■ act 1-7 M'1949/04/18
〜仇敵出現〜
GM:とか言ってるうちに30分があっという間に過ぎる。さて、夕焼けが夕闇に変わり始める頃、駅前にやってきた君ら。広場にはかなりの人だかりができている。野次馬もかなりいてる。
シルバート:全部野次馬ちゃうん(笑)?
GM:街の責任者もいてる。でもまぁ、街角にかなりの兵士が見張っているのにもかかわらず、やっぱり野次馬どもも多い。さて、駅の上空には巨大飛行船が、低い音を立てながら浮上している。機体の各所に明かりが灯されたらしく、空が暗くなるにつれやたらと目立ち始める。で、しばらくすると、再び例の高慢な女の声が響き渡る。「では、帝国軍第六特殊部隊、首脳部の登場とまいりましょうか」 その声と同時に、飛行船から何か巨大なものが飛び出してくる。
ハス:何だぁーっ!?
GM:戦車や。空中でガバッとパラシュートを広げながら、駅前広場に着地するわ。
ハス:口シア軍やないんやから(笑)。
GM:空挺戦車ってやつ。で、その戦車に被さったパラシュートの中心がザクッと裂け、中から剣が飛び出てくる(笑)。そしてそこから、黒い鎧をまとった見るからに狂暴そうな女。黒皮グローブ、ジャンパー、ブーツの三点セットのうえに、怪しげなサングラスをかけ連発銃を両手に構えた男。そして、異様な程巨大な黒騎士。最後に黒衣をまとった物静かな男が現れる。ま、イラスト描いたから見てや。
(一同爆笑)
(編注:そこには、昔の彼らのキャラクター達の変わり果てた姿が描かれていました)
GM:その集団の中の女が、片手に持っていた拡声器を通してしゃべりだす。「まずは我々のボス、カイス准将!」 でかい黒騎士が、選挙運動でもしてるかのように無造作に手を振る。「続いて兵器気違い、レイ大佐」 ズババババ!と、おもむろに連発銃を乱射!! 街の人々はビビリまくる。「続いては第六特殊部隊のブレイン、フンディング中佐」
コール:なっ、なにぃ!?
GM:……黙ったまま、反応なし。「そしてあたし、部隊No.1の美貌の女剣士、ガリューダ大佐よ! オーッホッホッホ!!」と高笑い。隣のレイ大佐が一言、「うちの部隊に女らしい奴あぁ、一人しかいねーよ!」「キーッ!」と叫びいきなり切りつけるガリューダ大佐。銃で迎撃するレイ大佐。戦車の上で睨み合う二匹! 後ろに控えていたフンディング中佐が拡声器を拾い上げ、二匹よりも前に進み出て、呆気にとられている住人達に向かい、やたら鋭い目つきで話し出す。
「茶番はここまでだ。さっそくお前達に指令を出す。明日、19日風曜日の午前5時までに、この街にいる全ての赤髪の女をこの場所に連れて来い。我々ヴァルモン軍第六特殊部隊が危険を犯してまで敵国の、しかもこんな辺境の街までやってきたのは全て、ある女を手にする為だからだ。確かな情報により、その女が間違いなくこの街にいることがわかった。それ故、明日集まった赤髪の女達の中に目的の女がいれば、我々は直ちにこの街を去るだろう。しかし、もしその女がいなければ、この街の者達が我々の命令に逆らったとみなし、街の住人全ての命がなくなるものと思え! 恨むのならその女、もしくはその女をかくまった者達を恨むのだな! 以上」 それを聞いた人々は皆恐怖におののき、それ以上に互いを疑わしそうに見ながら、家へと帰っていく。
ハス:な、なんなんだ、きゃつらわ(笑)。
GM:さて、コールはもう呆然として…
コール:怒りのオーラで包まれている!!
ハス:「なっ、なぜコールは燃えているんですか? ドクターっ!!」
シルバート:「知らん」
コール:「その男をキッと睨む」
イルナ:(コールを相手にせず) なんしか目立たんように、人込みに紛れて帰っていくよ。
コール:(イルナを相手にせず) 睨みながら前へ突き進む(笑)!
ハス:こいつの首根っこをひっつかんで、後ろへ引きずっていくぞ(笑)。
コール:やっ、やめろ兄弟!!
ハス:だまれ!俺はお前の兄弟じゃねぇーーっ!!(テ注:心の雄叫び)
GM:必死に抵抗するコールを無理やり引きずりながら君らが家に着くと、もう夜やね。星が綺麗に瞬いている。家に入ってみるとアルテミスは体調がまだ本調子ではないようなので、もう二階で寝てるよ。君らは用意されていた晩ご飯を食べてると。
イルナ:とりあえずヤクルト博士に今までのことを話すわ。
GM:「いやぁ、とんでもないことになりましたね。敵も思った以上に素早く行動したものです」
コール:「ということは、捕まってしまったのでしょうか? アルテミスさんの親父さんは……」
GM:「……いや。奴らがこんな脅迫じみたことをしてきたということを考えれば、クラーゼ博士はまだ捕まっていない、ということではないでしょうか? もし博士が捕まっていれば、奴らはきっと博士を人質に、博士と縁のあった私のいるこの家まで直接来ていたはずです」
ハス:『博士の命が惜しければ……』ってやつやな。
GM:ま、そんな感じ。で、君らがしばらくそんな話をしていると、コンコン、とドアをノックする音が聞こえる。
イルナ:覗き窓からちらっと覗く……。
GM:……(疑惑のまなざし)……
イルナ:あんねん(笑)。こないだ作ったんやって。だからぁ(テ注:と、ダダをこね始める社怪人)
GM:わかったわかった(笑)。イルナがその覗き窓から外を見てみると、どうやら向かいの家のおばちゃんみたいやね。
ハス:イルナさん、お願いします。
イルナ:じゃ、ドアを開けて「はい、なにか……」と。
GM(おばちゃん) :「あ、イルナさん。この家に赤い髪の娘さんがいませんでしたか? 私、今朝ちらっと見かけたような気がしたんですけどねぇ」
イルナ:「な、なにかの見間違いですわ、オホホホホ(笑)」
GM:「そうですかぁ……?」
イルナ:「あ、実はそれ、私なんです。ちょっとコスプレしようと思って(笑)」
GM:(な、なんて言い訳や)「まぁ、お互い正直になりましょうね」とか、イルナを疑わしげに見ながらも、おばちゃんは帰っていく。
イルナ:(ガラリと声を変え)「ちっ、ババァめ!」
(一同爆笑)
イルナ:「ここが見つかるのも時間の問題ですわ」
ハス:「ドクター、どうします?」
シルバート:「なんにせよ、アルテミスさんを引き渡すわけにはいかないな」
ハス:あ、そういや車は?
GM:ロリエス? さっき銃に撃たれとったやん(笑)。
ハス:じゃあ、そいつをいつでも発進できるように整備しとくわ。「俺、地下室に行きますんで、あとはお願いします」
イルナ:コウサくんの方がいいんとちゃう(笑)? 頑丈やで。
ハス:でもあれ遅いで。
イルナ:でもカッチョいい。あ、ほんならコウサくんにローリーエースのエンジンを…
GM:ロリエス!! 伸ばすなよ。それに、んなことしてる時間もないぜ。じゃあ、ハスは地下室へ降りていき、それにヤクルト博士はアルテミスの様子を見て来ると言って、二階へ上がってくわ。さて、一階にいてるイルナ、シルバート、コールの三人、どうする?
コール:じゃ、私はオペラグラス片手に、夜空を見ときます。
一同:おいおい(笑)。
コール:いや、街の状況などをトイレの中で酒を飲みながら(笑)。
シルバート:こんな時に酒を飲むんじゃない(笑)。
GM:イルナとシルバートはどうすんの?
イルナ:「さてどうしましょ、ドクター」
シルバート:「やはりここは、逃げて逃げて逃げまくる我々を追ってもらうしかないでしょう」
GM:陽動作戦というやつか?
(ハス):ということは、その間にアルテミスさんを逃がす、ってやつですか。
GM:とかいって逃げ切った君らが帰ってくると、街ごと消滅してたりして(笑)。
イルナ:そりゃマズいわ、私の家が(笑)。
GM:さて、君らがそんな話をしていると、またノックする音が聞こえるよ。ゴンゴン!
イルナ:覗き窓からちらっ。
GM:と、するよりも速く、いきなりドアが開けられる。夕方広場に行ってたからわかるよ。黒鎧に黒マント姿のガリューダ大佐や。部下を一人もつけずズカズカ広間に押し入ってきて、ドカッと椅子に腰を下ろす。
イルナ:「なんですかあなたは!人の家に勝手に上がりこむなんて、なんて無礼な!」
GM:ガリューダが言う。「ケッ、いるんだろ。この古くさい家に」と、無茶苦茶エラそうに言う。さて、ハスは地下、ヤクルトは二階、そしてコールは便所で飲酒中(笑)。ここにいてるのは、イルナとシルバートだけやね。
シルバート:「何がいると言うんですか」
GM:「あぁ?しらばっくれんじゃないよ。女だ、女」
イルナ:「私ですか?」
GM:「お前……女だったのか?」
イルナ:「あなたよりはマシですわ」
GM:「キーッ!!」 ドガッ!と剣を一振り。テーブルが真っ二つにちぎれ飛ぶ(笑)。
イルナ:「まぁ、そのテーブルは5金貨もしたのにぃ……」(編注:大ウソ)
GM:「あたしは平和主義者でね。(編注:大ウソ) 出来るだけ穏やかにすませたいんだよ。もちろんタダでとは言わないよ。ほら、これでどーだ」と、金の入った袋を医者に投げてよこす。
ハス:その音を聞きつけて上がってくぞ(笑)。
GM:じゃあ君が階段を駆け上がると、そこには真っ二つにカチ割られたテーブルと昼間見た狂暴女、そしてそいつと対峙しているイルナとシルバートが見える。
イルナ:「なんの真似ですの、これは」
GM:「金貨だよ。金貨。それでどうだ?」
シルバート:(階段を駆け上がり、ひょっこり現れたハスには全く気づかず)「ここには私達以外、誰もいませんよ」
GM:「ま、そう言わず中身を見てみろよ。気が変わるからさ」
シルバート:フッ。ポイッと後ろの窓に投げ捨てる。
ハス:パシッ。中を見る(笑)。「おおぅ!! こ、これわっ!」 数枚ポケットに潜ませよう(笑)。
シルバート:「ハス君、何をやっている! せっかくカッコよく決めたのに」(笑)。
ハス:「(めっちゃ口惜しそうに)わかりました……捨てますよ」(笑)。
GM:「我慢するな。人間なんてものは金に弱いものなんだ。それでも足りないというのなら、もう一袋出すぞ。ほれ」
シルバート:(編注:このあたりからシルバートの口調が変になり、自分に酔いしれ始めます)「いくら私でも、人を作り出すなんてことは出来ませんよ」 ポイッと投げる。
GM:(ハスに) また飛んできたよ(笑)。
シルバート:「私に人造人間を作って欲しければ、あと十年待ってください」
──誰もそんなこと頼んじゃいない。
GM:いきなり何を言い出す(笑)。「どうしても嫌なのか?」
イルナ:「嫌かと言われても、この家には私達しかいないんですってば」
シルバート:「人造人間を作り出す為には、あと十年の歳月と充実した設備。そして莫大な費用及び、それらを提供してくれるスポンサーが…」
GM:(かなりヤバい目つきになってきた医者に)何をブツブツ言うとる(笑)。ではガリューダ大佐が呟く。「やれやれ。もういい頃かな、時間稼ぎは……」と、言った途端、二階からガラスの割れる音と、本日二度目のアルテミスの悲鳴が聞こえる。
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