▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/19

←return   →next








































































■ scene 19
〜ない扉にこだわる司祭と、光から逃げる日陰者〜

ピノ:じゃあちょっと落ち着いたところで、そのハリネズミカブトの光に照らされた石碑とか見てみます。何か文字とか書かれてます?
GM:そうですね、そこには……『この地に、アウル=アエンダの末裔の離宮を建てる』とか書いてありました。どうやら海の国の昔滅びた王の話とかもちょっと刻まれていたり。まぁ、そんな感じです。(編注:GM、この辺り、かなりアドリブ入っています。これは今後の展開と、ランダムの『石碑』イベントを結びつけたもの。あと、この闇の迷宮。時間の都合上、当初の迷路を大幅に省略されてます。つまり目的地を中心に、その周囲に九つの閉じた部屋を隣り合わせただけの、いわゆる四畳半ダンジョンに変更)
ピノ:離宮?……あの、この周りは?
GM:真っ暗な閉じた闇の広間ですよ。さっき司祭様に説明したのと同じような。扉らしき物も見つかりません。あ、でも壁の一方向を照らし出したときに……(突然、セシルに)司祭様、何か自分を象徴するようなマジックイメージとかあります?
セシル:<白>。
GM:(ハックルとピノに)……霊感で17以上に成功すると、その壁に、<白>のイメージが浮かび上がるかもしれません。
ハックル:霊感17以上か……
ピノ:二人とも厳しいですねー。
ハックル:(ガシャン)……16……あ、ゾロ目!
ピノ:やったー。
GM:状況は?
ハックル:『新月の晩』
GM:むー、それはちょっと微妙ですね。とりあえず奇数幸運、偶数不運ということで。
ハックル:(ガシャン)……幸運。
GM:ではその壁の向こうに、セシルがいることに気づきます。
ハックル:「む。この壁の向こうにセシルがいるかもしれん」
GM:と、ハリネズミのランプを光らせて、壁に近づく王子。
ピノ:「さすがですわっ、王子」
ハックル:「じゃあ…砕くか」と、ひょいと斧を取り出す。
(モノユニ):(笑)。
GM:じゃあ体力20以上で。
ピノ:私は網しか持ってないから。ドロの中の司祭様を助けることしかできない(笑)。
ハックル:(ガシャン)……余裕で成功。ドゴーンと壁をブチ抜きました。
GM:壁の鉱脈を調べていたセシルは突然…
ピノ:危ないですわっ(笑)。
セシル:え!? えっ(笑)!? とりあえず飛び退く。
GM:すぐ近くの壁が崩れ、王子が現れる。
ピノ:「あら司祭様。こんな所にいらっしゃったの?」
セシル:(あくまでクールに)「迷える子羊達が、現れたか」
ハックル:「無事であったか」
ピノ:「ところでモノユニさんは?」
セシル:「いや。私はまだこの部屋から出てはいないから。そこに扉があるようだから、今から開けようと思うのだが」
GM:……って、どこに扉?
セシル:え? その扉が開いたわけ?
GM:『その扉』って、開いたのは、王子が自分で砕いた壁の穴だけなんやけど。
セシル:え? 向こうに扉みたいなって言ってませんでした?
GM:言ってませんでした。まぁ、そんなことをブツブツ言ってると、遠くでギャーッとかいう日陰者の悲鳴が聞こえてきます。
ピノ:「はっ! あれはモノユニさんっ!?」
GM:方角からいって、さっき王子達がいた石碑の広間の方が近いみたい。
ハックル:では「こっちだ」とか言ってダッダッダッと石碑の広間に戻り、反対側の壁をドガッと。
GM:王子が南の壁を砕いて、その闇の広間に入ると、「助けてーっ!」とか悲鳴を上げながら、モノユニが黒い人影ともみくちゃになっている光景に直面します。
ピノ:もみくちゃに(笑)。
GM:「儂をこんな所に閉じこめやがって! ここから出しやがれぇーっ!」と、その人影はモノユニに飛びかかってる。どうやら小柄な老人のようですな。『大型モンスター』のように猛々しく牙を剥きながら、馬乗り状態で叫んでる。
モノユニ:爺さんがっ!?
GM:うん。日陰者に噛みついてくる。
ピノ:入れ歯で?
GM:うん。噛みついたあとは、入れ歯が肩に突き刺さるような(笑)。難易度運動20で、爺さんを振りほどくことができます。
モノユニ:(ガシャン)……はい、成功。
GM:爺さんの入れ歯攻撃を巧みにかわしたモノユニ。ゴロゴロ転がりながら、壁を突き破って現れた君らの足下にやってくる。
モノユニ:「ぐわっ、眩しい(笑)。この闇の中、暗くて落ち着く環境だったのに」
ピノ:「歯がとれるモンスターですのっ!? 王子っ、怖いですぅ」とか言いながら、ピタッと王子にくっつく(笑)。
セシル:歯がとれるモンスターって……(笑)。
ハックル:「その方、もしかしてヨザック殿かっ?」
GM:「おっ!? 儂を知っておるのか?」
ハックル:「助けに参った」
GM:「おおーっ、それはありがたいのぅ」
ピノ:「ヨザックさん? ヨザックさんですのっ!? フローラさんが心配しておりますわっ」
GM:「おおっ、フローラのことまで知っておるのか。あんた達はいい人じゃ」と、コロッと態度を一変。君達のことを完全に信用してしまいました。
モノユニ:「ジジイ、いきなり噛みつくなーっ」(笑)。
ピノ:「リーンさんもあなたを捜し回って、倒れてしまいましたのよ」
GM:「そうか、リーンさんにも心配かけてしもうたようじゃのぅ」と、急にシュンとなる爺さん。「……で、ここは一体何処なんじゃ?」
ハックル:「壺の中」
ピノ:あ、どうしたら戻れるんやろ(笑)。
GM:「壺とは何じゃ?」と、ヨザック爺さんは不思議そうに訊いてくる。
セシル:(ハックルに)「あのー『王子』の名、何でしたか?、王子」と尋ねる。
ハックル:「ラトニ」
GM:「ラトニ? 誰じゃ、それは?」
セシル:「どうやらあなたと子供達は、その王子の招きを受けて、この壺の中に入っていったようなのです」
GM:「子供達? ややっ、もしや長屋の子供達に何かあったのかっ!?」
ハックル:「って、子供達もあなたと一緒に入っていったんじゃないんですか?」
GM:「……はっ、そぉー言えば、昨晩そんなこともあったかのぅ……」
ピノ:ジジイ(笑)。
GM:「昨日も随分飲み過ぎて、すっかり酔いが回っておったからのぅ」
ハックル:「ほほぅ、酔ってしまって…」
モノユニ:「記憶がない、と」(笑)。
GM:「あれはー、夜中過ぎじゃったかのぅ、急に尿意を催して廁に出かけたんじゃ。するとどこからともなく綺麗な歌声が聞こえてきてな。いい気分で近づいていったら……スポッと」(笑)。
モノユニ:「スポッと?」(笑)。
ピノ:「スポッと」(笑)。
ハックル:「で、子供達は?」
GM:「子供達も近くにおるような気もするんじゃが……なにせここは真っ暗じゃから、儂にはさっぱりわからんわい」と爺さん、開き直ってます。
ハックル:「私には見えるぞ」
ピノ:あはは(笑)。
GM:「それ便利じゃのぅー、儂にも貸してくれんかい」と爺さん、光るハリネズミのカブトに興味津々です。
モノユニ:光る王子から隠れながら、「こんな素敵な空間を何故照らし出すんだっ!?」(笑)。

   (一同爆笑)

ピノ:あかん。筋金入りや(笑)。
モノユニ:とにかく王子の放つ光線の対角線の反対方向の闇の中に身を潜めます。(←なんかややこしい表現)
ピノ:とにかく子供達を捜し出して、みんなで脱出の方法を考えないと。
GM:そうですね。霊感に強い司祭様は、何か感じます?……あ、さっきやたら『扉』『扉』とか言ってたし(笑)。霊感で30以上出るなら、ほんとに出しましょうか、扉(笑)。
ハックル:それはちょっと厳しいのでは。
セシル:(ガシャン)……あ、ピンゾロ。(編注:『1、1』。完全大失敗のこと)
GM:大失敗ですか。では突然…
セシル:「あっち!」
GM:と、あらぬ方向を指さす司祭様。皆に力説を開始する。
ハックル:「そうか。ではあの壁を」
ピノ:力技は任せましたわっ。
ハックル:ドカーンと。
GM:砕くとまたその先に闇の広間が。
ハックル:「おや? 違ったようだな」
モノユニ:はい。司祭と反対側に行きたいです。
GM:ではモノユニは一人、真っ暗な闇の中を後戻り。石碑の広間にまで来ました。
モノユニ:成る程。ではそこで何かあるような気配とか霊感とか感じないんですか?
GM:じゃあ霊感20以上で。
モノユニ:だぁー(ガシャン)……はい、成功しました。
GM:では、怪しい気配はその広間からは感じられませんでした。
モノユニ:ハズレか。
GM:どっちかというと、その更に向こう、つまり司祭様が最初にいた鉱脈の広間から、何か霊的な気配が漂って来るような気がします。……やたら『扉』『扉』とか言ってたし(笑)。
モノユニ:ははぁー。じゃあそっちへタッタッタと走っていきます。暗い方へ暗い方へ(笑)。
ピノ:あっ。
ハックル:「何処へ行くんだぁーっ!」と、後ろからモノユニを追いかける。
ピノ:光で照らしながら(笑)。
モノユニ:「光がっ!光が追ってくるっ!」(笑)。

   (一同爆笑)

モノユニ:当分この暗闇の中で暮らしたいのにー。
ピノ:「待って下さいぃー、王子ぃーっ」
セシル:(ヨザックに)「さ、お爺さん一緒に行きましょうか」
GM:「若いもんは元気じゃのぅ」
ピノ:あぁ、なんか彼だけ理性が残ってるような(笑)。みんな本能で走ってるし。光から逃げる。逃げる者を追う。とりあえず王子を追う(笑)。
モノユニ:馬鹿な奴らー(笑)。


 
 
 

▼replay_Far Roads to Lord

■『ヨザック、消える』/19

←return   →next