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■『ヨザック、消える』/25

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■ scene 25
〜真っ先に白旗を挙げて仲間を見捨てる審査員と、途方に暮れる三人〜

GM:とっとと次いきます。二回戦の対戦相手は、フローラです。
モノユニ:婆さんか(笑)。
GM:「お爺さんの為に、歌うわっ」と意気込んでます。
ピノ:この意気込みわっ、ヤバい(笑)。
GM:共に誰かの為に歌いたい人達ってことで。フローラの歌は……『北東の酒場』(笑)。
一同:(笑)。
ピノ:演歌ですか(笑)。
GM:みたいです。
セシル:こうなったらこっちも……コブシ効かせて人生を語るべしっ(笑)。
GM:(ガシャン)……で、まぁフローラさんの演歌の結果は24。
ピノ:だからなんでそんな高いん(笑)。
セシル:やはり語るべき人生が長かったのでしょう。
GM:観客からも拍手喝采。「見事に年季の入った歌じゃねぇか」とか「いいね婆さん、コブシが効いてるよっ」とか、かなり評判みたいです。「今度ファンクラブ作るからなっ」とか(笑)。
ピノ:これはマズい。では今こそ家宝の網に誓いましょう。『なんとしても決勝戦までいって、このコンテストに勝ちたいっ』……って誓いなんですけど。「投げ網っ、あなたに誓うわ。私に力を貸してっ」
GM:えーそれは具体的には『コンテストに優勝して、リミンの瞳を得る』っていう誓い、ということですね?
ピノ:うん、そう。『リミンの瞳を得る』誓い。
GM:ではとりあえず3D10振って下さい。それが、その誓いに対する家宝の投げ網の潜在力となります。
ピノ:(ガシャン)……投げ網の潜在力は8の……14です。
GM:その数字を、その投げ網の潜在力の欄にでも書いておくと。
ピノ:『精霊』の所ですね。
GM:で、その力をロール前に加えることが出来るわけなんですけど。0まで使い切ると、網はビリビリに破れちゃいますので、最低1は残しておいた方がいいと思います。
ピノ:はい。
GM:で、ピノの誓いを聞き入れて、投げ網から現れた精霊の名前は何ですか?
ピノ:イェビス。耳朶の長いジジイの精霊です。
GM:では投げ網からムクムクと白髭精霊登場。「ピノ、とうとう儂を呼んでくれたか。して、この耳朶に誓って、おぬしは何を望むのじゃ?」
ピノ:「イェビス、とうとう来てくれたのねっ。私の歌に力を貸してっ」
GM:「ふむ。相手はあの婆さんか。なかなかチャーミングじゃのぅ」
一同:(笑)。
ピノ:「こらこら。あなたは私の味方でしょ」 とりあえずこう、舞台でバッと網を広げ投げてそれをたぐり寄せながら、『漁火』を熱唱。イカ釣り漁船の歌です(笑)。
GM:網引きの演技付ですか(笑)。
セシル:なんかもう、見るのが嫌になってきた(笑)。

   (一同爆笑)

ピノ:いや。『漁火』はやっぱ、これをやらないと雰囲気でないからね。
GM:で、結局潜在力とかは何点使うんですか? あ、フローラさんの達成値も、ほんとは秘密にしておいた方がスリル度が増して良かったかな。とりあえず今回も事前に言ってしまいましたが、相手の達成値は24です。これから先はもう、黙っとこ(笑)。
セシル:まぁ、決勝戦とかなら、それもいいかもしれんね。
ハックル:(トーナメント表眺めながら)…まだ準決勝もあるって(笑)。
GM:うん。ちなみに次の対戦相手は詩人のミシュリ。風の精霊さんですな。
ピノ:じゃあ4点使います。えいっ、(ガシャン)……ゲ(笑)。7で……
セシル:いくらでした?
ピノ:ちょっと待って、3で11で……13で……
セシル:いけるでしょ。
ピノ:えー……<漁火>レベル足して17で……それに潜在力から4点足して……21(笑)? 負けた(笑)。
セシル:負けた(笑)!?
GM:えー、ピノ21。フローラ24なので、とりあえずそういうことになりますね。観客の方は、ピノの歌にも喝采を送っていて、「どっちもいいぞっ!」とか言ってるんやけど、審査員の方は…
ピノ:あっ! 魔法使えます?
GM:んー、今頃使うとなるとちょっと…
セシル:気を逸してますね。
GM:うん。タイミング的には、ロール結果が出る前に使って欲しかったです。ってことで、とりあえず……審査員に細工したい人とかいます?

   (一同爆笑)

セシル:おいおい(笑)。
GM:セシルの他に四人、旗を上げる人達がいるわけなんですが。
セシル:あのー、私はこれでも公平な司祭なんで。そういう不正は行えません。
GM:てことで司祭様は、あくまで自分の美的評価に従うそうです。他の審査員の判定でも、やはりフローラの方が年季が入っていたようで一枚上手と思われたみたい。
ピノ:コブシ負けた(笑)。
GM:やはりこの娘さんにはまだまだ年季が足りなかったと、思われてる。
モノユニ:娘じゃないけど、娘さん(笑)。(編注:人魚なので、実は人間のフローラ以上には、長生きしてたり)
GM:で、セシルはあくまで冷静にフローラさんの白旗を上げるみたいです。
セシル:うん、白旗。
GM:で、残り四人の審査員をどうするかが、モノユニとハックルの二人にかかっている、ということになります。
モノユニ:「ど、どうします王子っ?」
ハックル:「ふむぅ……どうすると言っても…子供を使うわけにもいかないからなぁ……」
GM:子供? とにかく、このままいけば、セシルの白旗は確定で、残り四人がそれぞれピノの赤旗が一枚、残りの三枚がフローラの白旗になりそうな感じ。では、二人の行動、それぞれ一つずつ、宣言して下さい。ハリネズミとドブネズミのカブトを被った二人組で(笑)。
ハックル:むー……
モノユニ:あのー、具体的には、どういうことが出来そうなんですか?
GM:そうですね。一つは旗を上げようとしている審査員に、直接何かしでかす。それから他には、歌い終えたピノの網にでも、何やら劇的な演出効果を加えて、歌以外の要素で得点アップさせるとか。
ピノ:あと「俺は猛烈に感動したぜーっ!」とか言って泣いたら、結構素敵そうなんですけど(笑)。
GM:泣きながらステージに飛び入りしてピノを讃えるとか。まぁ、何なりと。
モノユニ:しかし、僕がステージに上っても多分、逆効果だ(笑)。

   (一同爆笑)

セシル:さっき引きずり降ろされたばかりだからな(笑)。
ピノ:せっかく立てた誓いも破れて、網も破れちゃうかもな……イェビスも婆さん綺麗とか言ってたし(笑)。
GM:「婆さん最高じゃーっ!」と、観客席からヨザック爺さんの歓声も上がってます。
セシル:(笑)。
GM:「たまんねーぜっ! ブロマイド撒いてくれーっ!」とか(笑)。
ピノ:か、勝てねぇ(笑)。
セシル:神の名の下と、自分の美学に従って、私は高らかに白旗を上げます。
ピノ:うっそーっ(笑)。
GM:セシルは目を閉じ、さっさと白旗を上げました。それを見て仲間達が白い目を向けたり(笑)。「なんであいつ白旗上げてんねん」って感じで(笑)。
モノユニ:あの、もう歌い終わってるんですよね?
セシル:うん。歌い終わってるよ。
GM:で、審査員結果として、一人さっさと白旗上げた顔見知りがいる、と。
セシル:あと四人。……いや、一人赤旗とか言ってたから、残り三人の内……二人を白旗から赤旗に変えさせないといけないわけだ。
GM:うん。一人は赤旗を上げ、今は一対一。残りの三人をどう手なずけるか。このままいくと、残りの人達は全員白旗でフローラ準決勝進出、ということになります。
モノユニ:ふぅむ……
GM:あと三十秒くらいで決めて。
ハックル:難しいなぁ。
モノユニ:むー、確かに。難しいぞぉ。
ハックル:難しいなぁ。
GM:あと三十秒。
ハックル:あと三十秒。
GM:静まりかえった会場。観客達が固唾をのんで審査員の結果を見守っている。「おい、他の審査員、なんで旗上げねぇんだ!?」とかみんな思ってる。あと二十五秒。
ハックル:二十五秒(笑)。
GM:二十秒。
ピノ:声援を送って。声援。
ハックル:じゃあ……
GM:十五秒。
ハックル:とりあえず大きな拍手を送ろう。
GM:いや、それはわかったけど。その拍手がどうしたん? そんなことなら、他の観客達もしてたことやけど。
ハックル:いやいやいや。
ピノ:「ピノー!」って(笑)。
ハックル:思いっきり拍手。「ピノーッ!! 素晴らしいーっ!!」(笑)。
ピノ:「お、王子ーっ!!」
GM:はい、時間切れ(笑)。二人で盛り上がってるところアレなんですが。
ハックル:二人だけかい。モノユニは?
モノユニ:こうなったら王子に従うしかないかな、と。
ピノ:ええ。こうなったら三人で盛り上がりましょう、どこまでも(笑)。(GMに)判定は美麗? 度胸?
GM:いや、それでもいいんですけど。(モノユニに)魔法とかは使わないんですか?
ハックル:うむ。確かモノユニは魔法にも優れていたはず。
モノユニ:それが、僕魔法の使い方がよくわからないんですよ。


 
 
 

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■『ヨザック、消える』/25

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