▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/11

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■ scene 11
〜隠れん坊の長さで揉める人達と、不可解さを増す事件〜

ハックル:「うむ。ということは、あの老人達。今日はまだ、町を出ていないということなのかな」
GM:そうみたいですね。(編注:というか、出てません。古着屋やら門番やらといった即興イベントで妙に盛り上がり、微妙にシナリオ本編を逸れつつある為、マスタ、そろそろ軌道修正の必要を感じ始めています)
ピノ:「リーンさんは、何日くらいお爺さん達を捜していたんでしょう? 意識が戻るのを待ってみます?」
ハックル:「というより、助手の人に訊くのが早いな」
ピノ:「あ、エリナさん?」
ハックル:「うむ」 彼女に訊いてみよう。「リーンさんは、一体、いつ頃からお爺さん達を捜していたのかな?」
GM:「今朝の早い頃には、もう捜していました」
ハックル:「ということは、お爺さん達は早朝に出かけられたのかな?」
GM:「いなくなったんだから、そうだと思いますけど。多分、薬草を採りに行ってるだけなんじゃないですか?」(編注:行ってません) エリナさんはあまり興味なさそう。
ハックル:「薬草を採りに行くのに手頃な所はどこかな?」
GM:「町の外なら、南の森でも北の森でも。近場には色々ありますね」
ハックル:「いやいや。お爺さん達はいつも何処へ行っているのかと、訊いておる」
GM:「それならやはり、南の森でしょうか」
ピノ:「南の森か……」
GM:そんな風に王子の質問に受け答えしながら、エリナはリーンの看病を続けてる。歌などを口ずさみ、ちょっとうれしそうなんやけど、セシルはその歌がやはり、最近噂になってる夜のメロディーであることに気づく。そんなにみんなに知られてるのかな?、とか思ったり。(編注:実は、エリナにこの『夜のメロディー』に関して一言尋ねさえすれば、事態は一気に進展する仕組みになっているのですが……)
セシル:「ふむ……」(←余計なこと、考えてます)
ハックル:「倒れている人がいるというのに、鼻歌を歌うというのはどうかな、と私は思うのだが」(←伏線、はね除けてます)
GM:いや。どうやらエリナは、診療所でリーンと二人きりになれてる状況が嬉しいらしい。いつも邪魔しにくる爺さんもおらんしって感じ。
ピノ:あーあー(笑)。「ひょっとしたら私達、お邪魔かしら?」(笑)。
GM:ってか、もはや君らは眼中にないような(笑)。とりあえず各自意見を纏めて王子に報告してみて下さい。
ピノ:流行り歌についてはなんとなく知っててもいいのかな?
ハックル:門外には出てないような気もするな。
ピノ:じゃあまた、町中を捜す? 内から外へ、輪を広げるようにして。意外に近くにいるかも。
セシル:大体、孤児を集めるというのは教会の仕事なはずなんやけど。
GM:爺さんが横取りしてると(笑)?
セシル:うむ。その辺の情報とか集めたいな。教会側からすると、その老人はどう見なされてるの?
GM:かずら通りのヨザック爺さんは、まぁ、親切な老人、といった感じかな。結構役立ってることもあって、教会側からすると結構好意的みたい。ボランティアの老人って感じかな。
セシル:そういう話は知ってていいん?
GM:いいですよ。エミリアから聞いたってことにして。「ヨザックさん、いい人ですよー」とか。
セシル:ふむ……
モノユニ:陽がある所には影もあるんだ。
セシル:妬みや恨みには疎い人なんで、その辺は気にしてません。(←自分のこと)
モノユニ:妬み恨み得意だぜぇっ(笑)。(←自分のこと)
ピノ:得意って(笑)。妬み系?
モノユニ:(GMに)爺さん達がいなくなったのって、今朝のことなんですよね?
GM:うん。
ハックル:「これはもう少し、町の中を捜した方がいいと思うのだが」
セシル:「そうですね。まずお爺さんの家。隣の…」
GM:ヨザック長屋?
セシル:「ヨザック長屋。そこから調べてみましょうか。まず現場から当たってみる、と」
GM:ではこれを。(と、ヨザック長屋周辺の地図を卓上に置く)
ピノ:あ。現場はっけーん。
セシル:始まりも終わりも全て現場から、ということで。
ハックル:そうですな。
ピノ:(地図を見ながら)こんな風になってたんや。
GM:で、長屋を調べてみたのですが、部屋の一つ一つを見て回っても、特にめぼしい物はありませんでした。
ピノ:あら?
GM:感覚で23以上、出せます?
モノユニ:(ガシャン)……出ちゃったー、28。
セシル:23、ピッタリ。
ハックル:出ねー。
ピノ:だめー。
GM:では成功したモノユニとセシルは、長屋の下駄箱に、子供達の靴が揃っていることに気づきました。
セシル:全部ある、と。
GM:うん。ついでに言えば、ヨザック爺さんの靴もありました。
ピノ:え? それで部屋の方は? どうなってるん?
GM:特に荒れた感じとかはない、と。
セシル:つまり…
ピノ:靴だけあって、中身がない、ってこと?
セシル:そう。争った跡もないんやね?
GM:うん。
ピノ:ってことは、裸足で出ていった?
ハックル:「わかったぞ。これは隠れん坊をしているんだ」
ピノ:あはは(笑)。「そうでしたのー」
セシル:「王子。そういう突拍子もないことを言っては、リーンさんが可哀想ですよ」
ハックル:「そ、そうかなぁ」
ピノ:「えー。でも、子供とお爺さんなら、王子の言ってることにも一理ありますわ」
ハックル:「そうであろう、そうであろう」
セシル:「しかしその隠れん坊が、かれこれ……半日近く経っているですよ。その点はどう説明するんですか?」
モノユニ:「遊びすぎだー」(笑)。
ピノ:「一人だけ、どうしても見つからないんですわっ」
モノユニ:「実はリーンさんが『オニ』だとか」
ピノ:(笑)。
モノユニ:「みんなで大人げない遊びをしてるのさっ」
セシル:「ほぉー……」
GM:とかいう話、今何処でしてるのかな?
ハックル:長屋の玄関かな。
GM:そうですか。では長屋の方では、ヨザック爺さんの妻のフローラさんが、いつも通り台所で料理とか作ってます。玄関なら、包丁で野菜などを切ってる音とかも聞こえてきます。
ピノ:あ。その様子は窓から見えます?
GM:長屋の中をズカズカ入っていってもいいかと。
セシル:え? フローラさんはいるの?
GM:はい。います。
セシル:では、そのフローラさんにもちょっと訊かないと。「ちょっとお婆さん」
GM:「はぁ、なんですか?」 ニコリと笑う、ちょっと笑顔がチャーミングなお婆さん。
セシル:「お爺さんと子供達が、今朝から見あたらないのですが」
GM:「あぁ。お爺さん達なら、また遊びに行ってるんじゃありませんか? いつものことですよ」
セシル:「ところが…」
ハックル:「靴は置いてあるんですよ」
セシル:「玄関の靴箱に」
GM:「はぁー。たまには裸足で出ていきたいこともあるんじゃないですかねー。あの人も子供達も随分変わっていますから」
ピノ:変わってる(笑)。「じゃ、ちょっとこの長屋の人達にお話を訊いて回ってもよろしいかしら?」
GM:「ええ。それは構いませんよ」 でもこの長屋の店子の釣り人のオウサマとか、詩人のミシュリとかは、今は居ませんね。出かけてるみたい。
ピノ:ありゃりゃ。
GM:ミシュリ辺りは、三日後の歌コンテストの練習とかしてるんじゃないでしょうか。多分、噴水広場で歌ってると思います。オウサマは釣りですね。町中で。人を釣ってる。
モノユニ:町中で人釣り!?
GM:うん。半妖精のボケ老人やから。といった感じで、今の長屋は、人がほとんど出払ってるみたい。
ハックル:「なにやら、大変なことになってる気がしてきたな」
モノユニ:「王子。奇遇ですね。私もそう思っていたところです」


 
 
 

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