■ act 1-6 M'1949/04/18
〜町を覆う影〜
GM:外に出ているのはイルナだけやね。買い物かごをぶら下げながら、ポクポクと家路についている。
イルナ:ポクポク。
GM:そんな風にして街の喧噪に紛れていると……知覚ロール×2。
イルナ:(ガシャン)……成功。
GM:街のざわめきに混じってどこからともなく、ゴーン……ゴーン……という重苦しい音が響いてくる。
イルナ:はて、何かの音?
GM:そう。それは次第に大きくなってゆき……
イルナ:急いで家に帰る。ダッシュダーッシュダダダン!
GM:しかし、君は見てしまう。やがてその音が喧噪よりもはっきりと響き始めた時、君の目の前にいた男が突然空の一点を指さし、「あっ!」と大声をあげる。「な、なんだありぁーっ!」と叫ぶよ。
イルナ:上見る。
GM:飛行船やね。
(ハス):うひぃー、出たなっ!!
GM:それはとてつもなく巨大な飛行船で、ゴーン……ゴーン……という音をたてながら、あっという間に街の上空へとやってくる。巨大な影がレールスの街を覆うよ。
イルナ:もぉ、ダッシュで家へ逃げ帰る。
(ハス):俺はもう気づいてる?
GM:ちょいまち。じゃあイルナは走りながら道端の男がわめくのを聞いてしまう。「ヴァ、ヴァルモン軍だ! あの蛇の紋章は帝国軍だぁーっ!! 皆殺しにされるぞ! に、逃げろぉっ!!」 その声で辺りはたちまちにしてパニックとなってしまう。
(ハス):俺はまだ地下にこもってんねんな!?
GM:(こいつ、もぉ血が騒いでやがるな)さて、イルナは『もしもしチャペル』へ走っているわけやけど、哀れなことに、その騒ぎに巻き込まれてしまう。
イルナ:「ぎぁああああああー!!! どきゃーん!ドカバキベキバシィィッ!! あっ、こんな所にヴァルモン軍の密偵がぁ!! あぎぁああああああー!!!」
(一同爆笑)
GM:んなこと言ってる場合じぁない。上空に留まっていた飛行船から、背中に小さな気球をつけ黒一色で武装した兵士達が、次々と飛び降りてくる!
イルナ:ヒューッヒューッヒューッ!(テ注:降下音らしい)
(ハス):おいおいおいっ!! どーする!?
GM:それを目の当りにした街の人達は慌てふためき、辺りはますますパニックとなる。さぁイルナ、どーすんの?
イルナ:「どぉけぇぇーっ、ガキュンガキュンガキュン(笑)!!」 銃を乱射しながら家まで走ってくわ! ズギャャャャャン!!と、内股で(笑)。
(ハス):恐るべし(笑)。
GM:そんなイルナの上空で、今度は飛行船から、なんらかの機械を通してか、やたらと大きく高慢そうな女の声が、街中に響き渡る。「この街はまもなく、我々ヴァルモン帝国軍第六特殊部隊によって占領されることとなる。街の者達に告ぐ。無駄な抵抗は命取りとなる。各自宅にて待機し、我々のこれからの指示に従うこと。また、決して街の外へ出てはならない。街を包囲する兵がそれを見つけた場合、ただちに射殺することを命じている。なお今から半時間後、駅前広場にてある指令を出すことになる。この指令が街の住人全ての運命を左右すると考えてよいだろう。よって、街の責任者及び我々の勇姿を見たい者は、定刻通りに集まること。以上」やって。さて、その声を聞きながらも銃を乱射しつつようやく家にたどり着いたイルナ。汗びっしょりになりながらも買い物袋だけはちゃんと握っている(笑)。
イルナ:扉をバーン!と蹴りあけて、「聞いたでしょーーっ!!」(笑)。
GM:一階で薬品の整理をしていた医者と変質者。イルナを見て……
シルバート:(めちゃめちゃ平然と)「何かあったのかい?」
イルナ:こ……こいつ(笑)。
GM:彼らは全く気づいてないようだ(笑)。
ハス:俺は地下室でヤクルト博士とエンジンの取り替えをやってるところやねんな。新たなパーツを装備してボルトをしめている、と(笑)。
イルナ:じ、じゃあその地下室に駆け込んで「き、聞こえたわよねぇ!!?」(笑)。
ハス:やっぱり地下室なんでさっぱり(笑)。
イルナ:聞こえたわよねーーっ!!?
ハス:やっぱり<ピーッ>(テ注:この後約四秒間、プレイヤー及びマスターとおぼしき猿共によるわめき声や叫び声が入り交じり、形容しがたき不協和音が録音テープを占拠したため、文字として記すことが不可能となる……)
イルナ:うがぁーー(笑)!!
GM:うがぁーー(笑)!!はないやろ、うがぁーー!!は(笑)!
イルナ:ヴァルモン軍よ!!
シルバート:だからそれは今言うたや……
ハス:なんですかーー!!!ギャハハハハハハハハ!!!
(テ注:突然絶叫するハスブラートフ。この叫びによって再び全員のたがが吹き飛び再び……以下前記と同じ)
イルナ:ガキュンガキュンガキュン!!
(テ注:おそらく鉄砲の音)
ハス:ギァああぁーー!!
(テ注:おそらく鉄砲に撃たれたらしき叫び)
(ここのテープ起こしをしていた編者注:このシーンは何回聞いても大爆笑ものなんです。文章ではこんな風にしか伝えられないのが実に残念です)
イルナ:「ヴァルモン軍よ(笑)!」
GM:イルナの乱射した弾がロリエスのエンジンにブチ当たり、穴が開く(笑)。
ハス:「おぁぁーっ!!ロリエスがぁぁーっ!!急いでふさげぇぇーっ!!爆発するぞぉぉーっ!!」 イルナの買い物袋からニンジンを引っ張り出して、穴に突っ込むぞ!
イルナ:「ニ、ニンジンがぁー(笑)! ニンジンがぁー!! 高かったのにぃー」(笑)。
ハス:んなこと気にする事なく穴ふさぎに集中!
GM:と、そんな感じの地下室。一階で医者はほーけてるん?
イルナ:(おもむろに)晩ゴハン抜き。
一同:うひぃーーっ(笑)。
ハス:持っていたスパナをカランと落とし、全ての動作が停止する(笑)。
GM:そして地下室は静まり返る。
ハス:「そ、それだけわぁぁーっ!! それだけはやめて下さい! イルナさんお願いしますぅぅ!!」(テ注:哀願)
イルナ:「だから人の話聞けって」
ハス:(やれやれと)「それで一体、何があったんですか?」
イルナ:「ヴァルモン軍が攻めてきたのよ」
シルバート:「なんだってぇ!?」
ハス:「あ、あのヴァルモン軍が……」
GM:(こ、こいつら……めちゃめちゃわざとらしいなぁ(笑)。) ヤクルトも正気に戻ってイルナの話に耳を傾ける。「で、どういうことを言ってました?」
イルナ:え? 「う、うーん。とにかく……集まれって」(笑)。
(一同の冷たい視線)
は、ははははぁー……だって話聞いてなかってんもん。走るので精一杯やったの。
一同:なんじぁそりゃーーっ!!
ハス:広場に来いってことやろ。
イルナ:う、うん。
シルバート:(いかにも呆れた、って口調で)街を包囲してんねんやろ。
イルナ:え、ええ、逃げ…
ハス:出たら射殺されんねんやろ。
イルナ:そ、そう。
GM:(えーかげん話振ったらなあかんな)「じゃあコールさん、街の人にどういうことがあったのか聞いてきてはくれませんか」って博士が言うよ。
コール:(いきなり話を振られて)「わ、わわ、私がですか(笑)? あ、じゃあ行ってきましょう」 パパパ……(テ注:謎の擬音)
GM:単発狙撃銃忍ばせて(笑)?
コール:え、ええ!? 狙撃銃はおいて行きます。
イルナ:あれ、おいてくん? コートの中に……
コール:だ、だって、敵とみなされたらあかんやん?
GM:だからんなもんコートの中にしまってりゃえーやん。
コール:じ、じゃあしまっときます。
シルバート:コールのコートってそのためだけにあるんやろ(笑)?
コール:(やたら陽気に)じゃあ、行ってきまーす!! てくてくてく。
GM:君が外に出ると、そやね……おびえた様子の女の人とかがいてる。
コール:「ど、どうしたんですか?」
GM:と、コールが訪ねた途端、「キャーッ、痴漢ー!!」と、いきなり胸倉をつかまれ、顔面に往復ビンタ二十連発をくらったあげく、君はおもいっきりドブに投げ込まれてしまう(笑)。
コール:うひぃぃー。
ハス:家の窓からそれを見ていた私は、あ、あれじゃああかんわな。じゃあ俺が行ってきます、ってことで……
GM:ああ、それがいいかもな。じゃあハスが外へ出てみると、先ほどコールをいじめた女の人の他に、怯えた様子の中年オヤジも見かける。
ハス:「おじさんおじさん、一体何があったんですか?」
GM:(ここぞとばかりに)「かくかくしかじか」
(一同沈黙)
ハス:な、なるほどなぁ(笑)。
イルナ:痛いしっぺ返しってやつか(笑)?
ハス:は、はは。じゃあ家に帰ってきて…
シルバート:私は薬品棚をいじってる。
ハス:「ヤクルト博士、どうします?このまま明日出かけたら、間違いなく射殺されてしまいますよ!」
GM:「な、なんということだ……」
シルバート:「そういう問題じゃないと思いますがねぇ」
ハス:「とにかくヤバいですよ。もう周りも包囲されてますし」 窓から、ちらっと覗いてみる。
GM:ハスが外の様子を伺うと、街角にも既に、黒ずくめの兵士達が銃を手に立っているのが見える。
ハス:うひょ。あんな所にも!
シルバート:あ、あの娘さん名前何やった?
GM:アルテミス。
シルバート:そう、アルテミスさん。
ハス:そういや彼女はどうしてんの?
GM:ああ、彼女はもう窓とか磨きまくって…
イルナ:家はもうピカピカよ。
GM:そうそう、もうチャペル全体が目もくらむような輝きを放ち出し、一日前の薄汚れてどんよりとした雰囲気は微塵も感じられない(笑)。
イルナ:そこまで言う(笑)。
シルバート:ひとまずアルテミスさんの髪の毛が目立ちますので、薬品かなにかで染めちゃいましょう。
一同:おいおいおい(笑)。
GM(アルテミス) :「や、薬品はイヤですっ!」(笑)。
シルバート:「心配しなくてもいい。これは水かなにかで落ちますから……多分(笑)」
ハス:何色に染めるん?
シルバート:ひとまず目立たない黒色にでも……キュキュっと。
GM:あぁ、はいはい。じゃあアルテミスの赤髪は黒色に染められました。
コール:ははは……(笑)。
イルナ:洗ってあげるわゴシゴシゴシ!
GM:元の赤色に戻りました(笑)。で、ハスの聞いたところ、他には何か言ってなかった?
ハス:なんか広場に集まれとかなんとか……
GM:そうそう。30分後に駅前広場で帝国軍の勇姿をみせるらしい。
ハス:「あ、それからそこで街の運命を左右する命令とかが下るそうですが、みなさんどうします? 見に行ってみますか?」
イルナ:とにかくそのアルテミスさん? 彼女の顔がわからんようアラビアの衣装みたいなもので変装を……
ハス:怪しすぎるわ(笑)!
シルバート:そりゃ反対に目立つやろ。
ハス:彼女は家にいた方が……
GM:「そうですね。アルテミスには留守番をしてもらいましょう」と、ヤクルト博士。
イルナ:じゃ、私もいる。
ハス:あんたは来なさい。
シルバート:しかし彼女一人じゃマズいでしう。他に誰が残ります?
GM:「じゃあ私が残りましょう」
ハス:「ヤクルトさん、頼みます」
GM:「ユティートも一緒にいてくれることだし、大丈夫でしょう」
シルバート:「いざというときは、飛行機(デュート=リグのこと)で逃げて下さいよ」
GM:「あ、量産機はもう貨物車両に積込みましたので、ここにはないんです」
シルバート:「オリジナルは?」
GM:「ああ、ありますあります。いざとなれば、緊急発進しますか」(笑)。家の屋根がドーム状にキュイーンと開いて……
イルナ:♪ワンダバダバ、ワンダバダバ……(テ注:謎のテーマソング。サソダーバード?)
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