▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/12

←return   →next











































































































































■ scene 12
〜とにかく壺を見てみようとする司祭と、いちいちくたびれた男の肩まで持つ日陰者〜

GM:そろそろ日も暮れてきて、ちょっとお腹も空いてきます。
セシル:「とりあえずリーンさんが目覚めないことには、詳しい事情や状況がよく掴めませんね」
ハックル:「そうだな」
セシル:「フローラさん。あなたは、問題ないと思われてるのですね?」
GM:「ええ。ところで、あなた方は、お爺さんのお友達ですか?」
ハックル:「いえいえ。噴水広場でリーンさんが倒れるのを見かけて」
GM:「あら、そんなことがあったんですか」
ハックル:「それで彼女がお爺さんを捜しているとのことで、我々が代わりに捜してあげようと思ってたんですが」
GM:「それはわざわざ。どうもありがとうございます。多分、すぐに帰ってくるんじゃないかと思うんですけど」
モノユニ:「すると、お爺さんはいつもこんな風に出歩いているんですか」
GM:「はぁ、そうですねぇ」
モノユニ:「ちなみにいつもは、何時頃に帰ってくるんですか?」
GM:「すぐに帰ってくることもあれば、遅い日もありますねぇ」
モノユニ:「一日開ける日もある?」
GM:「あ、それはあまりありませんねぇ」
ピノ:では今回みたいな日は珍しいのか。
GM:「お爺さん、今日は古めかしい学院食堂とかに行ってないんですか?」
ハックル:「我々も一応、昼過ぎには行ったのだが」
ピノ:「もう一度行ってみた方がいいかもしれませんわね」
ハックル:「ではそうするか」
GM:もう日陰、日向コンビはなしで?
ピノ:うん。出目一緒やったし(笑)。
ハックル:「皆で行ってみるとしよう」
セシル:「異論はありませんよ」
GM:では、夕方の古めかしい学院食堂に再び訪れた一行。でも祭りを見に来た旅人達とかで少し賑わってる他は、爺さん達はみつかりませんでした。
ピノ:あらら。食堂で情報とか訊けましたっけ?
GM:だいたい昼間と同じやと思いますが……そうですね……「あ、そういえば!」と、その食堂でも働いていた給仕のクコが爺さんに関する話を聞かせてくれる。「『ヨザック1063世』っていう壺が売られてたよ」
ピノ:「壺っ!?」
モノユニ:いきなり突拍子もない話(笑)。(編注:結局『夜のメロディー』の伏線には誰もかからなかった為、GMは急遽、もう一つの『壺』イベントを発動させてます)
ピノ:「それはどこで売られてたんですか?」
GM:「まつば通りの露天商、確か骨董品屋だったと思うよ」
ピノ:胡散臭い話ですわねー(笑)。
GM:「すごく変な壺だったから、気になってたんだ」
ピノ:「それはどんな方が売ってらしたのかしら?」
GM:「なんかねー。パッとしない男の人だったよ。くたびれたように肩とか落としてたっけ。溜め息ばっかりついちゃってさ」
ピノ:なんかちょっと、また遭遇の予感が(笑)。
モノユニ:(うれしそうに)くたびれた(笑)?
GM:あぁ、はいはい。モノユニは同族の匂いを嗅ぎつけ共感します(笑)。
モノユニ:「調べに行きましょう、王子。絶対何かありますよ」
ハックル:「名前が似てるってことか」
モノユニ:「え?」
ハックル:「だから『ヨザック』という名前の壺なのだろ?」
モノユニ:「あぁ、壺ね。そうそう。ヨザックさんに関わる何かがきっとあるはずです。いえ、決してその『くたびれてる』男に共感があるとか、そういうことではありません」
一同:(笑)。
ピノ:「とりあえず行ってみましょう」
GM:(リアル世界の一同に対し)ってことで、そろそろ昼ご飯にしましょう。買い出し、行って来て下さい。

 と、ここでセッション中断。
 公民館近くのコンビニでの買い出しを経て、リアル世界での昼食となりました。

モノユニ:デザート、よければ。
ピノ:あぁー、ありがとうございますー。わぁー、めっちゃ、懐かしー。
モノユニ:売ってたんで。
ピノ:ツナ揚げ。
セシル:ほんとは薄焼きサラダ味が欲しかったんやけど。
ピノ:みなさん、ありがとうございます。
モノユニ:あいよ。

 と、バリバリ食後の菓子など頬張りつつ。
 セッション再開。

GM:さて、どうしましょう?
ピノ:じゃああたしは王子に、「今日は一日歩き回ったので、足が疲れてしまいましたの。王子、私はここで、少し休ませて頂けませんか? ちょっと、歌姫コンテストの為の練習もしたいので。よろしいかしら?」と。
GM:クコの行ってた骨董品屋の露店に行く途中の話ですね。丁度噴水広場に出てきた所にでもしておきますか。
ピノ:はい。ちょっと陸を歩くようにはできていないので。(編注:ピノさん、どうも露天商の男を警戒されているようです。ピッケやポッケに似た人が現れるのでは、と。実はこの露天商は、GMが予め用意したNPCなので、ピノの過去の因縁とは、特に関係なかったりするのですが)
ハックル:「まぁ、歩きづめだからな」
ピノ:「申し訳ありません。本当はどこまでも、王子にお供したいんですけど」
モノユニ:「王子。人前に出るのは疲れるので、宿屋に帰りたいのですが。どうですか?」
ピノ:日陰コンビ、ダダこねてる(笑)。
GM:君達の目の前には丁度、麗しのアムール亭が(笑)。
モノユニ:いや、僕のは冗談なんですけどね。
GM:でも、ピノの目は笑っていないようです。
ピノ:だって、行ったら絶対、変な海賊とかおりそーな、そんな予感がするから。
モノユニ:だったら余計に会いに行かないと。同じ日陰友達同士(笑)。
ハックル:では行くんだな(笑)?
ピノ:えーっ(笑)。
モノユニ:日陰の為に。
ピノ:「わ、私は、王子を想って、ここで歌を歌っておりますわっ。無事に帰ってきて下さいまし」
ハックル:「いやいや(笑)。壺を見に行くだけであろう。何を怯えておる」
ピノ:だって怖いもん。海賊が。「王子も気を付けて下さいね」
GM:セシル的にはどうなんでしょう? 噴水広場でピノが、なにやらグズり始めてるんですが。
セシル:「まぁ、無理についてくることもないでしょう。しかし、とりあえず件の壺は見ておかないと」
ピノ:私が行くと、また司祭様の仕事が一つ増えてしまうし。
モノユニ:いや。でも、またみんなで友達になれる可能性もあるんやし。
ピノ:とりあえず二人は丸め込んだけどね。リーンさんの力で(笑)。
GM:はいはい。(←妙に警戒されてしまったが、とっとと話を進めたいと思ってる人) では結局ピノは噴水広場で歌の練習。他の三人で露天商へ向かう、と。これでいいですか?
ピノ:はい。歌の練習します。
ハックル:じゃあ、他三人で行きます。
GM:では、先に三人の方、片づけますか。
ハックル:はい。
GM:ではその陰気な露天商は……みつかりましたね。はい、ありました。噴水通りから続く露店が立ち並ぶ通りの一つに、クコが話していたと思しき骨董品屋を見かけました。くたびれて肩を落とす中年の店主。「はぁぁー」とか、陰気なため息をついて、逆に君らの気を引いたり。モノユニの目が光る(笑)。
モノユニ:ウイ。
ハックル:「すまんが」
GM:「なんだい?」
ハックル:「そこな壺は、どういう物なのかな?」
GM:「壺? あんたは壺を探しているのかい?」
ハックル:「うむ。『ヨザックなんたら』とかいう壺が、この店に置いてあったと聞いてな」
GM:「あー。その壺は売り物というかなんというか。『ヨザック1063世』とかいう訳のわからん壺ならほら、その隅にあるよ。実は今朝店を開いたら、店の品に紛れ込んでいてね。それよりも、その代わりにうちの目玉商品、『歌う壺』がなくなっていたんだ。はぁぁー、まぁその『ヨザック1063世』はただの酒瓶みたいだから、欲しければあげるよ。持っていってくれ」
モノユニ:「い、いいんですかっ!?」
GM:「いいよいいよ。『歌う壺』や『生きた毛玉』なんてうちの目玉商品が次々なくなって、やる気もなくなっちまったし……」
セシル:「ん? 『生きた毛玉』?」
GM:「あぁ。とても珍しい品々でね。あれも売って帰らないと、故郷に残してきた家族に顔向けできないよ」
モノユニ:「旦那。なんだったら力を貸そうか」
一同:(笑)。
GM:「え? 探してくれるのかい?」
モノユニ:「ああ。君には何か、苦労を感じるから」(笑)。
GM:「それは助かる。私はこの町のことには疎くてね。探してくれるのなら助かる。是非、お願いしたいよ」
モノユニ:「わかった。任しとけ」


 
 
 

▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/12

←return   →next