちゃん達』って、一人ではありませんのね?」
GM:そうですね。エリナは少し落ち着きを取り戻してから、話し始める。それによると、今朝からこの診療所隣の長屋の大家ヨザックさんと、そのヨザック爺さんが町中から集めてきた身寄りのない子供達がいなくなったそうな。「それでリーンさん、今朝から必死になって探してたんですけど……」
セシル:「ほぅ……」
ハックル:「しかし、それ程大人数なら、すぐ見つかるであろうに」
GM:いなくなった子供達を具体的に言うと、『デリス8才、シィ2才、マギー10才、サブリナ8才』の4人。その他の長屋の子供、『クレイ16才』だけは無事だったみたい。エリナが不思議そうに言う。「私てっきり、ヨザックさんが子供達を連れて、朝の薬草摘みに出かけたものだとばかり思ってたんですけど。そうリーンさんに言ったんですけど、先生は心配性だから。結局、診療所を私に任せて、朝から町中を走り回ってたんです」
モノユニ:「あんたが眩しかったんじゃないのか?」(笑)。
GM:それは違うと思う(笑)。
ピノ:子供達もか……
モノユニ:勝手に想像してる(笑)。
ピノ:「それは是非とも見つけてあげなくてはなりませんわ」
GM:「えっ? 先生の代わりに探してもらえるんですか?」
ピノ:「何か心当たりはありませんの?」
GM:「心当たりと言われても……何せヨザックさんは、身よりのない子供達を探して、いつも町中を徘徊してるような人ですから……」
セシル:「ほぅ……」
ハックル:「ということはその爺さん、子供達が集まるような場所におる、ということではないか?」
GM:「そうかもしれません」……えーこっちで『徘徊老人噂表』というものを作ってますので、その辺は町に出た時にでも色々聞き込みしてみて下さい。
ピノ:はい。じゃあ早速、町に出てみます?
モノユニ:「王子。僕は思うんですけどね。やっぱ歌コンテストとかより、人助けの方が大切だと思うんですよ」(←つまり出たくない)
ハックル:「コンテストまでには、まだ時間もあろう」
モノユニ:「えっ?」(笑)。
ハックル:「あれは三日後だったな」
GM:全員、感覚で20以上振ってもらえますか?
ピノ:きついなー……(ガシャン)……
モノユニ:(ガシャン)……やったー、28。
ピノ:えっと……17の……21。
ハックル:20、ジャスト。
セシル:成功。
GM:みんな成功? では、モノユニと王子がコンテストの話をしてる最中、エリナは横になったリーンの介抱をしてたんやけど、なにやらうれしそうに鼻歌など歌ってる。で、そのメロディーが、君らが酒場でユイランから聞かされた、例の月夜の曲に似てたりもすることに気づく。
ピノ:ごめんなさい。勘違いなので気づきません(笑)。
GM:あぁ。噂になってるのは自分やと思ってるねんね。
ハックル:ごめんなさい。ピノだと思ってます(笑)。
ピノ:あぁ、王子。うれしー(笑)。
セシル:かなり気づいてますね。
モノユニ:ごめんなさい、僕、興味ないんで(笑)。コンテストに絡むのも嫌なんで、人助け人助け。陽の当たる所は嫌だ。
GM:ではそのことに気づいたのは、司祭様だけ、と。で、それはさておき、人捜しの方はどうしましょう? 全員の意見をとりあえず、王子が纏めて下さい。(編注:以下の会話。ごく普通のセッションでは、キャラの台詞ではなく、プレイヤーの意見を言い合う場面になるはずなのですが、今回の四人は、ノリノリのTRPG上級者ばかりだった為、ごく自然に台詞で掛け合ってます。皆さん、何気にかなり凄いことやってます)
ピノ:「ではとりあえず外に出てみます?」
ハックル:「うむ。探しに出よう」
モノユニ:「たっぷり時間をかけて、しっかり探しましょう」
ハックル:「ここはやはり、手分けして探した方が早いと思うんだな」
モノユニ:「王子っ、それは危ない。危険がいつ、王子を襲うかわからない。私は王子について行きますよ」
ピノ:「では二人ずつに分かれて探してみてはどうかしら?」
ハックル:「うむ。そうだな……」
モノユニ:「いいのかい? 王子と離れて」(笑)。
ピノ:「何を言ってますの! 王子といるのは私ですわっ! あなたには司祭様がいるじゃありませんかっ」(笑)。
モノユニ:(余裕なさげに)「クアッ! 司祭、マブシイッ!!」(笑)。
セシル:(余裕たっぷりに)「どうされました? モノユニ君?」(笑)。
ピノ:うわー、ピカーッ。後光光ってる(笑)。
モノユニ:慌てて王子の後ろに隠れる。
ピノ:王子、モテモテ(笑)。
ハックル:「どうした? モノユニ」
モノユニ:「さっ、王子。早く行きましょう」
GM:結局、二手に分かれるんですか? 王子、モノユニ。司祭、ピノで?
ピノ:「それで、一日おきに、このリーンさんの診療所に集まる時間とか、決めておけばよろしいんでなくて?」
モノユニ:「単独行動もいいかもね」
ピノ:「モノユニ、逃げる気?」(笑)。
GM:あー、四人バラバラはマスタ的に処理が面倒なので、手分けして探すのなら、二人組くらいにしておいて下さいな。
ピノ:じゃあ全員纏めて行きますか?
GM:いやいや。そこまで遠慮する必要はないですよ。組み合わせはさておき、さっきの二人組案でいいんじゃないですか? セシル辺りが組み合わせを発表してやれば、その場は丸く収まるのでは?
ピノ:「たとえ王子と離れることになっても、その別々の時が私の愛を更に深く…」とか(笑)。
セシル:そこ、自分に酔わない(笑)。「さて、モノユニ君。君も早く、リーンさんを安心させたいでしょう?」
モノユニ:(GMに)…って、僕が抵抗失敗したその人、倒れてた人ですよね?
GM:そやね。
モノユニ:「そ、それは助けないと」(笑)。
GM:速っ(笑)。
モノユニ:既に魅了されてますから。
GM:では二手に分かれて捜索、と。
モノユニ:「では僕は王子と」
ピノ:「ん?」(笑)。グイッ、ドンッ(笑)。(←モノユニを引っ張り、突き飛ばしたSE?)
セシル:「仕方ありませんね。王子、ここはもう私と行きますか」
ピノ:「んんっ?」(笑)。
GM:何? また新しい組み合わせ?
セシル:「その方が意見が纏まりそうですしね」
ハックル:「では私はセシルと行くとするかっ」
ピノ:「おっ、王子っ」(笑)。
モノユニ:「セシルと行かなくていいのなら、僕はいいや」(笑)。
ピノ:「やはり離ればなれの時間が、二人の愛を更に育むのですわねっ」(笑)。
モノユニ:なんかこの人も、僕と同じ匂いがするなぁ(笑)。
GM:結局、セシルとハックル、モノユニとピノの組み合わせなん?
ピノ:うん。日向コンビと日陰コンビ(笑)。……いつの間にか私も日陰者(笑)?
GM:王子、それでいいんですか?
ハックル:うむ。
GM:では、かずら通りを飛び出し、老人と子供達の捜索を開始した日向コンビと日陰コンビ。とりあえず、それぞれ町中を歩き回って聞き込みをしてみたってことにでもします?
ハックル:うむ。
GM:では全員1D6。それぞれ耳にした噂をお聞かせします。
ハックル:(ガシャン)……2。
モノユニ:2。
ピノ:(ガシャン)……4。
セシル:……4。
GM:では王子とモノユニは、そのヨザック爺さんが、よく貧民街を中心に、「子供はいないかねー」と、身よりのない子供を捜して徘徊していたことを知ります。
モノユニ:怪しい爺さんやなー(笑)。
GM:それからピノとセシルは、酒場で聞き込み。そのヨザック爺さんはこの町の噴水広場の近くにある、『古めかしい学院』食堂で、いつも楽しく酔ってるよ、とかいう話を聞きます。
セシル:『古めかしい学院』食堂……
GM:タッパーにお土産を詰めて帰ったりもしてたり。
ピノ:エビフライ定食とか(笑)。
GM:えー聞き込みって……これで終わり?
ピノ:2と4ですから(笑)。
ハックル:同じや(笑)。

   (一同爆笑)

ピノ:あははっ(笑)。二組に分かれた意味がない(笑)。


 
 
 

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