■ scene 24
〜陰気な踊りで非難を浴びて悦ぶ日陰者と投げ網を広げ王子へ歌う人魚、その両方を美しくないと感じる審査員〜
GM:モノユニは、舞台の上から、審査員席のセシルを一睨み。「俺の歌を聴けぇ」って感じになっています。
モノユニ:とりあえずロールします。えー、十個の能力の内から一つ、選ぶんですよね?
GM:うん。
モノユニ:じゃ、運動で(笑)。
GM:運動? それはどんな歌なんですか? 激しいダンス付とか?
ハックル:それはもう、激しい振り付けで(笑)…
セシル:ヂャ二ーズ系でいっとき。
GM:でも歌は陰気アレンジのマイナー調ですよ(笑)?
モノユニ:うん。キソキキッズ系で。
ピノ:って大体何歌うん?
モノユニ:それはもう『我が麗しのアムール』を(笑)。ひたすら陰気に(笑)。
ピノ:うっそーっ(笑)。変に歌ったら、私が許しませんわよっ。
モノユニ:じゃ。まぁ、それなりに歌います。
GM:ではモノユニは、ドブネズミカブトを被ってキソキキッズのように踊りつつ、『我が麗しのアムール』を歌い始める。噴水広場脇のあの宿屋が、実は壁にヒビが入ってたり、台所がちょっとカビてたり、バルコニーの床板が抜けかけだったりする様子を、陰気に歌いあげるん(笑)?
モノユニ:そうそう。身体全体を使って、陰気に表現。
ハックル:ははは(笑)。
ピノ:もー、最悪やーっ(笑)。
モノユニ:やっ、(ガシャン)……とりあえず、16の……
ピノ:ってそれ、5ゾロやん。
GM:(幸運)状況は?
モノユニ:幸運、『魔法がかかっている場所』。不運、『新しく歴史のない場所』。
GM:この町はまだ歴史の浅い町だと思います。
モノユニ:(嬉しそうに)あ、じゃあ大失敗。
ピノ:大失敗(笑)!? 「ちょっとモノユニッ! さっきから何歌ってるのよーっ!」
モノユニ:ひたすら陰気な歌を(笑)。
GM:『麗しのアムール亭』はこんな所さーっとか歌っていると、観客席からもブーイングの声が湧き上がる。「なんだその陰気な歌わっ!」「歌詞も踊りも最悪だぜっ、とっとと引っ込めーっ!」「何が『麗しのアムール』だっ、誰だこんな曲作ったのわっ!」とか、罵詈雑言がステージのモノユニへと浴びせられます。
ピノ:「勝手に歌詞を変えないで頂きたいですわっ!」(笑)。
GM:一般市民に混じって、仲間内からも非難の声が。ステージの袖から、ピノが睨んでます。モノユニは未だ、陰気な踊りと曲を続けてるん?
モノユニ:「イェーッ!」(←とてもうれしそう)
一同:(笑)。
セシル:美しくないな。リーンさんの方へ旗を挙げよう。
GM:その他の審査員も司祭様と同意見みたい。赤、赤、赤っ!と、五人とも先程歌い終えたリーンさんの方へ旗を挙げました。5-0でリーンさんの勝ちです。モノユニは一回戦敗退。
ピノ:おひおひ(笑)。
モノユニ:「イェーッ!」(←とてもうれしそう)
GM:時間の都合上、リーンさんの二回戦もこちらで済ませます。ちなみに勝ち進んだ相手は町の歌うたいのユイランさんなので、薬師の彼女は多分負けるでしょう。とりあえず結果は修正を加えたダイスで決めつつ……(ガシャン)……はい、ユイランの勝ちです。彼女が準決勝まで勝ち上ってきています。
セシル:まぁー、予想通りやね。
GM:で、次のブロックは……詩人のミシュリが勝ち上ってるということで。ちなみにこれまでに、この町に滞在中の詩人のラング(←オス)とか、錬金術師のポリーさん(←オンチ)とかいった人達が敗退してます。で、肝心のピノの一回戦の相手なんですけど……(ガシャン)……あ、オウヒですね。オウヒ(笑)。
ピノ:誰、誰?
GM:オウヒ。噴水広場近くの酒場、『古めかしい学院食堂』の常連、オウサマのステディです(笑)。釣り人老人の彼女は13才(笑)。ロリな少女です。
ピノ:ど、どんな感じなんや(笑)。
GM:ちなみに彼女が歌う歌は、『イヌの歌』(編注:参加者全員の持ち歌をそれぞれ三曲ずつ、計30曲も曲名を用意していたのに、時間の都合上発表できなかったGM。壺迷宮簡略化と併せ、今回もかなーりはしょっています)
ハックル:『イヌの歌』とな。
GM:(ガシャン)……結果は24。
ピノ:うっそー!? 結構高いやん。
GM:ちょっと舌足らずな歌い方が、一部のマニアにウケたようです。
モノユニ:大人気(笑)。
ピノ:じゃあ私は、母から貰ったこの真珠の首飾りに誓って貴方の為にって。観客席の王子を見つめながら歌いましょう。優勝して王子の愛を勝ち取りますわっ。
GM:司会のスカイニットが高らかに言う。「次の歌姫は人魚のピノ。彼女が心を込めて歌います。曲名はっ…」
ピノ:あっ、えーっと…『我が麗しの…
モノユニ:漁り火』(笑)。ジャジャジャジャーン!(発表ドラムSE付)
(一同爆笑)
ピノ:違う(笑)。『我が麗しのアムール』よっ(笑)。
GM:「『我が麗しのアムール』だとっ!!」と、観客席からは、怒りのどよめきが巻き起こる(笑)。「あんな酷ぇ歌、また演る気かよーっ!!」と非難轟々(笑)。モノユニ効果が残っています。
ピノ:「み、みなさんっ! とにかく私の歌を聴いて下さい」 えー、美麗8+曲4で12。<歌唱>で14。それでもキツいなぁ。
GM:さっき俺、26とか言ったっけ?
ハックル:24。ピノは2D10で10以上出さなくては勝てないわけだな。
ピノ:どーしょっかなぁ……これは絶対に失敗したくないねん。
一同:うん。(↑一同思わず頷いてしまうような、人魚の決意を込めた一言)
ピノ:潜在力7使おう。
GM:家宝の精霊に誓いを立ててもいいし。
ピノ:あ、誓う誓う。精霊に誓います。家宝の網を広げて歌います。
GM:舞台の上で、突然網をブチ撒けたピノ。観客席から怒りの他に困惑の叫びも混じります。「何だその網わっ! あの陰気なアムール亭の歌に、なんで網なんだよっ!!」とか(笑)。妙な非難の声も発生。
モノユニ:確かに妙だ(笑)。
GM:審査員席の司祭様的にはどうなん?
セシル:美しくないなぁ(笑)。
GM:せっかく歌の手ほどきをしてやったのに、あのていたらくは何だとか、ちょっとムッとしてみたり。
セシル:とりあえず、さっきの24には判定勝ちしてるんで、赤旗白旗どっちでも挙げれるんやけどね。(編注:この方。GMに言われるまでもなく、独自の審美眼で勝手に判定を行っているようです。まぁ、GM的には手間が省けて楽なんですが) とりあえず数字の高い方を公正に選びましょうかね。
GM:何にせよ、全部で24以上出せばいいみたいですよ。
ピノ:(ガシャン)……あ、11出た。
ハックル:足して25だな。
セシル:勝ちましたね。
ピノ:『空に降り注ぐ太陽、たわわに実る果実』とか、とにかくアムールの美しさを歌って聞かせます。
GM:先程までブーイングの嵐だった観客席が、ピノの歌によって穏やかなっていきます。
ピノ:『帆影に光る稲穂っ。でもそのどれもが高貴な貴方には敵わないっ』(笑)。
ハックル:え(笑)?
ピノ:『あぁ、アムールッ! 我が愛しの王子っ!!』(笑)。
(一同爆笑)
モノユニ:個人的な歌になってんじゃん(笑)。
GM:最後の方は観客もちょっと戸惑い気味(笑)。赤、赤、白、白っ!と審査員達が旗を挙げます。で、一番最後のセシルは? 白がピノ。赤がオウヒです。
ピノ:やっぱり『私の王子っ!』とか歌いながら、王子を指さしたのがマズかったかしら(笑)?
GM:「王子っ!?……って、またこの山小人のことなのかっ!!」と、観客がちょっと嫌な感じにどよめき始めます(笑)。
ハックル:いや、これはなんというか……。マズいぞ、司祭殿(笑)。
セシル:仕方ない。目を逸らせながら、白(笑)。
GM:きわどいところで司祭様が判定を下し、ピノは二回戦へ勝ち進むことが出来ました。
セシル:しかし、美しくないなぁ(笑)。
ピノ:あ、結局投げ網の精霊の力は使わなかった。誓ったのに。
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