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■『ヨザック、消える』/22

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■ scene 22
〜王子を見上げて歌う人魚を指導しながら、日陰者が憧れる闇の国を買い取った司祭〜

GM:歌姫コンテスト。君らも含めて16人くらいが参加するトーナメント形式って、予定になってるので。
モノユニ:「そうだっ。壺を手に入れる為に、僕も出場しよう」
ピノ:「はいはい。(ローザに)あー、じゃあとりあえず、私達を壺の外に出して頂けます?」
GM:「はい。それならこちらの離宮の中庭から出ることが出来ます」ってことで君らがその白い屋敷の中庭に行くと、白い扉があります。「ではラトニ様の為に首飾りを手に入れる件、お願いできますか?」と、ローザが尋ねる。
セシル:「ええ。これも人助けですから」
ピノ:「とりあえずその『リミンの瞳』を手に入れられるよう、なんとか頑張ってみますわっ。ほんとは私の王子に差し上げるつもりだったけど」(笑)。
GM:ラトニ王子も申し訳なさそうに言う。「何か、僕にも手伝えることとか、ありませんか?」
ハックル:「では……『あの歌』を、この者達に伝授してやってはもらえぬだろうか?」
ピノ:「あ、うんうん。えっと『サナ……?」
GM:「『サナンの思い出』ですね。それならお安いご用です」
ハックル:「うむ。あの歌はかなり良い歌であったからな」
ピノ:「まぁーっ。王子のお気に入りの歌でしたのなら、私もその歌を是非教えて頂きたいものですわっ」
GM:えー、では『サナンの思い出』を覚えるのは、ピノさんだけでいいんですか?
ピノ:ピノ、覚える気満々(笑)。
セシル:これはー、一人だけを出場させて、残りの者がサポートするという、完全バックアップ体制の方がいいのかもしれない。
GM:まぁ、結局最後はダイス目によるところも多いんやけど。勿論、その作戦でもOKですよ。あ、でもさっき、モノユニもなんか出る気になってたようですが。
モノユニ:壺貰えるんやったらなんでもするよ(笑)。
ピノ:私は王子の為に覚える気満々(笑)。
セシル:「では出場は二人に任せて、私はやはり、彼らのバックアップに回ろうかな」
ハックル:「そうだな。私もそうしよう」
モノユニ:「バックアップ……素敵な言葉」(笑)。
GM:あぁ、陽の当たらない『裏方』ってことですか。
モノユニ:いやもう、壺が貰えるのなら、僕は表にだって出ますよ。
GM:はいはい。ではラトニ王子が、ピノとモノユニに、『サナンの思い出』を教えることになります。メロディーの他にも、異国の古い言葉とかも覚えなければならずちょっと大変。まぁ、知力15以上でとりあえず形だけは覚えることが出来たってことで。
ピノ:知力で15以上……(ガシャン)……あ、困ったなぁ……13、だったりします。
GM:それは残念。じゃあピノは歌のサビの部分の歌詞を間違えて覚えてしまいました。その歌本来の魅力は出せないかもしれません。
セシル:えー、私は一応、2ゾロが出てます。
GM:ピンゾロ以外成功なんですね。じゃあ王子の教える歌をそれとなく聴いていた司祭様は、完璧に習得してしまいました。耳コピってやつですね。
ピノ:おーっ、さすが司祭様。
ハックル:仕方ない。こうなったら壺の外に出てから、ピノはもう一度特訓だな。司祭殿から改めて教えて頂かないと。
ピノ:とほほ。
GM:ラトニ王子も言う。「壺の中からでしたら、いつでも歌ってお聞かせすることもできますから……」と、ちょっと励ましてくれる。ってことで、壺から出ます?
ピノ:そうですね。
セシル:とりあえずリーンさんを安心させなくてはなりませんし。
ピノ:壺はお守りか何かって感じで持っておきましょう。
ハックル:そうだな。
ピノ:ではとりあえずヨザックさんだけでも一緒に壺から出るということで。
GM:あ、子供達はいいんですか。「それはうれしいです。もう少し、ラトニ様と一緒に居させてもらえるんですねっ」とローザも感動している。
ハックル:まぁ、場所さえわかっていれば、問題ないだろう。
GM:「儂もっ、儂もまだここで遊んでいたいんぢゃーっ!!」と、ヨザックさんはダダをこね始めます。
ピノ:(笑)。「フローラさんが、待っていますわよっ」
GM:「フローラッ?……子供達よ、すまん。爺ちゃんはちょっと、晩ご飯を食べに帰るからの。後でまた戻ってくるからの」(笑)。
ピノ:わかりやすい(笑)。
GM:じゃ、そういうことで皆さん、壺から出たことにしていいですか?
一同:はーい。
GM:じゃあ、スポーンと出ました。さて、長屋の台所を出て診療所に戻ると、リーンさんは意識を取り戻しています。ヨザックさんの元気な姿を見た彼女は、「あぁ、ヨザックさん、無事で良かったー」と、感涙の涙を流して喜んでいます。その喜びの最中、リーンに付き添っていたエリナだけが、二人の世界を邪魔されたようでちっとムッとしてたりして(笑)。
ピノ:あっ……(笑)。
GM:えー台所の壺に飛び込んだ昼からは随分経ったようで、辺りは既に、すっかり日も暮れています。
セシル:では特訓を始めようか(笑)。
ピノ:特訓(笑)。
GM:やっぱ人の多い所とかで練習するん?
ピノ、セシル:うん、酒場で。
セシル:陽気にお酒など飲みながら。
ピノ:あとこの辺でカップルとかが語らう夜の広場とかやったら、私はやっぱりバルコニーの王子に向かって歌うのでは(笑)。
GM:てことは『麗しのアムール』亭の前の噴水広場? えー、みんなが噴水広場へ行くと、さすがに祭りの最中だけあって、人通りも多い。楽しげに行き来する人達も大勢いる。
セシル:(ピノに)しかしこれは、恋の歌ではないから、そういう場所では向いていないのではないかな。
ピノ:あ、そうか。故郷を懐かしむ歌……でしたっけ。
GM:まぁそうなんやけど。司祭様はその歌の歌詞の内容まで理解してたん? とりあえず曲と歌詞だけ覚えてしまったんじゃ?
セシル:一応2ゾロで、<古代神聖語>もありますので。
GM:じゃあその歌の内容も少し説明しておきますか。『サナンの思い出』は、確かに故郷を懐かしむ歌なんやけど、その曲の中に登場するトバーシュ家の先祖サナンという女の人が、滅びた国の妖精王を追いかけて、海に身を投げたってことも歌われていたりします。
ピノ:あ。そうなん。
セシル:悲恋歌でもあるというわけか。
ピノ:じゃあその説明、聞いたってことにしていいですか?
GM:それは司祭様が説明したかどうか次第なんですけど。
ピノ:じゃあそれまではサビを堂々と間違えて歌っています(笑)。
GM:最後ハッピーエンドになってたり。
セシル:(ダンスレッスンのコーチのように『停止』の意味で手を叩き)「駄目駄目駄目」(笑)。
ピノ:「あら司祭様。違いますの?」
セシル:「この歌の歌詞はこうなんですよ」と、流麗に力強く語って聞かせる。
ピノ:「まぁ、哀しい話でしたのねっ」と、感涙の涙をポロポロ流して司祭様に聞き入る(笑)。「こんな切ない歌を歌えるのは、人魚に生まれた私しかいませんわっ」
セシル:「そう、君がうってつけなんだ」
ピノ:大勘違い(笑)。

   (一同爆笑)

セシル:そこは感情の高ぶりで乗せつつ(笑)。
GM:感動しながら広場で歌の練習を聞いていたバルコニーの王子は?
ハックル:「うむ、ピノ。だんだん良くなってきておるぞっ」
ピノ:じゃ、ここでもう一度、知力チェック……?
GM:そうですね。知力16以上で、歌詞を正しく解釈できたってことで。
ピノ:じゃあ潜在力6点使って……
GM:え? 歌の歌詞覚えるのに、潜在力使うん?
セシル:ちなみに私は、6ゾロ出ましたので。教え方しては完璧だったようです。
ピノ:(ガシャン)……あ、出ました……ってか、潜在力使わんでも良かった(笑)。
GM:ということは、今度こそ、ピノは完璧に歌えるようになったのかな?
セシル:私はちゃんと教えたつもり(笑)。
ピノ:全部で21出たので、覚えました。
GM:じゃあ正しく歌えたみたい。通行人からは投げ銭など……銀貨2枚ゲットです。道行く人達が、「姉ちゃん。もっと上手くなりなよ」とか言いながら(笑)。
ピノ:まだまだ練習中なのね。
GM:と、その様子を壺を抱えながら見ていたモノユニ。
モノユニ:はい?
GM:突然背後から肩を叩かれる。「あぁ、君。ついにその壺を見つけてくれたんだねっ!」
モノユニ:「はい?」
GM:古物商のペックさんです。「良かった。これさえちゃんと売れれば、故郷に錦を飾って帰れる」と、壺をガシッと握りしめる。
モノユニ:「うわっ、な、何するんだっ」
セシル:「えー、ペックさん。その壺は、私が買い取りましょう」
GM:「え、本当かいっ? 幾らで買ってくれるんだいっ?」
セシル:「そうですね。金貨一枚でどうでしょう?」
GM:「金貨一枚!? うれしいねぇ」と。一応交渉ロールでもしてみます? まぁ、金貨一枚はそこそこ高値なんで、問題ないとは思いますが。
セシル:「もう少し色を付けましょうか?」
GM:「いや、金貨一枚でも充分、家族の暮らしは楽になりますよ」
セシル:「そうでしょう」
GM:「わかりました。その値段であなたにお譲りしましょう」と、ロールするまでもなく交渉成立。「こんな悪趣味な壺ですが…」
ピノ:悪趣味って(笑)。わかってたんや(笑)。
GM:「たまに歌い出すので、価値があったんですよ。どうぞ」
セシル:「ありがとう」
GM:「そういえばさっき、あなた方はあの壺の歌などを歌っていませんでしたか? 余程気に入ったようですね」
セシル:「そうなんですよ」
GM:「変な壺ですが、歌だけはいいですから。じゃあ、私はこれで。金貨も大事に使わせて頂きます」と、ペックは君達に礼を言って、人混みの中へ去ってゆく。
ピノ:じゃあ私は、覚え立ての歌を歌います。噴水広場の噴水の縁に座って水に手を触れながら、大海に想いをはせて歌い上げましょう。
セシル:そうそう。「よいぞよいぞ」(笑)。
モノユニ:壺抱えて見守る(笑)。
GM:また歌ってみるんやったら、今度は『サナンの思い出』の技能も足していいよ。
ピノ:『サナンの思い出』の歌レベルはいくつなんでしょう?
セシル:初期技能は1D6で決定。
GM:そやね。
ピノ:(ガシャン)……レベルは3。ではアムール亭の前で深夜の練習。美麗10足す3で、(ガシャン)……全部で23。
GM:酔っぱらった客達が投げ銭をバラ撒いていきました。全部で銀貨10枚。
ハックル:金貨一枚分になったと。
セシル:なりましたね。
モノユニ:凄いな。
セシル:「ま、これで元(←壺代)は取り返したということで」
ピノ:歌レベル上がったかなぁ?
GM:2D10で、その技能レベル以上が出たら、1D3上がりますよ。
ピノ:2D10で…レベル以上ですね……(ガシャン)……
セシル:私も一応、『サナンの思い出』を技能として覚えておこう。
ピノ:お、レベル9になった。6点もプラスしていいんですか?
セシル:いや。レベルアップは1D3なんで、最高でも3点です。
ピノ:あ、じゃあ割る2で3点アップ。全部でレベル6になりました。やった、これが一番得意な技能になりました。
セシル:「私の教え方もなかなか堂に入った物だな」(笑)。
モノユニ:エリート、自惚れてやがるぜ(笑)。
ピノ:でもなぁー、相手(←司祭その他、あるいは歌コンの対戦相手?)が、平気で30とか出してくるような人達っぽいし(笑)。
GM:まぁまぁ、そこはなんとかなるとして。えー、そんな感じで歌姫コンテストまでの残り二日間も、練習したりして過ごしたということにしていいですか? (現実世界の)時間的にもヤバくなってきたので。
一同:はーい。


 
 
 

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