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■『金の瞳の女神 act1』/02

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■ act 1-2 M'1949/04/12
〜予感〜

GM:さてその頃。ペトルシア国の東の辺境にあるレールスの街。気候も穏やかな、のんびりした田舎町です。北側の駅から南へ伸びる南北大通りと、西の住宅地区から東のタワーブリッヂへと通づる東西大通りとの交差点に中央広場がある。で、その広場を南へ進み、東の通りを少し入ったところに、なじみの大衆食堂『ウキ=ウーキー』がある。今日はかの天才科学者ヤクルト博士が……『デュート=リグ』って知ってる? 川さ(本名)……じゃなくてハスは知らんやろけど……まぁ怪しげな飛行機械やな。
シルバート:あぁ、あったあった。
GM:前の話で出てきたやつ。掘り出し物。で、ヤクルト博士はそれの量産型を作っとってん。今日はその完成祝いも含め、博士とイルナと妖精さんのユティートで『ウキ=ウーキー』に昼食をとりに来てたわけ。
イルナ:例の盗賊娘の働いてるとこやな。
GM:うん。で、ヤクルト博士は大喜びで、日頃飲まない酒をガバガバ飲みながらベラベラしゃべり続けているわけ。「エンジンは新開発の4気筒内燃エンジンです」とか、「飛行時間は2分30秒、オリジナルより劣るなぁ」など。そんなことを聞きながら食事をとっているイルナのところに、黒髪の男がやってくる。
イルナ:黒髪?
GM:うん。商売仲間のルー=ハイシーエ(35才独身)や。
イルナ:「あら、お久しぶりですぅ」
GM:「やぁイルナさん、聞いてください。ついに例の強大耕耘機、『コウサくん』が手に入ったんですよ」
イルナ:「まぁ、なんですの? それ」
GM:(自分で設定しといてよー言うわ)「見れば分かりますよ。サンプルをあなたの家の前に置いておきましたから」
イルナ:「まぁ迷惑な(笑)」
GM:ルーがあまりにもうれしそうに話すので、昼食後、住宅地区のラクター通りに面したイルナの家に帰ってみると、玄関の前に武骨な鉄の塊がデーンと置いてある。ルーがその鉄の塊を叩きながら、得意満面に解説する。「なかなかいいデザインでしょう」とか。
イルナ:「これですの?」
GM:「ええ、カッコイイでしょう」
イルナ:「そ、そぉですかぁ?」
GM:まぁ、そぉですかぁ?と言ってしまいたくなるようなデザインやな……ほい、これイラスト。時間なかったからいまいちやけど……あ、裏は見んといてや。
(ハス):……これか?
イルナ:……戦車やん。
GM:耕耘機や!
(ハス):……どこが(笑)。
GM:何をおっしゃりますか。これはどー見たって耕耘機でしょう。(編注:怪しいものです) さて、それを見ていたヤクルト博士が、酒の勢いにまかせていちゃもんをつけ始める。「何ですか、これは。蒸気エンジンでは効率が悪いし、この作りでは強度もない上、耕耘するにもムダが多すぎますね」 よく見ると、博士の目付きがいつもより怪しい(笑)。
イルナ:「まぁまぁ博士、落ち着いて」
GM:「ふっふっふ。こんなもの私が改良して差し上げますよ」とか言いながら、博士はそれを後ろから押して、地下の研究室へ運んでいく。
イルナ:……怪しくなる(笑)。
(シルバート):しかし、そんなもんよく運ぶなぁ(笑)。 
イルナ:酒の勢いや。
GM:で、それから三日後に『ソレ』は完成してしまう。買い物袋を両手にイルナが朝市から帰ってくると……
イルナ:「ただいまーっ!」
GM:家の前には、変わり果てたコウサくんらしきモノの上で、朝日を背に、仁王立ちのヤクルト博士が高らかに笑っている。「はーっはっはっは(笑)」
イルナ:……博士……
(ハス):こんなNPCって一体……
GM:はい、これが『コウサくんmk2』のシートね。
イルナ:……なに……これ(笑)。
(ハス):(イルナが覗き込んでいるシートを見て)どれ?……こら見せろ。

GM:君は知らんからダメ。ではギャグはここまでとして、ちょっとはマジで行こう。場所は再び荒野へ。さて、ロリエスの修理に取りかかった三人。あ、ハンドルとかはどーやってくっつけるん?
ハス:ジューっ。(テ注:バーナーの音らしい)
GM:どっからそんなものを(笑)。
ハス:携帯用修理工具の一つや。カチャカチャっと。(テ注:他の作業をする音らしい)
GM:油も漏れてるみたい。シューッとかゆうて吹き出してる。
ハス:むう、油は予備がないからもったいないなぁ。
GM:医者は何してるん?
シルバート:医者はみんなの打ち身に湿布を貼っている。
GM:へぇ、なかなか医者らしいやん。じゃあハス達の努力もあって、ロリエスはようやく修理のめどがたってきた。では三人さん、知覚ロール×2してみて。
ハス:成功。
シルバート:失敗。
コール:……成功です。
GM:すると、ハスとコールの耳に、東の方から風に乗って、微かに汽笛の音が聞こえてくる。君らがさっきつまづいたのも、どうやら地方鉄道かなんかのレールやったみたい。で、しばらくすると、荒野の中を走ってくる列車の姿が見えてくる。まだ距離があるのではっきりとはわからないが、機関車両、貨物車両を含めてだいたい8両編成みたい。そうするうちに、列車は君らのすぐ側を通っていく。ま、場所が場所だけに、スピードはあまり出ておらず、列車の乗客の姿とか、それなりに見える。しかし、君らが見た客車の中は異様な空気に包まれてんねんな、これが。客車の最初の二両は、黒い軍服らしき姿の男達でいっぱいやねん。さてコール=パーバート。
コール:はい?
GM:君はその男達を知っているような気がする。
コール:「な、なんだあいつらわっ! どこかで見たぞっ(笑)!!」
          
── わざとらしいまでに素直な反応をしてみせる、まこと心憎い男であった。

GM:はいはい(笑)。振ってみるなら知覚で2倍。
コール:……成功。
GM:あ、そうそう。いざってときは<幸運の風(WOL)>ってやつ、使ってくれてもいいよ。さて…
コール:「思い出したぞっ!」
GM:じゃあコールは、その男達の服装が、かのヴァルモン帝国軍特殊部隊のものであることに気づく。
コール:おおっ、ヴァルモン!?
GM:まぁわるもんや。
イルナ:コールの父の敵やね。
GM:コールもかつては帝国軍兵士やったことやし(編注:と、経歴に記されていて<ヴァルモン軍事知識>というぶっそうな特技まで持っています)、そんなことに気づいたわけ。さて、君達の前を過ぎて行く列車。客車の1、2両目はさっき言った帝国軍の兵士で一杯なんやけど、3両目は打って変わって人がほとんどいない。しかし窓側の席でたった一つだけ、私服姿の男女が向かい合って座っているのに気づく。男の方は白髪の中年。じっと考え込むかのように俯いてる。で、女の方は若く、長い赤髪が風になびいている。で、その娘が擦れ違いざま君らに気づいたようで、ほんの一瞬、悲しげに微笑みかけたような気がするよ。
ハス:ぬぅ、かなり印象的やなぁ。
シルバート:で、儂らは「わー列車が通ってんなー」程度の反応なん?
GM:まぁ、その女の人は印象的やろなぁ。
(イルナ):「はっ、女だっ!」と、シルバートの女レーダーに反応する(笑)。
GM:その客車の後ろは貨物車両やね。という感じでその列車は、何事もなく君らの前を通りすぎていった……と思った瞬間!
一同:はい!?
GM:通りすぎていったあの最後の客車が突然、爆発する。その後、黒煙をあげながらも進む列車の後ろ、貨物車両から轟音と共に壁をつき破って一台の車が飛び出し、全速力で南、君らの行き先と同じ方向へ走り出す。さて、ロリエスの修理が終わりかけた君らは?
シルバート:よしきた! さぁコール、追うぞーっ、追うんだーっ!!
GM:車建て直しや。
ハス:よっしゃ、いくぜみんなーっ!
(イルナ):ファイトーっ、いっぱーっ!
シルバート:ガガーーっ!!

   (一同爆笑)

GM:シートベルトぉーっ(笑)。
ハス:カチっと。安全かくにーん(笑)。
(イルナ):右よーし左よーし(笑)。
GM:運転手はやっぱりコール?
コール:うん。じゃ、エンジンスタートっカチっ、ガガガガ……
シルバート:とか言いつつ、押しかけな走らんかったりして(笑)。
GM:では勢いよく走り出したロリエス。やはりあのヤクルト博士が作っただけのことはあり、すぐに前を行く例の車に追いつく所まで来た、と思った瞬間、また知覚ロール。×1でやってみて。
コール:成功。
ハス:同じく。
GM:では、君らの野性の勘(笑)は、後方の煙りまみれの貨物車両から恐るべき殺気を感じるよ。
ハス:「後ろだーっ!!」って。
コール:「ふぅ、お前も感じたか(笑)」
ハス:そんなんゆーてる場合か(笑)。後ろがヤバイって!!
GM:その煙の中から、ピカっという一点の光と共に……
ハス:よけろぉぉーっ(笑絶叫)!!!
(イルナ):またハンドル飛ぶかもしれんな(笑)。
GM:コールは思ったよりまぬけな反応やったため、操作ロール×1でやってみて。
コール:……あぁー失敗ぃぃ。
GM:WOL使ってみる?
コール:じゃぁ……(ガシャン)……失敗(笑)。
GM:では、その飛んできた砲弾は、ロリエスの後部座席を吹き飛ばす。
シルバート:おああああっっっ!!し、しまったぁ(笑)!!
ハス:ドクター大丈夫かぁーっ!!
GM:(君も大して変わらん状況やと思うけど)その弾はズバリ、『第三期戦車砲弾』だ。
コール:何やそれー(泣笑)。
シルバート:何でもこいやーっ!!……それって新兵器(笑)?
GM:ダメージ6D10(笑)。ま、背面シートが盾になったということで、ダメージはその半分にしておこう。(編注:『6D10』とは、十面体ダイスを6個転がした合計値のこと)
ハス:半分でも痛いって(笑)。
GM:あ、それからシルバート、装甲力(編注:防御力)はある?
シルバート:コートが1点。
GM:1点!? こっちの徹甲力(編注:防御力を打ち消す力)は20やから(笑)、結局医者の防御力は0、直ダ(編注:直接ダメージ)やな。
シルバート:で、なんぼ?
GM:(ガシャン)……16発。
コール:「シ、シルバートさん大丈夫ですかーっ」(笑)。
ハス:「大丈夫かーっ!」(笑)。
シルバート:「なぁに大丈夫、頭の毛が数本抜けただけだーっ!」(笑)。
ハス:それが16発のダメージかぁ!?
(イルナ):精神的や。精神的にメチャメチャびびった、と(笑)。
GM:しかし、シルバートの頭をかすめたその流れ弾が、君らの前を走る車にぶち当たる。
シルバート:んじゃ血まみれやなぁ。
GM:てな訳で、前方で轟音が鳴り響き、爆風が君らの方にも吹きつけてくる。
ハス:「コール、止まれーっ」
コール:とりあえずキキーって止めて、シートベルトを外しながら(笑)、
ハス:助けに行くぞ。
GM:じゃあ立ちのぼる煙の中には、砲弾によって大きくえぐれた地面。そしてその側に、豪快にひっくり返っている車。かろうじて直撃は免れたみたいやね。さて、ここでまた知覚ロール×1やってみて。
ハス:05、成功。
コール:失敗。
シルバート:成功。
GM:まだ砂煙が立ちこめているせいでよく見えないが、ハスと医者は、運転手らしき人物が車の下敷きになっているのに気づくよ。
ハス:みんな手伝ってくれ。車起こそーぜ。それっ、ファイトーっ!
医者と浮浪者:いっぱーっ(笑)!!!(テ注:大正製薬のまわしもんか)



 
 
 

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